モーツアルト     ベートーヴェン
 
 

2010年9月4日(土)  ゲンダイオンガクはお嫌い?

 
 20世紀後半に作られた旧ソ連圏の作曲家の作品を集中して聴きました。昨年クラシック音楽の聴き方を「新譜漁り型」から「名曲じっくり聴き込み型」に変える際、これらの音楽を一度聴いてみようと思っていたからです。
 
 聴いたのは次の4人の作曲家の、CDにして4枚分の曲でした。
●グバイドゥーリナ(Sofia Gubaidulina 1931〜 ロシア) 「アコーディオンとチェロのためのIn croce」「アコーディオン、ヴァイオリンとチェロのためのSilenzio」「チェロ、アコーディオンと弦楽のための7つの言葉」
●ゴレツキ(Henryk Gorecki 1933〜 ポーランド)「交響曲第3番 悲しみの歌」「古風なスタイルによる三つの作品」
●シュニトケ(Alfred Schnittke 1934〜1998 ロシア)「ソロ・ヴァイオリンのためのフーガ」「ピアノ五重奏曲」「ヴァイオリンとチェロのためのStile Musik」「弦楽三重奏曲」
●ペルト(Arvo Part 1935〜 エストニア)「タブラ・ラサ」「バッハのコラージュ」「交響曲第3番」
 いずれも現代音楽に少しでも関心のある方なら、とうにご存じの作曲家で、調性のある音楽を書く作曲家です。
 
 うーん、まあ現代音楽を一度聴いただけで、どうのこうの言うのはおこがましいのでしょうが、いずれも1度聴けば十分、音楽を聴く時間があるのであれば、バッハやモーツァルトやベートーヴェンを聴きたいと、強く感じました。
 いずれもゆったりとしたテンポのシンプルな曲なのですが、どうも薄く水増しした音楽が延々と続くといった感じで、これが後世に残る名曲かと問われると・・・。ゴレツキの交響曲3番の2楽章は1990年代に一大ブームを巻き起こした曲なのですが、私にはあんまり・・。
 正直、旧ソ連圏の現代音楽はもう結構と思った数日でした。ひょっとするとワタシの感受性がすり減っているのかも。
 
 これらの音楽はCDを買ったのではなく、ダウンロードで求めました。今年の2月の日記でご紹介したフランスのサイト「QOBUZ」からダウンロードしました。このサイト、レーベルによって日本からダウンロード可のものと不可のものがあるのですが、NAXOSレーベルは可でしたので、上記4枚分はここから買いました。
 せっかくの機会なので音質比較をしたいと思って、320kbpsのmp3とALAC(FLACのほぼ同等のロスレス)の2種試してみたのですが、SV-192Sを持っていないので、PC内蔵DACを使ったせいでしょう、音質の差はよくわからないままでした。
 わざわざ残暑厳しい時にこんなことやらなきゃよかったとちょっぴり後悔(苦笑)。
 
 

2010年9月11日(土) どこまでが本当のアマデウス? (前編)

 
 8月15日、昨年に引き続きモーツァルトの「レクイエム」を歌いました。昨年は初めてでしたので、「落ちず、飛び出さず、間違えず」を実践するだけで精一杯(苦笑)でしたが、今年は少々余裕あり。練習の時からずっと気になっていたのは、「どこまでがモーツァルトの真筆で、どこがどの程度弟子ジュスマイヤーの手が入っているか」ということ。今日はワタシという一合唱団員が感じた「ここはモーツアルト作、ここはジュスマイヤー補筆、ここはジュスマイヤー作」という"事業仕分け"にトライしてみようと思います。

 モツレクはこんな曲順です。
1. Requiem (Chor, Sopran)  ◎
2. Kirie (Chor) ◎
3. Dies irae (Chor) ◎
4. Tuba mirum (Sopran, Alt, Tenor, Bass) ◎
5. Rex Tremendae (Chor) ◎
6. Recordare (Sopran, Alt, Tenor, Bass) ◎
7. Confutatis (Chor) ◎
8. Lacrimosa (Chor) 冒頭8小節のみ◎
9. Domine Jesu (Chor, Sopran, Alt, Tenor, Bass)
10. Hostias (Chor)
11. Sanctus (Chor)
12. Benedictus (Chor, Sopran, Alt, Tenor, Bass)
13. Agnus Dei (Chor)
14. Lux aeterna (Chor, Sopran) ○

 ◎印は、ソロ、合唱、オーケストラすべてのパートをモーツァルトが全部書いたとされる部分です。ですから◎は真筆となります。最後の14. Lux aeternaは弟子ジュスマイヤーが書いていますが、音楽は1. Requiemと全く同じですので、事実上モーツァルトが書いたとも言える部分です。なので○印を付けました。
 以上に挟まれた、8. Lacrimosaの9小節め以降から、13. Agnus Dei までが、古来から問題とされるジュスマイヤー補筆または創作部分になります。
 次回はこの8.〜13.の部分を詳しく見ていきたいと思います。

 

2010年9月18日(土) どこまでが本当のアマデウス? (後編)

 
8. Lacrimosa 9小節〜30小節

 モーツァルト真筆の素晴らしい冒頭8小節が終わり、9小節めに入ると音楽の緊張感がいったん緩みます。しかし10〜14小節のqua resurget ex favilla judicandus homoreusは実に見事な高揚感を伴いますし、その直後の15〜16小節のHuic ergo parce Deusは、モーツァルトでなければ書けない悲痛極まりない哀願の歌になっていると思います。その後の音楽はやや精彩を欠くように感じます。
 そして最後の2小節のAmenですが、当時の作曲上の慣習としてAmenという言葉にはフーガをつけることになっているのに、実際には単純にプラガル終止になっているので、従来の学説はここをジュスマイヤーが書いたとしています。しかし歌ってみるとこの単純な終止は言われるほど悪くないです。「涙のその日」の最後にふさわしい哀切の気持ちが籠っていますし、単純だけど様々な歌い方を許容する音楽になっていると思うのです。ピアニッシモで消え入るように歌ってもいいですし、フォルテで祈りを歌いあげることも可能です。よい音楽は多様な表現を許容するものです。この終止、少なくともモーツァルトの意思が入っていると思っています。

9. Domine Jesu 全78小節

冒頭20小節はフォルテとピアノの対比が素晴らしくそれなりに聴き映えがするのですが、曲前半ほどではないというのがワタシの感想。モーツァルトの指示に基づきジュスマイヤーが補筆していると思います。
その後21〜43小節は、合唱のフーガ、ソロ4声のフーガと続きますが、ここも同様。
44小節からは最後の78小節までは、通称アブラハム・フーガと呼ばれる部分。ここは充実しています。歌っていてもここに入ると気合が高まるのを感じずにはいられません。合唱のメンバーの多くはここが大好きといいます。よってモーツァルト真筆。

10. Hostias 全89小節

ラルゲットの指示のある1〜54小節まで。冒頭はまるで讃美歌を聴いているように清澄なハーモニーに強く惹かれます。女性の合唱団員はここが一番好きという方も見えます。確かに冒頭の天国的調べは真実モーツァルトと思えますし、tu susipe pro animabus illis(12〜15小節)の転調は、アヴェ・ヴェルム・コルプスを彷彿とさせるのですが、曲が進むにつれてトーンダウン。やはりジュスマイヤーが補筆している可能性大と思います。
55小節からは、アブラハム・フーガの再現。モーツァルト作と信じます。

11. Sanctus 全38小節

1〜10小節まではアダージョの指示。ここに来ると一気に音楽の充実感がなくなります。それまでは立体的だったものが平板な音楽に。ここはジュスマイヤー作といって間違いなさそうです。三流の音楽です。
11〜38小節は4分の3拍子のアレグロ。通称オザンナ・フーガ。10小節までの音楽よりはややましと感じますが、とてもモーツァルトが作ったとは思えません。

12. Benedictus 全76小節

1〜53小節まではソロ4声。はっきり言って音楽は凡長。聴いていてもまだ終わらないのかと感じてしまいます。ジュスマイヤー作。
54〜76小節は合唱のアレグロ。オザンナ・フーガの再現です。

13. Agnus Dei 全51小節

よく言って古拙な音楽。特に3度出てくる dona,dona以下の音楽は、それまでかろうじて繋ぎとめていた音楽の緊張感を一気に台無しにしてしまう感じ。45小節と51小節の転調は型通りの拙い感じがしてなりません。モーツァルトの転調は、これ以外はありえないという厳密性と意外性に満ち満ちているはずなのに・・・よってジュスマイヤー作。

以上、一合唱団員が感じたモツレクの"事業仕分け"でした。

 

2010年9月25日(土) 真鍮&ステン、樽ボード、コーリアン、御影石、防振ゴム

 
 こういうキーワードに惹きつけられ、この文章を読もうと思ったアナタ、かなりのセッティングマニアですね(笑)。ワタシは最近までこういうことにあまり熱心ではありませんでしたが、チェリスト宮城様のブログにだんだん洗脳され、「みとこの探訪録」の"こ"様の2010年1月4日付けのブログや「score1204」様の2010年7月19日付けのブログ「マッキントッシュC-11の足」に触発され、さらにキット屋大橋店主日記の中から「DACやプリのように微弱電流が流れる機器ほどインシュレーターが大事」という旨のアドバイスを発見するに至り、自分でも試してみようと決心したのでした。

 まずはmodel2。上から下に向かって、model2⇒真鍮&ステン(小)⇒樽ボード⇒コーリアンボード(厚さ1.1mm)⇒防振ゴム としてみました。
 うーん、確かに音は変わりますが、どちらがいいかと言われても難しいです。好みの問題のような気がします。最終的には防振ゴムを取り去った音でとりあえずの落着を見ました。ゴムは音の輪郭を甘くするようです。SPの下に敷くのとではちょっと傾向が違うのでしょうか?
 酷暑の中での試聴だったせいもあり、少々めんどくさくなった夏休みでした。

一方9月に入り、プリ(SV722マランツタイプ)は、やはり上から下に向かって、SV722⇒真鍮&ステン(大)⇒御影石(厚さ3cm)⇒防振ゴム としてみました。
 ゴムはやはり音がぼやけるように感じましたので、これを取り去ると・・・いいじゃありませんか! 音が粒立ち、輪郭が明瞭になり、直接音と間接音がきれいに分離します。以前大橋さんが「コーリアンは音を吸い、御影石は音ほはじくイメージ」といっていのがわかる気がしました。音楽の生命力や躍動感がよく伝わる点もおおいに気に入っています。低域が引き締まっているのもワタシ好み。
 音量が低いうちはわずかに低域が引っ込む感じがありましたが、ボリュームをあげるに従いよいバランスになりました。御影石ではなくコーリアンを敷いて、真鍮&ステンの足をかました時は、ほとんど音が変化しないように思っていたのですが、御影石にすると真空管を変えたくらいの変化、好ましい変化がありました。これが敷物の材質の違いに由来するのか、それとも石の厚み(重さ?)の違いに由来するのか、はたまた真鍮&ステンの真価が発揮されたのか・・・
 いずれにしても、SV722⇒真鍮&ステン(大)⇒御影石 で決まりです。ブラボー!!

 最後に別の話題のインフォメーション。皆様優秀録音盤を探してみえると思いますが、レコード芸術誌10月号が特集で、1980〜2000年代の優秀録音盤144点を紹介しています。一度ご覧になってみるのはいかが?






 
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