ジャズ・オーディオの雑記帳
by 6041のS

「光と物質の不思議な理論‐私の量子電磁力学」ファインマン著(2010.3.7)

 ぼくはリチャード・P・ファインマンの回想録とも言うべき、「ご冗談でしょう、ファインマンさん」T、U(1985年出版、日本では翌年岩波より)を1987年に読んで、その面白さに大変強い印象を持ったことを覚えている。この本はファインマンの回想を、友人のラルフ・レイトンが筆記したものである。この本がベストセラーを記録したために、続編として「困ります、ファインマンさん」が1988年に出版されたが、そのちょっと前に本人は亡くなってしまった。そして1991年に「ファインマンさん最後の冒険」ラルフ・レイトン著が出版された。ぼくはこれらの本が日本で出版されると同時に、入手し大いに楽しんだ。その後「ファインマン物理学」全5巻、岩波書店を買おうかどうか考えて、本屋で立ち読みまでしたが、なかなか手ごわいと思ってあきらめた。
 『リチャード・P・ファインマン1918-88年はアメリカ合衆国出身の物理学者である。経路積分や、素粒子の反応を図示化したファインマン・ダイアグラムの発案でも知られる。1965年、量子電磁力学の発展に大きく寄与したことにより、ジュリアン・S・シュウィンガー、朝永振一郎とともにノーベル物理学賞を共同受賞した。カリフォルニア工科大学時代の講義内容をもとにした、物理学の教科書『ファインマン物理学』は世界中で高い評価を受けた。また、「ご冗談でしょう、ファインマンさん」などユーモラスな逸話集も好評を博している。生涯を通して彼は抜群の人気を誇っていた。』出典: フリー百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」
 というわけで、ファインマンさんの面白さにすっかりはまってしまったぼくは、彼に関するエピソードを紹介した本はかなり買い込んだ。「ファインマンさんベストエッセイ」岩波1999年出版も、彼の死後今まで紹介した4冊と同じメンバーで編集されたものである。「さようならファインマンさん」丸善1989年出版は、彼の死後1年目に、友人、恩師、ライバル、教え子たちが語ったものである。この本の中で彼の業績について紹介されている部分は、なかなか難しくて、十分理解できなかった。さらに、「ファインマンさん最後の授業」レナード・ムロディナウ著、メディアファクトリー2003年出版は、カリフォルニア工科大学でファインマン教授と交流した若きレナード・ムロディナウの回想録である。
 ファインマンの物理については、先に紹介した「ファインマン物理学」があるが、それ以外に「光と物質の不思議な理論‐私の量子電磁力学」岩波1987年出版、がある。この本についてはぼくも持っているが、入手した当時はやはりよく分からなかったが、今回もう一度読み返してみて、少しは理解できたかなと思う。やはり何回も何回も読み返すと少しずつ理解できるかなと思う。
 量子物理学に興味のある人には常識かもしれないが、根源的な4つの力、電磁力・重力・弱い相互作用・強い相互作用の内、電磁力を伝えるのが光子であり、原子核の回りを電子が廻っている時には光子がやりとりされている。また光が鏡で反射されているのも、厳密には入射した光が電子に吸収され、そこから光子から飛び出してきて、という風に光子が交換されているということである。こういった物質に含まれる電子と光子とのやりとりをファインマン・ダイヤグラムという方法で記述し、それを経路積分法という方法で計算するファインマン量子電磁力学を紹介したものである。
 この本に刺激されて、素粒子というものを調べてみると、現在最小単位と思われている基礎粒子には2分類があり、一つは力を伝えるゲージ粒子(3種類)、もう一つは物質を構成するレプトン(6種類)とクォーク(6種類)である。ゲージ粒子3種類とは、電磁力を伝える光子(フォトン)、弱い相互作用を伝えるウィークボソン、強い相互作用を伝えるグルーオンである。重力を伝える重力子については存在が確認されていない。レプトンには電子とかニュートリノが含まれている。クォークは自然界には単独では存在せず、2個ないし3個結合してハドロン(複合粒子)として存在する。ハドロンには、陽子、中性子、パイ中間子などが存在する
 なんだかもう一度「ファインマン物理学」に挑戦して見ようかという、大それた気持ちがわいてきた。岩波から出版された本は、現在大部分が岩波現代文庫として再出版されているので、今でも入手できる。
 





暗黙のルール(2010.3.9)

 このところ雨が多い。畑仕事をしようにも、1日雨が降ると3日くらい措かなくては、土壌がぬかるんでいて仕事が出来ない。2日おきとか、3日おきに雨が降ってはお手上げである。こういうときは焦っても仕方がないので、別のことをするしかない。
 ここ数日ファインマンさんの著作を読んでいたが、今日はグッド・ベイトのマスターに頼まれていた、坂田明のCD「おむすび」が届いたので、それを持ってベイトに出かけた。さっそくこのCDの演奏をマスターと二人して聞いていると、顔なじみのM原さんが顔を出された。M原さんもこのCDに気がつかれ、このCDの話題となった。演奏内容は、先日書いた坂田明の「ひまわり」と比較すると、こちらは坂田のフリーキーなトーンも混じり、より本来の坂田のイメージに近い演奏となっているが、それでもグッと抑えられていて、ジャズをあまり聞いた事のない人にも聞きやすい内容となっている。
 このCDのタイトル「おむすび」のいきさつ『42歳のお母さんが進行がんと闘いながら、最後となった外泊で、大好きな家に帰ると、子どもたちのために体力のない中で、やっとおむすびのお弁当を作って学校に持たしたが、このお弁当を見て子供たちもとても食べられなかった。という鎌田氏の病院であったエピソードに感動した、坂田明の作曲したのがタイトル曲』や、「がんばらないレコード」設立のいきさつなどが話題となり、それだけでも感動ものだとマスターが話した。
 この話を聞いて、M原さんが次のような話をしてくれた。岡崎のとある喫茶店に奥さんといったときの出来事である。常連と思えるお客さんが、コーヒーを半分のみ残して席を立ち、1枚のチケットの半分を切って渡したのだ。お店のマスターが苦しそうに常連さんなのでといって、苦笑いしたそうである。M原さんはこれではお店の経営が大変だろうと思って、奥さんと昼食までをとって散財して来たそうである。ぼくは思わずマスターの顔を見て、これは感動的な話だねといって、同意を促したが残念ながら賛同してもれえなかった。
 確かに賛同すれば、それでなくても大変なのに売り上げが半減してしまう恐れがある。逆に次のような話をしてくれた。この店でも小瓶のビールを1本注文して、3人で飲んでも良いかといわれたり、今日は調子が悪いので水だけにしたいといわれたり、珍しそうな店なのでとりあえず見学だけさせてくれないか、と色々な事をいうお客さんがいるそうである。
 われわれ日本の社会では、常識とか良識といわれる暗黙のルールがあり、そういったルールの下で生活をしている。だが時にはそれを無視する提案がされる事がある。ルールに従えばそういった提案は断ることになるのだが、時には個人的な判断でそれを受け入れてもらえる事があるのだ。あいまいではあるが、自由度の大きい社会である。
 そういえば先日読んだファインマンさんのエッセイの中で、彼が公立の学校で講演をすることになったとき、官公庁で何かをするときには、やたらと契約書類にサインする事が多いという経験から、サインは12回以内に収めるという条件で引き受けた。公演までには12回以内におさまったが、終わったあと謝礼金の小切手を受けとる書類にサインすると12回となり、小切手を換金する時にサインすると13回となるので、約束を破ることになるので謝礼は要らないといって断ったと・・・というエピソードが書いてあった。そして日本に行った時には、そこまでのことはないので、日本は良い国だと言っていた。
 やはり我々は、暗黙のルールを大切にする事が必要である。でも時にはそれとは異なった提案をしてみても良いかもしれない。但し受け入れられなくても仕方ないと思いながら。
 





キュウリの病気対策(2010.3.10)

 夏野菜の定番の一つにキュウリが有る。しかし露地栽培のキュウリは梅雨時になると、べと病が発生しやすく、梅雨が明けるとうどんこ病に悩まされる。これを毎年繰り返しているので、今年はしっかりと対応したいと思っている。
 植物に病気が発生する条件は、3つの要因に整理される。
 主因:病気の主な要因である病原体
 素因:感受性のある宿主(野菜)
 誘引:病気の程度を左右する環境条件
 では、予防と防除をどのように考えるか。
 主因である病原体の防除は、化学的防除:農薬の使用(防除技術の主流)、物理的防除:乾熱消毒や温水浸漬など、生物的防除:拮抗微生物の利用や弱毒ウィルスの利用など。
 素因である宿主に対しては、抵抗性品種の利用や抵抗性台木への接木などを行う。
 誘引である環境条件としては、連作障害を避ける、肥培管理、土壌の化学性(pHなど)のコントロール、気象環境の改善(雨よけ、通風、排水、マルチ)などを検討する。
 以上のような考え方に立って、それぞれの病気を理解した上で防除を総合的に考える必要がある。
 キュウリのべと病:べと病は、卵菌類ツユカビ科の菌によって起こる病気の総称。ウリ類べと病はウリ類べと病菌による病気で葉を侵す。感染したキュウリの葉の表面は葉脈に囲まれた部分が黄化する。胞子は気孔侵入するが、クチクラ侵入することもある。対策としては排水不良、多湿を避けるとともに、敷きわらをして病原菌の跳ね上がりを防ぐ。発病したら薬剤の散布。
 キュウリのうどんこ病:うどんこ病は子のう菌類ウドンコカビ科の菌による病気である。粉状のかびで、栄養体のほとんどは宿主表面に分布している。この菌が感染した葉の表面は白色の粉状の斑点が現れ、その後葉の全面が灰白色の菌糸体で覆われる。乾燥した条件で発病し、肥料過多の場合に多発する傾向がある。病原体が葉面に露出しているため、感染初期から薬剤を散布すれば防除できる。
 ここまでの植物の病気に関する知識の内容については、「植物病理学」大木理著、東京化学同人よりの抜粋。写真は「病害虫・雑草フィールドブック、野菜編」全国農村教育協会編、全国農業会議所より引用。
 これらの事を踏まえてキュウリの作付けを計画すると、使用する種は対病性のあるものを選定し、ポットに種まきして元気な苗を育てる。コストを考えて接木苗を買う事はしない。移植する畝は少し高畝とし、黒マルチを施しさらに敷きわらを用いる。キュウリの剪定は基本に忠実に実施し、追肥は少量ずつ施し、草勢を見ながら追肥間隔を決める。雨除けまではしない。このようなことを実施しながら、病気が出ないかよく観察する。
 べと病の胞子は水を得ると3時間くらいで発芽し、6時間程度で感染を完了させるので、薬剤の予防散布は必ず降雨前に実施する必要がある。予防薬剤としては、銅剤、ジマンダイセンをパラフィン系展着剤(アビオンEなど)と組み合わせて使用する。発病を観察した場合はリドミル、アミスター20、アリエッティなどを選択し、アプローチBIやニーズといった展着剤と組み合わせて使用する。
 うどんこ病は乾燥気味の日が続くと発病しやすい。予防剤としてはダコニール1000を使用する。発病を認めたらトリフミン、ラリー、カリグリーンなどを選択し、アプローチBIやニーズといった展着剤と組み合わせて使用する。
 予防剤は比較的耐性菌の出現が出にくいが、治療剤は耐性菌が出現する場合があるので、薬剤の使用は計画的にローテーションする必要がある。
 以上が現在ぼくの考えているキュウリの病気対策であるが、これは私案であるのでこれでOKかどうかの検証はこれからである。プロの方は地域毎に防除計画を持っておられると思う。自分のやり方が良いかどうかを検証するのも楽しみの一つである。
 
 「参考」
 展着剤の種類
 展着剤には大きく分けて3種類があり、それぞれ以下の様な特長があります。
 展着剤   : 濡れ性、付着性、拡展性、懸垂性などを有し、薬液を均一に付着させます。
  ダイン、クミテンなど
 機能性展着剤: 浸透・浸達などを有し薬液(有効成分)を植物体内に入り易くさせます。
  アプローチBIニーズなど
 固着剤   : 付着性、固着性などを有し、薬液を植物体に固着させ、例えば耐雨性などを付与させます
 
 











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