モノローグ(273) Intermission II(1) (追記分)   

ここに2015年10月にモーツアルト「フィガロの結婚」を聴いた分と、同じく2015年10月にヴェルディ「椿姫」を聴いた分をintermission IIとして追記します。

 

「フィガロの結婚」 第61回芸大オペラ2015.Oct.4   

昨年のモーツアルト「コジ・ファン・トウッテ」に続き、今年は「フィガロの結婚」が芸大オペラで上演されたので、家内と一緒に上野公園まで出かけました。遠い!しかも日差しが暑い!。時間が早かったので、その前に近所のオープン・カフェで昼食にBLT(ベーコン・レタス・トマト)サンドイッチとコーヒーを食す。残りの待ち時間は芸大講堂前の池で、巨大な鯉を眺めて時間をつぶす。若い鯉は色彩が鮮やかですが、年老いた鯉は肌も煮くずれたような体裁で、見るも哀れ。我が身を振り返って色々考えます。そしてその群れの中に、2匹ほど別種(恐らくメダカ)がいて、それもしみじみと眺めました。会場は奏楽堂平土間、それも背後の終端に近いところですが、舞台は良く見えます。音は「近い音」と「遠い音」に分けますと、「遠い音」の範囲にぎりぎり収まった感じ。オーケストラの音が舞台からホール内部に放散されますが、その境を超えると音が変質しているような気がしました。音が聴こえないわけではありませんから、音はここの席で最上の音に聴こえて欲しい、と特等席が設定してあるものと思います。昨年の「コジ」の時とは明らかに音質が席により違うので、これに気がついた次第。指揮者はステファーノ・マストランジェロ、伯爵は堤智洋、伯爵夫人は徳山奈奈、スザンナは竹田舞音、フィガロは高崎翔平、ケルビーノは野間愛、マルチェリーナは中島郁子、チェンバロ担当コーチは田中槙。そして合唱は声楽科3年生を中心としたメンバー。

フィガロ役は耳障りよく、愉しめますがその代わり高音に限界が有るようで、4箇所では声をズルズルと引き上げていましたし、一カ所はファルセットで歌っていました。家内はその演技や歌い方が少し好みと違ったようです。スザンナ役は後になるほど良く聴こえ、前半では(開幕部を除く)少し投げやりな歌い方に聴こえる箇所あり。マルツエリーナ役は富士真奈美みたいな格好に見えましたが、声は豊富な感じ。あまりアグネス・バルツアみたいに音の階段をカクカクと聴かせるタイプではありません。ただ彼女は最終幕ではどうでもいいような歌を歌っていましたが、あれはどうした物だろうと思います。恐らく契約上の問題のため、再終幕に同様のタイプの歌を5つも並べたと察しました。2時開始で6時まで!休憩を差し引いても、ワーグナー並み。これを設計し直してもモーツアルトから苦情は出ないのでは?と、思うところ。伯爵役は声がやや軽めですが、若過ぎても文句は出ないだろうと思います。伯爵夫人役は声が軽く、というより声が小さく、やっと重唱の相手と合わせていましたが、それほど大きな不満ではありません。私の耳で不満があったのはケルビーノ役の人だけ。あれは声質がスザンナと重なることがあって頂けない。でも、二日目の公演ということを考えると、皆よくやっていたと思います。合唱が素晴らしく、結婚式へ向かう村人達のバックに流れる所や、最後の場面に向かう所では力強い合唱を聴かせました。なお、この公演にはチェンバロの通奏低音が鳴って、素敵な雰囲気を盛り上げていました。ただしチェンバロは我々の席からは見えません。

 

Intermission II(2) (追記分)   

2015.Oct.に新規ヴェルディ「椿姫」を聴いた分を追記します。

「椿姫」実況、メキシコ・シティ,1952年録音

マリア・カラスのヴィオレッタ、ジュゼッペ・ディ・ステーファノのアルフレード、ピエロ・カンポロンギのジェルモン、クリスタ・トレーヴィのフローラ。指揮はウンベルト・ムニャー二、美しき芸術劇場オーケストラ(メキシコ)。

前年カラスがスカラ座へのデビューを果たした得意絶頂の時代に、メキシコ・シティーの旅公演で歌ったヴェルディ「椿姫」公演の記録です。まず驚かされるのはなんと聴きやすい音だろうという印象でした。およそ海賊盤LPというのはザーザー音が耳障りで、それに耐えて聴かなければならず、それを考えると聴くのをパスしたい、となるのが通常でした。それがディジタルの時代になり、しかもCDで発売されていますから時代と技術の恩恵は計り知れず、です。どんな機器でも聴きやすい音になるべく設計してあるようです。中低音のチェロに中心がある感じ。指揮者はウンベルト・ムニャーイで、時として変わったテンポを取りますが、全体には妥当。肝心のカラスですが、第1幕と第2幕では声の限りを尽くして全力投球しています。まるで森雅裕氏のサスペンス「椿姫をみませんか」にあるガラガラ声で、声の力でねじ伏せるヒロインを連想させます。ジェルモンが現れてもその本質は変わらず。第3幕では弱められた声を聴かせます。ただし幕切れがホンの少し尻切れとんぼに聴こえました。また第2幕では他で聴かれない(と思った)超高音も響かせます。思いがけない経験でしたが、これが初期のカラスを聴く録音だと思えば、またそれを家庭内CD機器で愉しめるようになったと思えば、やはりこのCDは有意義です。アルフレード役はどの幕でも共通で、ややおめでたい。しかし私はそれが大好き。ジェルモン役は弱々しい出始めですが、別の場面ではもっと強い表現をしています。何しろ第2幕ではカラスの声が大きいし、誰が歌おうとジェルモンは弱いと思われるのです。しかし田舎者を演じたとすれば、あれで正解です。また私は思うのですが、第1幕でフォルテを続ける時に、声にワーブルが生じているような気がします。純粋に一つの音が続かないで、震えるのです。

 

 

Intermission II-3 (追記分) 2015.Oct.16   

色々なオペラを聴いた記録

ここで今までに聴いたオペラの埃を叩いて整理し、新しい知識を整理してみようと思います。ここに示すのは2015年の7月22日から8月18日までの間の比聴の例です。全くの例ですから、その前後には膨大なオペラが有ったわけです。殆ど毎日のように朝アンプのスイッチを入れ、大概は午前中掛けてCDやDVDを愉しみました。来る日も来る日もですから大変な労力ですが、その努力を惜しまなければ、オペラ全曲を愉しめるのですから、贅沢な悩みです。また大概の曲は全曲を愉しみました。それにしても長い時間が掛かりました。

 

下記はオペラ比聴を行った日付

イタリア・オペラ比聴の日程例

年月日   曲目名          歌手                 
7月22日 愛の妙薬        タリアビー二等
7月23日 愛の妙薬        ディ・ステーファノ
7月24日 愛の妙薬        パヴァロッティ
7月25日 アドリアーナ・ルクヴルール テバルディ
7月26日 アドリアーナ・ルクヴルール カバリエ
7月27日 ルクレツイア・ボルジア カバリエ
7月28日 ルクレツイア・ボリジア サザーランド77年
7月29日 ルクレツイア・ボルジア サザーランド
7月30日 ラクメ         サザーランド
7月31日 なし
8月1日 ホフマン物語      バルツア等
8月2日 ホフマン物語      シュワルツコップ等
8月3日 モンテッキとカプレーティ バルツア
8月4日 モンテッキとカプレーティ バルツア   繰返し
8月5日 ジョコンダ       マリア・カラス53年盤
8月6日 ジョコンダ       チェルケッティ
8月7日 ジョコンダ       マリア・カラス59盤
8月8日  なし
8月9日 ジョコンダ       エレーナ・スリオーティス
8月10日 ジョコンダ       レナータ・テバルディ
8月11日 ジョコンダ       レナータ・テバルディ
8月12日 ジョコンダ       レナータ・テバルディ
8月13日  なし
8月14日 アンドレア・シェニエ レナータ・テバルディ
8月15日  なし
8月16日 エスクラルモンド    サザーランド
8月17日 エスクラルモンド    サザーランド
8月18日 エスクラルモンド    サザーランド

 

 

千葉のF高












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