ジャズ・オーディオの雑記帳
by 6041のS

凝った見開きジャケット(2008.4.16)

右に掲げた2枚の絵は、CBS/ソニー・ファミリークラブが発売した、LP盤ピアノ音楽ベストアルバム(2枚組)の1と2の見開きジャケットである。
上の1のジャケットは、M、オリビエ作「コンティー公が催した英国式ティー・パーティー」で、左でピアノを弾いているのはモーツァルト。下の2のジャケットは、「19世紀のウィーンの街」色彩版画で、正面は宮廷劇場。なかなか凝ったジャケットの作りになっている。収録されている曲は、
「ピアノ音楽ベストアルバム−1」
DISK1
・モーツァルト/ピアノ協奏曲第26番
リリー・クラウス/ステーヴン・サイモン指揮/ウィーン音楽祭管
・ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第5番
レオン・フライシャー/ジョージ・セル指揮/クリーブランド管
DISK2
・シューマン/ピアノ協奏曲
ネルソン・フレーア/ルドルフ・ケンペ/ミュンヘン・フィル
・ショパン/ピアノ協奏曲第1番
アレクサンダー・ブライロフスキー/ユージン・オーマンディ指揮/フィラデル・フィア管
「ピアノ音楽ベストアルバム−2」
DISK1
・ブラームス/ピアノ協奏曲第2番
ルドルフ・ゼルキン/ジョージ・セル指揮/クリーブランド管
DISK2
・チャイコフスキー/ピアノ協奏曲第1番
ネルソン・フレーア/ルドルフ・ケンペ/ミュンヘン・フィル
・ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第2番
フィリップ・アントルモン/レナード・バーンスタイン指揮/ニューヨーク・フィル
という豪華な内容になっている。
CBS/ソニー・ファミリークラブには、The Great Collection Of Classical Musicという、ジャケットの表紙に名画を用いた100枚のシリーズものがあり、これは安価な中古価格の割に大変録音も良く、ぼくも何枚か持っているが、それと比較すると、今回のピアノ協奏曲のLPは明らかに音の傾向が異なっている。録音がよりクリアで、スピード感があるように聞こえる。注意してみてみると、ノイマン社のSX-68でカッティングした、SX68サウンドと銘打っている。大変興味深い。






ラ・カンパネラとアリシア・デ・ラローチャとNさん(2008.4.17)

ハードオフで1枚10円のEP盤をチェックしていたら、アリシア・デ・ラローチャの演奏する「ラ・カンパネラ」の盤を見つけた。アリシア・デ・ラローチャは、ぼくの好きなピアニストの一人であり、これを買ってきた。予期せぬところでラローチャと巡り合ったものである。
ぼくがラローチャのことを知ったのは、もう数十年も前になるが、会社の先輩のNさんに薦められたのがきっかけである。Nさんは社内でも知る人ぞ知るといったクラシック好きで、バイロイトに1週間「指輪」を見に出かけたり、ウィーンフィルのニューイヤーに出かけたり、国内でも半日休暇をとってはサントリーホールまで出かけ、終わると夜11時の鈍行列車で翌朝に帰ってきて、仕事に来るといったことを普通にこなしていた。色々とエピソードの多い人である。
そんな彼に、ぼくがクララ・ハスキルの演奏するベートーヴェンのピアノソナタ第17番「テンペスト」のレコードを紹介したお礼に、ラローチャのモーツァルトを紹介してくれたのである。独特の熱っぽい語り口で持って!そんなことがきっかけで、ピリスの演奏会に一緒に出かけたり、名古屋の個人宅のホームコンサートに出かけたりと、Nさんには、随分とお世話になったのである。だから、数年前にアリシア・デ・ラローチャが豊田市のコンサートホールに来演したときには、二人とも聞きに行った。その後も来る予定はあったが、体調不良で中止となってしまった。
「ラ・カンパネラ」は、フランツ・リストが作曲した6曲で構成されている「パガニーニによる大練習曲」の第3番嬰ト短調の呼び名である。Campanellaとはイタリア語で「鐘」を意味しており、ニコロ・パガニーニのヴァイオリン協奏曲第2番ロ短調、第3楽章のロンド「ラ・カンパネラ」を主題にリストが作曲したものである。
この曲の代表的な演奏は、アンドレ・ワッツの超絶的な技巧で、爽快に演奏したものと、ジョルジュ・シフラのさっそうとした演奏のものが有名であるが、両者共にリストの超絶技巧が前に出てきている演奏に思えるが、ラローチャのものはこの作品の詩的な面を重視したような演奏となっていて、ぼくにはぴったりと来る。特に右手と左手の音色のバランスとか、フォルテの音がいかにも神経の行き届いているような響きを保っているとか、繊細な情感が伝わってくるようである。これまでラローチャの演奏ではモーツァルトとかグラナドスのような作品を聞いてきたが、リストもこんな演奏を聴かされると、もっともっと聴いてみたい気がする。来日した時の彼女の風貌は、小柄で、小太りの、どこにでもいるような優しいおばさん、といったイメージの女性であったが、彼女の演奏を聴くと、まさに、ピアノの女王という呼び名にふさわしいピアニストである。
「ラ・カンパネラ」は単独でも、ピアノ小品集などで取り上げられることも多く、手持ちのLPを調べれば、色んな演奏者のものがあるような気がするので、改めて聴き比べて見たいと思う。ラローチャからまた一つ楽しみを貰った気がする。





カラヤンのモーツァルト(2008.4.18)

書斎においてある小型スピーカー、Kit LS3/5Aを中心としたオーディオシステムが、自分で納得の行く音で鳴るようになった。いわゆる、大変音離れの良い鳴り方で、音の奥行きも感じられ、音の厚み、響きも満足している。結果的に落ち着いた、構成している機器を順に挙げると、プレーヤーがKENWOODのKP770D、このプレーヤーは安いものであるが、ぼくの好きな、すっきりとしたデザインで、オートリフターとオートストップが付いており、気楽にながらで聞ける。それとDDモーターのトルクが弱いので、かえってSNが良いように思える。カートリッジはテクニクスの205C‐UXというMMである。プリはSV-722マランツタイプ。パワーは超8Bで初段管にBRIMARの4068、パワー管のEL34にはスベトラーナのSロゴ太管を使用している。球については色々と差し替えて音の傾向を確認したが、この組み合わせが、音の厚み、響きがぼくの好みにぴったりだ。それからスピーカーのインシュレーターにはタルインシュレーターを用いている。スピーカーはKit LS3/5Aで、間隔を広げて、かなり内振りにしている。
今までのぼくのオーディオは圧倒的に音像の明確な音で聞いていたので、このように音場豊かに再現するシステムとなったことに驚いている。このKit LS3/5Aというスピーカーは、なかなかの優れものである。こうなってくると不思議なもので、クラシックの中でも交響曲を聴いて見たくなるのである。手持ちのLPからモーツァルトの交響曲を捜していたら、まだ一度も聴いたことのないカラヤンの'70年録音のEMI盤が3枚も出てきた。カラヤンが後期にドイツグラモフォンに録音したモーツァルトを聴くと、外面的には音をレガートでつないで、大変美しいが、その分スイングしない(ジャズ用語?)、少しあざとさが感じられるので、それ以降聴くのは避けていた。しかしこのEMIの交響曲第35番ハフナーを聴くと、これがなかなか良いのである。ベルリンフィルのオーケストラがフルスケールで鳴っている。スケール感のある、さっそうとしたモーツァルトだ。比較の意味で、ジョージ・セルとクリーブランドのハフナーを聴くと、こちらはどんな時でも各パートの音がはっきりと聞こえる、セルらしい楷書のようなモーツァルトを演奏している。もう一枚ラファエル・クーベリックとバイエルン放送のハフナーを聴くと、こちらはクーベリックの素朴さというか、素直な人柄がにじみ出るような、穏やかで、詩的なモーツァルトである。でもハフナーやリンツ、プラーハまではカラヤンのEMI録音のスピード感のある、スケールの大きい演奏も有りではないかと思う。実際のコンサートホールで、こんな演奏に接したら、気持ちの良い、陶酔感に酔いしれるかもしれない。しかし正直言って、40番や41番はやはりぼくには、聴いていて辛くなる。





モーツァルトのレコード(2008.4.20)

今日の話は、ただ単にモーツァルトのレコードを聴いて楽しんだ、それだけの話です。聴いたのはセレナードとディヴェルティメントを中心とした、気楽に聞ける楽しい音楽です。音源は、ぼくの持っているLPです。
1枚目のLPは、K136、K137、K138の三つのディヴェルティメントです。演奏はKURT REDEL指揮、PRO ARTE CHAMBER ORCHESTRA(MUNICH)です。モーツァルトがこの三つの作品を書いたのはわずか16歳の時である。セレナードとかディヴェルティメントといった作品は、貴族のお祝いの食事の時や夕べのサロンのムード音楽として作曲されたもので、セレナードは野外で、ディヴェルティメントは室内で主に演奏された。モノーラルの古い録音であるが、大変きびきびとした気持ちの良い演奏である。
2枚目は、K525のセレナードとK136のディヴェルティメントです。演奏はミュンヒンガー指揮、シュトウットガルト室内管です。K525は誰でも知っている、アイネ・クライネ・ナハトムジークです。この演奏は、大変輪郭のはっきりした、リズムが生き生きとした、切れ味の良い演奏です。
3枚目は、K250のセレナードです。このハフナーセレナードは、ぼくの好きな交響曲第35番「ハフナー」の基となったセレナードです。演奏はミュンヒンガー指揮、ウィーンフィルでヴァイオリンがボスコフスキーです。ミュンヒンガーの切れ味のよさと、ウィーンフィルの優雅な演奏が調和された、上質な演奏である。
4枚目は、K375、K388のセレナードです。この二つのセレナードは管楽器のために作曲されたものです。演奏はコレギウム・アウレウム合奏団です。この合奏団は古楽器を用いた演奏で、渋い響きを持った演奏であるが、その分、聴いていて内面的な美しさがにじみ出てくるようである。
5枚目は、K320とK239のセレナードです。K320はポストホルンと呼ばれています。演奏は、カール・ベーム指揮、ベルリンフィルです。ベームのK320は、ぼくが最も良く聞くLPの1枚です。カールベームのモーツァルトは甘さを抑えて、スケールの大きい古典的な美しさを追求した演奏と思うが、この曲のイメージとぴったりのように思えます。
6枚目は、K334のディヴェルティメントです。演奏は、ウィーンフィル室内合奏団です。ウィーンの情緒あふれた、まさにウィーンフィルの優雅なモーツァルトです。このLPは日立のLo-Dが製作したもので、記念品として配られたものです。当時のLo-Dの機器開発陣から、開発にあたり基準となるような優れた演奏を、優れた録音で捕えた音源を、ということで来日したウィーンフィルのメンバーの協力で、東京で録音したものである。
最後の7枚目は、再度K525のセレナードとフィガロ、魔笛など4つの序曲です。演奏は、誰もがご存知のブルーノ・ワルター指揮、コロンビア交響楽団です。このときのワルターは、すでに80歳を超えていたが、そのモーツァルトの音楽は、しなやかであり、厳しくあり、瑞々しくも有り、若々しく、美しい。大変素晴らしい。
以上取りとめもなく書きましたが、一つ残念なのは、K361のセレナード「十三管楽器のためのセレナード」のLPを持っていないことです。





キアロスキューロ(Chiaroscuro)のレコード(2008.4.26)

先日、グットベイトのマスターと話をしていて、このレコードはキアロスキューロだから良いと思うよ、と言われて、初めてこのレーベルを意識した。改めてレコードをチェックしてみると、ぼくも2枚ばかり持っていた。1枚は、Dave McKenna Quartet Featuring Zoot Simsであり、もう1枚は、Joe & Zoot & Moreというアルバムで、どちらもズート・シムズに関連して購入したものである。そしてどちらも気に入っているものである。
キアロスキューロというレーベルについて、講談社の「JAZZ & JAZZ」という単行本に書かれている内容を、引用して紹介すると、「キアロスキューロはハンク・オニールによって71年8月に設立された。オニールはそれ以前、女流ピアニストのマリアン・マクパートランドと一緒に、ヘリコーンというレーベルの仕事をしていた経験も持っている。初期のキアロスキューロにはピアノ・ソロのアルバムが多いが、これは製作が比較的少ない予算でできるというような経済的理由もあったようだ。それでもデイブ・マッケンナのソロや、テディ・ウィルソンの「ビリー・イン・マインド」のような楽しいLPができあがった。キアロスキューロはモダンよりも、スイングや中間派アーティストにスポットを当てているのがユニークである。といっても「バック・クレイトン・ジャム・セッション」のようなアルバムに、リー・コニッツやトミー・フラナガンなど、モダン派の加わっているのが、かえって面白いのだが。・・・」とある。
このレーベルに録音している主なジャズメンを調べてみると、まずピアノでは、デイブ・マッケンナ、ジュニア・マンス、テディ・ウィルソン、ビル・チャーラップなどがいる。トランペットでは、クラーク・テリー、ボビー・ハケット、ルビー・ブラフ、バック・クレイトンなどがいる。サックスでは、バディ・テイト、ジョー・ゴードン、リー・コニッツ、フリップ・フィリップスなどがおり、ベースではミルト・ヒントンがいる。
ぼくは、ピアノのビル・チャーラップ、テナーのバディ・テイト、ジョー・ゴードンなどにはとても興味をそそられるので、このレーベルの音源にも注目して行きたいと思っている。

先日、グットベイトのマスターからキアロスキューロだから良いと思うよ、と言われて購入した「JOHN & JOE」KENNYDAVERN & FLIP PHILLIPSというアルバムを聴いてみて、大変楽しくなりました。二人のサックス奏者に加えて、ピアノがDave McKenna、ベースがGeorge Duvivier、ドラムがBobby Rosengardenというメンバーで、全員が最高にスイングするアルバムでした。まさに中間派の面目躍如といった演奏です。それにこのレーベルはジャケットもなかなかセンスが良いと思います。













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