もっとモーツアルトを楽しもう(2)        2011.7.26
室内楽、レクイエム、歌曲、弦楽四・五重奏曲、クラリネット、フルートの項
(186)モノローグ「近くにあったモーツアルトのCD(2/4)」

アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク、K525(セレナーデ第13番ト長調)
ブルーノ・ワルター指揮のコロンビア交響楽団、1958〜61年録音、CBSソニー、CSCR-8341〜2
これは逸品でした。随分昔に買ったCDですが、たまたま途中に出てくる「劇場支配人」の所で音を上手くトレースできなかったので、忌々しい思いをしてきました。それは主としてCDプレーヤーのせいだったようで、51LXにしてからは不都合はありません。ワルターの指揮ぶりはゆったりとしていますし、音も十分に膨らみます。どこにも不満は見つかりませんでした。

アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク、K525
ブルーノ・ワルター指揮、ウイーン・フィル、1936.12.17録音、音楽の友OCD-2010
あらえびす氏の選曲によるSP名盤。これを聴くときは歴史年表を目の前においておかなければなりません。つまりワルターは1936年には決して安心できる環境ではなかっただろうと思うからです。ナチスの匂いを感じたトスカニーニは既に1931年にはバイロイトから撤退しています。ワルターの心がゆれるような箇所は、全ての楽章で指定できるのですが、急ぎたい、急がなくちゃ、間に合うだろうか、等々。一カ所、急いでいる箇所があります。ここ、と指摘できる程です。

アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク、K525
カール・ベーム指揮、ウイーン・フィルハーモニー、1961〜92年録音、グラモフォンPOCG-5007
実はこれはモーリス・ジャンドロン(Ce)の弾く「「魔笛」の主題による12の変奏曲」を聴いた直後に聴きました。ややリズム感に引っかかる所がありますが、全てがベーム風に膨らんでいます。ベームに対する評価は私自身が変革を迫られているところですが、いきなりこの曲をこれで示されたら、私はウームとしばし考えます。ただしこのCDは短縮版なので第1楽章しかありません。

アイネ・クライネ・ナハト・ムジークト長調、K525
ウイリー・ボスコフスキー指揮、ウイーン・モーツアルト合奏団、録音年不明、キング、K30Y 3037
これもぴったりのBGMです。

アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク、K525
クリストファー・ホグウッド指揮、エンシェント室内管、録音年不明、ポリドールDCI-1033
これは第1楽章だけですが、これくらい颯爽と演奏されると、古楽器であることを忘れてしまいます。これはこれで良いと思いました。

アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク、K525、1942年録音
ウイレム・メンゲルベルク指揮、アムステルダム・コンセルトへボウ管
猛烈に速いテンポが取られています。そうして聴衆を眠らせなかったのでしょうか。でも音の出し方などは中々良かっただけに、あのテンポをどうにか出来ないでしょうか。なぜあんなに速いのでしょうか?

フルート4重奏曲(ニ長調、K285)
アイザック・スターン(Vn)、ジャン・ピエール・ランパル(Fl)、アレクサンダー・シュナイダー(Vi)、レナード・ローズ(Ce)、1968年録音、CBSソニー、30DC 778
活発なフルートに、また活発な3重奏が付いてきます。アイザック・スターンはそれなりに颯爽としています。スターンは1986年頃に再度録音していますが、でもこれは私が気に入ったもの。スターンに関してはかつて、大学のN教授はあんな芸人みたいなヴァイオリニスト、と一刀両断しましたが、深みこそ足りないかも知れませんが、それにしてもこれだけ弾ければ立派かも。

フルート4重奏曲(イ長調、K298)
アイザック・スターン(Vn)、ジャン・ピエール・ランパル(Fl)、アレクサンダー・シュナイダー(Vi)、レナード・ローズ(Ce)、1968年録音、CBSソニー、30DC 778
この曲はかつて新婚時代に、大学に学園祭に訪れ、そこでたまたまやっていたフルート4重奏に掴まって聴いたものです。学生のこととて、技術もそこそこでしたが、そういうことは聴く本人にとってもどうでも良かったのです。飲み物付きで、500円ぐらいでした。やはりニ長調の曲と同様に、深みを求めるというより、爽快さを求めるならこれも聴けます。

フルート4重奏曲(ト長調、K285a)
アイザック・スターン(Vn)、ジャン・ピエール・ランパル(Fl)、アレクサンダー・シュナイダー(Vi)、レナード・ローズ(Ce)、1968年録音、CBSソニー、30DC 778
この曲と次の曲は、前出のニ長調とイ長調の曲と比べると少し劣るような気がしました。モーツアルト自身はどう思っていたのでしょうか。

フルート4重奏曲(ハ長調、K285b)
アイザック・スターン(Vn)、ジャン・ピエール・ランパル(Fl)、アレクサンダー・シュナイダー(Vi)、レナード・ローズ(Ce)、1968年録音、CBSソニー、30DC 778
途中に聴こえた旋律は何かヴァイオリンの練習曲にこういうのがあったような気がしました(約50数年前に大きな講堂の中で聴いたような記憶)。詳細ははっきりしません。

フルートとハープのための協奏曲ハ長調、K299
クリストファー・ホグウッド指揮、エンシェント室内管、録音年不明、ポリドール、DCI-1033
第2楽章のみの演奏ですが、よく聴く旋律です。ただこれを選んで嬉々としてスタート・ボタンを押すのはややつらい。モーツアルトだからって、好き嫌いがあっても当然か。

フルートとハープのための協奏曲、K298
マルセル・モイーズ(Fl)、リリー・ラスキーヌ(Hp)、ユジェーヌ・ビコー指揮の管弦楽団、1931年録音、KC-1017、J Music、東京
これは全曲です。このキャスト表を初めて見たときは驚きました。モイーズのフルートにラスキーヌのハープ。第1楽章では互いに張り合って技術を競っていましたが、第2楽章に至って、懐かしい響きになりました。

フルート協奏曲第1番ト長調
マルセル・モイーズ(Fl)、K313、1936年録音、ピエロ・ピッコラ指揮のピエロ・ピッコラ管弦楽団、KC-1017、J Music、東京
最初の旋律に引っかかってしまい、何だろうかと悩んで最後まで解決しなかったのです。何かに似ています。それもオーケストラの強い管弦楽、交響曲の類いであり、オペラではないと思います。また第3楽章には「フィガロの結婚」ケルビーノを彷彿とさせるような旋律が含まれます。それを除けば、問題なく、これは一種の練習曲のようだと思いました。

フルート協奏曲第2番ニ長調
マルセル・モイーズ(Fl)、K314、1930年録音、ピエロ・ピッコラ指揮のピエロ・ピッコラ管弦楽団、KC-1017、J Music、東京
これは相変わらず、練習曲みたいですが、第2楽章は重厚な響きを備えており、次のオペラに用いたいという思いが分かります。

フルートとハープのための協奏曲、ハ長調、K299(第2楽章)
ウエルナー・トリップ(Ft)、フーベルト・イエリネク(H)、カール・ミュンヒンガー指揮、ウイーン・フィル、1931年録音
ゆったりとした曲ですが、前に聴いたホグウッドより耳に抵抗がありません。
フランシスコ・マッチ指揮、オックスフォード室内管

モーツアルトのセレナーデB-Dur、K361
フランシスコ・マッチ指揮オックスフォード室内管、録音年不明
オックスフォードでは毎日こういう雰囲気でしょうか。うらやましいことです。

メヌエットA-Dur、K219
マーツエル・クーロード指揮、シュツットガルト・フィル、録音年不明
全くショルツと同じ印象で、楽しい旋律です。

ディヴェルルティメント第17番ニ長調、第1楽章のみ、K334
ウイリー・ボスコフスキー指揮、ウイーン・モーツアルト合奏団、録音年不明、キング、K30Y 3037
ゆったりした調子でリラックスして楽しむのに最適です。

クラリネット5重奏曲、K581
レオポルド・ウラッハ(Cl)、ウエストミンスター4重奏団、1950年録音、ウエストミンスター、32XK-3
これは有名なレオポルト・ウラッハの演奏するクラリネットです。私はウラッハの名前を初めて聞いて既に40年近くになりましたが、その印象は変わりません。いつ聴いても心穏やかに、満足をもって楽しめます。かつて米国BBB機構のJFは、クラリネットならベニー・グッドマンのものが良いよと教えてくれましたが(これは約30年前)、あとでシャルル・ミンシュ指揮のオーケストラによるベニー・グッドマンのクラリネットを聴いてみましたが、今となっては忘れても良さそうです。私は特に第2楽章が好きで,あのゆったりした、まるでラルゴで弾くようなあのテンポや、息づかいに満足しています。このウエストミスター盤は「さまよえるウエストミンスター」と渾名されていましたが、今は市場に出ています。

クラリネット5重奏曲、K581、
アントニー・ペイ(Cl)、エンシェント室内管
これは素晴らしい拾い物だったと思います。古楽器の響きがこれほどピッタリの曲はありません。あらゆる楽器が輝き、それが全体を照らします。いい曲だなあ、と改めて思いました。

クラリネット5重奏曲、K581
カール・ライスター(Cl)、K581、ベルリン・ゾリステン4重奏団、ワーナークラシックス、WPCS-21062
1988年録音といいますから、私にしてみれば極く最近のDDD録音形式です。それだけに、音に関しては問題がありません。特に第1楽章はうっとりする味わいがあります。ただし第3楽章で感じたことですが、あそこでヴァイオリンが一人がスポットを浴びるところはしみじみとした味わいがあるので、少しテンポを落としてくれたらなあ、と感じました。また第4楽章に出てくる小さなテーマは、何処かで聴いた音楽だと感じましたが、何処でしたっけ?



クラリネット5重奏曲、K581
チャールズ・ドレイバー(Cl)、K581、レナー弦楽四重奏団、J-music, TOKYO、KC-1050
1928年録音のクラリネット5重奏曲。これは聴き方によっては素晴らしい品物でした。最初の楽章からして、そのロマンチックな楽想(モーツアルトの、というよりレナー弦楽四重奏団またはドレイバーの)に感服しました。いずれもヴァイオリンがそれを際立たせているようです。第4楽章の小さなテーマ(上記を参照)に付いての私の感想というか疑問と同じです!

クラリネット協奏曲、K622、1949年録音
レオポルト・ウラッハ(Cl)、ヘルベルト・フォン・カラヤン集、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ウイーン・フィル
まず音質がキャンキャンした感じなのでがっかりしました。ここはクラリネット奏者のウラッハが一枚上でしょう。全体に締まった演奏と言えそうです。これで音質的に申し分なければ、と思うのは聴く者の勝手でしょうか。この曲はケッヘル番号から見れば、レクイエムの僅か4つ前の曲なのです。それにも関わらず「明るいわね」とは妻の言。番号で遊べば、この直前に「ティトウスの慈悲」を完成していますから、注文主から代金が入って幸せ感で一杯だったかも知れません(?)。私自身はクラリネット5重奏曲(この協奏曲でなく)の方が好きです。

クラリネット協奏曲、K622
レオポルト・ウラッハ(Cl)、1954年録音、ウイーン国立歌劇場管
クラリネットの曲は余りありません。そのせいか、もっと前に作られたクラリネット5重奏に曲想が似た所が散見します。何しろこの曲はK622(最後から4ツ目)というギリギリの時に作曲された曲です。そして5重奏曲の方は「ドン・ジョヴァンニ」より後ですが、「コジ・ファン・トウッテ」より前です。この協奏曲の第一楽章の楽想はキビキビしたもので、まるで草原を駆ける女性みたい、とは妻の言。私には途中で聞こえる旋律に水の泡を戯れる人魚の影を感じました。どこかベートーベンの「田園」に似た所もありますね。気に入りました。第2楽章の発想など、どうしても5重奏曲に似ている点を感じますが、でもこの曲は傑作だと思います。どこかケルビーノのカンツオネッタに似た雰囲気も感じました。

モーツアルト歌曲集
エリザベート・シューマン(Sp)、ジェラルド・ムーア(P)、ジョージ・リーブス(P)、1929年録音、1930年録音、1945年録音、東芝EMI TOCE-8569
これはモーツアルトの代表的な歌曲を集めたもの。「夕べの想い」、「すみれ」、「いましめ」そして参考までに最近までモーツアルト作だと認識されていたフリースの「子守歌」です。「夕べの想い」はポピュラーですが、覚えるには長過ぎます。「すみれ」を聴いている時、ある旋律でふと頭が停止しました。それはわずか1小節程度のものですが、それは間違いなく「魔笛」第一幕の「夜の女王のアリア」を彷彿させるものでした。ほんのちょっとですが、あれを聞き逃していたらモーツアルトに申し訳ないと思います。

モーツアルト歌曲集
エリザベート・シュワルツコップ(Sp)、ワルター・ギーゼキング(p)、1955年録音
ここに聴かれるのは「春への憧れ」ですが、何か嬉しくてたまらない女の子が飛び跳ねまわる早春という感じがします。モーツアルトがこの段階になって、これを作ったということは、その近くに思いついた旋律があって、それを忘れる事ができなかったんじゃ無かろうか、と思いました。実際これはピアノ協奏曲第27番の第3楽章を聴くと、思い浮かべられる音楽です。違っていても、それを示唆するような響きです。

イルムガルト・ゼーフリート・ゲーテ歌曲集、
イルムガルト・ゼーフリート(Sp)、エリック・ウエルバ(Pf)、ザルツブルク音楽祭
モーツアルト「すみれ」K476、子供の遊びK598、1957年、ORFEO C297 921 B
これを聴いていると柔らかな声と発声で楽しませます。但しゼーフリートの高音部が失われ、時としてぎくっとする声を出しています。昔畑中良輔氏が自分はかつてゼーフリートが大好きで、あのウッとなるような音でフレーズを終わるのを真似した事があったが、結局は止めた、という趣旨の事を述べています。これを録音したのが1957年と言いますから、そろそろゼーフリートは自らの声が、メゾっぽく変化したことを(イヤイヤながらも)認めざるを得ない年齢に達したようです。実際その方が良いと思います。音域の問題を解決すれば、私もゼーフリートは大好きです。

エリー・アメリング・モーツアルト名唱集、KV486a
エリー・アメリング(Sp)、レイモンド・レッパールト指揮イギリス室内管、1969年録音、426-072-2
これは良くも悪くもアメリングの歌唱です。良い点は、声にムラがなく,高音でも低音でも滑らかに響く。悪い点を挙げれば、声に力がこもっておらず、やはりコンサートしか歌わない訳はそこにあったか、という点。どういうタイプの歌手が好きかという個人的な好憎がアメリングを聴くかどうかを分けているとも言えそう。有名なアレルヤを含むExsutateKV165もその線で解釈できます。ここで聴いたCDは1970年頃の録音ですから、おそらくはアメリングの喉がピークにあったものと思われます。ただ後半のK480のレシタティーヴォとアリアはその旋律の中に「ドン・ジョヴァンニ」の中のもの(ツエルリーナが歌う薬屋の歌)が感じ取れました。実際このKV486aという作品番号から判断すると「フィガロの結婚」の頃ですから、自ずと似た旋律を用いたのでしょう。

レクイエム、K626
ワルター指揮ウイーン・フィル、エリザベート・シューマン(Sp)、ケルステン・トルボルイ(Ms)、アントン・デルモータ(T)、アレクザンダー・キプニス(Bs)による1937年盤。J-music,Tokyo,KC-1014
これは全体としては申し分ありませんが、ただエリザベート・シューマンが一人ノサバッて聴こえました。何かが違うという感じ。オペラではなく、レクイエムだと言う基本的な認識の違いがあったのかも知れません。レクイエム、そのラクリモーサを聴く時、どうしてゆったりと聴くことが出来るでしょうか。心を揺さぶります。

レクイエム、K626
クリストファー・ホグウッド指揮エンシェント室内管の「レクイエム」、録音年不明、ポリドールDCI-1033
これを聴くと、癖に気がつきますね。つまりこれは古楽器。その演奏の特殊な響きを考えると、コレだけではなく、最近の楽器によるものと併せて聴くことを前提として古楽器を楽しめばよいか、と最近では思っています。考えてみれば、現代の大きな音の出る楽器類は19世紀に入ってから出来たものであって、それ以前のバッハ、ハイドン、モーツアルト等は古楽器の時代でした。ですから古楽器の音にも親しむ方が良いのではないか、と考えています。でも本当のことを言うと、古楽器の音が余りに長時間続くと、いささかうんざりしてしまいます。

レクイエム、K626
ブルーノ・ワルター指揮、ニューヨーク・フィル、イルムガルト・ゼーフリート他、1957年録音、CBSソニー、32DC 576
かなり朦朧とした音質ですが、リズム、テンポは確かなものであり、また終わりに向かって壮大な響きが出てきます。これは素晴らしいという類いのもの。これがもっと後の録音だったら、つまりステレオ時代の録音だったら、と惜しい気持ちが一杯です。1957年の録音といいますから、私が初めて「椿姫」全曲(レナータ・テバルディ主演)を聴いた年。あの当時、このレクイエムが録音されたというのは、懐かしさを覚えます。

レクイエム、K626
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ベルリン・フィル、アンナ・トモワ=シントワ等、1975年録音、グラモプォン、UCCG-5025
これを聴いた途端に感じるのは、カラヤンのオーケストラの鳴らし方の特異性です。つまり狙い打ちをしたように、音が強調されて出てきます。しかもキリエとかラクリモーサとかでは、終わりにフェルマータを掛けていて、朗々と響きます。これはカラヤンがモーツアルトに対して祈ってはいないのではないか、という疑いを持ちます。音は確実に分離が良く、音は鮮明です。

弦楽四重奏曲イ長調第18番、K464
アマデウス四重奏団、1961年録音、ウエストミンスター、MVCW-19050
これは音の良い録音です。ただ、これは第一楽章に当たるアレグロだけが魅力的な響きがありますが、他は少々長過ぎると感じました。特にアンダンテの第3楽章。ある意味で退屈。考えてみるとモーツアルトは26歳の時以降に主要なオペラを作曲しており、特に挙げれば「後宮からの逃走」以降(これがギリギリの若い方の限界)はその時期に集中しています。そしてピアノ協奏曲第20番辺りから次々と名作を生み出して行きます。つまり「フィガロの結婚」は30歳ですし、ピアノ協奏曲は24番がここに当たります。そしてモーツアルトの寿命は35歳で尽きました。

弦楽四重奏曲ヘ長調 第23番、K590
アマデウス四重奏団、1961年録音、ウエストミンスター、MVCW-19050
この弦楽四重奏はモーツアルト最後の弦楽四重奏曲です(モーツアルト34歳)。それだけに真剣に聴きましたが、特に第2楽章のメヌエットは何とも魅力的な曲でした。まるでソプラノのアリアを聴いているような味わい。どこかにこれに似た曲があったような気がします。クラシックなのかポップスなのか忘れましたが、これはうっとりさせるような曲。それにしてもそういう連想をさせるアマデウス四重奏団の巧さ!まだ演奏者達が若い時だろうと思います。

弦楽5重奏曲ト短調、K516
オリジナル楽器によるモーツアルトの世界、エステルハージ弦楽4重奏曲、ポリドール、DCI-1033
第2楽章のみを収録。これは難しかったという印象。まるでベートーベンです。ベートーベンの場合は同じ旋律を一カ所のみで使用しますが、ここでは何度も引用してあります。

弦楽5重奏曲第3番ハ長調、K515
プロ・アルテ4重奏団、1934年録音、J-Music Tokyo、KC-1016
これはハ長調です。全体として穏やかに、途中で短い小節だけ哀調を帯びた短調に聴こえ、いつの間にか長調に戻っています。最初の楽章で気がついたのはハイドン「ひばり」に似た旋律でした。これは耳に親しんでいるためか、ついつい見逃してしまうところですが、どうも「ひばり」らしい。そこでハイドンとモーツアルトの年代記を比較してみました。そうしたら、ハイドンは1780年にこれを仕上げ、モーツアルトは1787年でした。モーツアルトの方があと。第3楽章を聴いていて気になるのは、この「五重奏」というのは「五重唱」だな、ということ。実際この楽器群をそれぞれソプラノやバスに割り当てて聴くと、面白い程その作曲作法が分かりました。バックの合唱まで良くわかります。

弦楽5重奏曲第4番ト短調、K516
プロ・アルテ4重奏団、1934録音、J-Music Tokyo、KC-1016
これはト短調です。調子の良いリズムに乗って始まりますが、その後第2楽章に入ると突然美味くなったように聴こえます。ここは天使が割り降りを行った箇所。これが再度現れるのは第3楽章の終わり近く。第4楽章はややヒステリックに響きます。このあと、モーツアルトはもう一曲弦楽四重奏曲を書いて、それでオシマイにしています。

アダージョとフーガハ短調、K546、1947年録音
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ウイーン・フィル
これだけ、少しホッとさせました。重い、暗い音楽。妻はこれを聴きながらモーツアルトで無いみたい、と申しておりました。

フリーメイソンの為の葬送曲、K477
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ウイーン・フィル、ヘルベルト・フォン・カラヤン集、1947年録音
これは短い音楽ですし、これも良いと思うのですが、私としては、もっと後の時代になって録音したCDも聴いてみたい、と思いました。

ザルツブルク/ミラベル宮における音楽会、WPCS5886
弦楽と通奏低音のための交響曲ト長調、カール・リステンバルト指揮、ザール放送室内管、エラート、1964年録音
音楽が大人しく、尤もらしく響く、格好の「食後の音楽」でした。

モーツアルトのメヌエット、キング、K3037
交響曲第40番(第1楽章のみ)、K550、イシュトヴァン・ケルテス指揮、ウイーン・フィル、録音年不明
なつかしいテンポ。余り聴かずに来ましたが、ケルテスってそういう指揮者だったんでしょうか。全てに中庸の雰囲気が漂っています。決して荒げたり、あおったりしない指揮者。

協奏交響曲変ホ長調、K364、ヴァイオリンとビオラのための
ダヴィッド・オイストラッフ(Vn)、イーゴリ・オイストラッフ、キリル・ゴンドラジン、モスクワ・フィル、録音年不明。
始まってすぐに妻に言った感想は、これはまるで昼ドラマのテーマ曲だな、というものでした。実に美しく、ゆったりとして、午後の紅茶を飲むのが相応しいと思えましたが、少し甘くて恥ずかしい感じです。耽美派の音楽。調べてみたらこれはザルツブルク時代の作曲らしく(24歳)、まだモーツアルトは自立していないのかもしれません。

千葉のF高





(ここで室内楽、レクイエム、歌曲、弦楽四・五重奏曲、クラリネット、フルートの項終了。次回は交響曲とオペラです)














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