@ キット屋倶楽部:ジャズ・オーディオの雑記帳:2013年 その4

ジャズ・オーディオの雑記帳
by 6041のS

モーツァルトを聞く(2014.9.10)


 先日、オーディオを聞かせてもらうに当たり、我が家からLPレコードを選んで持参したが、その中のモーツァルト/セレナード第9番K320「ポスト・ホルン」、ベーム指揮/ベルリンフィルがなかなか良かったので、改めてモーツァルトの音楽を聞きたくなり、手元のLPをごそごそと引っ張りでして来て、あれこれと聞きはじめた。
 と言っても、今までよく聞いた交響曲、ピアノ協奏曲、ピアノソナタ、ヴァイオリン協奏曲、ヴァイオリンソナタは後回しにした。まずは、先日セレナーデを聞いたので、ディヴェルテメントから始めた。まずニ長調K136、これはK137、K138と共にモーツァルト16歳の時の作曲であり、とても若々しい作品である。イ・ムジチ合奏団の明るく、瑞々しい演奏がピッタリである。次はディヴェルテメント第15番変ロ長調K287、この曲はコレギウム・アウレウム合奏団員(オリジナル楽器)harmonia mundi盤しか持っていないが、古楽器による典雅な音色には魅せられる。特に第4楽章アダージョ、第5楽章メヌエット、第6楽章アンダンテ-アレグロ・モルトの抒情性をたたえた美しさはいつ聞いても感動する。ディヴェルテメントの最後は第17番ニ長調K334、この曲はぼくの手元にも何枚かのLPがあるが、合奏ではパイヤール指揮/パイヤール室内管ERATOが心地よいテンポで、きびきびと楽しそうに演奏しているのが気に入っている。しかし、それよりもさらに素晴らしいのがウィーン八重奏団(LONDON)による室内楽的な演奏が、しっとりとして美しく最高である。特に第6楽章ロンドは何度聞いていても、もっと聞きたくなるような美しさである。ぼくの手持ちのLPの中よりディヴェルティメントを聞いて、これだけのことを得るだけでも随分と時間がかかり、その分楽しんだ。
 次は、協奏交響曲を取り上げる。モーツァルトには二つの協奏交響曲があり、管楽器のための協奏交響曲変ホ長調K297bヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲変ホ長調K364である。前者は本当にモーツァルトが作曲したものか、偽作ではないかと言われており、クラリネット、オーボエ、ファゴット、ホルンの独奏部分は本人の、他は第三者が編曲したのではないかとも言われているが、結論は出ていないようである。この曲は協奏曲よりも交響曲に近い性格を持っている。ぼくはベーム指揮/ウィーンフィルDGとスウィトナー指揮/ドレスデン国立管Deutshe Schallplattenの2枚を持っている。ベームのものはかっちりとした交響曲のような演奏である。スウィトナーのものの方がより協奏曲的で、独奏者に伸び伸びと演奏させており、この曲についてはスウィトナーの方がぼくの好みに合っている。
 後者の曲については、第2楽章アンダンテが大変優美であり、ここの演奏がどう聞こえるかで演奏の好みが左右される。この曲については手元に5枚のLPがあり、これを第2楽章を中心に聞き比べた。ベーム指揮/ベルリンフィル(DG)、パイヤール指揮/パイヤール管弦楽団(DENON)、スーク指揮/プラハ室内管(Columbia)、バレンボイム指揮/イギリス室内管(CBS-SONY)、メータ指揮/ニューヨークフィル(CBS-SONY)である。スークの演奏するヴァイオリンの音色が大変美しいが、ヴィオラが少し弱い気がする。両者のバランスを考えて、スターンのヴァイオリンとズーカーマンのヴィオラが美しいメータ指揮/ニューヨークフィル(CBS-SONY)盤がぼくの好みである。
 クラシック音楽を聞く楽しみの一つが、それぞれの演奏を自分で聞き比べて、自分の好きな演奏を発見することにあると思っている。モーツァルトは、クラリネット協奏曲とか、フルートとハープの協奏曲とか、まだまだ聞き比べを続けるつもりである。






7インチ・シングル盤(2014.9.30)

 現在、ぼくの手元に7インチ・シングル盤が500枚くらいある。厳密にはいわゆるドーナッツ盤と言われる45回転盤だけでなく、33回転の、本来の12インチLPからの抜粋盤の7インチ盤も含んでいる。ぼくが高校生の時に、今思えば親が無理をしてコンソールタイプのステレオを買い与えてくれた。当然ぼくのこずかいでは12インチLPをめったに買えるはずもなく、7インチ盤を買っていた。写真に写っているのは、当時ぼくが買い集めたもので現在も持っているものである。ジャンルで言えば、クラシック、ジャズそれから洋楽ポップに大別される。
「クラシック」
 1)フランソワ-ショパン名曲集
 2)ハイドン-弦楽四重奏曲「皇帝」/アマデウスSQ
 3)モーツァルト-オーボエ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのための四重奏曲/ホリガー(オーボエ)、パスカルSQ
 4)メンデルスゾーン-ヴァイオリン協奏曲/ギトリス(vn)スワロフスキー指揮、プロ・ムジカ
「ジャズ」
 1)ナイト・トレイン/オスカー・ピーターソン・トリオ
 2)聖者の行進/ダニー・ケイとルイ・アームストロング
 3)カウント・ベイシーをあなたに/カウント・バイシー
 4)クリス・コナー、ベスト5
 5)タイム・アウト/デイブ・ブルーベック
「洋楽ポップ」
 1)オンリー・ユー/プラターズ
 2)闘牛士のマンボ/ペレスプラード
 3)愛の賛歌/ブレンダ・リー
 というようなもので、1枚1枚にそれぞれの思い出がいっぱい詰まっている。持っていた枚数はせいぜい30枚程度であったと思う。シングル盤が増えたのはこの5年くらいの間に、中古として出回っているものを買い集めたからである。昔の懐かしさもあって、クラシック、ジャズ、洋楽ポップのも手を出したが、一番大きな原因は日本の流行歌のドーナッツ盤を集めだしたからである。
 なぜドーナッツ盤に手を出したかというと、何気なく買った都はるみの夫婦坂という曲が、カートリッジの調子を見るのにまことに都合が良く、テスト盤として使っている。という事を以前書いたような気がするが、さらに音もヴィヴィッドで聞いていて気持ち良いのである。ぼくが青春していた1960年代、70年代のシングル盤はどこの中古店にもワンコイン以下で売られており手に入りやすい。しかも多くのシングル盤というのは、その歌手が初めてうたった曲を収録しており、声に張りもあり瑞々しい。唯一、わずか3分や4分でプレーヤーを操作するという煩わしさはあるが、という事で収集を始めたのである。Jポップの歌手というのは、声の寿命の短い人が多く、美空ひばりのように年をとっても益々歌が上手くなるというのはまれで、声の出なくなる人が多い。圧倒的にシングル盤が聞きやすいと思っている。最近はカバー曲という形で別の人が歌う事も出てきたが、アメリカのように良い曲はスタンダード曲という形で誰でもが歌えるようになると良いのだが。わたしの城下町、お祭りの夜、雪明りの町、瀬戸の花嫁、京のにわか雨、漁火恋唄、春のおとずれ、十五夜の君、恋の雪別れ、これはある歌手のデビューからのシングル盤10枚の中のぼくが集めた9枚である。




犬も歩けば棒に当たる「ちょっとした幸運を招く」(2014.10.3)

 午前中の農業の講師の仕事を済ませてから、中古レコード店を数軒回ることにした。というのは、小柳るみ子の「恋にゆれて」という8枚目のシングル盤を探したいと思ったからである。無くても良いようなものであるが、集めてみようと思ったものは完全コレクションしたいという単純な動機で、久しぶりに店を数件うろうろと探し回った。
 ある店で「魅惑の音楽 ホーム・クラシック名曲集」国際情報社というBoxセットがビニルテープでしっかりと封印されて売られていた。1枚1枚がジャケットに入って20枚入りである。背表紙に書かれているタイトルを見ると「ベートーヴェン 交響曲第6番田園」などと書いてあるだけで、演奏者とかレーベル名は一切わからない。大体こういう雰囲気のBoxセットは期待外れのものが多く、これもそうだろうと思い1度棚に戻した。しかし一体いくらだろうと値段を確認することにした。テープに丸まって貼り付けてある価格を苦労して確認すると300円である。こういう場合500円ならば買わなかったが、この値段だったので思わず買ってしまった。
 家に帰り、テープを外し、ジャケットを取り出して眺めてみたら、久しぶりにちょっとした幸運を手に入れたような気になった。音源はすべてEMIで、それもEMIが発売したLPがそのままチョイスされて20枚入っていた。主なものを紹介します。
 ・ベートーヴェン 交響曲第6番田園/クリュイタンス指揮・ベルリンフィル
 ・ベートーヴェン 交響曲第5番運命/クレンペラー指揮・フィルハーモニア
 ・ドヴォルザーク 交響曲第9番新世界/カラヤン指揮・ベルリンフィル
 ・チャイコフスキー 交響曲第6番悲愴/クレンペラー指揮・フィルハーモニア
 ・ビゼー 「アルルの女」第1・第2組曲/クリュイタンス指揮・パリ音楽院
 ・ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番皇帝/ギレリス(p)、ルートヴィッヒ指揮・フィルハーモニア
 ・チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲/ミルシテイン(vn)、スタインバーグ指揮・ピッツバーグ
 ・ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲/メニューイン(vn)、クレンペラー指揮・ニューフィルハーモニア
 ・ベートーヴェン 3大ピアノソナタ(作品13、57、27-2)/ハイドシェック(p)
 ・ショパン ピアノ名曲集/サンソン・フランソワ(p)
 いずれもEMIの当時の人気アルバムばかりである。しかもBoxセットの例にもれず、いずれの盤もやつれがほとんどないのである。
 更にその店で、ワンコインのジャンクコーナーを覗いていたら、ジャズのLPが10枚も手に入った。(主にウエス・モンゴメリー、ラムゼイ・ルイス、デイブ・ブルーベックなどのオムニバス盤であるが、ハービー・マンのメンフィス・アンダーグラウンドなどもあった)関心のない人から見れば、不用品に見えるLPも、ぼくから見ればお宝であり、掘り出し物を手に入れた気分である。
 小柳るみ子の「恋にゆれて」を探す動機で、あちこちの店をうろうろと犬のように歩いたおかげで、ちょっとした幸運に巡り合ったと思っている。それで本来の目的を達したかというと、まだである。ぼくも良く知らない、そんなにヒットしたと思われない曲は、今となっては探すのも苦労する。
 都はるみのシングル盤も集めようかと思ったが、彼女の場合90枚以上を出しており、それがすべてヒットしたかというと、かなりが聞いたことのない曲なので、さらに集めるのに苦労すると思うので断念して、集まるものだけ集めることにする。いつも幸運が待っているわけではなく、不幸なことに出くわすことの方が多いかもしれないから。












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