モーツアルト     ベートーヴェン
 
 

2012年11月3日(土) 女性JAZZ VOCAL CD 小ネタあれこれ

 
(1) 3人の歌姫のCDを楽しみました
9月下旬から10月にかけてCDを3枚買いました。うち2枚は初めて聴くシンガーです。まずはカナダ出身の若手歌手エミリー=クレア・バーロウ(Emilie-Claire Barlow)の最新(たぶん)アルバム「 Haven't We Met? 」。ジャケット写真からは大人の歌が聴けると想像したのですが、意外にもぶりっ子風の歌い口。北米にもこんな歌い方を好む層が存在するのですね。
続いてのダイアン・ハブカ ( Diane Habka ) は欧米系には珍しく、細身で可憐な声と繊細な歌唱で勝負するタイプで、まるで素晴らしく英語の発音のよい日本のお嬢さんが歌っているよう。出身のアメリカより日本で人気上昇というのが頷けました。私も好きになり、もう1枚CDを買ってみようと思っています。名古屋に歌いに来てくれるなら聴きに行こうかなあ(笑)。聴いたのは「 Goes to the Movies 」というタイトルのディスクで、1930〜70年代の映画の主題歌・挿入歌のセレクションです。 
3人目のヒラリー・コール ( Hilary Cole ) は7月の日記で触れたように、ドイツ・ミュンヘン在住の声楽家「篠の風」様から教わった歌姫で、私のお気に入りのひとり。最新アルバム「Moments like This」を聴きました。前作のピアノ・オンリーの伴奏とはがらりと趣きを変え、弦楽四重奏や木管五重奏もフィーチャーしたバラエティ溢れる編曲でのスタンダード集でした。
(2) アマゾンで中古CDを買ってみました
遅ればせながらアマゾンでは新品だけでなく中古CDも買えることを知り、2〜3枚買ってみました。正確にはアマゾンに出店している中古ショップから買うのですね。送料を払っても大幅に安く済むことがあるのを知りました。今後も利用してみようと思っています。
(3) iTune'sの「アートワーク機能」を発見しました
iTune'sを使って音楽を取り込む際に、アルバムのアートワーク(要するにジャケット写真)と曲名を自動的に入手できることは多くの方がご存知と思います。加えてiTune'sにはCDプラケースの大きさに合わせて、アートワークと曲名とトラック毎の時間(何分何秒)を紙に印刷できる機能があることに気がつきました。図書館から借りてきたヴォーカルCDを個人で楽しむためにCD-Rに焼いた時、この機能を使って印刷をしてみたところ、手書きで曲名だけ書き込むよりずっとスマートに出来上がり、嬉しくなりました。
(4) ジュリー・ロンドンとヘレン・メリルを聴きました
普段は現役の歌手しか聴かないのですが、ふとしたことで、JAZZ黄金期に歌手、ジュリー・ロンドンの"Cry Me A River"とヘレン・メリルの"You'd Be So Nice To Come Home To"を聴きました。いずれも名曲中の名曲ですね。ジャズの歌唱法が体系化され、学校で教えるようになる前の、もっと自由に歌えた頃の歌唱ですね。好きな方にとっては「この味がたまらない」のでしょう。こうした過去の名歌手のアルバムは図書館にたくさんあり、いつでも聴くことができるので当面後回しにしています。
(5) 「Teach Me Tonight」という題名の曲があるんですネ
こんな題名のスタンダード・ナンバーがあったとは、ははは。「うーん、いいとも、おじさんが一から教えてあげるからねえ」(笑)

女性JAZZヴォーカルに懲りだしてちょうど1年になりました。少しずつ平熱に戻りつつありますが、このマイブームは2年目も続きそうです。

 

2012年11月10日(土) 名チェリストに訊く「最愛の一曲」

 
 雑誌「モーストリー・クラシック」11月号の特集が「チェロ」で、内外のチェリストに最愛の一曲を尋ねていましたので、今日はそれをご紹介いたします。好きな作品の理解促進や新たな曲の発見などに役立ててください。

 まず遠藤真理さんが選んだのが、ベートーヴェンのチェロ・ソナタ第3番。「単純なようでイメージしたとおりに演奏するのはとても難しく、また名曲として長い間親しまれているので余計に"憧れの一曲"のような存在でもあります。」
 続いてフランスの女流オフェリー・ガイヤールが挙げたのが、バッハの無伴奏チェロ組曲。「この作品を演奏することは、魂を成長させる、繊細かつ精神的な行為だと思います。」「バッハは人を常に高みに上がらせてくれる、寛大で本質的なもの」とのこと。
 若手有望株の上村文乃(かみむらあやの)さんはストラヴィンスキーのイタリア組曲。「生き生きとしたリズムや色彩感が斬新」「音域を含め表現の幅の広いチェロの特徴が最大限に表現されている。」少し補足をしますと、この曲はストラヴィンスキーの新古典主義時代のバレエ音楽「プルチネルラ」を往年の名チェリスト・ピアティゴルスキーが編曲したものです。ググると比較的簡単に該当CDが発見できます。
 私の好きなジャン=ギアン・ケラスが挙げたのがシューマンのチェロ協奏曲。「とても個人的で、自己不信、純粋すぎる愛が書き込まれ、そして狂気じみたエネルギーに満ちた傑作です。」
 来年2月に名古屋で無伴奏リサイタルを開いてくれるドイツの中堅、ダニエル・ミュラー=ショットドヴォルザークのチェロ協奏曲を選んでいます。「この曲のおかげで、多くの作曲家たちは、チェロという楽器が大規模なオーケストラと対峙しうることを知り、チェロ協奏曲が生まれるようになりました。」

ここで一休み・・・・それでは後半にまいります。

 日本の古楽器チェロの第一人者・鈴木秀美さんが挙げたのはシューマンのチェロ協奏曲。「古今のチェロ曲中抜きん出て思索的・詩的・心理的な作品のひとつ。煩悶や屈折、焦燥感、抑制、憧憬といった内面的情感に支配される箇所が非常に多く、オーケストラ各パートにも心理的な表現が求められる。」「オーケストラ含めオリジナル楽器で演奏することを長年夢見ているのだが・・・。」
 続いて長谷川陽子さんはラフマニノフのチェロ・ソナタを選んでいます。「無人島にもし一曲だけもって行くなら・・・迷わずラフマニノフ」「素晴らしいメロディ・メーカーですが、それを彩る和声のグラデーションの神秘さ、艶やかさに、大胆かつ繊細に演奏する度、その魅力のとりこになっています。」
 都響首席の古川展生さんはドヴォルザークのチェロ協奏曲。「弾きがいのある作品」「弾くには心技体すべてが必要です。」
 kennoy-mini様の先生の山崎伸子さんもドヴォルザークのチェロ協奏曲を挙げています。「祖国への想いが込められた壮大な物語をソリストとオーケストラが一体となって紡ぐ様に魅了されます。」といい、セル指揮ベルリン・フィルをバックにしたフルニエの演奏の素晴らしさにも触れておられます。
 東京アンサンブル・ギルド主宰の渡部玄一さんが選んでいるのがフォーレのチェロ・ソナタ(2曲あり)。「最も高貴なソナタ」「ドイツ音楽にはない疾走感が時に聴こえます。古雅な響きを持った純粋音楽です。」
 イスラエル出身の個性派ガブリエル・リプキンブロッホのヘブライ狂詩曲「シェロモ」。「その時演奏している曲が一番好きです」「今は『シェロモ』に完全に夢中です。人間の魂のすべてを語っています。」
 最後になって恐縮ですが、皆さん! kennoy-mini様の最愛の一曲を知りたいと思いませんか?

 

2012年11月17日(土) 生涯10回目の「第九」

 
 間もなく「第九」の季節ですね。私の所属する合唱団の本番は12月9日(日)です。生涯10回目の「第九」になります。中学&高校の時の合唱経験以降25年近いブランクを経て、ひょんなことから地元の「第九」を歌う合唱団に入れてもらったのが10年前のこと。43歳の時に初めて歌い、今年で10回目になります。ただし2004年は2度歌い、逆に2010年は体調不良で本番の舞台に立てませんでした。ちょうど50歳だったその頃が体調の底で、当時は会社をしばしば休みましたし、「60歳の定年まで勤められないかもしれない」と妻に泣き言を聴いてもらったこともありました。社会人になって以来40台半ばまで忙しすぎる仕事を内心自慢に思って無理を続けた報いだったかもしれません。
 しかしお蔭様で今年はずいぶん体調も良くなり、仕事を休むこともほとんどなく、名古屋への演奏会通いのチケットも無駄にすることが少なくなりました。「第九」の練習にも真面目に出席しています。でも2010年、2011年と練習にあまり出られなかったためか、声は衰えてしまいました。元気に歌っていた頃の私の密かな自慢は、下の「ソ」から「ラ」にかけてのバリトンらしい深みのある声と、上の「ミ」のフラットと「ミ」の輝かしくつやのあるハイトーンだったのですが(←話し3分の1程度に読んでくださいネ)、2年間満足に歌えなかったため、上の声が出なくなってしまったのです。
 正直に書きますと、すっかり体をダメにしてサラリーマン出世街道をあきらめた上、コーラスでのわずかなプライドも持てなくなり悲しかったです。でも今年は体調も戻ってきているので、その分発声練習にもきちんと出席して、上の声を取り戻そうと努力しているところです。7〜8割戻った気がしています。そんな状況で今年10回目の本番を迎えます。一方所属している合唱団自体にはもっと長い歴史があり、今年の第九が連続30回目になりますので、記念にモーツァルト晩年の小品「アヴェ・ヴェルム・コルプス」も歌います。
 2曲とも無事に歌えますように!

 

2012年11月21日(水)  今月は6回演奏会に行きました

 
 どの演奏会も感銘深く、語り出すと文章が長くなりますので、日付、演奏者、演奏曲目と2〜3行の感想という形で、できるだけ簡潔に印象を記します。

 まず85歳の名匠ヘルベルト・ブロムシュテット指揮バンベルク交響楽団の演奏会。11月2日(金)愛知県芸術劇場コンサートホールにて、ベートーヴェン交響曲3番「英雄」& 7番という超名曲プログラム。オケの滋味豊かで深く重みのある音と、微塵も年齢を感じさせない若々しい指揮による毅然とした造形のベートーヴェン!  感銘度は3番★★★★、7番&アンコールの「エグモント」序曲★★★★☆。

 続いて翌3日(土)は、しらかわホールにて伝説のピアニスト、ラドゥ・ルプーのピアノ・リサイタル。プログラムは得意のオール・シューベルトで、「16のドイツ舞曲」D.783、「4つの即興曲」D.935そしてピアノ・ソナタ第21番D.960。アンコールは「楽興の時」D.780の1番。一切の誇張や作為が見えない、あくまで自然体で夢のように美しい至純のピアノでした。ただし最前列ド真ん中での鑑賞ゆえ、風邪気味だったルプーの"鼻水すすりあげ音"のBGM付き(苦笑)。よって感銘度は半等減じて★★★★☆。

 9日(金)もしらかわホールでフランス人ピアニスト、ジャン=マルク・ルイサダのリサイタル。上品でエレガント、洒落た歌いまわしの都会派ショパン(感銘度★★★☆)と、お国物なのに何故か感銘に至らなかったドビュッシー(★★★)。調律の問題だったのかもしれません。一転アンコールのモーツァルトではルイサダ節全開。ところで招聘元へ一言。なぜ「全席自由席」なの?  開演前ギリギリにしか着けない勤め人に不利なやり方は改めてほしいなあ。

 翌10日(土)は豊田市コンサートホールで、古楽器系イタリア人ヴァイオリニストのジュリアーノ・カルミニョーラのリサイタル。曲目はモーツァルトとベートーヴェンのソナタ各2曲。フォルテピアノは矢野泰世。雑味たっぷりの音からピュアな美音までの多彩な音色、弓を当てる位置や運弓の速さの違い、ヴィブラートの有無などから生まれる驚くべき音楽表現の自由闊達さ、イマジネーション溢れるフレージングの妙味・・まさに彼は天才肌ですね!! 感銘度★★★★★。この芸風をCDで味わうにはプッシュプルよりシングルアンプが向いていそう(笑)。 なおsoundbox1960様がブログで当日の様子を活写されています。

 一週間後の18日(日)夕方、愛知県芸術劇場コンサートホールに、私自身3度目となるクリスティアン・ツィメルマンのピアノ・リサイタルを聴きに出かけました。演奏曲目は当初発表から変更になり、ドビュッシー「版画」全曲、「前奏曲1巻」の抜粋、お国物のシマノフスキ小品の後、ブラームスの第二ソナタ。演奏は最弱音から最強音まで完璧にコントロールし切った透徹のピアニズム。現代を代表する名ピアニストの本領が存分に発揮された"感服"の一夜でした。お客さんの熱烈な拍手に答える本人の顔にも会心の笑みが・・。当然感銘度は★★★★★、今年随一。

 最後に、今月のトリは20日(火)しらかわホールで聴いたメゾ・ソプラノ藤村実穂子さんのシューベルト、マーラー、ヴォルフ、R・シュトラウス歌曲の夕べ(アンコール3曲もシュシラウスでした)。揺るぎない確固たる発声技術、完璧なドイツ語のディクション、詩への深い理解に基づく模範的ドイツリート。その歌唱の影に人並み外れた継続的努力・鍛錬があることに敬意を覚えました。繊細かつ雄弁な描写で歌唱に寄り添ったピアノ伴奏はヴォルフラム・リーガー。感銘度★★★★。

 いずれ劣らぬ綺羅星のようなアーティストが次々愛知に来てくれるのはうれしい限りでしたが、一方で演奏会の間隔を数日空けて余韻を楽しみたい、という贅沢な希望も生まれた11月でした。12月の演奏会通いは名フィル定期1回のみの予定です。







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