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WEトーンとは?
 皆さん、こんばんは。今日はショールームに寄って下さったK林さんからお借りした逸品のご紹介を・・・。

 K林さんといえばGWの巡業2日目にお邪魔して以来ですが、「大橋さん8インチ作るんでしょ?だったらこれ置いてくから暫く使ってよ」と仰って今日ショールームに置いていかれたのがWE755AとKS-16617 L1(パワーアンプ)。WE755Aは今更説明申し上げるまでもありませんが8インチSPユニットの元祖と言うべき存在。8インチフルレンジというとALTEC系のスパンと抜ける明るい音を想像されるかもしれませんが、755Aは中域的な"ジュワっと染み出る"ようなサウンドが比類なく、今や驚くべき値段の高さと流通量の少なさにも関わらず探しておられる方が沢山おられます。


これがその755A。通称「パンケーキ」です。何の変哲もない外観で少々草臥れて見えるかもしれませんが、まさに音は"ザ・ウエスタン!"。K林さんも「何か一つだけ手元に残すならこれですね。パラゴンもA5も良いけど755Aは特別」と仰っていました。オーディオという言葉から想起されるもの全てを凝縮し煮詰めるとこの音に行き着く・・・そんな感じでしょうか。全く私も同感です。
 そういえば以前755Aの音を録音して日記でアップしたことなかったかなあ、と思って探したら・・・ありました。これはランドセルに入れた時の音ですが(ランドセルにパンケーキを入れて・・・なんて何だか可愛らしいですね。これらのニックネームもWEを愛する好事家の間で自然発生的に生まれたものなのでしょう)、このユニットが持つ中域的魅力の一端を知って頂くことが出来ると思います。

 そしてKS-16617 L1。今更ですがKSというのは外注ナンバーでWE社外で作られた製品(今様に言えばOEM品)に与えられた品番です。16617について私は詳しくありませんが、50年代〜70年代に製造された電話交換機用の後継アンプだったのでは?6V6ppで8W出力のモノアンプです。





 WE系列のアンプ群のなかでもビーム管のppでKSナンバー品というと一段下に見る方もいらっしゃいますが、どうしてどうして・・・この16617も紛うことなきWEトーンのアンプです。よく「WEの球やアンプってそんなに音が良いんですか?一体どんな音がするんですか」みたいな質問を頂くことがありますが、決して静特性が優秀だとか誰が聴いてもひれ伏すような音がするとか・・・一部で伝説化されているような事はありません。ただ一つだけ言えることは、WEでなければ出ない音がある・・・これだけは間違いない事実です。上で"ジュワっと染み出る"という書き方をしましたが、私にとってはまさにそんな感じです。音楽に目覚め、オーディオに目覚めた方が最初皆スケール感を求めて一定期間は必ずドンシャリ的嗜好期を経るものですが、何十年もオーディオをやっていて最後に行き着く枯淡の境地とでも言いましょうか。あらゆる高級料理を食べ尽くしたグルメなが最終的に行き着くのが、炊きたてのご飯に海苔の佃煮をのせた旨味と薫り・・・みたいな感じといえば多少は理解いただけるかもしれません。

 私どもは今この時代にあって敢えてWEトーンを目指した音作りをしている訳ではありません。現代のソースやSPを考えた時には別のアプローチがありますから。敢えて言えばSV-mini91B(絶版)を除いて。ただ私どもが作り出す音の中にいつもWEトーンの持つ温度感,倍音感,音触感・・・つまりは自然さを求めているのは間違いのない事実。つまり良いとか悪いとか優れているとか劣っているとかいう次元を超えた本質的な魅力があるからこそ、最後はウエスタン・・・そういう方が少なからずいらっしゃるのだと思います。

 パンケーキと16617。暫くお預かり出来ることになっていますのでご興味のある方は聴きにいらして下さい。予め申し上げておきますが非売品です(笑)。

 



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