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仕様書、それはイメージ工程
 皆さん、こんばんは。今は久々(といっても4日程度ですが)に自分の部屋でアンプに灯を入れて静かに音楽を聴いています。とても落ち着いて充足した時間・・・真空管アンプで自分の好きなCDを愉しむこの心地よさは、やはり代え難いのです。今日はSV-310+SV-91Bでオートグラフ。ソースはラフマニノフのPコン。指揮はハイティンク,オケはアムステルダム・コンセルトヘボウ,ピアノはアシュケナージです。


この響きの重厚さ,内向きのタッチ、柔らかく煌くピアノ・・・もう何もいう事はありません。ただただ音楽に浸る。「本を耽読する」なんていう事がありますが、まさに音に耽る(ふける)感覚で心がどんどん鎮まるようです。イギリス系SPと本当に良く合うソースの一つとしてご紹介させて頂きました。

 このCDを聴きながら何をやっていたかと言いますと今年の新製品の仕様書。仕様書と言いましてもまだ電気的にどう、回路的にどう・・・という段階以前の製品イメージや求める機能を思いつくがまま書き出している、その段階ですがここで方向を見誤りますと決して良い製品は出来ませんので書いては消し、書いては消しを繰り返しながら自分の考えを整理するという云わば「イメージ工程」のようなものです。

 まだ具体的には何も決まっていませんし何処のメーカーさんと協業するかも決まっていませんが、出来れば今年は新しいD/Aコンバータに挑戦できないかと思っています。ひょっとしたら開発に1年以上掛かるかもしれません。それでもmodel2で真空管バッファ付D/Aコンバータという製品カテゴリをしっかり皆さんに認知頂いて望外のご支持を頂きました。私も自宅で永く使っておりますが実際何の不満もありません。その一方で皆さんからmodel2の上位機種を要望される声が以前からあったのも事実です。或いはこれよりも上の世界があるのではないか、もしあるなら是非聴いてみたい・・・そんな気持ちかもしれませんね。
 model2の音質にはひとかたならぬ愛着と誇りを持っています。これだけの機能と音質をこの価格で安定的(とは言っても1年の半分以上は売り切れ状態ですが)にご提供出来たのは僥倖としか言いようがありませんが、ここにもコストアップの高い波が押し寄せ今のキット59800円を守るのが極めて難しい状況となってきています。メーカからも幾度となく悲鳴が聞こえてくる中で、最大限譲歩できるところまで仕入れ価格を上げても販売価格は守ってきましたが、愈々限界というところまで来つつあるようです。近々何らかの決断をしなければならないのですが、一方で新しい取組みをここでするにも良い事だろうと思っている訳です。

 皆さんがD/Aコンバータに求められる機能とは一体なんでしょう。勿論デジタルデータをアナログ信号に変換する機構である訳ですが、もしですよ・・・私が新しい製品にチャレンジするとしたらこんな機能が欲しいなあ、というのをざっと書き出してみました。ひとことで言うと「D/D-D/Aコンバータ」です。つまりアップサンプリング機能・・・通常CDは44.1k/16bitで量子化されている訳ですが、これを例えば96k/24bitまでサンプリングレートを上げたら音がどう変化するか・・・これは多くの方がご興味を持たれるところでありましょう。そしてもし出来ればアップサンプリング後のデータをそのままD/Aコンバータに送ってしまうのではなくてデジタルアウトをここで設ければ、例えばmodel2にアップサンプリング後のデータを入力することで基本的な音調を変えずに高品位化することも可能になります。
 次にデジタル入力については出来ればセレクタで切り替えられるようにしたいものです。オプティカル(光),同軸(RCA)を例えば2系統づつ入力に設けて切り替えられるようにすればそのままデジタルセレクタとしても機能します。CDだけではなくトータルとしてのデジタル音源の音質向上に寄与出来たらいいなあ、と思いませんか。D/Aコンバータ部分では新しいチップを使い現在求め得る最高の音を狙ってみたいと思うのは当然ですね。そして肝心な真空管バッファ部。これについてはmodel2で実績のある無帰還構成のCR2次のローパスフィルタ,カソードフォロワで信号を送り出すバッファ部、更にDAC ICの出力からカソードフォロワ部までは直結というフィロソフィをそのまま活かして6DJ8系の球を使うか、全く別の考えで行くかは今後の課題ですが、音調を揃えるという意味では大きくは変えない方が良いかもしれませんね。

 そう、つまりはD/Dコンバータ+ハイレゾリューションD/Aコンバータ+真空管バッファの三部構成を一筺体に納める・・・そんなイメージである訳ですが、なかなかイメージとしては良いと思われませんか?これが実際相手を見つけて色々と協議し、設計し、試作し、修正する中でどんどん変わって行く訳でその過程を見守るのも実に興味深いものです。何とか志(こころざし)高く挑戦してみたいテーマであります。

 一方、乗鞍では村瀬さんが早くも始動している様子。先週お伺いした時に承認した図面で「樽バックロード」の型見本(素材は加工の容易な米松を使用)が出来たとのこと。ユニットはもうじき発売開始のPARCの10cmウッドコーンです。まだ私は音を聴いていませんが村瀬さんの興奮気味のメールから、かなり面白いものが出来そうな予感がヒシヒシと伝わってきます。

本日、ロードサイズ評価用(米松板でばらして内部ロードの長さを
変更できるようにした仮組箱)を作り、10センチウッドコーンを付けて
試聴しました。メチャメチャいい音が出ます。
先日お持ちした、バスレフの試作品をはるかに越える雄大で晴れやかな
音!これは、すごく良いシステムになりますよ!


とのこと。これは来月下旬の試作評価が益々楽しみになってきました!



・・・とまあ、こんな感じで今の時期は私たちは「夢追い人」になっていろいろと考えているもの。しっかり時間をかけてジックリ熟成させてから皆さんの前にお目見えさせてあげたいと考えています。明日は何の仕様書を書こうかな・・・とても楽しいひと時です。

 



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