キット屋倶楽部
私のオーディオ人生
Y下
by Y下
第31回クリプッシュホーンが奏でるジャズ喫茶
 前回の予告で西山氏のパルメコスピーカーの第2弾を予定していましたが先日オーディオ仲間のK嶋氏宅を訪問したときに教えていただいたジャズ喫茶を紹介させて頂きます。今回はこのジャズ喫茶のレポートを先に書かせていただきます。また新作のダブルアームプレーヤーを製作しましたのでこちらの写真を載せておきます。製作過程は改めて公開したいと思います。

ケースから自作したダブルアーム・プレーヤー
木目鮮やかなローズの無垢材の突き板仕上げ
 
ジャズ喫茶、名曲喫茶
 1970年代の頃は沢山のジャズ喫茶、名曲喫茶がありましたが今は時代の流れなのかマニアの方がもっと良いシステムと良い音で鳴らされているためなのかわかりませんがジャズ喫茶、名曲喫茶が少なくなってしまったのは寂しい限りであるが1970年代は沢山のジャズ喫茶、名曲喫茶があり此処でコーヒーを飲みながらじっくりと楽しんだ記憶があります。
 当時はオーディオマニアでも持てない高嶺の花であったジムラン、アルテックのホーンシステムで豪快なジャズサウンドを堪能していたはずだが今の時代は裕福になったのかマニアはもっと素晴らしいシステムでジャズやクラシックを楽しんでいるのかも?
 多くのジャズ喫茶のオーナーはジャズレコードに対しては豊富な知識を持ち合わせてはいるがオーディオに関しては無頓着でただシステムを置いてジャズを流している店が多く音に関しての向上心もない、折角良いシステムを導入してお客様には良いジャズサウンドを心行くまで楽しんでもらうのはわかりますが立派な装置=良い音にはならないのがオーディオです。ジャズ喫茶を経営されているのであればオーディオマニア達が上手く鳴らされているサウンドを沢山聴いて自分の店にしかないオンリーワンの音をお客様に聴かせてほしい、
 以前のコラムでも書きましたがジャズ喫茶と云えば京都の「ヤマトヤ」が有名ですが此処で鳴らされているヴァイタボックス191コーナーホーンはシットリ感のあるジャズサウンドではあるが音量が小さすぎるためジャズを体感したと云う満足感が少ないのが残念でもあるが大音量だとお客様同士の会話が出来ないのは仕方が無いかも・・・・・
 今回ご紹介する愛知県は名古屋市千種区にありますジャズ喫茶Daysはロンドンウェスタン直系のヴァイタボックスを使ったジャズサウンドでテレビや新聞、週刊誌に紹介されたアナログレコードで楽しむジャズ喫茶、ここで奏でられるジャズサウンドは1950〜70年代の香りが漂ってくる大人のサウンドを堪能することが出来る。


コーナーに鎮座しているのがロンドンウェスタン直系の
ヴァイタボックスクリプッシュ5ホーンシステム


Daysのオーナーは依田氏でこの方はいつもカウンターの中にいて一人
静かにジャズを聴いていますが大変お話し好きですから
ジャズ談義、オーディオ談義などが楽しく会話が出来ます。


サンバレーのアンプでVP−3000SE


アナログプレーヤーはヤマハGT−2000、カートリッジは
マスターお気に入りのシュアーM−44−7を使用している。


ヴァイタボックス191コーナーホーンとは少し外観が違いますがユニットはドライバーがS−2、低音用は38cmのAK−157、オールアルニコマグネットを使い2Wayで鳴らしている。ネットホークはオリジナルを使用

私が推薦するジャズ喫茶
 ジャズを鳴らすスピーカーと云えばJBL、アルテックが定番であるがアメリカンサウンドはどちらかと云えば押し出しの強い豪快なサウンドと乾いた音が特徴だがアルテック、JBLでも上手く鳴らせば良い音になるのだがセッティングを含めてそのスピーカーに合うようにハードに強くないと一つ間違えると騒々しいサウンドになり聴いているより疲れが先に来る。今回は私が推薦しますジャズ喫茶Daysは長時間聴いていても疲れずマスターもオーディオマニアであり音に対してのポリシーを持ち合わせているからジャズ好きもオーディオ好きもマスターと談義して楽しめるのではないだろうか、
 システムとしては大変シンプルではあるがDaysの自慢はヴァイタボックスのクリプッシュホーンである。このシステムはオリジナルの191コーナーホーンとは多少外観が違うが内部構造は同じである。
 マスター曰くこのスピーカーシステムはカナダで製作されアメリカ経由で自分自身が聴くために購入されたと云っていましたが大変マニア好みのスピーカーシステムと云える。
 私もヴァイタボックスのコアキシャルを持っていますがコーナーホーンとよく似た響きと音色を持ち合わせてはいるがホーンタイプは中域の密度とコクと押し出し感があります。その点私が所有しているヴァイタボックスのコアキシャルタイプはタンノイ同様どうしても中域の密度が薄くなりがちですがこれはコアキシャルスピーカーの宿命かも知れません。

Daysの音
 早速Daysの音であるが一聴すると英国の芳醇な響きと味わい深い音はアルテック、JBLで馴らされたジャズサウンドとは方向性がだいぶ異なるのがわかる。
 スピーカーボックスもバスレフやバックロードのボックスとは違うクリプッシュホーンは低域の量感が丸くふっくらとして心地よい空気感のある低音で高域も刺激的な音をいっさい出さない音作りであるが一つ間違えると高域のきつさが前に出てとんでもない酷い音にもなる。
 マスターは長時間聴いても聞き疲れしない音を目指したと云っていたのがよくわかる。この音を出すにはメインアンプの重要性が大切だ、サンバレー製のVP−3000SEを使ったことが音作りに貢献しているのではと思う。VP−3000SEは300BのPPアンプであるが300Bのシングルアンプを使えば違った意味での良さが引き出されるのではと思う、
 マニアはすぐに300BはオールドタイプのWEでないと駄目と云う方が沢山おられるが業務用で使うのであればWE−300Bはリスクが大きすぎるから中国球でも十分である。オールド球のWE−300Bなどは何時「オシャカ」になるか不安であるから個人的にも業務用にも使えない、  Daysのサウンドは玄人好みのサウンドだが多少の不満点も見え隠れする。
マスター曰く高域の伸びに不満点があると云っていたがこのユニットのホーンは500HZ〜20000HZまでだが実際は12000〜13000HZぐらいからなだらかに高域が落ちていると感じる。元々このスピーカーユニットは劇場で使うのが目的であるから高域は欲張っていない、
 マニアならここにツィーターを足せば細かなニュアンスも再現されると思うのだがこのスピーカーに合うツィーターが少ない、JBLの075では音の繋がりが上手くいかずヴァイタボックスの良さが後退してしまう、ここはヴァイタボックスの個性を出すためには現状の2Wayが正解かもしれないのと当時のアナログディスクはヴィンテージスピーカーとの相性が合うのか女性のジャズボーカルを聴かされると違和感なく心地よく聞こえてくる。
 私個人の私見であるが音の分解能が少し暖味になるが多分使用しているプリアンプが影響しているのではと感じている。この部分を完全にレストアされたマランツ#7あたりを使えばより美味しい音とホールトーンが出てくるはずだが中古のマランツ#7は状態の良いのは皆無であるから下手をすると酷い音になる場合もある。ヴァイタボックスのクリプッシュホーンを使うのであれば現状のプリアンプでは荷が重過ぎる。またメインアンプをマッキントッシュのMC−60,275を使うと音はもっと粗くなり大味的な音になってしまうのと面白みに欠ける。サンバレーのVP−3000SEを使ったのは正解であるのとVP−3000SEは信頼度が高く故障やトラブルも無い、私から見れば大変優秀な優れたアンプで長時間使用に耐えるから業務用としてもお薦め出来るアンプである。またクリプシュホーンはコーナーに上手く設置しないと良さが発揮できない難点があるがここはマスターのオーディオに対してのノウハウと苦労が上手くいかされているから一般的には大きな不満はない、
 
あとがき
 ジャズサウンドを派手やかな音を大音量で鳴らしているジャズ喫茶が多いがこのようなサウンドには必ず飽きが来て最後は興味が薄れ行かなくなる。その点Daysのサウンドは控えめなシットリ感といぶし銀のサウンドが魅力で是非行かれて英国ロンドンウェスタン直系のサウンドを堪能していただきたい、
 場所は名古屋市千種区の元山交差点を北側へ500メートルぐらい行った右側にあります。詳しくはDaysジャズ喫茶で検索していただくとお客様のブログに掲載されています。

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