「SV−2 2003バージョンの製作記」

はじめに
こんにちは。「じゅうはち」です。サンバレーさんのキットは、SV-2 2003バージョンで6作目です。


製作者の製作遍歴
 

機種 製作してみて
第1作目 SV-7  マジックアイに感激して作りました。プリント基板付きなので、簡単だけれど、製作の醍醐味はあまりなかったです。・・・AMだけだけれど暖かみのある音はなかなかです。
第2作目 SV-275  マッキントッシュMC275のサンバレー版。さまざまな改善が施されていて、作りがいがあります。全ての真空管のヒーターがAC駆動なので、「これが暖かみのある音質を決定するポイント」となっていますが、無信号時の残留ノイズを減らす工夫が必要です。音質は中音がしっかりとしていて暖かみがあり、これに輝く様な高音域が付加される、という感じです。
 残留ノイズ:L0.9mV,R0.6mV
第3作目 Supersub  テレビの水平増幅用真空管6EM7を使用したPPアンプ。オリジナルだとかすかにハムが乗るので、Rコアトランスにショートリングを、両チャンネル用出力トランスはRコアトランスと取り付け位置の方向を90度ずらして対応。
 残留ノイズ:L0.13mV,R0.03mV
第4作目 Model2  真空管をバッファに用いた高性能D/Aコンバータ。CD,DATが生き返る。製作の醍醐味→アセンブリーキットのためほとんど無し。(でも、これはその高性能を毎日使ってなんぼ・・・なので問題なし)
第5作目 SV-9T  希少種の複合管6GW8を使用したPPアンプ。ミニチュア275全ての配線を狭い空間に押し込む必要があるので、ちょっと厄介だが製作しがいはある。Rコアトランスにショートリングを取り付けて製作。 すっきりした中高音、出ていないようでちゃんと出ている中低音が魅力。
 残留ノイズ:L0.3mV,R0.3mV
 
第6作目製作

SV-2 2003バージョン全景 SV-2 2003バージョン(内部)
 
 このキットを作る前に、全パーツを取り出してみて考え込みました。全真空管のヒーターは一応DC駆動(脈流?)なので、うまく作ればACハムノイズとは無縁の物が出来る・・・。・・・・では、うまく作ってやろうではないか!
 そこで回路図面を頭にたたき込んだ後、布団に入り、眠り付くまでの時間に、無信号時に起こるハムノイズの原因につき考えてみました。 ハムノイズの起こる原因は、

○誘導ハム
○電源回路
○ヒーターハム(ヒーターからの電磁誘導でハムを拾う)
○磁気遮蔽の不徹底、
○真空管の個体差、
○直熱管の持つ構造上の問題、ヒーターハムとの両方の原因が合わさったもの


・・・となります。そこで、真空管の個体差による原因は致し方ないとして、これ以外の各項目に対して徹底的に対策を立ててやろう、と考えました。

具体的には、
○ 誘導ハム  対策: 交流信号の流れるケーブルは全て撚る
○ 電源ハム  対策: 電源回路の強化 (残留リップルを減らす)
○ ヒーターハム対策: 一応DC駆動、かつ終段管を除いて傍熱管なので、初段管のアース対策を完全に行う。
○ ヒーターが交流駆動
  の場合
ヒーターからの電磁誘導/トランスからの漏洩電磁場による影響が原因ででハムを拾う場合
1. 真空管にACを供給する各ピン⇔直近の筐体アース間にパスコン(セラミック0.01μF250V等)を入れアースし、信号経路にハムを流さないようにする。
2. 初段までの信号経路、初段⇔2段間の信号経路等は,信号線と各電源トランス間の距離を見極め、これ等が近い場合は、微小信号線がアンテナになり、各電源トランスから50または60Hzの電波を受信している、と考え、この信号線が、トランスを発生源とする妨害電波を拾わないような対策が必要。
3. 上記対策として、構造上電源トランスから近い部分を、レベルの低い信号線が通るような場合、この信号線周りを金属板などで覆い、静電遮蔽構造とする。
○ 磁気遮蔽  対策: 電源トランス
 
電源トランス
 ここでまず最初に対策を施したのは電源トランスK759です。

 DIY店(東急ハンズなど)で0.5mm厚の銅板を購入し、約3mm厚になるようにショートリングを構成し、ハンダはバーナーでロウ付をして6周巻きました。(コイルから垂直方向に出るフラックスに対してショートリングの厚みが効いてくる)
 ハムプルーフベルトも銅板で作ったので、・・・考えてみればこれは磁性体の方が良かったかと反省しています。

 → 真空管のヒーター電源の強化:845用に2個、12AX7,KT88用に1個22000μF25Vを追加(秋葉原のジャンク屋で400円弱/個で購入)

         →・・・このとき400v3Aブリッジ整流器が耐えきれないので10A以上のものに交換する


 → 誘導ハム 対策: 交流信号、脈流信号が流れる経路は全て信号線を捩じる。
            交流1次系は別個に購入した3φテフロン単線を用い、余裕を充分みて、
            筐体の側面を這わせながら配線する。


 → 他の配線について・・ ○12AX7 の9ピンを両チャンネルともアースに落とす。
            ○上記アースはφ3ケーブルで個別に配線する。
            ○両12AX7,KT88⇔平滑出力間の電源配線は個別に配線する。
            ○平滑出力の配線も「脈流配線」なのできちんと捩じる。
            ○信号の流れに沿い奇麗に配線することを心がける。


→ 残留ノイズ    もともとDC駆動なので少ないものではあるが、両チャンネル共
            0.55mVあたりであり、改造計画通りの特性を有している。

 以下に実測値を載せる (気掛かりな点は初段12AX7プレート電圧が少々高いこと)

B1 +1.6% 910V B2 +0.8% 455V B3 +2.2% 274V

12AX7(1.6) 12AX7(3.8)   KT88 (3)  KT88(8)    845P
norm.129.9v   norm.1.22v  norm.253v norm.26.9v   norm.884v

L) -0.7%129v  +5.73%1.29v -3.1%245V  +1.9%27.4v  +1.4%896v
R) +14.7%149v -0.99%1.11v -2.7%246v  +1.9%27.4v  +1.5%897v
左上 右上
左下 右下

本機の音:スカッとしていて豪快である。

 当然ではあるが、アンプだけでは音は出ず、スピーカが必要であり、それを動作させる場所によって、これを聞く人の個人差によって聞こえてくる音の雰囲気は全然変わってくる。また、そこで、私が求める再生装置とは何かと考えると、私が、その場その場の違った気分にて聞こうとする音楽を、私の気分に添って再生してくれるもの、私を心地よい気分にさせてくれるもの、ということになる。

 SV-2 2003バージョンはSV-275と共に、それぞれ違った個性を持ちながら、私の部屋を心地よい音で満たしてくれている。

・・・以上でサンバレーSV2 2003の製作レポートをおわります。

キット屋倶楽部のTOPに戻る