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誰の為のフェア?
 皆さん、こんばんは。早速ですが旧miniA7(グリーンバージョン)ご購入の方へのステッカ無償配布の件ですが、予想を遥かに上回る件数のオファを頂いて少々驚いています。一つには自分が何となく「このくらい」と思っていた以上にminiA7の数が過去出荷されていたという事実、そしてもう一つは皆さん日記を読んで下さっているのだなあ、という事に対してです。自分としては直販の最大のメリットとして何時,誰に,何をお納めしたかがほぼ100%トラッキング出来る事で後々様々なサービスや情報のご提供が出来る点とともに、過去の購入履歴やメールのやりとりの記録から、実際はお邪魔したことがなくてもある程度は皆さんの環境(お使いの装置)やお聴きになるジャンル,好きな音の傾向まで理解することが出来る事が私どもの最大の強みというか皆さんとの強いシナプスの根源であると思っていますので、今後もこのようなアフター的なサービスも引き続き行なって参りたいと思います。

 ところで週末行なわれた名古屋のオーディオフェアは聞くところによると昨年並みの人出があったということですが、過去出展していた私どもが何故出るのをやめたか・・・今日はこの事を少し書いておきたいと思います。費用対効果の問題も勿論ありますが、一番根本にあったのが「誰の為のフェアか」という点に関して思うところがあったからです。

 元々私どもの音を聴いて頂くためのフェア出展や単独の試聴会開催は、直販という特異な方式で一番欠落している「現物を見る」機会を作ること、「実際の音を聴いていただく」こと、「作る側の想いや製品に託したイメージの一端を理解いただくこと」、そして最大の目的はお客さんと交流し「私どもが向かうべき方向を見定める」こと・・・などを目的としていた訳ですが、折角地元でフェアがあるのなら・・・という気持ちも確かにありましたし、事務局サイドの強いお奨めもあり出展させて頂きました。それ自体はとても良かったですし、それなりの効果もあったと思っています。

 この手のイベントは出展者同士のコミュニケーションも盛んです。或る時、他社ブースにお邪魔して責任者の方にご挨拶に伺った際のことですが、私が「これだけの広いスペースでこれだけの設営をして、さぞ大変だったでしょうねえ」とお伺いすると、その方は「こういうイベントはエンドユーザというよりは地域の小売店対策が主なのでいい加減なことが出来ません。正直なところこれだけの準備と人員を配置するのは大変な経費が掛かりますし、回収出来るかというとまず無理です。ただ名古屋でオーディオフェアがあって仮にウチが出ないとなると、ウチの製品を扱ってくれている問屋筋や小売さんに迷惑がかかるじゃないですか。"なんでお前のところの製品を扱っているのに、こういう時に宣伝しないんだ!"という感じでね。それと毎回多いか少ないかは別としてウチの製品に興味を持って下さる方が多少なりとも来られる訳ですが、そんな時に"〇〇オーディオさんをご紹介します"なんて小売屋さんにお客さんを紹介できれば我々も顔が立つじゃないですか。その為のフェアなんですよ、こういうのはね」という話を伺った時に「ああ、そういう事か」と気づいてその後は出展を躊躇うようになったという経緯があります。

 現在の商流ではメーカからは問屋しか見えない、問屋は小売しか見えない、小売は売れるものなら何でも良い・・・結局モノづくりの上流から河口までの間に幾つものダムがあって流れが幾重にも寸断されています。結局作る側は使う側のニーズが掴めていない、使う側も作る側の想いが充分に理解できないという歪みがあって、そのバッファの為のこういうフェアなのであれば、私どもには違うやり方がある筈だ・・・という事で昨年初めてパイオニアさんと合同の自主試聴会を行なわせて頂いた訳です。
 残念ながら当時のメンバー・・・本当にオーディオが好きでこの業界に入ったという去年の担当者さんは皆居なくなってしまい、今年同じようなイベントが出来るかといえば非常に難しいと思います。他のメーカと組むと言っても「小売屋対策ですよ」という感覚の人達と一緒にやっても何も残らないでしょうし。

 ピュアオーディオという言葉があります。よく考えてみると何を以って「ピュア」と為すか・・・ミニコンポやラジカセやヘッドフォンステレオを除いた趣味のオーディオを指す言葉だとは思いますが、本質的には「真摯に音楽を愛する人の為の」という意味でのピュアであって欲しいと思います。確かに私どもの知名度は全然上がっていません。その意味ではやるべき事は沢山あるでしょう。
 試聴に来られる地元の方から「こんなところに真空管アンプ屋あがあったなんて最近まで知らなくって・・・」と言われることもいまだに少なくありません。確かにネットでやっている通販店で雑誌広告も二誌のみ。普通メーカや代理店が販促費に充てる予算は売上の6%〜多いところで10%だそうですが私どもは2%しか使っていませんから殆どの方が知らないのも無理はありません。
 正直もっと知ってもらいたい、もっと使ってもらいたい、という欲がない訳ではありません。一時期は真剣に卸が出来ないか・・・と考えた時期もありました。ただ結果的に現在に至るまで創業時と同じ直販スタイルに拘ってきて結局は良かったと思っています。私どもに課せられている一番の使命は業容を拡大することでなく、むしろ逆に適正規模を維持しながら品質とポリシーを守ることだと考えています。売上は今のままでいいじゃないか、その代わりもっと良いモノを作っていこうじゃないか、と常々スタッフと話し合っているところです。

 今日、試聴にいらっしゃったM野さんが名古屋フェアに行かれて「半分くらいがV(ビジュアル)でね・・・あれでオーディオのフェアと言うのはどうも」と仰っていましたが、内容はともかくモノが並んでいるのを観るだけなら大手の家電量販店へ行っても同じな訳です。何の為に多くの方が会場に足を運ぶかと言えば、メーカそれぞれのポリシーを感じる為である事をもっと出展者や事務局が理解しないとこういうフェアの集客も今後右肩下がりになっていくに違いありません。

 今回ふと思いついて実施させて頂いたminiA7のステッカご提供の件ですが、これをきっかけに懐かしいお客さまと交流が復活出来たりして私としてもとても良かったなあ、と思っています。新しいお客さんを増やすことも大切ですが、もっと大切なのは縁あって私どもから皆さんのお手元へ嫁いだ品物を永くご愛用いただくこと。そういう意味では今回の発案は私なりに良いアイディアだったのでないか・・・と喜んでいます。

久々のオフ会
 皆さん、こんばんは。今朝いつものように新聞を読もうとしたらパッと一枚の写真が目に飛び込んできました。
  

何の説明も要らないヨナさんと真央ちゃんです。写真というのは或る瞬間を切り取って見る者に記録として伝えるのが主機能(特に報道においては)ですが、この写真からはもっともっと多くの何かが伝わってきます。我々常人には窺い知れない程大きなものを背負って氷上で相見えた(あいまみえた)二人が争ったのは何だったのでしょう・・・技術だけでは勿論ない、ナショナリズムでもない、当然自分のプライドだけでもない・・・その巨大なプレッシャを跳ね除けた者同士だけが知るお互いを讃える気持ちや二人の想いのようなものがこの一枚の写真の二人から全て見えてくるような気がして釘付けになりました。改めて二人の健闘に心から弥栄を送りたい気持ちになりました。素晴らしい写真だと思います。

 写真といえばいつもの7人衆で行なった今日のオフ会・・・最初にお尋ねしたデカチョーさんのオーディオ以外の趣味はカメラ。モノクロ写真がお好きで所謂"銀塩"というんですか・・・の愛好家でいらっしゃいます。で、今日拝見したデカチョーさんの愛機。


私は全く疎いのですが、30年代のライカだそうです。分かる人にはどのくらい価値があるのか直ぐ分かってしまうのでしょうが、情報としては何も知らない私にもちょっと持たせてもらっただけでズッシリとしたその重みだけでなく、ホンモノだけが持つ凄みというかエネルギーというか、すごいオーラを感じました。合理化という名のものにモノづくりがどんどん薄っぺらになってモノの価値がこれほどまでに下がった現代への何らかの警鐘のようにも思える存在感ですがこの雰囲気,重さ・・・どこかで感じたような・・・と考えていたら思い出しました。WE555です。


片やドイツ。片やアメリカ・・・遠く離れた2つの国で今から何十年も前にこのような何処か共通するモノが造られたことに感慨を覚えます。進歩に見える退歩が行き着く先は何処なのでしょう。偉大な先人達が作り上げたライカというカメラが教えてくれるのは単に写真機としての優秀性だけではないような気がします。


これがデカチョーさんのシステム。お部屋は8畳くらいはあるでしょうか。そのお部屋の3割くらいはオーディオに占領されている感じです。アナログメインでSV-310EQ-SV-310-SV-91B(すべてall WE)という機器の布陣で、印象的なSPは特注品でステントリアンの12インチがインストールされています。このSP、ちょっと見るとエキセントリックな感じを受けるかもしれませんが私には全てが理詰めであることが分かります。スペースファクタを考慮したコーナーレイアウト型。聴取位置を考慮したフロントバッフルのスラント角度と反射,回折から巧みに逃げたラウンドバッフル。振動対策の三つ足構造・・・デカチョーさんのお友達の建具屋さん(K藤さん)の作です。ステントリアンというともっと中域的でスパンと鳴るかと思ったら低域の量感のタップリした非常に優しさのある暖色系の音でした。殊更にレンジ感をひけらかすこともなく内向きの表現でありながらしっかりとした情報伝達力もある・・・そんな音です。ピアノとチェロが特に良く鳴る、とてもインティメイトなデカチョーさんのシステムでした。

 お昼を挟んでお邪魔したのが第九のIさん宅です。私どもからハーベスのコンパクト7をお納めしたのが多分2年くらい前だと思いますが、SPが変わってから音を聴かせて頂くのは今日が始めてです。TL-51X-model2-SV-722マランツ-VP-3000(Tung sol 6SN7/Prime300B ver.4仕様)というラインナップですが最初にヴァイオリンを聴いてとても驚いたのはその音のすさまじいまでの鮮度感。今まで何度となく聴いてきたハーベスの鳴り方とは全く次元を異にしています。電源周りからケーブル、勿論セッティングに至るまで些かも隙なくセッティングを詰めてこられた事も奏功してのことだと思いますがハーベス/VP-3000の組み合わせからこのような切れ味のシャープで立ち上がりの早い"近い音"がするとは全く想像していませんでした。恐らくこの音のキーになっているのはSV-722マランツ。輝きながら飛散する光の粒の一つ一つが見えるようなスーパークリアな世界でした。もしこの音をベースにして音のボディ感や骨格感を加えたいのであればコンデンサ交換が有効です。SV-722マランツユーザさん共通のノウハウになると思うのですがライン出力部分のコンデンサ容量をデフォルトの0.22uFから0.47uFに容量を上げるのです。出来ればここはJENSENを使いたいところ。ここの容量を上げることによって負荷(パワーアンプ)側の入力インピーダンスによる影響を受け難くなり、特に低域方向の特性が改善されます。或る意味オリジナルのマランツ7の音とは変わってくるとも言える訳ですが特にバイアンプをされている方は見かけ上の負荷インピーダンスがオームの法則によって下がりますのでお試しになる価値は十二分にあります。因みにマッキンタイプはデフォルトで0.47uFですので特に替える必要はありません。間違って頂き頂きたくないのは、この部分は単なる良否でなく重要な"音作り"のノウハウの部分であり、オリジナルのマランツサウンドに拘る方はデフォルトで構いません。

 実はSV-722マランツの"キレ"にマッキンタイプの"厚み"の要素を加えて音作りをしたのが来週から予約受付を開始予定のSV-192A/Dそのものなのです。SV-722の音まで到達するのは実に大変なことでありましたが、今日Iさんの音を聴いて改めてプリの重要性というか音の要(かなめ)であることを再認識させて頂きました。


これがIさんのシステム全景です。オフセンターで聴いても音場感と音像リアリズムが共存した非常に精緻な表現であることがよく分かります。ここまで持ってくるのはさぞ大変だったと思いますが、その万華鏡のように輝く音の世界はIさんの美意識そのもののような気がします。

 今日Iさんの家で聴かせて頂いた音源の中で最も良かったのがアリス=紗良・オットのComplete Waltzes



空間に音が拡がっていくさまの美しさは今日参加された全員も納得。皆さんCD番号をメモっておられました。私も早速注文させて貰いました。さて我が家ではIさんの家のように鳴るだろうか・・・きっと皆さんそう思っておられることと思います。

 確か今日から名古屋のオーディオフェアが開催されているのではないかと思いますが、今日はオフ会に参加させて頂いて良かったと思います。装置の音でなく、自分の音にまで昇華した世界を体験させて頂くことで次に私どもが目指すべき世界が浮かび上がるように見えてくるからです。明日はショールームへ戻って試聴のご予約の対応ですが、私どものアンプやSPの音よりも私どもが目指す音の表現を先ず感じていただいてから、その機器個別のキャラクタについて知って頂けるような、そんな試聴にしたいと思っています。

期間限定で受注再開します
 皆さん、こんばんは。早速ですが昨日完売となりましたminiA7(グレーバージョン)でありますが、その後メールや電話で「ユニットは持っているので箱だけでもいいから作ってくれないか」というお問合せを多数頂戴致しました。そこで村瀬さんに連絡を取り、打ち合わせをしたところ追加で作って頂けることになりましたので、準備が整い次第HPにアップ致します。受注期間は日曜朝〜水曜夜までを予定し、期間内にご予約頂いた方の分は全て作らせて頂く受注生産スタイルを採らせて頂きます。納期は変わらずGW前です。
 今回ホーンをパイオニアさんが発表されていた元設計図面から10mmホーンを浅くし、指向性を広く取ったのはPE-101Aだけでなく他メーカの4インチ(10cm)ユニットも使えるような汎用性も考慮してのことです。ご興味のある方は是非この機会にご検討頂ければ幸いです。因みに旧グリーンバージョンのminiA7をお使いの方には今回お付けすることになった「Voice of the Winds」ステッカを無償でご提供させて頂きます。やっぱりあった方が格好いいですからねえ!但し対象は私どもへ製品を発注下さった方のみとさせて頂きます。ご希望の方はメールでお名前とご注文時期をお知らせ下さい。3月末までにはメール便で発送させて頂きますので。外観的にも一層引き立つこと間違いありません!

 ところで今日フォステクスさんから限定の新ユニット発売のアナウンスがあったのは皆さんご存じでしょうか。FE103En-Sという品番でリリースを見る限り、最近フォステクスブランドが意欲的に挑戦してきた新素材(純マグネシウムなど)でなく、従来のフォステクスサウンドに回帰したモデルということが言えるようです。私どもでも是非扱わせて頂きたいと思っておりますので是非ご期待頂きたいと思います。

 今週はSV-192SやSV-A1/A2など大物が次々に入荷し物流部門は大変だったようです。そしてお待ちかねのSV-310EQアーカイブも第一陣の出荷が始まっています。私どものリファレンスフォノEQとして今回も多数のご要望を頂き、組立,調整がまだ追いついていない状況ではありますが随時品物は上がりつつある状態ですので、まだ完成のお知らせが行っていないお客さまも今しばらくお待ち頂ければ幸いです。この製品は真空管のバーンインと製品のエージング時間を通常完成品の倍以上掛けて万全を期しております。素晴らしい音質とモノとしての魅力を味わって頂けるものと確信しております。今日は第一陣出荷でお届けした三重のK藤さんからのレポートをお届けしましょう。先日特注1/1オートグラフをお納めさせて頂いた方です(参考)。

四日市のK藤です。

本日、SV-310EQ間違い無く受け取りました。
早速セットして、今、レコードが鳴ってます。
色々あって、約11年ぶりの自分のレコードの再生です。



やはり、SV-310&SV-310EQの組み合わせは大正解でした。
本当に何を聴いても楽しい!
録音の善し悪しなんて気にせず、音楽を楽しめます。



本当に本当に有難う御座いました。
心から御礼申し上げます。


とのことです。こちらこそどうも有難うございます!SV-310EQは目が覚めるような音がする訳では決してありません。しかし他のフォノEQからは聴こえてこないような深みというか滑らかさというかニュアンスというか、「音のひだ」をこれほどリアルに感じられるフォノは他にないと思っております。非常に高価ではありますが、それ以上の持つ歓びをこれほど満たしてくれる製品も他にないのではないでしょうか。飛びきりのカートリッジを使いたくなるから不思議です。

 そういえば今日は午後、T丸さんのお宅にステントリアン12インチ用の特注エンクロージャを納品して参りました。納期が当初予定よりも一ヶ月ほど早まったためにT丸さんのリスニングルームの改装がまだ終わっておらず、今日は仮置き状態での納品となりましたがステントリアンならではの渋く中域的な力を感じる音は充分に出ていたと思います。当初ユニットを裸で聴いた時のような開放感を大切にして欲しいというご要望だったため、村瀬さんも色々検討したうえで作ってくれたものです。外観同様の重厚でありながらしっかりと立ち上がる"もうひとつの英国サウンド"を堪能させて頂きました。


これがT丸さんの特注箱です。MIDと同じバーチ合板+ウォールナットのツキ板使用。ベースモデルはH田兄にお納めさせて頂いたレクタンギュラー箱です。ワイドレンジという言葉とは無縁と言ってもいいステントリアンやワーフェデールといった英国の旧いユニットが最近再び脚光を浴びつつあるのは興味深いことです。干物の味わいのように噛めば噛むほど味わいの出てくる魅力が再度評価されつつあるのは大変結構なことだと思います。

 今日は最後にオマケ。皆さんMTVなどで音楽のプロモビデオをご覧になったことが必ずあると思います。音楽を聴くものから「観る」ものに変えたとも言われる先駆けである訳ですが、残念ながら中には音を聴いて何かをイメージするという創造性を逆に阻害しているように思われるものも沢山あります。そんな中で私が最も愛するミュージックビデオは何か?と訊かれたら「絶対コレ!」と思って止まない映像を皆さんにもご紹介させて下さい。曲はご存じジプシー・キングスの「インスピレーション」で、映像は「鬼平犯科帳」エンディングテーマです。
 頭で考えるとこれほどマッチしないようで実はこれほどイメージがピッタリくる組み合わせは他にないのではないでしょうか。この映像にこの音楽を重ねた製作サイドに心より敬意を表して今日はお終いにさせて頂きたいと思います。



明日は久々の地元オフ会。どんな音が聴けるか楽しみです!

最初で最後のminiA7(グレーバージョン)
 皆さん、こんばんは。ただいまminiA7(グレーバージョン)完成品アップしました。既に幻となったPE-101Aを使った最後の製品になります。どうぞご覧下さい!(19:25)



※完売となりましたので販売終了させて頂きました。どうも有難うございました。(24:50)

・・・再び失礼します。本当は昨日のSACDメカの件、続きをお話させて頂きたかったのですが・・・SV-A1/A2の製品化で大変お世話になった業界の先輩から可能性がゼロではないという示唆と具体的な情報を頂いた件など詳しく報告申し上げようと思っていたのですが、夕方から試聴にお越しになった広島のY田さんから頂いたラジオ深夜便"こころの時代"特選集というムック(下巻と併せて2冊組)を読み始めたら、恥ずかしながら涙が止まらなくなって他の事に手がつかなくなってしまいました。ちょっと今日はこれで失礼させて下さい。

 明日はステトリアンのユニットが入った小野寺さんの特注箱の納品がありますので、その報告も含めオーディオネタ満載で頑張りたいと思います。宜しくお願いします。

幻のDSDオプション
 皆さん、こんばんは。今日長野に行った佐藤氏から何度か承認依頼や報告の電話が入りましたが、基本的には順調に打ち合わせが進んだようでホッとしております。明日詳しくヒアリングして何もなければ最終決済を下ろす予定ですが、仮に対処すべき問題あっても早急に手を打って予定している来月末納期に向けて全力で頑張りたいと思います。

 本当は今日私も一緒に行って詰めたいことがありました。それはSV-192Sの「DSDオプション」の件です。
 これについては今まで何度か日記で書いてきました。SACDのデジタル出力(DSD:2.8224MHz/1bit)を貰ってSV-192S内でリニアPCMに書き換えるオプション機能に関し2008年12月のSV-192Sの発売時点で技術的開発を完了。あとは業界の規格が決まるのを待ってから発売すべくウエイティングに入って既に1年以上が経過したことになります。

 皆さんからはDSDオプションどうなった?というお問合せをかなり沢山頂いてきましたが、嘗てのVHS/Beta,また最近であればBlu-ray/HD DVDのような骨肉の規格争いに巻き込まれたくないという想いから、業界スタンダードが固まってから動こう・・・と決め、ずっと気を揉みながら動静を見守ってきたのです。一時期はHDMIだ、いやUSB3で決まるのではないか・・・私どものところにも色々情報が入ってきました。しかし去年の春頃から「どうも変だな」という感じがするようになってきました。本当に決めようという気があるなら時間が掛かりすぎ・・・規格争いをしているような対立軸も見えてこない、本当に大丈夫だろうか?と思っていたところに夏過ぎにあちこち(ハード側,ソフト側の両方)から"SACD撤退"という話が何度となく聴こえてくるようになってきたのです。
 要はコストはかかるし市場に普及しないし・・・SACDはビジネスにならない、という事なのでしょう。我々としては折角デコード基板を開発してあとは「入り口」だけ決めてくれれば・・・というところまで持って来たのに業界のトーンが急速に落ちてきたのを大変心配しておりました。これが昨年の秋頃です。

 そしてその頃から代案として「だったらSACDとCDの両方を読めるメカを買ってきてオリジナルのトランスポートを作ってしまったらどうだ」と考え始め、実際調達しようと内外のルートを当たってみたのですが、何と既に殆どのハードメーカがSACDから撤退を決めた後で、メカ部分だけ調達しようと思っても全然入手出ません。「そんなのおかしいじゃないか。現に世の中でまだDSD/PCMコンパチのプレーヤ売ってるじゃないか」と指摘してもそれは完全に別注モノで製造オーダが我々のレベルと2桁違う・・・そして今やその2桁多い別注モノですら今後は受けるところがないという極めて危機的な状況であることが次第に分かってきたのです。これは噂ということにしておきたいのですが某社のプレーヤは市場流通している廉価なSACDプレーヤを製品購入し、それを分解してメカ部分だけ取り出して再利用しているようだ・・・なんて話も一部にあっていよいよ混迷を増してきている状況です。はっきり言って何のメドも立っておりません。

 来週香港,中国本土を大急ぎで回って何百単位でも良いのでメカ調達の可否情報を集めてきたいと思っていますが、そこで駄目ならDSDオプションは幻と化してしまう可能性があります。何の為にデコード技術を開発したのか、これでは全く意味がなくなってしまうので非常に危機感を持っておりますが、最後のチャンスのつもりで来週の出張に掛けようと思います。

 そんな訳で市場的には今後SACDプレーヤは自然消滅・・・ということになる可能性が大です。当然ソフトとしてのSACDも無くなっていくのでしょう。100kHzまでカバーする周波数帯域と低ノイズ,瞬発力の速さ,情報量が多いにも関わらず周波数帯域が近い192kHzサンプリングと比較した場合データが軽い(コストを抑えられる)という数々の謳い文句と共に登場したSACDですが、結局は遥かに劣ると自ら言っていたCDに負けた格好です。

 こうやって考えてみると何が新しくて何が旧いかなんて軽々に論じることは出来ませんね。鳴り物入りで参入してきても10年でパンクという現実の前にメーカも市場も踊らされただけのような気がします。ただ今後も販売されたSACDディスクは皆さんのお手元に残って行く訳で、その為にも最後のチャンスとして自社開発のトランスポートに僅かな可能性を賭けてみたいと思っております。幻のDSDオプションにしない為にも。

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