モノローグ(274) Intermission III   

2015年12月にシェークスピアの「ロミオとジュリエット」を妻と俳優座で観ましたので、その公演を記します。

 

「ロミオとジュリエット」 シェークスピア・シアタDec.15,2015   

六本木にある俳優座が、今年は「ロミオとジュリエット」の公演を出しました。当ブログでは時折音楽を離れて、芝居の印象を記していますが、今回はその俳優座からの報告です。シェークスピア・シアタによる創立40周年記念でやったもので、当日あの狭い入り口は人であふれていました。六本木という地の利の良いところですが、小雨が降る中、まずは若い人向けの「アマンド」で食事。妻も私も若い時分に六本木を歩き回ったことがあります。久しぶりのアマンドは、やはり若い女性が多かったのですが、そこから俳優座へ行く年配の女性方もいたようです。アマンドの窓から俳優座が見えますが、ぎりぎりまでアマンドで時間をつぶし(お陰で食べ過ぎたけれど)、俳優座へ。私は学生時代ここらを4、5人でほっつき歩いては、日本初のピザを食したり、また中年時代にはこの六本木近くのクリニックで人間ドックを受け、その帰りに、付近を歩き回ったりしました(楽しみは近所にあったレコード屋を覗くこと)。それから早10年以上が経過しました。

シェークスピア劇の上演を観るよう心がけていますが、まだ観たいものを全部観てはおりません。最初の経験は大昔日生劇場の?落し、第17代(先々代)中村勘三郎の演じる「リチャード3世」でした。そしてずっとサボっていましたが、東京グローブ座が創立された時、再び「リチャード3世」鑑賞のために家族をつれて行きました。前回は埼玉県の芸術センターでやった「ヘンリー5世」。英国史物が多かったのですが、もっとスタンダードなものも観たいな、思っていたら「ロミオとジュリエット」の広告が目に留まったのです。これは妻へのクリスマス・プレゼント。

芝居好きの集団は特殊なところかも知れませんが、なぜそういう場を作っているのかは、何となく分かる気がします。私ももっと観たいと思っています。同じ脚本を用い、同じネタを使っているにも関わらず、やはり芝居は生き物です。一本一本違うのです。ある時眠たくなっても次回だったら目が覚める思いをするかも知れません。あくまでリアルタイムの演技を楽しまないとダメ。DVD等の記録物は全く異なるものです。それはそれで良いけれど、決して生上演の代役は勤まりません。これは音楽でも同じ。演奏の熱気はその場にしか実現しないですし、もし舞台付きの音楽だったら益々そう。舞台は瞬間芸術。それに惹かれる若者(我々みたいな年配でも同じ)が多いのは、それをウスウスでも経験した人が増えたからでは無いでしょうか。

劇場では、あらゆる年齢層の人々が分布していました。当初、思い切り若い女性陣が多いかと思ったら、年配層はちゃんといます。音楽と違い、男女比の構成がやや違います。音楽会では例えばワーグナーの音楽会だったらそこで女性の姿は稀です。本当にそうなんです。ワーグナー以外でしたら、最近は女性の姿が増えました。良い事だと思います。

この「ロミオとジュリエット」では勢いが尊ばれ、開幕のお知らせセリフとか、終幕部のキャピュレットとモンタギューの両者が出て、それを領主が仲直りするようにと、申し渡すセリフもありません。特に後者がばっさり切られて無くなっていたのは、少しショックでした。これからさらにポリッシュしていくことでしょう。頑張れ。始めのシーンは若者達が舞台に飛び出し、もの凄い早口でしゃべるので、セリフに付いて行くのに精一杯でした。でも素早い動作で対応するのには感心しました。あのように多量のセリフを覚え、こなすのは大変です。皆々の服装はラフ象徴的ですが、私は無駄な盛装よりあの方が好きです。これはオペラの場合だったら、別の意見を持っていますが、何しろこれは舞台劇「ロミオとジュリエット」、セリフは余りに著名です。全体の筋立ては疑うスキも無いのですから、少し事情が違う、と思います。始めの部分にあるダンスのシーンは良かったと思います.無駄が無く、最小限のダンス。背丈の揃った男女の演じるそれは感動的でした。またヴィヴァルディの「四季」の音楽。ここに挿入したのも正解です。最初の剣術の群れは言うに及ばず。ロミオの声は内向きで、目を伏せた声でしたが、それで通したのは良かった。少し風邪声でしたね。ジュリエットの声の方は大きくなったり小さくなったりしますが、若さを考えれば了解。乳母の発声だけが専門家らしく訓練されていて、満場の注目を集めました。彼女が全体の終幕のコールで、中央に立っていたのは良くわかりました。良かった。ロミオの友人たちのしゃべり方は早口で、台本の棒読みという風にも聞こえましたが、あれは予定通りなのかも知れません。若いキャストの声が棒読み風と申しましたが、それに呼びかけるキャピュレット夫人等の声が逆に浮かび上がって(大き過ぎた)しまいました。また、ピーター等の台詞付きの小さな諸役が、作品の中で担う役割は、もう少し強調された方が良いのでは、と思いました。

次回はこの劇場で、「夏の夜の夢」をやるそうです。出来れば観たいと思っています。今回のキャストは次の通り。
キャスト
ロミオ   c   伊藤壮太郎
ジュリエット   伊藤安那
マーキューシオ  窪田カン
乳母       吉村希梨
ティボルト    藤井映伍
ロレンソ修道士  高山健太
キャピュレット   清水圭吾
キャピュレット夫人 高橋ちぐさ

 

千葉のF高












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