キット屋倶楽部
タイトルカット
岐阜のT様のVP-3000製作記
岐阜県のT様より、VP-3000の製作記をご寄稿いただきました。
ご購入・ご製作の参考にしてください!
VP-3000の製品概要は⇒こちら
マーク いきさつ
 私の「真空管アンプEL34PP」を親戚にお貸ししましたら、「真空管の音」に感激され「これを譲って」と言われましたが・・・・折角ですので新しい物をお勧めしました。最後の方でご紹介したいと思いますが、オーナーの所有しておられるスピーカーシステムは・・・音研なんです。で、ここはやはり300Bでしょうと。
 じつは、この時点ではVP-3000の音を知りませんでした。キット屋さんにお邪魔した折の大橋店主の「こだわり」が私の記憶にあって300BのVP-3000をお勧めしました。
 完成後オーナーに説明するために記録写真を撮りましたので、これを元にまとめてみました。以下の文面がこれからVP-3000を作られる方のご参考になれば幸いです。 
写真 トランスカバー養生
マーク 先ずはトランスカバーの養生から
 まず最初に、組み立て中にキズを付けない様に「養生」します。なるべく丈夫そうな紙をトランスに巻きつけます。
写真 フロントパネルの養生
マーク フロントパネルも養生
 大切なフロントパネルも保護しておきます。 外側はテープを巻き、パネル面はラインセレクターのシャフトを抜いてからやはり紙等で保護しておきます。
写真 部品の確認
マーク 部品の確認
 シャーシー内に梱包されて部品が収納されています。組み立て説明書に従がって現物チェックをします。ここでは、説明書の写真と現物の梱包状態が微妙に違っていて困惑しました。その後は、組み立て説明書に従がって配線をして行きました。
写真 基板の組み立て
マーク 基板の組み立て
 基板の組み立ては特に慎重にしないといけません。R26を取り付ける面を間違えないように先に済ませます。この時ヒーター配線の下側の「ハトメ」もはんだづけしておきます。更にハトメにはんだづけした時にヒーター配線が溶けないように保護チューブを巻いておきました。
 ここでベテランの方にお叱りを受ける事を承知ではんだづけについてのご注意を。特にハトメのはんだづけについては、けっして「銀入りはんだ」を使ってはいけません。銀入りはんだは「はんだの流れこみ」が悪いのでハトメ金具の裏側にまで流れ込みません。
 どうしても銀入りはんだを!という場合は、流れ込み特性の良いはんだではんだづけした後、もう一度銀入りはんだではんだづけし直せば良いのです。製作後のアンプの信頼性はこのハトメを含むはんだづけにかかっていると思われます。
写真 配線の引き回しを検討
マーク 配線の引き回しを検討
 シャーシー内の配線をする前に「導線」を引いておきました。導線?適当な名称が浮かばなかったので・・・配線のメインストリートです。真空管アンプを配線する「お約束」として「配線を碁盤の目状に整理する」事がありますのでこだわります。
 このキットには「配線完成写真」がありません。キット屋さんのHPを見てもカタログ部分の写真は小さくてよく見えませんでした。作られた方のHPも見せてもらいましたが皆さん苦労されたようです。
 それらの写真から見当をつけてこのように「300Bのソケット取り付けネジのトランス側に横方向一本。メーター取り付け金具のネジの位置に一本。以上2本の中央を縦方向に一本。以上3本の線を張っておきました。線は1.6mmのVVFの中身(屋内配線用のケーブルの切れっぱし)にYラグを圧着した物を前記位置のネジに共締めしました。
 尚、300Bのソケット取り付けネジはそのままでは共締め出来ませんので20mmのステンレスビスと交換しました。縦方向は銅線の状態にしてはんだづけしてあります。配線はこの線に縛り付けていきます。
写真 ワッシャー交換
マーク こんな所をこだわってみました
 交換と言えば、ハムバランス調整VRのワッシャーがちょっと情けない物でしたのでステンレス製に交換しました。ナットも変えたかったのですが・・・入手出来ませんでした。
配線途中の状態
マーク 配線途中
 配線途中の状態です。配線は先ほどの「ハイウエイ」に仮止めしながら進めます。一応「原則」どおり「交流」部分は「より合わせて」配線したつもりですが何分トランスから出ている線材が「太くて硬い?」ため「小奇麗に」まとまりませんでした。
写真 ここで大失敗
マーク ここで大失敗
 さて、配線も終了しいよいよヒューズを入れて・・・・という所で大失敗をしました。ヒューズを入れてキャップを回したら「ヒューズホルダー」本体も回転する事に気がつきました。これでは危険です。で取り付けナットの増し締めを・・・・という所で、やってしまいました。手応えがないと思ったらヒューズホルダーを割っていました。
 手持ちのヒューズホルダーが「標準サイズ」しかなく止む無く一回り大きな穴に加工して対応しました。それにしても元の穴、ただの丸穴です。普通は回り止めのキー溝があるか楕円形になっているはずですが・・・・。  これはその作業の様子です。ここも十分に養生をして、手前に厚紙向こう側は電解コンデンサーにキズが付かないようにアルミ板を当ててヤスリで慎重に削りました。(勿論ちゃんと楕円形にしてあります)
写真 これでどうだ!
マーク これでどうだ!
 標準サイズのヒューズホルダー仕様で無事完成・・・って、無駄な作業でしたが。
マーク 完成
写真 完成
 完成したシャーシー内部です。VRへ行くシールド線が他の線をくぐらないよう底板側にした事。Rチャンネル側のトランス2次側配線(SP出力)が入力セレクターの配線と干渉しないようにした事、等が配線についての注意点でしょうか。

ここでもこだわり!  作られた方はお気づきと思いますがコンデンサーが余分に付いています。残留雑音を減らしたかったので300Bのヒーター電源の整流回路に20000μFを追加しました。(スピーカーに耳を近づけた時のハム音が少し気になったからです。オーナーのスピーカーの能率が高いので・・・)尚、コンデンサー追加による電源ON時の突入電流増加の心配ですが、3Aの普通ヒューズを入れて何回かONしてもヒューズに異常がありませんでしたので、特に対策せず、としました。
 ヒーターと直列に抵抗を入れるのが順当な方法ですが電圧マージンがありませんでした。 このコンデンサー追加後の残留ノイズは左0.5mV右0.55mV(ウエイトなし)でした。 残留ノイズ中のハム音については電源投入直後からブーンという音が出てくる現象に気付きました。電源トランスの漏洩磁束が直接出力トランスに飛び付いている事が疑われますが追求はしませんでした。
  尚、出力管の300Bは4本個別に梱包されていて特にペア組が指定されていません。組み立て説明書に記載されていませんでしたが、管に付いている電流測定値の値の近いもの同しをペアとしました。
マーク 測定結果(一部)
  測定のためにアンプが存在する訳ではない!という先達もおられますが、これも趣味ですので測定してみました。尚、以下のデーターは私の測定環境による特定の結果である事をあらかじめお断りしておきます。
グラフ 入出力特性 ・入出力特性です。縦軸が出力(W)横軸が入力(V)です。カタログどおりのスペックでした。
グラフ 出力対歪率 ・出力対歪率(1KHz)です。縦軸が歪率(%)、横軸が出力(W)です。 300Bをいじめないように最大出力までは計測しませんでした。
グラフ 周波数特性 ・周波数特性です。LRとも同じです。高い方まで良くのびています。よく高域に見られるような特性の暴れがありません。回路図を見ても補正のための部品は見当たりません。
(一応基板にパターンはありました。)
写真 方形波応答
マーク 方形波応答です
  LRとも同じです。これは10KHzの波形です。オーナーのシステムでどんな音がするのでしょうか、楽しみです。
写真 音研ウドホーン
マーク オーナーに引渡しました
 今では貴重品の音研のウッドホーンです。長い間あまり手を入れずにお使いでしたが配線材の交換やらアッテネーターのオーバーホール、スピーカーボックスの中のお掃除までしました。
  さて、音についてですが・・・・オーナーいわく「貸してもらっていた(EL34)アンプは曲によって低音に気になる所があったがこのアンプは良い。気に入りました。」ですと。
 私としては複雑な気持ち・・・ですが、何はともあれオーナーに満足してもらえて良かった良かった。
最後に
どうでも良いこと
このアンプの、ラインセレクターと電流計に使用しているロータリースイッチがとても気に入りました。現在入手可能なロータリースイッチは「やたら高級品」か、反対に「やけにチャッチー」ものに二分されていて中間の製品が無いようです。このスイッチ単体販売してもらえないかなー。
2006年9月
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