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ドリームでなくファンタジー
 皆さん、新年明けましておめでとうございます!いやあ、何だか知らない間に2008年になちゃった、という感じも無きにしもあらずですが、マラソンで言えばみんな横一列に並んで「位置について、ヨーイ、スタート!」と一緒に号砲を聞いた訳ですので、それぞれのペースで今年一年を走り切ろうではありませんか!時間だけは全ての人に平等に与えられている訳ですから、ノンベンダラリと過ごしては勿体無いです。

 今日は午前零時過ぎに初詣に出かけて、帰ってきてから風呂に入って皆さんから届くお年賀メールに返事を出していたら結局朝になってしまいました。まあ偶にはこういう事もよかろうと思いながら布団に入って2時間もしないうちに叩き起こされて家に届いた膨大な量の年賀状のチェックと返事書き。1時間ほどで終わってヤレヤレと思っていると「じゃあ出かけるからついてきて」と厳命され運転手を務めることに。親戚関係の挨拶回りを終えて近場のショッピングセンターへ連れていかれました。

 しかし正月朔日から凄い人です!我が家のターゲットはズバリ「福袋」。何が面白くて中味も分からないのにこれほど燃えるのか全く見当が付きませんが気がつけば1,2,3,4,5,6・・・7個も買ってご満悦の様子。日頃から此方を冷ややかな目で見て「どうしてそう何台も真空管アンプばっかり増えるわけ?」と言う家人ですが、今日こそは反撃のチャンスだったものの、敢え無く荷物持ちと化してしまいました。

 その後、会社へ寄ってみたら皆さんから沢山のお年賀を頂きまして本当に有難うございます。皆さん自分のリスニングルームの写真やお気に入りのアンプの写真付の年賀状で新年早々良い気分で拝見させていただいております。
 「ますます真空管アンプブームが広がると良いですね」というようなコメントを書いて下さった方も何人かいらっしゃいます。勿論私どもも微力ながらこの素晴らしい趣味を一人でも多くの方にお伝えしたいと日夜奮闘している訳ですが、実際どうかと言うと必ずしも順風満帆とはいきません。確かに昨今マスコミなどで時折「今、真空管が熱い」みたいな取り上げ方をされて認知度は確かに上がっていると思います。事実、「真空管アンプっていまブームらしいね。上手く時流に乗ったね」みたいな言い方をされる事もありますが、じゃあ本当に市場(パイ)がその通り大きくなっているかというと私のあくまで皮膚感覚ですが、少しづつ少しづつ市場はシュリンクしていると思います。一番元気が良い、「これは何か起こるんじゃないか?」と思ったのは一昨年あたり・・・2005年頃は確かに「団塊の世代」の走りの皆さん・・・所得も多くアンテナも高めの客層が一気に増えた実感があったのは事実です。しかし2007年GW以降、その流れは一旦切れたと言われています。秋葉の有名店界隈でもGW以降流れが変わった、というお話も聞きますしメーカ筋,代理店筋でも著変はないが、どうも手応えが感じられない、と何度も聞いています。その頃からでしょうか・・・「2009年ブラックホール」説が出始めたのは。団塊の世代の諸先輩の皆さんが一気に卒業された後、この業界はどうなる?・・・という危惧が生み出した亡霊です。何もしないで待っているだけだからそんな亡霊に付きまとわれるのです。

 今日、ゴッタ返すショッピングセンターのなかで福袋に群がる人たちを眺めていて、ふと「この人たちは"何が入っているんだろう?"という夢を買っているに違いない」と思いました。実際ウチでも家に持ち帰ってビリビリと袋を破っている時の家人の嬉しそうなこと。オーディオ業界にもし欠けているものがあるとしたら、この「夢」の部分なんだろうと思います。夢といっても「ドリーム」とはちょっと違う。自分が買えっこない何百万もする機器を見て「はぁ」と溜息をつくのが「夢」ではないはず。自分がちょっと頑張れば買える、そのアンプやSPがどんな音を聴かせてくれるのだろう・・・と売る方も買う方もゾクゾクしちゃうような気持ち・・・ドリームでなく「ファンタジー」と言っても良いでしょう、そういうものをプレゼン出来るメーカやショップが減っているのは事実です。もし本当にこの市場がいま縮小傾向にあるのだとすれば、そのファンタジーを呈示する力がなくなっているからではないかと思うのです。
 
 私どもはドリームメーカーにはなれないかもしれません。でも何時も皆さんと一緒にオーディオのファンタジーを追いかけていたい、と思っています。おかげさまで2007年は前年比で2割以上の出荷台数アップとなりました。もしこれが評価に値するとするならば、製品だけでないプラスアルファの興奮と歓びを皆さんと共有できたからかもしれません。福袋精神に大いに学べ・・・今日は本当にそう思いました。


ところで暮れも押し迫った先月29日のこと。日野市のF原邸にオートグラフを納品にお邪魔したお話を日記で書きました。残念ながら階段を通ることが出来ず、後日改めて外から搬入、ということで当日は泪をのんだ訳ですが、今日そのF原さんから「無事上がったよ」というメールを頂きました。とても嬉しくて皆さんにもそのドキュメンタリを少しお伝えしたいと思います(コメントは私は書いたものです)。


先ず玄関ホールからオートグラフを外へ。リスニングスームの真下へ移動。


次に養生して治具をにしっかりと固定します。


脚立をガイドにして上からエッサ,エッサと引っ張り上げるのです。経験のある人なら分かると思いますが100キロ近い箱物をロープで引く大変さは口では言い表せません。


おっと窓まで来ました。ここから最後の大勝負。部屋の中に引っ張り込むのが大変なのです。素人には中々出来る芸当ではありません。

 写真で見る限り、この人たちの段取りと手際の良さはまさに職人。プロの仕事です。F原さんによればトータル30分で終わってしまったと言いますから脱帽です。下手に29日無理やり階段ルートで上げなくてよかったです。


これが設置初日の風景。キット屋日野ショールームと言っても良いF原さんの機器でオートグラフに一番合うのはサテ何でしょう?今度ゆっくりお邪魔させて頂きたいと思っています。

 F原さんのコメントです。

長年憧れの対象でしかなかったオートグラフ。それが今自分の
目の前にあって、大好きなブルックナーを歌っている。なんだか
もの凄く奇妙な感じがしました。いつかは必ず手に入れたい、
と思いつつもそんなの無理だよ、と思っている自分がいたから
なんですね。


これぞまさにオーディオの夢。F原さんのファンタジーです。こういう仕事をしていて一番嬉しいのは「出来る訳ないと思っていたアンプが出来た!」,「夢にまでみた真空管アンプが自分の目の前にある!」というお話です。自分の夢を現実のものに出来る歓び。何てオーディオって素晴らしいんだろう・・・皆さんもそう思いませんか?

 



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