モーツアルト     ベートーヴェン
 
 

2013年3月2日(土) シングルレイヤーSACDブームに思う

 
 ここ数年日本のクラシックディスク市場で、シングルレイヤーSACDの販売が好調なことをご存知の方も多いと思います。高級オーディオブランドのエソテリックが出したシングルレイヤーSACDの音が良いとの評判がマニアの間で広まったことが、そのさきがけだったと記憶しています。今ではユニバーサル・ジャパン(レーベルで言うとドイツ・グラモフォンとデッカ)やEMIジャパンが往年のアナログ録音を次々と発売するようになっています。
 でもこれは日本特有のブームです。英独仏のクラシックディスク系の雑誌やティスク通販サイトを見る限り、近年ヨーロッパで『シングルレイヤーSACD』が発売されたことはないと思います。 『ハイブリッドSACD』の新譜は現在でも発売されてはいるものの、そのディスク数とレーベル数は漸減傾向です。ヨーロッパ市場を見ていると、シングルレイヤーSACDが次世代音楽ソフトの一翼を占めるとは、ちょっと考えにくいのです。

 むしろ近い将来有望な高音質ディスクは、ブルーレイの映像なし音専用ディスクである、という意見があります。販売枚数では世界一のクラシックレーベルNAXOSのトップ・ハイマン氏はその旨を公言し、すでに約20枚のブルーレイ・オーディオディスクを発売しています。88.2khz-24bitまたは96khz-24bitです。また日本のレーベル「カメラータ」が今年に入って96〜192khz-24bitのディスクを4枚 ( ヴィヴァルディ「四季」他 ) 発売し、その音質が賞賛されているようです。
 さらにDECCAが名盤ショルティ&ウィーンフィルの「ニーベルングの指輪」を昨年LPで限定再発売した際、付録として44.1khz-16bitで全曲を納めたブルーレイ・オーディオディスクを付録につけたのですが、その再生音が、簡便な家庭AV用BDプレーヤーでの再生にもかかわらず、抜群の音質であるとの情報が日欧で飛び交ったのでした。
 こうしたことからすると、むしろブルーレイ・オーディオは要注目かもしれません。

 44.1khz-16bitを上回るハイレゾ音源で言えば、「ディスク」より「ダウンロード」の方が進んでいるのが、ヨーロッパの現状と思います。オーディオファンがよくご存知のスコットランドのLINNのサイトだけでなく、音楽ファン系のダウンロードサイト、例えばフランスのqobuzなどでも、新譜の何割かはハイレゾ音源でのダウンロードが可能になっています。(著作権の関係か、日本からはできないものが多いのですが)
 また「ストリーミング」は192kbps程度の低音質というのがこれまでの常識ですが、naxos music libraryでは近い将来1411kbps(=16bit-44.1khz)にしようと思えばできる、と言っています。もしそうなれば「ダウンロード」より「ストリーミング」が主流になるかもしれません。

 私自身は、ベータのテープレコーダーとMDで2度失敗しているので、こうした世の中の動きに対しては、少し遅れ気味についていこうと決めています。現在の国内のシングルレイヤーSACDブームは、私をして "携帯電話のガラパゴス化" に似たものを予感させます。ですから当分CDのつもりです。TL3N, MC-3, 192Sのトリオで聴くCDの音はなかなかいいですものネ!

 

2013年3月9日(土) 生誕100周年ベンジャミン・ブリテンの傑作12選

 
 2013年はオペラの二大巨星ワーグナーとヴェルディの生誕200年にあたりますが、こちらはオペラに詳しい「千葉のF高」様にお任せして、私は生誕100周年のイギリスの作曲家ベンジャミン・ブリテン(1913〜1976)のネタで書かせていただこうと思います。
 私がクラシック音楽を聴き始めた1970年代中頃、ブリテンと言えば、子供の教育目的で書かれた「青少年のための管弦楽入門」が有名なだけでしたし、不協和音全盛の当時にあって珍しく協和音が中心で、"折衷派"などという、今振り返ると不適切なレッテルを貼られていました。
 その後「時」という審美眼のテストを経て21世紀となり、ブリテンの音楽は本国イギリスだけでなく世界中でclassicとして認められ、頻繁に演奏されるようになっていると思います。日本でも新国立劇場が、彼の傑作オペラ「ピーター・グライムズ」を上演し、批評家・オペラファン双方から絶賛を浴びたことは、記憶に新しいところです。

 母国イギリスのBBC Music Magazine誌2013年1月号がブリテン特集を組み、彼の「傑作12選」(1ダースですね。イギリスらしいカウントの仕方! ) を挙げていましたので、キット屋倶楽部の皆様と私自身のブリテン作品への扉として、それらをご紹介します。
◆ みどり児はお生まれになった(A Boy was Born) 1933年
◆ シンプル・シンフォニー 1934年
◆ Night Mail 1936年 ← 邦題がわかりませんでした。スミマセン。
◆ イリュミナシオン 1939年
◆ キャロルの祭典 1942年
◆ テノール、ホルンと弦楽のためのセレナード 1943年
◆ 歌劇「ピーター・グライムズ」1945年
◆ 青少年のための管弦楽入門 1946年
◆ 歌劇「ビリー・バッド」1951年
◆ 戦争レクイエム 1962年
◆ チェロ交響曲 1963年
◆ 歌劇「ヴェニスに死す」1973年
 いかがですか? 未聴の曲が多いのではないでしょうか? 何を隠そう私も、彼の曲はヴァイオリン協奏曲(1曲)と無伴奏チェロ組曲(3曲)を除いては、真剣に聴いたことがありません。生誕100年をきっかけに、いくつかの作品を聴き込んでみようと思っているところです。指揮者で新国立劇場オペラ芸術監督の尾高忠明さんによると、「ブリテンは他のイギリス人作曲家が束になっても敵わない巨人」だそうですから。


 

2013年3月16日(土) 最近購入したディスクから(classic & jazz)

 
最近購入したクラシックCD4点とジャズCD1点を、備忘録を兼ねて書き留めます。

フォーレ「レクイエム」「ラシーヌ賛歌」 エキルベイ指揮アクサンチュス(cho)、フランス国立管メンバー、ピオー(s)、デグー(Br)
2012年ICMA声楽部門賞のP・ヤルヴィ盤(virginレーベル、フル・オーケストラ版)、2012年ドイツEcho Klassik賞のダイクストラ盤(sony 1893年原典版)、2009年英グラモフォン賞最終ノミネートのエキルベイ盤(naiveレーベル 1893年原典版)という近年の秀演3点の候補から、@4月に私が歌う「原典盤」優先 A好みのカップリング曲という2つの理由で、上記ディスクを購入しました。本番を間近に控えiPodでよく聴いています。合唱の上手さとフランスの味! 2008年録音。お気に入り度★★★★

ショスタコーヴィチ ヴァイオリン協奏曲第1番&2番 シュタインバッハー(Vn) ネルソンズ指揮バイエルン放送響
ハーン、フィッシャー、バティアシュヴィリ、ヤンセン等と同世代の女性ヴァイオリニスト、アラベラ・美歩・シュタインバッハーが蘭ペンタトーン・レーベルに出世移籍する直前に、独オルフェオ・レーベルに録音したディスク。東日本大震災のわずか2か月後、放射能に関する流言が世界をめぐり、旅行保険もかけられない中、彼女が果敢に来日し演奏会を開いてくれたことを、私は忘れません。演奏は欧州一流オケの定期に次々招聘されているのが納得の充実したもの。ネルソンズ指揮の伴奏も抜群の素晴らしさ。2006年録音。お気に入り度★★★★

ビゼー 「アルルの女」第1&第2組曲、劇付随音楽「アルルの女」抜粋、「カルメン」組曲 ミンコフスキ指揮ルーヴル宮音楽隊
主に古楽の分野で活躍してきたミンコフスキと彼の手兵が、naiveレーベル移籍第1弾として録音したディスク。イギリス・フランスをはじめ欧州各国で大好評かつセールスも良かった1枚。演奏を聴いていると、南仏の明るい太陽、陽気な人々が目に浮かぶよう、また牧草や麦の匂いまでして来そう。けだし名演。組曲以外のめったに演奏されない曲たちが、合唱入りで実に楽しい。2007年録音。お気に入り度★★★★☆

シベリウス 管弦楽曲集 ネーメ・ヤルヴィ指揮エーテボリ響
フル・プライス盤をディスク購入の基本にしている私ですが、これは例外的にミドル・プライス再発3枚組。かねてから大好きなシベリウスのオーケストラ作品をひとまとめに聴けるディスクを探していました。「フィンランディア」「カレリア組曲」「悲しきワルツ」などの有名曲からマイナーな佳品まで計214分収録。シベリウスワールドに浸れます。パーヴォのお父さんの指揮、シベリウスの祖国フィンランドのお隣り、スウェーデンのオケによる演奏で、1992〜96年録音。録音良し。お気に入り度★★★★☆

◆ ジェーン・モンハイト 「サレンダー」
今月購入した女性JAZZヴォーカルCDは、現代のJAZZヴォーカル・シーンを代表する歌姫の一人、Jane Monheitの「Surrender」です。2007年コンコード・レーベルからの発売。歌唱力は抜群。これに"歌の個性"が加われば鬼に金棒ですね。曲はボサノバ&バラード中心。どの歌手もJAZZのディスクを数枚出すと、ボサノバを作りたくなるみたいですね。このアルバムもそんな雰囲気を感じました。さて、来月はどの歌姫を自宅に招きましょうか・・・

 最後にもう一枚ほやほやの新譜をご紹介。3月1日(金)オフ会メンバーのタケさんとキット屋試聴室を訪問。持参したCDの中で大橋さんが気に入り、その場でポチったディスクがこれ。
エルガー&カーター チェロ協奏曲 ワイラースタイン(Vc) バレンボイム指揮ベルリン・シュターツカペレ(DECCA)
エルガー1楽章冒頭、気合十分のチェロの入りを捉えた録音に3人とも圧倒されました。国内盤も発売済み。
 最後の最後に、この時大橋さんが力説していたオーディオ・ノウハウをひとつ開陳。WAVなどの音楽ファイルをPC再生する際には、ハードディスクに溜めるより、非回転系のUSBメモリーやSDカード等のほうが音が良いとのこと。しかも読み出しスピードが速いものがさらにベターとか。皆様の間では既に常識なのかもしれませんが、私は初耳でしたので、ノウハウを皆様とシェアする意味でここに書きました。


 

2013年3月20日(水) 好きなクラシック音楽ブログ(アマチュア編)

 
 先月は私の好きなクラシック音楽ブログ(プロ編)について書きましたので、今月はアマチュア編です。時々コメントを書き込ませていただいているものもあります。
minamina日記
コンサート&ディスク両刀使いのminamina様。トップ画面上の"ちなみにこんなやつです"が実に楽しいです。
Langsamer Satz
こちらも演奏会&CD両方に詳しく、その感想記をいつも参考にさせてもらっているブログ。私と好みが似ています。
たまにはオーストリアちっくパート3
音楽の都ウィーンの旅行代理店で働く日本人女性が、これでもかと演奏会を聴きまくる怒涛のブログ。
golf130のクラシックお笑い原理主義
メタボ・サラリーマンの身辺日記&試聴CD感想記。アンプ&スピーカーなしのディスクマン試聴でがんばってみえます。
「音楽&オーディオ」の小部屋
大分県別府市在住の著者は、真空管アンプとAXIOM80がメイン装置。オーディオと音楽どちらの話題も豊富です。
クラシック音楽CDの雑談
新譜CD紹介blogとしてはここがピカ一か。話題の新人から巨匠の新発掘録音まで守備範囲が広く、情報が早い!
あれぐろ昆布漁
名古屋市在住のベテランのコンサート感想記。旧かな使いにこだわって書き続けていらっしゃいます。
おやじの部屋2
仙台市在住のアマチュア音楽家のブログ。ほぼ毎日更新。ダジャレとワサビの効いた文章を楽しみにしています。
クラシックなまいにち
東京・赤坂にお勤めの税理士Gustavさんの演奏会感想記。熱心に聴いておられます。来日演奏情報はまずここを参考に。
失われたアウラを求めて
こちらも熱心にコンサートに通っておられる方の感想記。事前予習のCD試聴記も含めて、更新を楽しみにしています。
cogito ergo sum
SACD派の「らぷたあ」様が、高級オーディオで聴く「演奏と録音」について論じるblog。表題は「我思う故に我あり」の意。
Thunder'sの音楽的日常
最後に先月のプロ編の追補をひとつ。サクソニストの筆者は熱心にオーケストラ演奏会通い。毎回さすがの感想です。








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