温故知新:古い録音を聴いてみよう

モノローグ(290) Jan.28, 2018

 

「雑多な曲から」

私の好きな曲を紹介します。真正面から「ベストテン」を選ぼうとしますと、ついつい多くの曲を見過ごしてしまうものです。実際に聴く際は、ある時期には特定の演奏ばかりを聴き、また別の演奏を気に入った時期はその演奏ばかりを聴く、ということに。また演奏者と指揮者等ではどちらの魅力で選んでいるのか、分からないものです。私の好きな曲はピアノ曲とオペラが多いのですが、ここでは原則として、別に分類することにします。すでに記したモーツアルト、ベートーベン、ブラームスもここでは省きます。なおここでは順不同であり、登場順は全く無意味です。

そもそも音楽をどのように聴いて来たかは、余り厳格にクラス別に分けてありません。幼児期には蓄音機を自分でいじっていました。そこで聴くのはシューベルトの「未完成」等の限られたものしか無かったからこそ、繰り返し聴いたのです。もし当時から溢れるほどレコードを持っていたら、通り一遍の聴き方しか出来なかっただろうと想像します。小学生時代に映画「ここに泉あり」を観て、ベートーベンの「合唱付」に熱くなり、さらに映画「ファンタジア」を観てチャイコフスキーの「胡桃割人形」に夢中になりました。誰しも思い出を遡ると、そのような経験があるでしょう。それらは自然に身体を作って行きました。そして中断していたピアノ練習を再開し、学校の合唱班に編入されて日比谷公会堂でも歌いました。

そして中学生時代に入り、学校の先生から「K、何かピアノを弾きなさい」と言われましたが、「そんな恐ろしい事を」と辞退。そして先頭バッターに飛び込んで来たのが、オペラ「椿姫」。早過ぎるような気もしますが、このテバルディが歌う「椿姫」こそ私の後半生を支配した曲でした。だれが歌ったものでも良かったのですが、テバルディは万全でした。そしてチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番に出会ったのもこの時。なんと言う華やかな曲だろう、と夢中になりました。実際それはホロヴィッツが弾き、指揮者はトスカニーニでした。誰が演じたものか、という点で私は無頓着でしたが、ただそれらは記憶にとどまりました。そしてずっと後に、テバルディと握手してご挨拶できたし、またエイブリー・フィッシャー・ホールで、ホロヴィッツのコンサートを、ナマで聴きました。子供時代の体験が、ナマの人間で再現した点で、実に幸いな思いをしました。テバルディは私がまだ独身時代だった時の話ですが、ホロヴィッツは家内を連れてニューヨークで聴いたものです。

1959年ごろ、さらにNHKの第2 次イタリア歌劇団の東京公演があり、私は「椿姫」を観ると主張し、実際にテレビで全曲を観ました。トウッチの歌うヴィオレッタにウットリし、さらに両親が観ていたデル・モナコの「オテロ」をチラと横目に観ましたが、お誘いがあったけれど、こちらは真剣に観ません。こういう所は私は頑固というか、へそ曲がりです。今となっては「オテロ」のナマ放送という絶好の機会を逃してしまったのです。ずっとあとでレーザーディスクでこの「オテロ」を再度聴きました。その時、私は多くの画像データを記憶していたことに気づきました。

高校時代に入りますが、ここではなぜかペールギュント組曲に猛烈に惹かれました。実はあの音楽全体が興味の対象ではなく、特に組曲でも最初の部分にイカレたのです。それは英国J.バリーの戯曲のBGMとして採用したら、という思いつきに自己満足したため。音を上下させる各フレーズ毎に、それはJ.バリーのセリフとピッタリしていると信じたものです。そして次に興味を持ったのがバレエ組曲「白鳥の湖」で、それは音楽が甘い上にリズムが明快だから、やはりBGMにはピッタリだと思いました。チャイコフスキーは上手いなあ、と思った次第。さらに追い打ちを掛ける様に、ベートーベン「運命」が大好きになります。これら3曲で高校3年間をカバーします。というより、実質2年間だけ音楽に浸りました。最後の一年間は音楽は不毛。実は高校時代の初め、自分は音楽を知っているつもりだが、果たしてまだ聴いていない曲があれば、ソレは何か、と考えて夕方のラジオ放送を聴きまくったことがあります。

後を追うように、大学では入学式・学園祭で聴くワーグナー「ニュルンベルクの名歌手」に芯から惹かれます。さすがに当時はまだ全曲ではなく、前奏曲だけでしたが、種は蒔かれたと思います。後半の人生で私はオペラにつかる様になりますが、その原型はこの大学式典で聴いたこの音楽でした。そして語学毎のクラス編成で、学生達は分かれて、その短い期間に、少年時代の最後を楽しみます。友達の中にはオペラに関心を持つ者がいて、私には高嶺の花だったベルリン・ドイツ・オペラの日生劇場公演の「フィガロの結婚」を観に行く者がいました。また他の友人はレコード雑誌を貸してくれましたが、そこに書かれたマリア・カラスの記事や、キルステン・フラグスタートの記事に溜め息をついたものです。当時話題を呼んでいたビゼー「カルメン」の録音が間もなく世に出るというウワサ、一体プライスとカラスのどちらを買うべきか、と悩んだものです。私は大学生協であの「オテロ」を入手し(約50年前で5,000円もしました!)、またカラスのアリア集を買いました。生協では時々バーゲンセールを開くのですが、あそこに出るようになったら、間もなくそのレコードはおしまいだ、というチエも付きました。友人の方がはるかに進んでおり、僕は当時はまだ興味の無かったベートーベンの交響曲第7番を、知らないと言って、呆れられた事も。

もう一つ、ピアノで苦労しました。6歳の時からピアノは好きでしたが、その機器は学校のピアノ、オルガン等で代用していました。なにせああいう高価なものは我が家には無理でした。代りにどこかで借りなければなりません。中学校にはピアノ練習室という看板の掛かった小部屋が幾つもあり、昔そこを使っていた事が分かりましたが、中身がすでに無くなっています。ピアノは中断。高校では音楽を選択せず。それが大学の一般教養を学ぶ学部で見つけたのです。卒業記念会館のような所にピアノがあるらしいことが判明。どうしようかと悩んでいたら簡単に、別の寮食堂にピアノが置いてあったのです。これは良かった、と喜んだものです。その置いてある所は、鍵が掛かっていない。そこで密かにピアノを練習することにし、休みの日に、楽譜を抱えて通いました。ただし、あっという間にここを出て、別所にある専門学部のキャンパスに移転することになりました。再びピアノ抜きの生活になります。それでも大学がそのようなピアノを置いてくれたことに感謝します。

私の持っている雑多な音楽ソースの一部を、並べてみると下記のようになります。この順番は不問です。またピアノ曲とオペラは、ここ以外に纏めて書きますのでそちらを参照。モーツアルト、ベートーベン、ブラームスはここでは原則として外してあります。それも過去のブログを参照。

番号  曲名  作曲家  指揮者  CD番号
(1) 白鳥の湖 チャイコフスキー アンセルメ  KICC 9544/2
(2) 四季 ヴィヴァルディ アカデミー管 UCCD-5052
(3) トッカータとフーガ二長調 バッハ ヴァルヒャ 435-O90-2
(4) 交響曲9番「新世界」 ドヴォルザーク カラヤン KC-1060
(5) 春の祭典 ストラヴィンスキー ラーバリ 8.553217
(6) カルミナ・ブラーナ オルフ ヨッフム UCCG-3354
(7) ヴァイオリン・ソナタ フランク デュメイ TOCE-6432
(8) 交響曲6番「悲愴」 チャイコフスキー フルトヴェングラー KC-1046
(9) クラリネット五重奏曲 ブラームス ライスター WPCS-21062
(10) クラリネット五重奏曲 モーツアルト ライスター W`CS-21062
(11) ペールギュント組曲 グリーク カラヤン KC0024
(12) シェヘラザード コルサコフ ヨルサリファー 425-512-2
(13) モルダウ スメタナ ケルテス KICC 9272
(14) 白鳥の湖 チャイコフスキー フィストウラーリ KICC-8285
(15) フルート四重奏曲 モーツアルト ランパル 30DC778
(16) 四季 ヴィヴァルディ アーヨ CC-1022
(17) ピーターと狼 プロコフィエフ オーマンディ RCD1-2743
(18) アルルの女組曲 ビゼー アンセルメ 223E 1142
(19) 「古典」交響曲 プロコフィエフ カラヤン POCG-6-54
(20) 惑星 ホルスト レヴァイン POCG-50041
(21) チェロ協奏曲 ドヴォルザーク クリーゲル 8.500503
(22) イタリア協奏曲 バッハ グールド SRCR-2061
(23) トウオネラの白鳥 シベリウス トスカニーニ KCI-2005
(24) 愛と海の詩 ショーソン モントウー BVCC-8943/45
(25) 弦楽セレナーデ チャイコフスキー カラヤン POCG-50037
(26) 水の上の音楽 ヘンデル ブダペスト弦楽四重奏団 15-607
(27) 魔弾の射手序曲 ウエーバー カラヤン KC1054
(28) 交響曲「時計」 ハイドン バーンスタイン ECD-50020
(29) 展覧会の絵 ムソルグスキー アンセルメ CC-1054
(30) トッカータとフーガ二短調 バッハ シュヴァイツアー KC-1023
(31) 交響曲「イタリア」 メンデルスゾーン クレンペラー TOCE-59009
(32) 交響曲第5番 ショスタコヴィッチ ゲルギエフ 475-065-2
(33) 交響曲第6番 チャイコフスキー アバド 437-401-2
(34) 「幻想」交響曲 ベルリオーズ クリュイタンス T-1913
(35) イスの王様 ラロ モントウー KCI-2010
(36) 道化師の朝の歌 ラヴェル モントウー KCI-2010
(37) ラ・ヴァルス ラヴェル モントウー KCI-2010
(38) ベンベヌートチェルリーニ ベルリオーズ モントウー KCI-2010
(39) 交響曲第9番「新世界」 ドヴォルザーク バーンスタイン 22DC-5592
(40) 春の祭典 ストラヴィンスキー アンセルメ 223E-1134
(41) ペトルーシュカ ストラヴィンスキー アンセルメ 223E-1134
(42) 交響曲第9番 ブルックナー シューリヒト HS-2088
(43) 火の鳥 ストラヴィンスキー アンセルメ CC-1070
(44) カルミナ・ブラーナ オルフ シャイー F35L-50254
(45) ローマの謝肉祭 ベルリオーズ デ・サーバタ KC-1044
(46) ファウストの劫罰抜粋 ベルリオーズ メンゲルベルク KC-1043
(47) 交響曲第2番 シベリウス トスカニーニ KCI-1044
(48) クラリネット5重奏曲 ブラームス ウラッハ 32XK-2
(49) クラリネット5重奏曲 モーツアルト ウラッハ 32XK-3
(50) ニュルンベルクの名歌手序曲 ワーグナー ライナー RCD!-4738
(51) 管弦楽組曲2・3番 バッハ ミュンヒンガー K30Y1511
(52) ジゼル アダン カラヤン 417-738-2
(53) チェロ夢のあとに フォーレ カザルス BVCC-7356
(54) トッカータ、アダージョ、 フーガ長調アダージョ バッハ プレストン POCG-5006
(55) 「イギリス」交響曲 トヴォルザーク ケステス KICC-9272
(56) アダージョト短調 アルビノーニ イムジチ合奏団 PHCP-9310
(57) カノンとジーグ パッヘルベル イムジチ合奏団 PHCP-9310
(58) ボレロ ラヴェル アンセルメ 3121-1
(59) 優雅で感傷的なワルツ ラヴェル アンセルメ 3121-1
(60) ペルシャの市場にて ケテルビー ロジャーズ UCCD-7144
(61) コラール第2番 フランク デュプレ PHCP-10245
(62) コラール第3番 フランク デュプレ PICP-10245
(63) クープランの墓 ラヴェル アンセルメ 223E-1138
(64) なき王女のためのパヴァーヌ ラヴェル アンセルメ 223E-1138
(65) マ・メール・ロア ラヴェル アンセルメ 223E-1139
(66) 牧神の午後への前奏曲 ドビュッシー アンセルメ 3121-2
(67) 弦楽セレナーデ ドヴォルザーク カラヤン POCG-50037
(68) 交響曲第4番 ブルックナー クナッパーツブッシュ KC-2006
(69) 交響詩禿げ山の一夜 ムソルグスキー アンセルメ CC-1054
(70) 交響曲第3番「ワーグナー」 ブルックナー ヘンヒエン COCO-78032
(71) ダフニスとクロエ組曲 ラヴェル モントウー KCI-2010
(72) フルート四重奏曲K285,K285a,K285b モーツアルト ランパル 30DC-778
(73) カルメン組曲 ビゼー アンセルメ 223E 1142
(74) イギリス組曲 バッハ グールド SRCR 2061
(75) コラール・プレリュート バッハ シュヴァイツアー KC-1023
(76) 無伴奏チェロ組曲第1番 バッハ カザルス KC-1024
(77) マタイ受難曲より バッハ メンゲルベルク KC-2004
(78) ロミオとジュリエット プロコフィエフ ムーティ CDC 7 47004 2
(79) ヴァイオリン協奏曲2番 シベリウス ヌヴー KCI-1044
(80) ヴァイオリン・ソナタ フランク グリュミオー 32CD-3121

 

 

 

千葉のF高












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