キット屋倶楽部
私のオーディオ人生
Y下
by Y下
第16回 Y下の愛聴CDとリファレンスCD(その1)
 オーディオマニア、音楽マニアが聴くソースはクラシック、ジャズが定番ですが勿論ポップスや流行歌も好きな方も沢山います。今回はオーディオのコラムではなく私個人が愛用しているCDとオーディオの音決めに採用していますリファレンスCDをご紹介しますが特にお気に入りを特別にお教えしましょう、「Y下は変わり者だからどうせろくなものしか聴かないだろうな」当たり!皆さんとは一味も二味も違う音楽CDソフトをこのコラムでご紹介します。
 クラシックならバッハ、モーツアルト、ジャズならマイルス、ソニーロリンズになりますが究極の音楽と言えば日本古来の伝統の和楽器を使用した琵琶、琴、笛などの音楽ではないだろうか、


このCDを買って聴いたら恐いぞ!
 このCDを「恐いぞ!」と言われたらどんなCDなのか、皆さんが一般的にこれは良いから「推薦します」が当たり前なのにY下はおかしな男だと思われますが、そんなCDはどんなものなのか教えろ!と聞こえてきそうですから恥ずかしながら公開させて頂きます。
 このCDを聴くと夜中にトイレに行くのも怖くなる「恐いぞ!」と思えるぐらいリアルに満ちたこの世の恐ろしいCDアルバムです。
 琵琶と弾き語りは宝塚歌劇団にいました「上原まり」でこの方の琵琶の弾き語りを聴きますとこの世ならぬ霊玄の世界へいざなう聴く方を引き付ける素晴らしいCDアルバムです。


祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり
 題名は小泉八雲原作の「耳なし芳一」「雪女」の怪談ものです。
 冒頭に「上原まり」の語りで始まる「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。」と壇ノ浦で平家が滅亡した亡霊が出てくる恐ろしくリアルな怪談物語であります。心臓の弱い方、気の小さい方、怪談ものが怖い方は聴かない方のが・・・・
 耳なし芳一、雪女は有名すぎて皆さんご存知でこのCDを夜1人で聴きますと寒々とした雰囲気に駆られます、越前琵琶の繊細な切ない響きと恨みや悲しみに満ちた上原まりの声は絶品です。「そんな馬鹿な!」とお思いでしょうがこの雰囲気感が出れば最高のオーディオシステムです。勿論トランジスターアンプでは鳴りません、ここはろうそくの明かりの変わりに真空管のフィラメントで照らしながら鳴らすのがベスト、もっとリアルに聴くなら自分のシステムをどこかの神社の境内、お寺の場合は本堂に持ち込み薄明かりの中で数珠を握りしめて夜1人で静かに聴けばこれ以上の効果はありませんぞ、
(想像しただけでも恐いぞ!恐いぞ!)

 この末恐ろしい琵琶の弾き語りを聴かせてくれる「上原まり」の「耳なし芳一を語る」CDのジャケットです。


竹取物語
 このCDは千年の時を超えて伝えられている「かぐや姫」の物語を琵琶奏者の坂田美子と現代音楽のビカムの組み合わせによる物語的なCDです。琵琶を弾きながら歌う坂田美子の声は透明感のある素晴らしい声で聴く人を引き付ける魅力を持っている。


鶴田錦史
 琵琶の響きと語りでベストなCDは「琵琶劇唱、鶴田錦史の世界」です。以前にこの鶴田錦史の琵琶をウェスタンエレクトリックの555と12Aのカールホーンで初めて試聴、琵琶の力強いテンションの高い音と鶴田錦史の語りは今までのオーディオシステムでは聴いたことがありません、私には鮮明に残っている琵琶の響きウェスタンは凄いと唸らせた一枚です。特に録音が素晴らしく琵琶のレコーディングは特別な方法で録音されている。撥弦楽器の収録は一般的には難しいとされている。弦をはじいた瞬間に発生するアタック音が普通のマイクではまったく違ったニアンスの音になってしまう、今回のレコーディングは3つの琵琶に個々にマイクを設置しての録音で琵琶専用にはRCAのリボンマイク(77DX)オールドタイプ、鶴田錦史の語りにはテレフンケンの真空管式コンデンサーマイクで収録されているため柔らかく自然な鶴田の声の語りになった、特に圧巻なのは壇ノ浦で3つの琵琶の弦をバチで叩く音は最高である。録音は最高の音質で是非オーディオシステムのリファレンスとして手元に置きたい一枚、

 曲目は千年の時を超え平家、源氏の合戦である壇ノ浦の戦いをイメージした鶴田錦史の作曲で雄大かつ緻密な絵巻を見事に演じています。
 琵琶の響きと語りを聴くと西洋の楽器とは違う日本古来の伝統音楽が身近に感じます。このような日本の琵琶を聴くと日本人のDNAを感じるのは私だけではない、
曲目は
1. 俊寛
2. 壇ノ浦
3. 義経

 このような音楽が好きになるような年なのかそれともあの世からお迎えが近いのか不安だが、やはり良いものは良い!


冨田勲
 冨田勲と言えばシンセサイザーを巧みに操る日本を代表する演奏家ですがこの方の作曲された曲は皆さんご存知の有名な曲ばかりです。今回ご紹介します「冨田勲の音楽」はいつ聴いても心に残る名曲を大友直人指揮と東京交響楽団による演奏の豪華版です。
 曲目はNHKで放映された「新日本紀行」がメインタイトルですがその他の曲を聴けば懐かしいメロディーばかりです。
私が好きなのは
 新日本紀行のテーマ曲、NHKの大河ドラマのオープニングテーマで徳川家康、天と地を、新平家物語、勝海舟、NHKスペシャルの蒼き狼の伝説「ジンギス・ハーン」で有名な「大モンゴル」、テレビ朝日系列で放映された「揚子江」とどれも聴いても懐かしい、
 特に「新日本紀行」のホルンから始まる序奏を聴きますと私達の子供のころの故郷が目に浮かんできます。このテーマ曲を知らない日本人はいないぐらい有名な曲です。
 是非このCDを購入してオーディオを忘れて自分の幼年時代、青春時代?に逆戻りして懐かしさを想いふけるのも良いのではないでしょうか、
冨田勲の音楽の曲目
1. 新日本紀行のテーマ(祭りの笛、日本の素顔)
2. ジャングル大帝
3. 勝海舟 大河ドラマ(昭和49年)
4. 文吾捕物絵巻(NHKドラマ昭和42〜43年)
5. 学校(幸せっていうのは)
6. 蒼き狼の伝説
7. 国境のない伝記
8. 二つの橋
9. リボンの騎士
10. 花の生涯 (NHK大河ドラマ昭和38年)
11. 天と地と (NHK大河ドラマ昭和44年)
12. 新平家物語(NHK大河ドラマ昭和47年)
13. 徳川家康 (NHK大河ドラマ昭和58年)
14. 決断   (テレビ朝日揚子江平成4年)
15. 多様な国土(爺さんの里)
16. 青い地球は誰のもの

以上の16曲が入っていますがこのうち何曲ご存知か?


源氏物語幻想交響絵巻
 最後にご紹介しますのは冨田勲が作曲しました「源氏物語幻想交響絵巻」で冨田勲の凄さには感服した一枚、
 この曲は優雅な源氏の時代をテーマにした最高傑作の音楽です。源氏物語幻想交響絵巻はかの有名な「瀬戸内寂聴」が現代に翻訳したのを冨田勲が源氏物語を交響詩ふうに再現したものです。
 演奏はロンドンフィルハーモニー管弦楽団とコーラス、明珍火箸、琵琶、琴、篠笛、による和楽器をふんだんに取り入れた演奏でこのCDを試聴していますと千年の悠久の歴史を超えて平安の宴の時代が壮大な大河の如く流れて脳裏の中でドラマチックに展開される。クラシックやジャズを聴いても頭の中に曲の良さや演奏の素晴らしさは入ってくるが感動まではいかない、この源氏物語幻想交響絵巻を聴くと頭の中で映写されているような雄大なスケールに満ちた源氏絵巻を彷彿させてくれる。この物語をニューヨーク、ロンドンで演奏されているが西洋の人が絶賛したというぐらい凄い冨田マジックである。
 バッハ、モーツアルトなどのクラシックも良いが源氏物語幻想交響絵巻はまた違った意味合いでの良さが感じ取れる。西洋の楽器と日本の伝統楽器のコラボは今までの「音楽観」を変えるぐらい素晴らしいの一言、しかも録音が良いから安心して聴ける。
 日本の和の楽器と西洋の楽器が見事に融合した最高傑作、騙されたと思ってこのCDを是非買って聴いて頂きたい、「人生観が変わりますよ」

CDのジャケットの表紙は平安の時代の美しい女性の顔で何となく怖いイメージがありますが源氏物語幻想交響絵巻にふさわしいジャケットです。
 ※今回ご紹介しましたCDソフトはアマゾンで購入しました。

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