ジャズ・オーディオの雑記帳
by 6041のS

正月の読書(2012.1.10)

 昨年末に大量のクラシックLPを入手し、分類をし直したりして大変でしたが、それも一段落し、2011年に入ってからは、好きな曲を聞きながら読書をしていることが多くなりました。
 もう一つ忘れてならないのは、キット屋の755Aスピーカーを導入したことです。このスピーカーをWEの指定箱に入れ、501SEという300Bのシングルアンプで駆動させてクラシックを聴くと、とても心地よいのです。もちろん20pのシングルコーンスピーカーですので帯域的には広くありませんが、この深々とした音色は独特のもので、これ以上何もたす必要はないと思います。
 この装置でバロックの音楽やバッハ、モーツァルトの音楽をかけながら読書しています。といっても、手あたり次第の読書ですが、その一端を紹介します。
 「宇宙創成はじめの3分間」S.ワインバーグ著、ダイヤモンド社
 「宇宙は何でできているのか」村山斉著、幻冬舎新書
 相変わらず、こういった本が目につくとつい手を出してしまいます。何が面白いかといわれると、長い長い人類の知識の蓄積をそこに感じるからです。宇宙の成り立ちについていろいろなことがわかってくると、さらにわからないことが見えてきて、物質間に働く4つの力、重力・電磁気力・強い力・弱い力、これらを統一する場の理論がどうなるのか、注目されるひも理論とは、さらに暗黒物質、暗黒エネルギーの解明はどうなるか、興味は尽きません。
 「梅原猛の授業 仏教」梅原猛著、朝日新聞社
 「歓喜する円空」梅原猛著、新潮社

 梅原猛さんは、最近ぼくが興味を抱いている著者の一人です。彼が書いた自伝的著書「学問のすすめ」を読んで以来注目しています。仏教の授業の話は、道徳教育との関連で書いているもので、どの宗教も人間を律する教えというものがあって、信者は神を恐れ、敬いその教えを守ろうとする。神がいなくても、たとえば命を大切にするという道徳を説いたとして、人間は守れるだろうか、自分のみで自分を律していけるほど強いだろうか。
 円空は円空仏でよく知られているが、円空の思想の表れが円空仏であるという観点から、円空の一生と円空仏の関係について説いている。
 「新鬼平犯科帳 春の淡雪」池波正太郎著、文芸春秋
 「ポットショットの銃弾」ロバート・パーカー著、早川書房

 どちらのシリーズも、ぼくが愛読している小説である。鬼平犯科帳は小説もさることながら、今でも三重テレビで放映されている時代劇ドラマは、見逃せないものである。
 「植物の生存戦略-じっとしているという知恵に学ぶ」朝日選書
 これは一般読者向けに書かれたもので、専門書ではないが、植物研究の最前線の成果に基づいて書かれたもので、遺伝子レベルでの発生の仕組みを解説しており、大変面白い。
 それで思い出しましたが、以前100m超える高さの木に植物はどうやって水を供給するのかと言いましたが、それは水の凝集力によるといわれています。水の分子量は高々18で二酸化炭素にも及びません。それが常温で液体でいられるのは12分子くらいが水素結合でつながっているからです。それほど水の凝集力は強いのです。
 
 




グットベイトでのちょっとした出来事(2012.1.14)

 今日は朝から、久しぶりにレスター・ヤングの「PRES and TEDDY」というアルバムを聞きながら、昨日のジャズ喫茶「グッドベイト」での出来事を思い出している。いつものようにマスターとジャズを聞きながら話をしていると、若い5人連れの男女が入ってきた。入り口で「先生に紹介されてきました。ジャズのお話などを聞かせてください」とマスターに声をかけてきた。
 ぼくにはピンときた。隣町の教育大学のジャズ好きの先生が、学生を連れてここを訪れて、大いに盛り上がった話を昨年マスターから聞いていた。新年度が始まったら大学にジャズの話をしに行っても良いというような話も先生と交わしたそうである。興味を持って彼らを見ていると、テーブルに着いた後近くの棚からLPを取り出して眺めていた。僕は思わず声をかけてしまった。「そこにはジャズのLPはほとんど置いてないよ。LPを見たければ案内するよ」マスターに声をかけて、隣の部屋に置いてある膨大なLPを紹介した。ここには3万枚以上のコレクションがあるが、それだけでなく多くの貴重なオリジナル盤が収集されているのだ。
 こんなやり取りで彼らの緊張も解けたのか何かリクエストしたいと言った。マスターの作った演奏者別の一覧表があるので、それを見てリクエストしたらどうかと僕は言った。最初にかかったのがテテ・モントリューのピアノトリオである。全員がここに来たのは初めてと言っていたが、こんなのをリクエストするとはなかなかやるなという思いであった。すると一人の学生が,i-Podを持ってきてデューク・エリントンのこの曲好きですが、題名分かりませんかとぼくに質問した。(ギクッ!)耳を澄まして聞いてみると、どうやらムード・インディゴのようである。(ホッ!)別の学生が、ここには外国の方もよく来るのかと質問した。なぜそう思うか聞いてみると、壁にハングルのサインがあるからという。マユミ・ロウさんのものであった。韓国からの留学生だと言っていた。
 一人の学生が、自分はオーケストラでヴァイオリンを受け持っているが、ジャズヴァイオリンを聞いてみたいと言った。マスターはジャズヴァイオリンはジャズの王道ではないと言いながら、ジャンゴ・ラインハルトと演奏しているステファン・グラッペリだけは別格だと言って彼らのLPをかけた。彼らは演奏を聞いて口々に、良いね!と言っていた。ある曲がかかったらこれ好きだと言った。それがルィーズという曲であった。そこからレスター・ヤングの演奏するルィーズ(PRES and TEDDY)に飛んだ。
 それからしばらくすると、エリック・ドルフィのラスト・デイトがかかった。カウンターを見るとひとりの学生が、フルートのジャズを聞きたいということでマスターにリクエストし、マスターも熱心に学生にドルフィーのことや、アメリカのジャズマンの苦労話などを語っていた。チェット・ベイカーの好きな学生もいて、チェットの演奏もかかり、彼もチャーリー・パーカーと演奏をした初期には、ガレスピーのようなホットな演奏をしていた話などの話題が出た。・・・・・・・・・あれこれで、気が付くと1時間くらいがあっという間に過ぎた。
 若い人は好奇心旺盛で、初めてのことに興味を示し、次々と質問してくる。こういう心の持ちようは大変素晴らしく、話しているとこちらも引き込まれてしまう。
 まだ学生は残っていたが、あとはマスターに任せてグッドベイトを後にした。まことに印象に残る出来事であった。
 



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