キット屋倶楽部
くどー様がご自身のブログに掲載されていたVP-mini88MK2の製作記。
特別にお許しをいただき、「キット屋倶楽部」に再録させていただきました。
ご購入・ご製作の参考にしてください!
マーク その1 
 4台目の真空管アンプキットVP-mini88MKIIを、2006年6月23日午前に「ザ・キット屋」に注文。翌日の昼前に佐川急便で届く。あいかわらず早い。
 テーブルの上にひととおり部品を並べてみる。4個のトランスがあらかじめ取り付けられたシャーシは、ずっしりと心地良い重さ。部品点数はそれほど多くはない。
 この日は、組み立て説明書を何度も読んで、組み立て手順を頭の中でしっかりと整理する。説明書がそれほど親切ではないので、想像力を働かせて最善の手順を考えるのだが、かつてのプラモ少年にとっては、これもまた楽し。
 しかし、これで4万円ちょっと(税送料込み)とは、安いよなー。
マーク その2
 ゆっくり作るつもりだったが、いざ始めてしまうと面白くて手が止まらず、結局、25日と26日で、計9時間ほどで完成させた。もっと手慣れた人ならば5〜6時間で出来るだろう。
 音質向上のために「ザ・キット屋」店主の大橋さんの助言に従い、コンデンサーを2個、高級品(東一電機ビタミンQ)に交換。写真で金色に見える円筒形のコンデンサーである。
 4作目なので、さすがにハンダ付けも少しは上達した。ちなみにハンダには、和光テクニカルの「無鉛銀入りハンダ」を使用している。普通のハンダよりも融点温度が高くて扱いにくいので、失敗を恐れる臆病な私は、高価な「無鉛銀ハンダ専用コテ」を使っている。
 夜も更けて、酒を飲みながら、プリント基盤の上に整然と並ぶ小さな部品を飽かずに眺めていると、果たしてここからどんな音が出て来るのか、楽しみで仕方がない。
マーク その3
 mini88は3系統の入力切換が出来るようになっているが、プリアンプを併用するので、音質を重視して、入力切換スイッチはバイパスした。
 ボリューム回路もバイパスしようかとも思ったが、将来、バイアンプとかやりたくなるかもしれないので、こちらの回路変更はやめた。
 ボリュームから基盤につながる配線には、手元にあったWesternElectricのビンテージものの銅単線を使用してみたが、効果のほどは不明。
 このアンプは、キットとしては「初級者向け」に分類される製品だが、初級者向けとして評判の良い「エレキット」の製品に比べると、組み立てはそれほど容易ではない。エレキット製品のような、徹底した親切設計にはなっていないので、ハンダコテを握ったことのない、まったくの初心者にはややハードルが高いだろう。
 それにしても、配線が汚い。一所懸命やったのにね(^^;
マーク その4
  底板には、キット屋オリジナルのインシュレータを取り付ける。
 最初、スパイクを4個取り付けたのだが、シャーシにわずかな歪みがあるようで、どうしても右前のスパイクがスパイク受けから1ミリほど浮いてしまう。それで、安定させるために3点支持に変更した。
 そのためには底板の前部中央に、あらたにネジ穴を開けねばならない。電動ドリルを持っていないので、ハンドドリルでゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリ。
 まぁ、そういうのも楽しみのうちだ。
マーク その5
 左はエレキットのTU-879(初期型)。増幅管はMullard(イギリス)のECC83、出力管はSvetlana(ロシア)のKT88に換えてある。「初心者向けキット」と侮ってはいけない。明るく快活な音で、ジャズやロックをドッカンドッカン鳴らしても遜色ない。残留ノイズがまったく聞こえないのも、設計が優れているせいだろう。
 販売価格も出力も大して変わらないが、右のmini88の方がかなり貫禄がある。なぜ「mini」なのかが分からない。十分でかいし重いのに。
 トランスが大きいせいか、mini88の方が音にも貫禄があるような気がする。低域はどっしりとしており、中域の密度も高域の伸びも、申し分ない。残留ノイズがやや大きいが、それもスピーカに耳を近づけなければ分からないほどだ。
 今後、我が家のメインシステムの座にmini88が当分君臨するのは、間違いない。
マーク その6
  mini88に付属している真空管は、増幅管がElectro-Harmonix(ロシア)の12AX7。出力管がTriode(国内ブランドだがたぶん中国製)のKT88である。
 これをそれぞれSovtek(ロシア)の12AX7LPSと、Svetlana(ロシア)のKT88に挿し換えれば、音質が一段アップするはずだった。TU-879でそういう経験をしたので、mini88でもそうなると思ったのだ。
 でも、やってみたら、良くならなかった。
 キット付属の真空管を使った方が、帯域バランスが良く、音が一歩こちらに迫ってくる感じがするのだ。
 こうやって真空管を取り換えて「あれ?」とか「おっ!」とか言ったりするのも、真空管アンプの楽しいところ。
 (真空管を並べてみたけど、こんな写真では形の違いもほとんど分からんな(^^;)
マーク その7
 電源ケーブルと電源タップの自作も、最近のマイブームである。
 mini88用の電源ケーブルも作ってみた。
 ケーブルはフジクラのCV-S。機器側プラグはSCHURTER。コンセント側プラグは松下。ケーブルはヘラゲインという編組チューブで装飾した。
 そして、今回のヒットは「SHURUTERプラグ用シャーシ取り付け補強枠」だ。アンプのインレットにこれを取り付けると、電源プラグがガッチリと固定され、ぐらつきが無くなり、ちょっと引っ張ったぐらいでは抜けない。頼もしいぞ。これは優れものだ。でも、460円はちょっと高いんじゃないか?
マーク その8
 mini88専用のラックも作ってしまった。18mm厚の集成材と、組み立て家具用の金属パイプを使っている。
 木材の塗装には、アサヒペンの「ジェルカラーニス」が便利だ。塗りむらが出来ず、仕上がりはしっとりした感じで、美しい。完全に乾くまでかなり臭いけど。
 mini88のシャーシの両サイドには、オイルステインで赤く着色した板を張り付けた。メーカー純正パーツで別売りの「サイドウッド」なるものがあるのだが、値段が高いから、こういうものは自分で作るに限る。
これで一気におしゃれ度と高級感が高まる。
 トランスカバーは、シャーシと同じ灰色だったのだが、無骨なので、家に転がっていた車の補修用のスプレーペイントでダークブルーに塗装してみた。おしゃれなダークブルーになるはずだったが、厚く塗り過ぎたせいか、仕上がりは「黒」になってしまった。まぁ、それはそれでいい感じだ。
 エージングが進んだせいか、完成当初よりも音色にふくらみが出てきて、CDを聴きながら、ついニンマリしてしまう。こんなに良い音のするアンプが、4万円ちょっととは、「ザ・キット屋」さんに頭が下がります。
マーク その9 バイアス調整
 電気の専門知識はまったく持ち合わせていないので、真空管の動作原理も全然分かっていない。電子が真空の中を飛ぶらしいが、それでなぜ音が出るのか、ちんぷんかんぷんである。パーマンは時速98キロで空を飛び、パーマン1号と2号と3号がつながって飛ぶと、98の3乗キロのスピードになると言う理屈と同じくらい、まるでちんぷんかんぷんである。
 しかし、とにかくVP-mini88MKIIが完成してから一ヶ月以上経ったので、ここらで一度「バイアス調整」 という儀式をしておいた方が良いらしい。
 重たいアンプをひっくり返し、底板を取り外し、測定ポイントにテスターの棒を当てて、テスターが0.6ボルトを示すように、バイアスボリュームをドライバーで調整する。一応、テスターの使い方ぐらいは分かるのだ。
 「バイアス」が何であるのか、これもちんぷんかんぷんだが、とにかく調整は出来た。今後は2〜3年に一度の調整で良いらしい。
 それにしても、時速98キロのパーマンが3人つながって飛んでも、それはやっぱり98キロだろうが。違うの?

VP-mini88MK IIについて
作りやすくお手ごろ価格、それでいて時に上級機を凌ぐほどのダイナミックな音質を生み出すという、コストパフォーマンスの高い製品です。マニアのサブ機として、またビギナーの方の入門機として、多くの管球ファンに愛されています。
※写真はサイドウッド・ボンネット(別売)付の“最強バージョン”です。
VP-mini88MKII 写真は最強バージョン
VP-mini88MKIIについての詳しい情報は⇒こちら
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