モーツアルト     ベートーヴェン
 
 

2010年5月1日(土) VP3000のドライバー段を替えてみる

 
 キット屋倶楽部の皆様、ゴールデンウィークいかがお過ごしでしょうか? ワタシはどこにも出かけず、ひたすらオーディオ三昧の日々を過ごしています。2人の子供も家にいませんので、気がねなく音を出すことができ、とてもハッピーです。
 さて先月の自分の日記を読み返してみると、ちょっと舌足らずのところが1点ありましたので、この場でもう一度申し上げたいと思います。ワタシ、プリアンプ有用派に転向いたしました(笑)。これまではプリの有用性が十分感じられず、この数年間つないだりはずしたりを繰り返してきましたが、先月の「これまでで最高の音」の時に書いた真空管の変更によって、いかにプリが音質上大切かということが、実感としてわかったのです。もうこれからは浮気いたしません。プリとは一生添い遂げたい(笑)と考えておりますデス。

 さて本日の本題。パワーアンプとして使っているVP3000のドライバー段をTung-Sol6SN7に変えてみました。半年ほど前、初段を替えて良い効果があった際、その旨を大橋店主にお伝えしたところ、「ドライバー段も変えてみてはいかが?」とのアドバイスをいただいておりましたので。

 ドライバー段を変えると、かなりの音の変化がありました。私にとっては好ましい変化です。Tung-Solは音が濃いですね。それに音の輪郭がデフォルトよりくっきりします。デフォルトはわずかにソフトフォーカスです。Tung-Solはびしっとピントがあった感じがします。それでいて音を絞めているわけではありません。
 またヴァイオリンやチェロでは弓圧を強くして弾いている感じです。音楽によい意味での緊張感・緊迫感が出ます。ゆったりした気分で楽しんで聴くというよりは、しっかり聴き耳をたてて集中して聴き入るイメージです。あいまいさを排したクリアな音。雰囲気ではなく、そのものズバリのリアルな音。音場中心ではなく音像的になりました。
 楽しみで聴くならデフォルトでいいですが、演奏を聴き分けたいならTung-Solです。ピアノ、ヴァイオリン、チェロ、クラリネット、声楽、オケ・・・万能です(笑)。変えた当初はエージングが進んでいないせいか、やや生硬な面ものぞかせていましたが、2日たった今日はそれも取れて、ちょうどよい塩梅になりました。演奏者の集中力と緊張感を間近で感じることができる、ワタシ好みの音ができあがり喜んでいます。この2日間アンプのスイッチを入れっぱなしです。

 プリの有用性に目覚め、続いてmodel2の置き方と真空管差し替え(TESLAへの)の素晴らしさを実感したのに続き、第三の飛躍があったこの2日でした。真空管取り換えの面白さに目覚めたワタシ、次はmodel2のTESLAをMULLARDに変えてみようともくろんでいます。

 

2010年5月8日(土) TESLA E88CC  vs  MULLARD ECC88 made in GB

 
 ゴールデンウィークの1日を使って、model2の真空管tesla E88CCとmullardECC88 made in Great Britain の聴き比べを自宅でしました。Teslaでこれまで最高の音が出たので、mullardならもっといい音になるのか(価格通りなのか)と考えたからでした。いずれも新品ではなく十分に使いこまれた管で聴き比べました。(DAコンバーターに関する皆様のご関心は既に192Sにあるのかもしれませんが、model2には192Sとは違う音の傾向があり、今もって捨てがたいと感じています。)

 さて、teslaはmullardの代替球として語られることが多いように思います。Mullardが一番いいんだけど高いし入手困難になってきたので、次善の策としてteslaを購入する、といったような・・・しかし実際に聴き比べをして強く感じたのは、この両者の一番の違いは「響きの付加の程度」ではないかということでした。拙宅でのteslaはこの響きの付加具合が絶妙で、ピアノ、弦楽器、木管楽器いずれを聴いても、実体感が素晴らしく、ワタシのよく使う言葉でいえば「楽器の音がする」球でした。
 一方mullardは響きの付加が多すぎます。音は太くなり、滑らかになり、角がとれて丸みを帯びます。そして得も言われぬ色気(倍音?)が加わります。おそらくこの色気がmullardの人気の秘密と思います。しかし楽器の音がするというよりは、「いかにもヴァイオリンらしい音のイリュージョン」を聴かされているような感じがします。オーディオは生じゃないのだから、イリュージョン結構という方が多いから人気があるのでしょう。響きに包まれて、ゆったりした気分でくつろいで聴くにはいい球です。アナログライクな魅力といってもよいかもしれません。
 ワタシの装置ではteslaのほうが合います。Teslaは決してミニ・ムラードではありませんよ。

 以上の音の印象は、VP3000というプッシュプルアンプを使い、ハーベスというSPを組み合わせた時のものです。キット屋倶楽部の多くの方のように、タンノイのSPにシングルの300Bアンプを組み合わせた時は、また別の結果になるかもしれませんね。(←これって大事な観点と思うのですが、ベテラン真空管アンプファンの皆様、いかがですか?)
 ワタシは今のSV722(マランツタイプ)とVP3000という2つのアンプとハーベス、それにmodel2を、これからもずっと使いたいと思うので、teslaの予備球がどうしてもほしいです。"楽器の音"はteslaが出してくれているからです。そのかわりmullardは手放そうと思います。ワタシが死蔵するより、上手に使って下さる方の手元にあったほうが、球も幸せでしょう?

 真空管取り換えの面白さに目覚めたワタシ、次は唯一デフォルトの真空管をまだ使っているSV722の12AX7を替えてみようと思っています。12AX7には、古典球も含めてたくさんのメーカー(ブランド)のものがあるようですね。どれから手をつけていいかよくわからないです。どこかにメーカー別の音の傾向をまとめたような本かサイトがないものでしょうか? 持っていきたい音の方向はある程度はっきりしているのですが、どの球を使ったらそうなるのか、はたまた別の方向に行くのか "マップ" がほしいです。


 

2010年5月16日(日) GRFメモリーとオートグラフ

 
 今日は大橋様の日記にも書かれているとおり、いつものメンバーでのオフ会。午前中はタンノイGRFメモリーのI原さん宅、そして午後はオートグラフのI瀬さん宅でした。



 I原さん宅の音出しはEARのセバレートアンプ。こぎれいにまとまった、薄めで口当たりのよい音です。激務の疲れをとり、脳みそを弛緩させるための音、BGMで音楽をきくための音です。高域は落ち、穏便な出音で、時折巷で聞くタンノイ評を裏付けるものでした。
 その時大橋さんがGRFメモリーの全面下部についているtrebleのenergyとroll offのつまみをどちらもプラス方向に動かしたところ、音はかなり変わりました。パリッとした音になり、やわらか一辺倒だった表現ではなくなりました。まずまずの音になりました。
 その後アンプはSV310+VP6200に変更。うーん、これはまったく別物、面目一新の見事な音に変身しました。音楽の表現がシャキッとして、かつ生き生きとしてきます。それまでねぼけまなこだったのが、目鼻ぱっちりという感じ。さらにパワーアンプをVP2500SE(Bタイプ)に替えると、高域まで伸びたぱりっとした近めの音が冴えて聴こえ、さすがPX25の音はこれかと納得。(energyとroll offはnormalに戻してです)
 GRFメモリーは、アンプの音の違いを敏感に出す良いスピーカーと思いました。セッティングが決まっているから、そういう違いがよくわかるのだとも思いました。I原さんは良い縁を得て、素晴らしいスピーカーを手に入れましたね。

 ところでI原さんは、部屋の定在波対策に苦労されていますが、この日大橋さんがひとつのヒントを出していました。大橋さんがリスニングルームの写真を撮ろうと、部屋の隅に椅子を置き、その上に乗った時のことです。「ここに音が溜まっています。音が溜まりやすいのは天井の四隅と中央です。対策するならそこを」と言われました。
 I原さんは床と壁はしっかり対策を施しているので、残りは天井。試しにとワタシも部屋の隅に椅子を置き、その上に乗りました。すると頭といいますか耳のあたりに溜まる音の塊を実感として感じました。なるほどこれですか。キット屋倶楽部の皆様にもご参考になるノウハウと思います。



 午後はオートグラフのI瀬さん宅。このオートグラフの来歴はすでに皆様ご存じのことと思います。おそらくは日本で最も保存程度の良いオートグラフとのこと。その音をたっぷり聴かせていただきました。その余裕の鳴り! 素晴らしい響きが適切に付加され、それでいて演奏家の息遣いをマスクしない、見事に音でした。
 オルトフォンSPU+SV-A2+SV310EQ+VP2500SEという豪華布陣で聴いたLPレコード、とりわけI瀬さんが熱心に集めておられた、オーディオファイル向けに特別に作られたLPの再生音は、デジタル一本道のワタシの耳も捉えて離しませんでした。VP2500SEはぴしっとストレートに伸びた高域が特徴ですね。300Bと出音がまるで違いますが、どちらもいい。真空管アンプならでは楽しさを満喫いたしました。

 素晴らしいタンノイの大型スピーカーを楽しんだ1日でした。

 

2010年5月21日(金) 「ビールの友」と「Platinum Club」ほか少々

 
 今日はまずブログの話です。ブログランキングを見てみると、「オーディオ」というカテゴリーはないですね。オーディオファンの端くれとしては残念です。でも「クラシック音楽」というカテゴリーはあります。覗いてみるとピアニスト高橋多佳子さんやヴァイオリニスト磯絵里子さんなど、第一線で活躍しているソリストのブログが人気のようです。そしてその中にまじって、常時ベスト10入りしているブログに「ビールの友」と「Platinum Club」があります。

 「ビールの友」は、札幌交響楽団のチェロ奏者荒木均さんのブログです。矜持とペーソスにあふれたオーケストラマンのオハナシから、音楽以外の様々な話題まで、その筆は冴えわたっていて、週1ペースの更新ながら読者をあきさせません。「次の更新は何の話題だろう」と、いつも楽しみにしています。またブログだけでなくホームページもあって、こちらも「札響3ちゃんねるクラオタへの道」「楽隊比較文化論」「現役オケマンが検証してみるのだめカンタービレの真偽」「ラスト・オーケストラ・サムライ」など、クラシック好きにはこたえられない読み物満載で、多いに楽しませてもらえます。このブログとHPで、札響ファン、クラシックファンづくりに多大な貢献をしてみえると思います。
 さてその荒木さん、なんと今年に入ってアナログレコードの音の良さに目覚め(!)、デンオンの往年のアナログプレーヤー(!!)と海外製のスピーカーをお買いになり(!!!)、中古レコードをあれこれ物色しつつ(!!!!)、ついに真空管アンプをお買い上げになった(!!!!!)ところです。今後どんな展開をみせるのか、楽しい"オーディオあり地獄" "真空管アンプ地獄" へまっしぐら〜〜〜というのがワタシの予想(笑)なんですが・・・既に「キット屋かわら版」も入手したとかしないとか・・・キット屋倶楽部の一員としては今後の展開に目が離せません。

 一方「Platinum Club」は、同じ札幌交響楽団の首席フルート奏者森圭吾さんのブログ。こちらも内容充実話題満載です。更新も頻繁で、クラシック音楽の話題も多いです。それから音楽と同様、いやそれ以上に熱く語られているのがクルマ。クルマ好きの方はどうぞ一度ご覧になってください。

 皆様おなじみのN響ヴァイオリニストの根津さま、横山さま、そしてチェリスト宮城さまのブログとともに、ワタシが毎日クリックしてみるブログです。

 話題はがらりと変わりまして、建てて15年たった拙宅、「壁紙がかなり汚れてきたので替えたい」との家人の要望により、先日から壁紙剥がし&貼りの職人さんがみえています。そのうちのおひとりがVP3000を見て「真空管ですか? 私もオーディオと音楽が好き。クラシック音楽、特にバロック音楽が大好きです」とおっしゃるではありませんか。ならば、とCDをかけると「これはバッハですね。ブランデンブルグ協奏曲1番ですね」(←ズバリ当たり) さらに「いい音ですねえ。すばらしく美しいヴァイオリンの音」とも。(←これもズバリ大当たりなんちゃって・・・笑)
 それから壁紙剥がし& 貼りの間、バッハの管弦楽組曲、チェンバロ協奏曲、無伴奏チェロ組曲などをかけてさしあげると、「バッハをBGMに仕事ができるなんて、25年で初めて」といたく感激していただけた様子。家人はこの職人さんを"バッハ氏"と呼ぶようになりました。例えば携帯メールで「今日はバッハ氏。娘の部屋をやってもらっている」とか「今日はバッハ氏じゃない別の人」などなど。
 こんなことが何日かあった後、再びバッハ氏がやってきた日、「お礼にCD-Rを焼いてきました。」とおっしゃり、何枚かを見せてくれました。アルビノーニのオーボエ協奏曲集、コレルリの合奏協奏曲集など、ワタシももっていない曲ばかり。ワタシなどよりはるかに詳しい方でした。オミソレシマシタ。
 そのバッハ氏と、もうひとり真空管アンプに興味を示した職人さんに、キット屋かわら版をプレゼントしました。いまごろ「シングル」「プッシュプル」「300B」「6SL7GT」など初めてみる単語と、製品の型番と値段に何の関係も見いだせないキット屋さん独特の製品群にとまどっているのではないかしらん(笑)。





 
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