モノローグ Intermission Y  夏の夜の夢  June.27,2016  

今年度最初のインターミッションとして、6月11日に俳優座で観たシェークスピア「夏の夜の夢」の報告をします。

俳優座で「夏の夜の夢」をするという話を聞き、早速家内と私の切符2枚を手配。私が小学生4年生以来観たかった出し物ですが、妻は52年前に日生劇場(劇団雲、岸田今日子のパック役)で観たそうです。その際は父に連れられ、姉も一緒で、本人は中学の制服姿だったと言います。

今回、俳優座で演じられたのは小田島雄志の翻訳版。これは実に正確な翻訳で、舞台を観ているだけで、大昔に読んだ文章が蘇ります。始め、なかなか席が埋まらず気を揉みましたが、無事満席になりました。開幕してすぐに目に止まったのは、アゼンス公爵と結婚するアマゾンの女王が、ジーンズ姿で椅子に座っている光景。猛烈なスピードで繰り出されるセリフの洪水は、小さめな声でしたから、始めは付いて行くのがやっとでした。並木路子の「リンゴの歌」、美空ひばりの「越後獅子」等のメロディーが流れたので、どうしたものだろう、とクビを傾げましたが、ようやく落ち着いてきたのは妖精パックが登場してから。

アゼンスの石工などが現れてあれこれ話しますが、私の興味は主として若者2組みの動向でした。でも決して石工等の会話が平凡だったというのではなく歌の場面などを除き、小田島訳は正確に置き換えています。細かい点はシェークスピアの原文と、古い坪内逍遥の訳文を比較して確認ずみ。それにしても思うのは、大昔に坪内逍遥はどんな苦労をして、この翻訳をしたのだろうと言うこと。真に感心しますね。

パックの間違いによって起こされる多くの騒動は、後半の若人達の振る舞いの故ですが、そのテキパキしたテンポと、パックが本当に飛ぶように舞台に出て来たり、逆にあっという間に飛び去る、という姿は感動的でさえありました。舞台上での争い、それを避けるパックの軽妙な身のこなし、動作を大きく見せる為、明かるいひもをグルグル回す等、演出家の腕は確かでした。演出家は出口典雄です。俳優達は汗ぐっしょりだろうと思いました。またハーミアとヘレナの二人の激しいやり取りも、もうこれ以上言ってはダメという線を平然と乗り越えてしまい、体力をもって蹴り合うのも、あれしか方法がないから!シェークスピアの偉大さに改めて感心。黒人女!(エチオピア女)とののしる場面が有りますが、この難しい言語をどうやって伝えたか、という点をウッカリして聞き落としてしまい、疑問点として残りました。あのような言葉を投げつけるのは、心情的には分かり易いと思います。ヘレナに比してハーミアが小柄だと言う点も、避けることなく、吐き出されます。

これは全体をゆったりとセリフで述べるのでなく、比較的小さい劇場空間で起きた、あっという間の出来事を扱った演出だ、と思います。いかにも俳優座(というよりシェークスピア・シアターと言うべきか)らしい上演でした。衣装などはその次の問題です。終了時に玄関ホールを出る時、汗ぐっしょりのキャストの一人を見ました。公演はあと1回だけですが、是非頑張って欲しい。

出演者のキャスト表
ハーミア      伊藤安那
ヘレナ 田口かすみ
ライサンダー 西尾洪介
ディミトーリアス  梅木懐
オベロン 藤井映伍
タイテーニア 槇由紀子
パック 清水裕亮
妖精 中川奈美
ダンサー 久野詠子
ダンサー  鷹野梨恵子
クインス 高山健太
ボトム 清水圭吾

 

千葉のF高












<<Appendix 雑記帳トップへ戻る