インターミッションII
友人達との再会とキャッツ観劇   2011.10.23〜2011.10.31

この数年続いているRBS同窓会(RBSとは○○コントラクト・ブリッジの会の略)で、我が家に来てくれたのは、専門は違うが、48年を越えて仲良しの学生時代の友人達です。「今年もまた生き延びました」と言う挨拶で開始。その5日後に、私と妻はミュージカル「キャッツ」を楽しみました。そのいきさつを「インターミッション」の記事として記します。



(198)モノローグ「RBS会合」
東日本大地震を取り上げた地震学会が昨日終わったばかりだったので、おのずとそこから会話が始まりました。私とTa君だけが専門外で、あとは多かれ少なかれ地震と関わりある連中。O君とか、韓国から戻ったばかりのI君や、H君、Tj君らとの会話は懐かしく、久々ですから時としてオフレコの話を交えながら延々と続きました。I君とH君はご夫人同伴でしたが、O君夫人が急用とかで、今年は欠席でした。全体としては、もはや子供の話は孫の話になっています。私も元気な限り、こういう会合を続けたいなと思うところ。

昼食は、ジャンバラヤにスモーク・サーモンのサラダ、グリーンサラダ、大根の煮物等を作り、皆に出しました。その後部屋を改めピアノ演奏のあと、誤植等が色々あるからと念を押しつつ、7月に出たばかりの私の拙著を各1冊づつ謹呈。

その後、今までご披露したことの無い映像を、と言ってジャック・オッフェンバックの歌劇「ホフマン物語」第2幕(バルツア等)を液晶画面で紹介し、さらにマリア・カラスの最後の舞台に近いプッチーニ「トスカ」第2幕の一部を掛けました。両方ともロンドンの王立歌劇場の版です。続いてバイロイト音楽祭の実況録画からワーグナー「タンホイザー」の終幕部分を観ましたが、これは、私が素晴らしい演出と信じる1978年のゲッツ・フリートリッヒ版(コリン・デーヴィス指揮)。

カラスはO君が興味あるだろうと思ったため。大学院時代に砂原美智子の「トスカ」を一緒に観たことがあるからです。「この場面が最後なの?」とはTj君の質問ですが、あとトスカが身投げする場面があります、と答えました。また同じカラスでも1958年パリ・オペラ座の「トスカ」第2幕もありますが、そっちの方はもう少し演技が甘いよ、と余計な入れ知恵を。声が出る時代は演技が甘く、演技力をつけたときは声が凋落している、というオペラに付き物のジレンマです。ロンドン版のカラスの、声はともかく、演技が素晴らしい。声だって低い地声で歌い終わるシーンは最高と信じます。同様にティト・ゴッビのスカルピア役も素晴らしい。

そのあとで、この会合では初めてですが、ミュージカル「キャッツ」のDVD(ロンドン版)を観ましょう、ということにしました。ノンクラシックはダメだという人もいるでしょうが一度体験してみなくちゃ。ああいう音楽は体で聴くもので、頭と耳で聴くのと少し違う、と私は思います。ロンドン版では大好きな黒猫ミストフェリーズが小柄で、やや老けた顔をしていて足が短く、あまり興味が持てないのですが、最大の欠点は後半にある連続フェッテ(ターン)の場面が抜けていることです。あのバレエ「白鳥の湖」で黒鳥オディールが踊ってみせる32回の連続回転に比すべき、25回の連続ターン、あれをカットすることを認めた録画プロデューサーの顔を見たい。現在のところ、これしかDVD版「キャッツ」は持っていません。これを5日後に舞台で見るんだ、と注釈をつけました。ニューヨークのブロードウエイで3回、ロンドン1回、大阪2回、マドリード1回と7回観ていますから、今度の横浜版は8回目になります。やはり最初の頃に観た「キャッツ」が一番思い出深い。劇団四季はキチンと訓練していますから、今回も期待しています。なお、ロンドン劇場ではバンコク付近の海賊のシーンがありませんが、このDVDでもありません。

千葉のF高



(199)モノローグ ミュージカル「キャッツ」との再会
その4日後、妻と私は鎌倉を少し観て歩いた後、葉山の義兄一家を訪問。義兄はタンノイのエディンバラ(スピーカー)とQUADのアンプ類を持っていますが、そこから出て来るチェロの胴鳴りの深々した音の素晴らしさ。これは今のままで充分だと思うから、これ以上を望まないように、と釘を刺して来ました。私の持っているスターリングとはひと味違う、と思います。義兄は来年1月にはウクライナ歌劇団の「イーゴリ公」を観るというので、我家にDVDに移したのがあるから観にいらして下さいと誘いました。義兄は翌日から色々な音楽会に行くとのこと。義兄夫婦の心づくしを受けて一泊したあと、翌日葉山を辞して横浜のキャッツ劇場へ。

キャッツ劇場には大勢の高校生が来ていました。みな制服を着ていたのでアレは学校の行事でしょうか。「キャッツ」の開始の金管楽器のすさまじい音のあと、期待しつつ演技を観て行ったのですが、当初はやや斜めの構え。しかし、やがて明らかになるその技量の数々。黒猫ミストフェリーズは岩崎晋也が演じましたが、バレエの基本を叩き込まれていて、あらゆるテクニックがピカピカと尖っています。全体の演出はロンドン劇場のものよりずっと印象的。なぜ岩崎があらゆるシーンで群衆を率いる首領の如く立っていたのかが分かった次第。岩崎は実際、今まで観た中でも白眉でしたし、あれ程のミストフェリーズはそう居ないだろうと思います。但し隣席の家内は余りに出過ぎている、とかなり不満色。アラセゴン・ターン(片足を中心点において、残りの足でぐるぐる回る回転)の場面は圧巻でした。黒いメークアップが不気味な猫でした。

またグリザベラ役は恐らくは低い声の持ち主ですが、高い声に引き上げる時にチョッとだけ演歌みたいな声になるのは気になりました。新たに仕入れたネタですが、舞台を大きく見せるため奥に向かって少し傾斜が盛り上がっている形をしていましたが、ああいうのを八百屋舞台と言うそうです。八百屋では野菜を全部見せるために、床板を傾けて陳列しているでしょう? アレです。何しろ床が傾いているから、あそこで回転するのは難しそう。全体の終幕のシーンは理屈も無く、良かったと思います。終了して観客が舞台を去るとき、さり気なくCDで「キャッツ」ナンバーを流していましたが、あれも良かった(但し音のピッチが実演より少し高めだったと思いますが?)。昔ニューヨークで初めてミュージカル「42番街」を観たとき、終了時に生の楽団がリズムを刻む中、劇場を後にしたのですが、ああこういうのがミュージカルというものか、と思ったものです。

その2日後、録画したおいたNHKの「あさイチ」(21日放送)を観ていたら、「キャッツ」の4人(匹)のキャストが扮装して出て来たのですよ。早水小夜子(グリザベラ)、江部麻由子(シラバブ)、田邊真也(ラム・タム・タガー)、そして増本藍(ディミータ)です。驚きました。加藤敬ニが案内役として出て来ましたが、この人も昔ミストフェリーズ役で鳴らした人。「メモリー」は実際にその現場で歌われましたが、少し声が弱いと思ったのは、劇場ではエレクトロニクスの世話になっている証拠かも。この放送のあと、彼等が我々の観た21日の舞台を演じてくれた訳ですね。「キャッツ」は間もなく通算8000回に達するそうですし(我々が観たのは恐らく7993回目)、ニューヨークの「オペラ座の怪人」の世界記録を抜く日も近いでしょう。次は何時、また横浜(勿論ニューヨークでも構わないのですが)に観に行けるかなあ。

千葉のF高



(次回こそマーラー「大地の歌」に始まるマーラー交響曲群の比較です)


















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