|
2010,03,08, Monday
|
|
皆さん、こんばんは。昨日の夜は浦島状態でありましたがメールの方はようやく追いついてきました。今週は週末を含め予定がびっしりで試聴のご予約も沢山入っておりますし、他にも雑誌の取材対応などもあって非常にバタバタしております。本当は今週東京へ出て試聴会の場所を決めてしまおうと思ったのですが、来週に持ち越しになりそうです。
雑誌で思い出しましたが、次号の"管球王国"(4月下旬発売)ではSV-310EQカーカイブ,SV-4アーカイブ,VP-2500SE(B),Y-25の掲載が予定されていますのでどんな展開になるか楽しみにしているのですが、雑誌の取材でいつも気になるのが試聴時に接続される他の機器が何か、ということです。これが事前に私どもに開示されたことは今まで殆どなく、この業界では当たり前の事なのかしれませんが、私には非常に大きな違和感があります。 ファッションの世界ではスタイリストというカテゴリの職業が確立しています。つまり洋服のコーディネート(組み合わせ)を職業とする人たちです。まずメディア側の取材意図を理解し、そのイメージをアパレルメーカに伝えます。その協議の過程でメーカの広報が「じゃあこのジャケットを使ってみて下さい」と貸出を行い、その製品を使って色んなメーカの製品を組み合わせて雑誌社がイメージするコーディネートを完成させるという非常にクリエイティブな仕事です。当然トータルのコーディネーションの良否が製品の売上に直結する世界ですので、時にカリスマスタイストなんて呼ばれる方も現れたりします。つまりアパレル,スタイリスト,ファッション雑誌のシナプスの太さが非常に重要である訳ですが、一方オーディオの世界ではその辺りのコミュニケーションが希薄で私のように他業種から来た人間には未だに違和感が払拭できません。 オーディオ雑誌の取材というのは我々貸出側には非公開で行なわれるのが一般的です。実際自分の機器が何と組み合わされ、どんなソースで試聴され、どんな音量で、どんなセッティング下で評価されているのかは実際雑誌が出てみないと私どもでは全く分かりません。つまり服飾業界のようにファッション=トータルコーディネートという当たり前の相互理解がオーディオ業界ではまだまだ浸透していないのが現実なのです。 ファッションでは読者が評価するのはモデルも含めたトータルイメージであり、その結果「このジャケット可愛い!」みたいな評価に繋がって商品が売れていくという流れになる訳ですが、オーディオの世界ではまだまだ単品レベルの評価が主体でインナーもボトムも靴もモデルも一緒で各メーカーのジャケットだけを取っかえ引っかえして何が格好良いとか何がダサイとかを評価するような仕組みが一般的です。ファッションは写真を見て自分のイメージに合うか合わないかひと目見れば分かりますし、そのコーディネートをいちいち評論家にコメントさせることもありませんが、一方オーディオは音を活字化出来ないのは勿論として最終的に評論側がトータルコーディネーションについて論じているのか各機器の個性を単独で評価し切れているのか判然としない部分が多々ありますから分かり難いのはある意味仕方ないことかもしれません。皆さんは最大限にイマジネーションを膨らませ、誌面に書かれている他の機器の構成や評論家の一字一句から機器の良否を判断(夢想)するという非常に複雑且つ曖昧なプロセスを要求しているところがファッション雑誌との最大の違いです。結果深いところまで読み切れずに最終的に自分の感性でなく、評論家が誉めていたか否かという機軸でしか判断できないというのが実態ではないでしょうか。これは我々サイドから見ると非常に残念なことです。 メーカによっては手塩かけた自分の装置をどんな鳴らし方をされているかも分からずに否定的に書かれるリスクは冒したくないとマスコミとの関係を断って自社での試聴イベントや実際音の聴けるショーなどへの出展に特化した展開をしているところもあります。私どもとしては願わくばどこかの雑誌社が我々開発担当者を交え、出来れば入り口から出口まで組み合わせる機器を指定させて頂き、試聴ソースもこちらで用意し、その出音を客観的に識者に評価させるという仕組みが確立できないかなあ、と常々思っています。ただ長きに亘って構築された歴史はなかなか強固で我々としては自分のアンプがタンノイに繋がれるのかJBLに繋がれるのかも分からず、ソースもクラシックなのかロックなのかも知らされずに機器の評価を只待つのみ・・・というのが現実。これは結構辛いものがありますし、実際誌面を見てガッカリしたことも過去何度もあります。 皆さんも出かけるとき、自分で洋服を組み合わせますよね。出来れば私どもも自分がベストと思う組み合わせで、自分がリファレンスとするソースを一番良い音で聴こえる音量で評価して欲しいと思います。そのうえで評論家として各メーカの音に対して思うことを存分に書けばいいと思いますし、私どもとしてもそのような機会を与えられれば絶対に負けない自信があります。メーカ対抗音合戦・・・きっと皆さんもそういうのを読んでみたいに違いないと私は思うのですが・・・。 洋服にもコーディネートが必要であるように、オーディオでも組み合わせによって結果は全く異なったものとなってきます。ジーンズにエナメルの革靴を合わせても変ですしタキシードにスニーカーを合わせる方もいないでしょう・・・オーディオもこれからはトータルコーディネート。その中から皆さん一人一人のお気に入りのブランドやセレクトショップを選ぶべき時が来ているような気がしています。今までのやり方では読者はついて来ないことにメディア側も気付くべきです。 |