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2008,01,09, Wednesday
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皆さん、こんばんは。今日は最近のSP事情についてご紹介したいと思います。全体的な市場動向を定量的に把握している訳ではありませんし、各メーカの品番別出荷台数を承知している訳でもありません。でも間違いなく、ごく最近の店頭における消費トレンド並びにオーディオファン、なかんずく真空管アンプユーザの共通の動きとして「中型フロアSPの復権」という大きな流れが出来つつあることを皆さんはお気づきでしょうか。
ここ数年(いやもっとですね)、重厚長大といわれる球アンプの世界にもダウンサイジングの流れが来て、球アンプ+ブックシェルフSPという組合せが随分と一般的になりました。それば長ずるに及んで「PCオーディオ」なる新しい動きとリンクし、パソコンを中核としたデスクトップオーディオに好んで(小型の)真空管アンプが使われるようになったりiPODを音源として真空管アンプを使う客層も現われて、俄かにオーディオにおけるメディアミックスが起こったのは記憶に新しいところです。 それが昨年に入ってから・・・特に後半に入って顕在化してきたのですが、小型化の流れに歯止めが掛かり、再び大型化・・・フロアタイプの中型SPの動きが活発になってきています。これが一体何を意味するのかは私には分かりません。今まで常套的に使われてきた「いやあ、部屋が狭くてねえ、大きいSP欲しくても入らないんだよ」という状況に何の変化があった訳ではありません。日本人の家庭環境がそんなに急激に変わったとは思えませんし。ただここへ来て私どもでもVP-3488SE や3000SEという大型のPPアンプの出荷台数が急激な伸びを示すなかで「折角なのでSPも思い切ってグレードアップすることにしました」という方が明らかに増えていますし、市場的にも昨年暮れにJBLから出た4307が非常に好調だったり、中古の世界ではStirling/HEが取り合いに近い状況だったりJBLの4312あたりが急に品薄になったり、また全体にタンノイの中古が上げ相場だったりとかで何だか急に真空管アンプを取り巻くマインドやトレンドが変曲点を迎えているのは事実です。多分メディアも近々これに気付いて雑誌あたりで「中型フロアSPがいま熱い」みたいな特集を組んでくるのではないでしょうか。確かに8/10/12cmクラスのフルレンジSPや小型2ウェイには独特の美意識や世界感があり私も大好きですが、やはりこのミニマリズム的嗜好とは別に大きなSPでスケール感たっぷりに音楽を聴く歓びを否定できるものではありませんから、少々何かをバーターしてもオーディオをそれなりの装置でそれなりの規模で楽しもう、という方が増えることは私ども業界側にとっても大変嬉しいことです。逆に言えばブックシェルフがややマニアックになり過ぎて価格的に上昇し、「それだったら思い切ってフロア型にしてみよう」という転向組が出ていることも否定できませんね。いずれにしても非常に興味深い現象ですので、今後を見守っていきたいと思っています。 そんななか、今わたしどもの試聴室にタンノイのGRFメモリーが居候しています。これは暮れにオートグラフをお納めしてきたF原さんからお預かりしてきたものですが、これが鳴らしてみると実に良いんですよねえ!もう堪りません。StirlingをヴァイオリンとするならGRFは極上のヴィオラとでも表現しましょうか。以前からタンノイで一番鳴らしやすく中庸のバランスを行くのはエジンバラとGRFだと言われてきました。まさにその通り、今日は以前にもご紹介させて頂いたかもしれないムローヴァ(Vn)のバッハ/ヴァイオリンソナタ全集などは音色の美しさ,音像の彫琢,定位の明快さ等においてベストと言えるものです。Stirlingはもう少し拡散した外向きの音場型の表現ですがGRFはオートグラフ的な重厚感とStirling的な小気味良さの両方を兼ね備えている素晴らしいSPといえるでしょう。 実のところ、このGRFはF原さんに代わって買い取り業者に売って差し上げようと思っていたのですが、余りに安いその下取り代金の辟易して「だったらこれをウチでGRFに見合う価格で買い取らせていただいて、本当に気に入って頂ける方にお値打ちにお分けしようじゃないか」という風に考え直したという訳。私も欲しい!リビングに置いて毎日こんな良い音で音楽を聴きながら新聞読んだりコーヒー飲んだり食事したらどんなに幸せだろう・・・みたいな。そんな夢を与えてくれるGRF。ひょっとしてここ最近の中型SPの勃興もこんなオーディオファンの共通の夢が齎した結果なのかもしれません。 ![]() 中型というより大型SPですね。でもGRF・・・実に素晴らしい!中古屋さんに訊くと「相場は40万。GRFは売れ筋で残った試しがないし玉が無いので欲しいですねえ」とのこと。だったらちゃんと適正価格で買い取れよ!なんて(笑)。私どもはこれで儲けようとは思っておりませんので本当に欲しい、ご自身で大切に使っていただける方にお分けしようと思っています。 そんな訳で今日は俄かに起こりつつあるSPの大型化のお話でした。ここ数年アナログの復活や今回のSPの件も含めて、ひょっとしたら流れが今後変わってくるかもしれないですね。 |
