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2008,01,12, Saturday
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皆さん、こんばんは。今日は佐藤氏と一緒にJBL4344('80年代初め頃の品)のウーハの引き取りに伺ってきました。この世代の4344のウーハは2235Hで所謂ウレタンエッジですから製造後10年くらいから本来の弾性が失われ、15年くらいで加水分解が始まり、次第にエッジにクラックが入ってくるものです。環境や使用条件で状況はさまざまですがウレタンエッジである以上、必ずこの状況は訪れます。皆さんも偶にはフロントバッフルを外してみて状態を確認してみましょう。既にクラックが入っている場合は勿論として、エッジを軽く指で押してみて返りが妙に遅かったりベタっとする感じがあるなら要注意。外観上異常がなくても指で触るとボロボロ・・・と朽ちたエッジが崩れ落ちる場合もあります。あとウーハの場合は振動板のピストンモーションが大きいのでエッジ不良も見つけ易いですが、スコーカなど口径が小さく低域信号がネットワークでカットされた条件で使われている場合は見た目なんともなくてもエッジはとうの昔にご臨終、という場合も少なくありませんので十分ご注意下さい。
心配を煽るような事を書いてしまいましたが、今はエッジ修理用のキットも販売されていますし、修理業者さんもいらっしゃいます。また旧いユニットでも輸入元がちゃんと直してくれるケースも多いので結論から言うと「案ずるより産むが易し」・・・ウレタンエッジは車のタイヤと同じと割り切って交換してもらいましょう。「おれのSPはこんな良い音だったんだ」という事になると思います。 目を転じて私たちが使っている真空管アンプの場合はどうでしょう。5年,10年,15年・・・使っていて特に異常はない、でも自分が気付かない間に劣化が進んでいるのではないか?・・・真空管は大丈夫なのか?・・・そう考えると気が気ではありませんね。私どもに「真空管の寿命は?」とお訊きになられる多くの方がそういったご心配をされての事と想像しております。 真空管アンプもウレタンエッジほど明示的ではないにしても長いスパンでみれば交換した方が良いと思われる部品は幾つかあります。実は真空管アンプで一番劣化が早いのはケミコン(電解コンデンサ)なのです。電解コンデンサは大体製造後15年くらいで大体容量が抜けているものですし、容量抜けを起こしたケミコンによって知らず知らずのうちにアンプのノイズが増えていたり音が曇っていたりというケースが少なくありません。これはある日突然起こるのではなく、人間の加齢と同じで少しづつ少しづつ進んでいくので中々気付きません。ある日15年前の自分の写真を見て「俺って・・・」と初めて気付く、そのような感じに似ているかもしれません。今は忙しくて全然やっていませんが数年前までは旧いアンプのメンテナンスをやらせて頂いていた頃があります。勿論いろいろな症状があった訳ですが電気的には先ずケミコンの全交換、これが一番手っ取り早く、効果もあがるオーバーホールです。あと機構部品(セレクタやVOL)の接点が劣化してガリガリいったり、抵抗が劣化して抵抗値が上がっていたりすることもありますが球そのものが劣化しているケースは決して多くはないのです。 真空管の寿命については過去何度かこの日記でも触れています。一番寿命が短いのが整流管で5000時間,次に出力管で10000時間,電圧増幅管はそれ以上、と聞いたこともありますし、整流管10000時間,出力管20000時間という説もあるようです。実際のところ一概に「***時間」といえるようなものではありません。人間の寿命と同じで個体差もありますし環境にも大きく左右されるものです。それぞれの真空管に定められている「最大定格」の80%以下の負荷で設計されているアンプであれば、通常は極めて長いものであると言えます。実際私自身、稀に起こる不幸なトラブルを除き、真空管を寿命まで使い切った経験は殆どありません。一つの目安としては真空管の外壁に吹き付けられている「ゲッタ」と呼ばれる鏡状の塗布物が概ね消失した段階で交換を検討されれば宜しいと思います。あと明らかに左右音量が違って真空管を右左入れ替えるとアンバランスも連れ回るということであれば「エミ減」・・・プレート電流特性の劣化が起こっているかもしれません。これは外観的に判別出来ませんから厄介ですがテスターがあれば電気的にエミ減かどうかは確認可能ですので1年に1度くらいは調べてみても良いですね。 今日はSPと真空管アンプのメンテナンスの目安のほんの一部を紹介させて頂きました。勘違いしてはいけないのはオーディオ機器,特にアンプは「使わないのが一番寿命を短くする」こと。先ほど申し上げたケミコンでは電荷がカラッポになるのが一番寿命的に不利ですので、音楽を聴く暇がなくてもちょっとの間電源を入れるだけでも全然結果が変わってくるものです。何でもそうですが手を掛け愛情を注いだものほど長持ちすることを覚えておいて下さい。 今日、家に帰って来てから暫くしてから急にお腹が痛くなって「ひょっとして食あたりか?」という程苦しい思いをしましたが、どうやら今年特有の胃腸風邪の現象らしいですね。何も食べられなくてゲッソリです。皆さんもどうぞお気をつけ下さい。 |