モーツアルト     ベートーヴェン
 
 

2010年12月4日(土)  フランス・ディアパゾン誌の2010年優秀録音盤

 
 ヨーロッパ各国には日本のレコ芸のようにディスク評をメインとするクラシック音楽雑誌がたくさんあります。イギリスでは「グラモフォン」と「BBC MUSIC MAGAZINE」、ドイツは「フォノ・フォルム」、フランスは「ディアパゾン」と「クラシカ」です。この5誌を勝手に"ヨーロッパ5大誌"と呼んでいます。
 この5大誌のうち、グラモフォンを除く4誌は、演奏だけでなく録音の良し悪しも数字で表しており、中でも10段階評価をしているフランスのディアパゾン誌のものが最も信頼できるように感じています。新譜の場合、平均点は6.5〜7点あたり。8点以上あれば優秀録音盤といってよいかと思います。
 今日は、今年1年のディアパゾン誌があげた優秀録音盤の一部をご紹介いたします。マイナーな曲を避け、いろんなレーベルをとりまぜ、かつ演奏評もよいものを厳選し、さらに大編成モノから声楽モノまで幅広く取りそろえ、全10点のご紹介です。
 
 ●ハイドン 交響曲第93番〜第104番(ザロモン・セット)
 ●ミンコフスキ指揮ルーブル宮廷音楽隊
 ●Naive V5176(4枚組)
 ●録音 8.5点
 明快かつハイドンのユーモアもよく出ている古楽器演奏。2009年ウィーンでのライヴ録音。ドイツ・レコード批評家賞も受賞。
 
 ●チャイコフスキー バレエ音楽「白鳥の湖」全曲
 ●プレトニョフ指揮ロシア・ナショナル管
 ●Ondine ODE11672D(2枚組)
 ●録音8.5点
 大編成オケ物ではジンマン指揮のマーラー9番も高評価でしたが、すでにご存じでしょうから、かわりにこちらをご紹介。
 
 ●モーツァルト ピアノ協奏曲第14,15,21番
 ●ツァハリアス(P&指揮)ローザンヌ室内管
 ●MDG 94016466 (hybridSACD)
 ●録音 CD層8.5点 SACD層9点
 上記コンビのモーツァルト・ピアノ協奏曲シリーズの第6弾。演奏も実に素晴らしい。
 
 ●「ルイ15世時代のル・コンセール・スピリチュアル」
 ●サヴァール指揮ル・コンセール・ナシオン
 ●Alia Vox AVSA9877 (hybridSACD)
 ●録音 CD層8.5点 SACD層9点
 録音が良いことで有名な同レーベルの"サヴァール物"の最新作。バロック音楽です。
 
 ●ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第2番、9番、14番、15番
 ●アルテミス弦楽四重奏団
 ●Virgin 6071020(2枚組)
 ●録音 9点
 中堅随一の同SQがかつて1998&2002年に別レ―ベルに録音したものの再発売。
 
 ●J.S.バッハ ゴルトベルク変奏曲ほか
 ●マシュー・ホールズ=Matthew Halls(cemb)
 ●LINN CKD356(2枚組)
 ●録音 9点
 オーディオメーカーとして有名なLINNレーベルの新譜。2007年録音。
 
 ●イザイ 無伴奏ヴァイオリンソナタ(全6曲)
 ●レイチェル・コリー・ダルバ=Rachel Kolly D'alba(Vn)
 ●Warner 2564683855
 ●録音 8.5点
 Vnのいい録音が見つからず苦労しました。これがソロVnを楽しめると思い選びました。
 
 ●J.S.バッハ モテット集BWV225〜230ほか
 ●鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・・ジャパンほか
 ●BIS SA1841(hybridSACD)
 ●録音 CD層8.5点 SACD層9点
 日本が世界に誇る同団体による新譜。ドイツとフランスで2010年最優秀ディスクに選出された名演。
 
 ●「ヴェリズモ」(イタリア・ヴェリズモ・オペラ・アリア集)
 ●カウフマン(T)  パッパーノ指揮聖チェチーリア国立アカデミー管
 ●Decca 4782258
 ●録音 8.5点
 ドイツ・イタリア・フランス物いずれも歌える現代のスーパーテノールの新譜。
 
 ●ビュノワ(Busnois ?〜1492) ミサ・ロム・アルメ
 ●マレット(Maletto)指揮カンティカ・シンフォニア
 ●Glossa P31906
 ●録音 9点
 スペインの名レーベルがルネサンス期の声楽ポリフォニーを録音した1枚。
 
 
 

2010年12月5日(日) フランスのディアパゾン年間賞&クラシカ年間賞

 
 先週はよい"録音"のディスクの紹介でしたので、今週はよい"演奏"のディスクの紹介です。
 
 この時期は欧米の各レコード賞発表の時期ですね。英グラモフォン賞、英BBC MUSIC
 MAGAZINE賞、独ECHO賞、独レコード批評家賞、米グラミー賞、オランダ・エディソン賞、日本のレコード・アカデミー賞などです。これらはHMV JAPANのサイトで結果を見ることができるので、今日はHMVサイトに載らない、フランスのディアパゾン年間賞とフランスのクラシカ年間賞の計三十数枚の受賞ディスクの中から、今年私が紹介しなかったものを中心に10枚をご紹介いたします。
 
 ●ブラームス ドイツ・レクイエム
 ●アーノンクール指揮ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスほか
 ●DHM 88697720662
 今年"最後"の来日を果たしたアーノンクールの新譜。音楽之友社レコード・アカデミー賞金賞受賞盤。
 
 ●ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番&4番
 ●レイフ・オヴ・アンスネス(p) パッパーノ指揮ロンドン響
 ●EMI 6405162
 数年前英グラモフォン賞を受賞した1&2番に続く、全集完成編。
 
 ●ショスタコーヴィチ 24の前奏曲とフーガOp87
 ●アレクサンドル・メルニコフ(p)
 ●HMF HMC902019〜20
 ロシア出身の中堅ピアニストによる新譜。ヨーロッパ各国で高い評価を得た1枚。
 
 ●シマノフスキ 交響曲第3番、ヴァイオリン協奏曲第1番
 ●ブーレーズ指揮ウィーン・フィル、クリスティアン・テツラフ(Vn)
 ●DG 4778771
 今年出た3枚のブーレーズの新譜(ラヴェル、マーラー、シマノフスキ)の中ではこれが一番いいようです。
 
 ●シューベルト 歌曲集「美しき水車小屋の娘」
 ●ヨナス・カウフマン(T) ドイチュ(p)
 ●DECCA 4781528
 先週ヴェリズモ・オペラ・アリア集をご紹介したカウフマンのドイツリート。芸が広い!
 
 ●ハイドン ピアノ・ソナタ集Vol.1
 ●ジャン・エフラム・バヴゼ(p)
 ●CHANDOS CHAN10586
 以前ドビュッシーをご紹介したバヴゼの新譜。こちらも各国高い評価でした。
 
 ●ヴィヴァルディ ファゴット協奏曲集
 ●アッゾリーニ(fg)  カンタルピ指揮ラウラ・ソアーヴェ・クレモナ
 ●Naive OP30496
 ヴィヴァルディの録音を盛んの発表しているNaiveレーベルの新譜。バロック好きの方は是非!
 
 ●J.S.バッハ 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータBWV1004〜6
 ●イザベル・ファウスト(Vn)
 ●HMF HMC902059
 以前ベートーヴェンのVnソナタ全集をご紹介したことのある、ドイツの中堅ファウストの新譜。オフ会でごいっしょするタケさんが買って見えました。
 
 ●シューマン ピアノ四重奏曲Op47、ピアノ五重奏曲Op44
 ●ニコリッチ、樫本大進(Vn)、ベルタウド(Va)、サルク(Vc)、ル・サージュ(p)
 ●Alpha 166
 フランス人ピアニスト、ル・サージュが進めているシューマンのピアノ作品全集の1枚。ベルリンフィルのコンマスの樫本クンが第2Vnを弾いてます。
 
 ●ルイ・クープラン クラヴサンのための組曲集
 ●クリストフ・ルセ(cemb)
 ●Aparte  AP006(2枚組)
 今年発足したフランスの独立系新レーベルの1枚。これも各国高い評価だったもの。
 
 以上2回に渡った2010年新譜のご紹介、年末年始の皆様のディスク購入の助けになれば幸いです。
 
 

2010年12月11日(土) 来年こそは!

 
 演奏会通いに関しては、今年はまったくもって「大殺界」でした。買ったチケットのうち4つは演奏家の都合でキャンセルになってしまいました。1月のV・ハグナー(Vn)がケチのつきはじめ。その後4月のヒューイット(p)、6月のイッサーリス(Vc)、10月のルプー(p)。いっしょにチケットを買った友人からは、「みんなキャンセルになるなんて、お前のせいじゃないのか。御払いに行って来いよ」とからかわれる始末。
 これら以外にも仕事の都合や私自身の体調不良などで聴けなかったものもたくさんありました。ティーレマン指揮ミュンヘン・フィル、サロネン指揮フィルハーモニア管、庄司沙矢香(Vn)、河村尚子(p)、A・メネゼス(Vc)・・・いとかなし。聴けたのは1月のN響のみ。トホホ。
 
 でも年が変われば「大殺界」も終わるだろうと楽観的に考え、2011年もたくさんチケットを買っています(一部は年明け購入予定)。我ながら懲りませんねえ。
 ・1/19 エリーヌ・グリモー(p)  リストのピアノ・ソナタがメイン
 ・1/22 ジャン・ギアン・ケラス(Vc) ドビュッシーやブリテンのチェロ・ソナタ。伴奏はアレクサンドル・タローです。
 ・3/6 ユジャ・ワン(p) ショパンの24の前奏曲ほか。
 ・3/19 ヒラリー・ハーン(Vn) アンタイル、バッハ、ベートーヴェンとのこと
 ・3/27 イアン・ボストリッジ(T)  シューベルトの「白鳥の歌」ほか
 ・4/15 ギドン・クレーメル(トリオ) 曲目未定
 ・5/21 マリア・ジョアン・ピリス(p)  曲目未定
 ・5/29 アラベラ・美歩・シュタインバッハー(Vn)  曲目未定
 ・6/9 タリス・スコラーズ(合唱) ビクトリアの作品の予定
 
 最近はオーディオでクラシック音楽を聴く時も、オーケストラ物より室内楽や器楽や声楽物を聴くことが圧倒的に多くなっていますので、これらのチケット購入もそういうワタシの最近の好みの変化の反映でしょう。とにかく名演を期待する以前に、キャンセルにならないこと、仕事が詰まないこと、体調が悪くならないことを祈らなくっちゃ(苦笑)。
 
 

2010年12月19日(日) 今年のマイ・オーディオ総括

 
 2010年最後ですので、防忘録も兼ねて、今年のマイ・オーディオの変化を振り返りたいと思います。今年変えたのは次の6点でした。
 @model2の真空管をデフォルトからTESLA 軍用E88CCに変更
 AVP3000の初段に続きドライバー段もTung-Sol6SN7に変更
 BSV722の真空管をTESLAからMULLARD ECC83に変更
 CSV722に真鍮&ステンの足をはかせ、御影石のボードを下に敷いた
 DSPケーブルをベルデンからWEに変更
 ESPとスタンドの間に挟んである真鍮&ステンのインシュレーター4個のうち、後ろの2つの受け(凹)だけを取り去った(←チェリスト宮城様アドバイス)
 
 この1年間で再生音は進歩を遂げたと思っています(笑。自己満足かな?)。今はSV-192Sの到着を待っているところです。真空管の12AU7(ECC82)をどの銘柄にするのかという楽しみももちろんありますし、PCオーディオとTL51Xの音質比較もやってみたいと思っています。またMC-3をその次に導入するという拡張性も楽しみです。さらに、SV-192Sにはヘッドフォン出力があるので、ヘッドフォンを購入してみようかとも思っています。春には娘が語学留学から帰ってきます。いつも大音量を出すという訳にもいかなくなるので、ヘッドフォンがいいかなと考えているのです。それに、ウォーム&ソフトな今の再生音は楽しみで聴くのに使い、演奏の特徴や細部の聴き分け用にヘッドフォンを使うのもいいのでは思い、良いヘッドフォン探しを始めています。ゼンハイザーかAKGのオープン型あたりがいいのかなと思うのですが・・・皆様、これぞというヘッドフォン(イヤフォンではなく)をご存じでしたら、是非ご教示下さいませ。
 
 最後に近況を少々。昨日(18日)、ヘンデルの「メサイア」を歌いました。最初の頃はこの曲があまり好きになれなかったのですが、オーケストラやソロも入っての練習をしてから急に良さが感じられるようになり、本番はとても乗って歌えました。その後合唱仲間3人と練習ピアニストが我が家にお見えになり、オーディオの音を聴いてもらいました。普段自分なら絶対かけないソースを次々とかけさせられましたが、「非常にナチュラルで自然体の音」「オケのスケール感からヴァイオリンのピアニッシモまで表現できている」「スタインウェイ、ベーゼンドルファー、ファツィオーリの音の区別がきちんと聴き取れる」など、概ね好評のようでほっとしました。(皆さん真空管アンプを初めて見たようで、真空管が8本立っているVP3000をしげしげと眺めていました。
 26日(日)に名古屋でもう一度メサイアを歌います。これが私の今年の歌い納めです。
 
 1年間拙い日記をお読みいただきありがとうございました。それではキット屋倶楽部の皆様よい年をお迎えください。
 





 
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