ジャズ・オーディオの雑記帳
by 6041のS

ブルーノート・ジャズ・クラシックス(2011.7.25)

 ジャズといえばブルーノートという程、ブルーノート・レーベルはジャズを代表するレーベルであるが、それは1947年以降のビバップ・ジャズのイメージであり、1952年からルディ・ヴァン・ゲルダーが録音を担当するようになると、ヴァン・ゲルダー・サウンドとして定着するイメージである。しかしブルーノートの録音というのは1939年から始まっている。その頃の録音の対象はいわゆる中間派ジャズといわれるものである。
 1980年代に日本のキングレコードがブルーノートの発売をしていたときに、日本で企画されたのが、ブルーノート・ジャズ・クラシックスという一連のアルバムである。監修を油井正一、大和明の両氏が行い、1943年から45年当時のブルーノートが録音した音源を元に12枚のLPとして編集・発売したものである。
 ・JAZZ PIANO CLASSICS ON BLUE NOTE
 ・SIDNEY BECHET / BLUES MY NAUGHTY SWEETIE GIVES TO ME
 ・GEORGE LEWIS / CLIMAX RAG
 ・MEMORABLE SESSIONS ON BLUE NOTE
 ・SWING SESSIONS ON BLUE NOTE
 ・GEORGE LEWIS / MEMORABLE CONCERT
 ・SIDNEY BECHET / BASIN STREET BLUES
 ・JAMMING IN JAZZ ON BLUE NOTE
 ・GEORGE LEWIS / NEW ORLEANS STOMPERS 55
 ・SIDNEY BECHET / ST. LOUIS BLUES
 ・BACK ROOM SESSIONS ON BLUE NOTE
 ・MAIN STREAM JAZZ ON BLUE NOTE
 この中より、縁あって、「スウィング・セッションズ」「ジャミン・イン・ジャズ」「バックルーム・セッションズ」という3枚のLPを今回入手しました。
 これらの演奏に名を連ねている演奏者を列記すると、ヴィック・ディッケンソン(tb)、ベン・ウェブスター(ts)、ジェームス P ジョンソン(p)、ベニー・モートン(tb)、エドモンド・ホール(cl)、ハリー・カーネイ(bs)、などといった中間派の大物や、その後バップを演奏するようになったスタープレーヤーが参加している。
 中間派のアルバムといえば、1950年代になって録音されたヴァンガード(ヴィック・ディッケンソン・ジャムセッションなど)やコロンビア(バック・クレイトン・ジャムセッションなど)のアルバムが良く知られているが、40年代に録音されたこれらのアルバムは、よりディキシーランド・ジャズのイメージに近い楽しいアルバムとなっている。
 これら中間派のジャズを聞いたあとで、同じ年代に始まったチャーリー・パーカーなどのビバップ・ジャズを聴くと、その新しい熱気と演奏の凄さが対照的に良く判る。ブルーノートの創始者であるアルフレッド・ライオンはいち早くビバップに注目して、1947年からは録音を開始するのであるが、まさに慧眼である。
 
 




サージ・チャロフ(2011.7.26)

 サージ・チャロフ(Serge Chaloff)というのは、バリトンサックスを演奏するジャズマンである。このひとのBoston Blow-Upというアルバムを入手した経過を、ぼくが雑記帳を書き始めて2日目の、2007年10月2日の日記に書いている。その事が縁でジェリー・マリガン以外のバリトン奏者に関心を持つようになって、色々と演奏を聞いたが(2009年9月17日、20日の日記)やはりサージ・チャロフが良いと思う。
 彼は1923年に生まれ、1957年に33歳の若さで、ガンで亡くなった。18歳からプロのミュージシャンとなりビッグバンドで演奏を開始した。1947年から9年まではWoody HermanでFour Brothersの1員として、1950年にはCount Basieのバンドに参加した。50年になって体調を崩し故郷のボストンに戻ったが、55年に再起して精力的に仕事をするが、57年に亡くなってしまった。
 彼の作品をぼくの好きな順に並べてみると、
 ・Blue Serge (Capitol、1956)
 ・Boston Blow Up (Capitol、1955)
 ・The Complete Serge Chaloff Sessions (Mosaic、1946-56)
 ・Fable of Mabel (Black Lion、1954)
 ・Boston 1950 (Uptown、1946-50)

 これ以外では、Woody Herman楽団でのFour Brothersのアルバムで彼の演奏が聞ける。
 Blue Sergeというアルバムは、彼が1956年に西海岸へ短期ツアーに出かけたときに、ソニー・クラークのピアノトリオをバックに演奏したものである。そしてこれが彼の最後のリーダアルバムとなった。アルバムのタイトルは、青色のサージ服と彼の名前を引っ掛けたもので、ブルーフィーリングに溢れたサージの演奏とでも言うべきものか。
 演奏者はサージ・チャロフ(bs)、ソニー・クラーク(p)、ルロイ・ヴィネガー(b)、フィーリー・ジョー・ジョーンズ(ds)である。ソニー・クラークといえばアフタービート気味に演奏する、ブルーノートのクール・ストラッティンのイメージが強いが、ここではむしろ前のりの軽やかな、明るい、西海岸のイメージのする演奏をしている。サージ・チャロフはビッグバンド出身の演奏者らしく、従来のアルバムは3管位の編成でアンサンブルを重視した演奏をしているが、このアルバムではワンホーンで、リズム隊をバックにバップの手法でインプロバイズしている。彼の演奏をじっくり聴くと、バリトンでありながらチャーリー・パーカーのイディオムを取り入れているのが良く判る。またベースのルロイ・ヴィネガーのぶっといベース音も聞いていて心地よい。
 Boston Blow UpはBlue Sergeとは対照的に、ブーツ・ムッスリ(as)、ハーブ・ポメロイ(tp)と3管のアンサンブルを重視してオーケストラ的響きを効かせる知的な演奏である。
 バリトンサックスというのは、オーディオ的には再生の好みが分かれる楽器である。ホーンドライバーでバリバリ再生すると、きつく聞こえ合わない人も出てくる。Altecの604Eなどが良いかもしれない。(最近気になっているスピーカーユニットである)
 
 




植物生理学(2011.7.28)

 前々から植物生理学に対する教科書を入手したいという希望を持っていました。大学の教科書としては、テイツ・ザイガーの植物生理学という本が一般的に使われているようだが、700頁におよぶ大著であり、僕にはきつい。もう少しコンパクトで分りやすいものを探していたら、三村徹郎・鶴見誠二編著「植物生理学」化学同人発行というのが見つかりました。ページ数も200頁と適当かなと思って購入しました。
 本の構成を目次で見ると次のようになっています。
1.植物の起源と特徴 2.植物と人類
3.同化と異化 4.光合成
5.植物細胞における物質輸送と生体膜輸送体 6.組織,個体における物質輸送
7.無機栄養塩の代謝 8.細胞分裂と細胞伸長
9.形態形成と成長調節物質 10.光形態形成
11.栄養成長と生殖成長 12.植物の運動
13.環境適応 14.病原体に対する植物の防御
15.微生物との共生  
 実は以前「植物病理学」に関する教科書を購入して勉強しています。植物の病気とは何か、病原体は何か、防御機構はどうなっているか、どうやって病気の診断をするか、などなど興味のあることを知るのに多いに役立った。それに味を占めて生理学にもチャレンジしようと思ったのである。しかしこれはなかなか骨のある教科書で、簡単には読み通せるものではないようだ。コンパクトにまとめてあるが、最新の研究成果がちりばめられていて、しかも記述が生物分子化学の手法で書かれている。ぼくのような素人の入門書にしては、記述が正確すぎる。もっと定性的なほうが分りやすい。腰をすえて勉強が必要なようだ。
 それでも根気良く読んでいるとなかなか興味深い事がわかってくる。右の化学構造は葉緑素(クロロフィル)のもので、Mgの金属がイオンの形で結合している。これによって植物は水と二酸化炭素と光によって有機体を生成する。ナスのような栄養生長と生殖成長が併行して成長する野菜では、時としてMgが不足して、葉の一部が黄色になる事があるが、これはクロロフィルが生成できずに色が抜けるためである。また動物の血液のヘモグロビンもこれと良く似た構造をしており、Mg金属がFe金属に置き換わっている。こちらは酸素と二酸化炭素の運搬機能を持っている。きっと植物の構造を応用したのであろう。植物のMg不足は動物のFe不足による貧血のようなものか。
 もう一つ不思議に思っていたのが、100mにもなる巨木の頂上まで水はどうして登れるかということであった。・・・これも答えが書いてあった。(6.組織,個体における物質輸送)
 
 











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