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2010年11月6日(土)  名ピアニストが選ぶショパンこの1曲

 
 今年はショパンの生誕200年ですね。今年の2月にポーランドのワルシャワで行われた生誕記念コンサートが、NHK-BSハイビジョンで放映されたので見てみました。曲目は協奏曲2曲。独奏は1番がデミジェンコ、2番がキーシン。うーんキーシンの方が抜群に素晴らしいですね。デミジェンコもハイペリオンやオニクス・レーベルにたくさん録音のある有名なピアニストなんですが、はっきり言ってキーシンの圧勝。特に両端楽章は最高で、お客さんも総立ちのブラボー。
 
 さてそのショパン、たくさんピアノ曲を書いているので、いったいどれから聴いたらいいのか、はたまたどれが傑作中の傑作なのか、私のようなフツーのクラシック・ファンにはよくわかりませんね。
 英BBC MUSIC MAGAZINE誌と仏DIAPASON誌が、名ピアニストに聴く「ショパンこの1曲」を特集していましたので、今日はそのご紹介です。
 私の好きなフランス人中堅ピアニスト、アレクサンドル・タローがあげたのがバラード第2番。オーストリアの超ベテラン、パウル・バドゥラ=スコダは、ソナタ第3番を挙げています。またフランスのベテラン、アラン・プラネスは前奏曲op45を選びました。超絶技巧で有名なカナダ人、マルク・アンドレ=アムランは舟歌op60を、トルコ人の女流イディル・ビレットはタランテラop43をセレクト。ショパン弾きとして名声が最近増している感のあるネルソン・ゲルナーは練習曲op10。イギリスの若手女流イングリット・フリッターはバラード第4番を、マルティン・ロスコーはバラード第1番を挙げました。イギリスのベテラン、ピーター・ドノホーはやや変わった選択のマズルカop24
 そして最後に大物2人、マウリツィオ・ポリーニはソナタ第2番を、そしてクリスティアン・ツィメルマンはソナタ第2番&第3番の2曲を挙げています。
 
 ソナタやバラードはショパンの"公式発言"的作品というのがワタシの印象です。私の好みはもう少し"私的"でintimateな趣きのある曲、例えば、ノクターンやマズルカ、ワルツ、そして何といっても舟歌op60に惹かれています・・・今のところは。舟歌はツィメルマンとネルソン・フレイレの演奏を持っていますが、後者が大のお気に入りです。
 
 ショパンつながりでもう一つ話題を。先日終了したショパン・コンクール、優勝したのはユリアナ・アウェデーワというロシアの女性ピアニストでした。女性の優勝はアルゲリッチ以来45年ぶりとのこと。そしてこのアウェデーワが弾いたピアノがYAMAHAだったそうです。通勤電車の中で読んだ日経新聞で知りました。YAMAHAの関係者の方々、長年の悲願が叶いましたね。おめでとうございます。
 
 

2010年11月13日(土) 「並び順」をめぐる仁義なきタタカイ?

 
 来週末、9回目の第九の本番を迎えまっす! 本番直前のわが合唱団員たちの最大の関心事は、ひな壇の「並び順」です。なぜかといいますと、両隣や後ろに上手な方がいてくれると、気持ちよく歌えて、自分の実力が存分の発揮できるからです。逆に下手な方に囲まれると、足を引っ張られてうまく歌えず、半年練習したのに、欲求不満だけが残るという結果に終わります。
 なので、自分の隣や後ろにうまい方を配したいという欲求にかられた面々から、「誰の隣がいい」だの「誰の前はイヤ」だの、ワガママな要望が出され、水面下での仁義なきタタカイの様相を毎年呈します(苦笑)。「並び順」を決める実行委員はたいへん苦労し、何度も修正を試みることにあいなります。
 
 ではうまい人とはどんな人なのか? 私見では「正確なピッチ」、まずはこれに尽きます。いい声をしているとか、リズムが正確とか、強弱や表情がいいとか、ドイツ語の発音が素晴らしいとかはその先のハナシ。一にも二にもピッチ。
 ですから下手な人というのは、違う音程を歌うのは論外として(でも結構いるんです)、ピッチが低くなる人ということになります。(高すぎるピッチの人は極少です)。ピッチが悪い人というのは、他のパートやオーケストラの音を聞きながら歌うことができない人と言い換えることもできるでしょう。
 
 ワタシの立ち位置は、ここ数年男声の真ん中あたりの一番後ろ(上の段)というのが定位置です。第九で一か所だけある男声3部合唱の部分では、高声でも低声でもなく中声を歌うので、立ち位置も真ん中。また背の順に並びますので(低い人が後ろだと指揮者が見えなくなってしまう)、背の高い私は一番後ろ(上の段)ということになります。けっしてうまいからとか下手だからという訳ではアリマセン。
 例年右隣は、上手なテノールの方が並んでくださるので、そちらは大丈夫。問題は左隣。ここに"ピッチ悪氏"が来ると、気分はブルー(苦笑)。
 でもがっかりしてばかりもいられないので、色々工夫します。まずやるのは、少しでも後ろに立って、左隣の"ピッチ悪氏"の斜め後ろで歌うようにします。"ピッチ悪氏"の声を聞こえにくくし、かつ自分の声をピッチ悪氏に聞こえ易くするためです。また"ピッチ悪氏"よりもほんの一瞬早く出て、こちらのピッチに合わせさせてしまう、という芸当も使います。という訳で、"ピッチ悪氏"の隣だと、歌う感動よりも、気を使って疲れる、シンドイ、というのが実感なのです。
 さて今年は誰が左隣に来てくれるのでしょうか?  明日決まることになっています。
 
 以上実力不足を他人のせいにしたい、一アマチュア合唱団員の繰り言デシタ。
 
 

2010年11月20日(土)  好きな出音

 
 キット屋大橋店主が作られたアンプの「ヴォイシングチャート」は、まさしく特許ものだと思っています。それまで定性的な言葉で表すしかなかった出音の特徴を、可視化したことは画期的ですね。
 
デモアンプのヴォイシングチャート
 私の好きな音はヴォイシングチャートで言うと、左端(とてもウォーム)で、上下で言うと中間(ソフトとシャープの中間)あたりだと、最近わかってきました。パワーアンプとして使っているVP3000はやや左下、つまりウォーム&ソフト寄りです。またプリのSV722は右上、つまりクール&シャープ。両方でちょうど真ん中あたりになるのかなと推測しています。それを300B prime tube ver.4やmullardECC83やteslaE88CC、そして最近使い始めたWEのSPケーブルなどで、再度ウォーム&ソフト(左下)に、持ってきているように思います。
 
 ウォーム(左)なのはそのままに、もう少しシャープさが出れば(下から上に)と願っています。でもなかなかいい方法が見つかりません。「シャープ」というのをもう少し具体的に噛み砕くと、@子音の出音にスピード感があり、A音の輪郭が明確であること だというのが、拙い私の考えです。
 真鍮&ステンの足やコーリアンや御影石を使っているのも、少しでもこうした方向に音を持っていきたいと願っているからでしょう。 SV192SとCECの新トランスポートを導入し、MC-3でクロック同期をかけると、子音のスピード感はともかく、音の輪郭の明瞭さは増してくれるのではないかと期待しています。
 いずれにしろ、ウォーム(暖色)は十分保ちつつ、ある程度のシャープな方向に持っていくことが、これからのワタシの課題と思っています。
 
 逆にクールな音はどうもピンと来ないのです・・・お恥ずかしいハナシですが。例えばキット屋ファンの皆様に大人気のVP-2500SEなどは、2度聞かせていただき、どこまでもストレートに伸びる高音がいいというのは頭では理解するものの、全体的にクールめの音なので、今ひとつ好きになれずにいます。また歴代の300B prime tubeの中では、暖色系のver2&4にはぞっこんなのですが、寒色系のver1&3はどうもピンときませんでした。寒色系はJAZZ向きなんでしょうか? またスピーカーでいいますと、キット屋試聴室で導入直後に聴かせていただいたクレモナMも、私の持っているハーベスに比べると、ややクールな温度感低めの音に聞こえ、惚れることができませんでした。クレモナMファンの皆様ごめんなさい。
 以上は善し悪しではなく、あくまでワタシ個人の好みの話です。
 
 もうひとつ、最近意識しはじめている出音の種類に、「出音が広がらない、拡散しない、音が集まる、凝縮力のある音」というのがあります。クレモナMが好きになれなかったもうひとつの理由はこれかなと感じています。また名機オートグラフに感じるわずかな違和感も、これが原因ではないかと思い始めています。オートグラフは特に低域が拡散しますよね。あれがホールの雰囲気を醸し出していて、人気の一因でもあると推測しますが、ワタシにはそれが逆に違和感になっているようです。
 この「拡散しない凝縮力のある音」については、これから演奏会にかよったり、自分で歌ったりしているうちに、少しずつ考えがまとまってくる気がしています。
 
 

2010年11月21日(日) 最近の新譜から

 
 ひさしぶりに新譜を数枚買いました。その中から演奏・録音のよいもののご紹介です。
 
●曲目 バレストリーナ 教皇マルチェリスのミサ
●演奏 パオロ・ダ・コル指揮オドヘカトン(Odhecaton)
●番号 ARCANA A358(輸入盤)
バロックよりひとつ前の時代、後期ルネッサンスを代表する作曲家パレストリーナ(1525/6〜1594)の傑作を地元イタリアの無伴奏声楽グループ(オール男声)が録音したもの。単旋律にひとつずつ別の声部が加わっていき、やがて大河の流れのような多声部が形成され、甘美とも言える響きに浸り、最後にカデンツ(終止形)が訪れるというルネサンス声楽ポリフォニーの精華を存分に味わった一枚。日々の雑事の中でかさかさに乾いてしまった心に、まるで清らかな水が吸い込まれるような感覚を覚えました。この2週間何度聴いたことでしょう。フランス・ディアパゾン誌11月号の「今月の最優秀盤」に選ばれたこのディスク、私のルネサンス音楽への開眼のきっかけになる予感がしています。
 
●曲目 フランク&ヤナーチェク ヴァイオリン・ソナタ、グリーグ ヴァイオリン・ソナタ第2番
●演奏 ワディム・レーピン(Vn) ニコライ・ルガンスキー(p)
●番号 DG 4778794(輸入盤) UCCG1517(国内盤=12/15発売予定)
@世界一の実力を持ったヴァイオリニストが、A心技体を充実させ、B最良の演奏を後世に残そうという強い意志を持ち、C長年パートナーを組んでいるピアニストとともに、D傑作中の傑作(フランク)に取り組むとどんな結果になるか・・・その答えがこのディスクに刻まれています。一音たりとも一瞬たりともあいまいなところ、緩んだところのない完璧な演奏! この演奏を前にすると、日頃喜んで聴いている若手美女ヴァイオリニストたちも、眼下にかすんでしまうほど。そして録音場所はあのベルリン・テルデクス・スタジオ。ふたつの楽器を実在感あふれる素晴らしい音で録らえており、名曲・名演に錦上花を添えています。
 
●曲目 ドヴォルザーク 弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」&第13番
●演奏 パヴェル・ハース弦楽四重奏団
●番号 SUPRAPHON SU4038-2
前3作(ヤナーチェク、パヴェル・ハース、プロコフィエフ)のいずれもがヨーロッパ各誌でこれ以上ないほどの高い評価を受けた、チェコの若手弦楽四重奏団の第四弾録音。レーベル側も売れると見込んでか、今回はブックレットがフルカラー(笑)。私のこのSQの第1Vnの音楽性(特に歌い回しとリズム)にぞっこん惚れこんでいます。そしてこのディスクのもうひとつの魅力はカップリングのよさ。人気の高い軽めの第12番「アメリカ」に、ドヴォルザークの持つ歌謡性と重厚な構成感が両立する、知られざる傑作第13番を組み合わせているのがいいです。ドヴォルザークの弦楽四重奏を1枚持つならこのカップリング! 録音は素晴らしい音響で名高いプラハの名ホール・ルドルフィヌム。
 
 
 以上3枚は文句なしの「第九のIのコレクション」入り。このほか、ベルリン古楽アカデミー他の演奏したペルゴレージ(今年生誕300年)の「スターバト・マーテル」(harmonia mundi france HMC902072)と、ワシリー・ペトレンコ指揮ロイヤル・リヴァプール・フィルの演奏したショスタコーヴィチの交響曲第10番(NAXOS 8.572461)を買いました。どちらもいい演奏と思いましたが、すでに持っている両曲のマイ・ベスト盤ほどではないと感じ、「第九のIのコレクション」入りを見送りました。
 





 
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