ジャズ・オーディオの雑記帳
by 6041のS

「FMジャズ喫茶Pitch」12月1-2週放送分の収録 (2017.11.20)

 「FMジャズ喫茶Pitch」もスタート当初は、マスターが世に知られざる名盤の紹介、ぼくがそれぞれの演奏者の代表と言える名盤、大橋さんが誰にでも良く知られた名盤の紹介と、何か役割分担して選曲してみたり、ジャズのレーベル別代表盤の紹介をしたりと、何か企画して収録に臨んだ。
 レーベル別シリーズが一段落したところで、9月からは3人がそれぞれ勝手に好きな選曲をして収録に臨んではということになり、今回に至っている。3人ともにあまり四苦八苦せずに、むしろ楽しんで選曲し、収録に臨んでいるので、このスタイルで当分続けることになろう。今回は、大橋、神谷、清水の順でスタートです。

 

1)清水:Boll Weevil (5:45)
・Terry Gibbs - Hootenanny My Way
・Time Records - S/2105
・Recorded in New York, 1963
  Drums - Al Belding
  Guitar - Jimmy Raney
  Piano - Alice McLeod
  Tenor Saxophone, Congas - Al Epstein
  Vibraphone - Terry Gibbs

 ぼくが最初に選曲したのは、ヴィブラフォンのテリー・ギブスのアルバムを取り上げました。彼のヴィブラフォンの演奏はライオネル・ハンプトンのような明るくてよく歌う演奏をすると思います。Boll Weevilという曲では若きアリス・コルトレーンがバド・パウエル風の溌剌とした演奏で共演し聞きどころになっていると思います。ぼくがテリー・ギブスを知ったのは、彼の率いるドリーム・バンドという名のビッグ・バンド演奏のアルバムを聞いたからである。

 

2)大橋:Vierd Blues (6:49)
・Miles Davis - Collectors' Items
・Prestige - PRLP 7044, Prestige - LP 7044
・Recorded at Van Gelder Studio, Hackensack, NJ, March 16, 1956.
  Bass - Paul Chambers
  Drums - Art Taylor
  Piano - Tommy Flanagan
  Tenor Saxophone - Sonny Rollins
  Trumpet - Miles Davis

 大橋さんが大変マニアックなマイルスのアルバムを持ってきました。題名通りのコレクターズ・アイテムです。マイルスがチャーリー・パーカーのもとで、トランぺッターとして当時のディジー・ガレスピーのようにハイノートを駆使した高速フレーズはできないことを悟り、中音を中心にメロディアスに、ノンヴィブラートで、間をうまく使ったリリカルな自分のスタイルを探り当てた、その延長線上の演奏です。大変初々しいマイルスです。そして若きソニー・ロリンズが、まるでマイルスの演奏をテナーに置き換えたような演奏をしているのも興味深いです。

 

3)神谷: Turnaround (7:52)
・Charlie Haden - The Golden Number
・Horizon Records & Tapes - SP-727
・Recorded June 7, 1976〜December 20, 1976
  Bass - Charlie Haden
  Piano−Hampton Hawes

 マスターが取り出したのは、チャーリー・ヘイデンがドン・チェリー、アーチー・シェップ、ハンプトン・ホーズ、オーネット・コールマンという4人の奏者とそれぞれデュオで演奏したアルバム、The Golden Numberである。そして選曲したのがハンプトン・ホーズとのデュオ曲Turnaroundである。ぼくはマスターが最初に選曲しようとしたドン・チェリーとのデュオのほうが好みである。

 

4)清水: Doubling Blues (6:57)
・Count Basie - Basie Jam
・Pablo Records - 2310 718
・Recorded December 10, 1973
  Bass - Ray Brown
  Drums - Louie Bellson
  Guitar - Irving Ashby
  Piano, Organ - Count Basie
  Tenor Saxophone - Eddie "Lockjaw" Davis, Zoot Sims
  Trombone - J.J. Johnson
  Trumpet - Harry Edison

 このアルバムはカウント・ベイシー楽団のようなリズム隊の、スイングするリズムに乗って2テナー、トロンボーン、トランペットが軽快なソロでジャム・セッションを繰り広げるのを理屈抜きで楽しむアルバムである。

 

5)大橋: Pyramid (10:46)
・The Modern Jazz Quartet - Pyramid
・Atlantic - 1325
・Recorded on December 21, 1959
  Bass - Percy Heath
  Drums - Connie Kay
  Piano - John Lewis
  Vibraphone - Milt Jackson

 アドリブの少ない、カチット編曲された演奏はぼくの好みではない。しかしこの演奏の再生音には脱帽である。一つ一つの楽器のデティールが、エッジが立ってカチッと決まり、まるでオリジナル盤の音を聞いているようである。今回も大橋さんが事前に大橋マジックでLP再生し、CD化したものを持ち込んでこられ、これを聞いていると思わず聞き入ってしまう。

 

6)神谷: My Favorite Things (17:31)
・John Coltrane - Selflessness Featuring My Favorite Things
・Impulse! - AS-9161
・Recorded at the Newport Jazz Festival, 1963
  Bass - Jimmy Garrison
  Drums - Roy Haynes
  Piano - McCoy Tyner
  Tenor Saxophone - John Coltrane

 マスターが最後に取り出したのが、コルトレーンのSelflessness Featuring My Favorite Thingsというアルバムである。そして曲はMy Favorite Thingsである。ここではドラムをRoy Haynesが担当していて、非常にスリリングな演奏を展開している。以前調べたことなのだが、コルトレーはMy Favorite Thingsという曲を22枚のアルバムに収録している。17分31秒の演奏というと一般的には大変長いと思うが、コルトレーンが1966年に日本のライブで演奏したColtrane In Japanというアルバムでは58分近く演奏している。こんな演奏は放送で流されることはまずないであろう。

 

 今回は曲が流れて、マイクがオフになっているときの3人のおしゃべりが、いつものように“みんな良い選曲をしてくるね。色々参考になるわ!”的なムードだけでなく、“こんな曲はいまいちだな!”的発言が飛び交い、その先頭を切ったのがぼくでありました。冷静になって考えると、自分の好みを言う前に選曲した人が曲に見出した良い点を聞きだしたほうが、自分の好き嫌いの垣根を広げるのに役立つかなと反省しています。

 

 


 

 


 

 









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