キット屋倶楽部
長野のN様の製作記
「JB 300Bの製作記」

はじめに
 オーディオの世界に足を踏み入れたのは今年7月からでした。
 エレキットTU870を友人に製作してもらい、CDPは業務用TASCAM、SPはタンノイサンドリンガムを心赴くままに購入し、あれよあれよとい間にこの至福の苦しみの世界へ突入して行きました。

 真空管オーディオフェアで多くのアンプとの出会いを経験し、真空管アンプを自己製作製作してみたいという思いはMAXとなった私は恐れ多くもJB300Bキット製作の道を歩みだしたのでした。
 まず大橋さんのご厚意で、JB300BとJB2A3をお借りし、タンノイサンドリンガムとアコラボボレロにて視聴を致しました。典雅な感じとダイナミックコントラストがあったという点で300Bを購入することにし、早速大橋さんへ依頼いたしました。
 依頼して2日後手元に到着。
 工作といえば、中学生の時のオルゴール作りが最後の私はもちろんはんだコテも握ったことがなく、コンデンサー、抵抗、etcなど初めて手に取るものばかりに、これからの長い長い製作過程を考えてしばらく途方にくれました。
 ただ、大橋さん、この道を極めつつある友人という大きな後ろ盾の存在があったため、安心してアンプ製作に取り掛かることができました。
製作初日
 回路図をみても全くチンプンカンプンでしたのでまずは、手順書のとうりに部品の取り付けを開始しました。この段階ではまだまだ二人の手を借りずに自力で取り付け完了。私のような超初心者でもここまでは、比較的楽に作業がすすむはずです。

製作2日目
 リード線取り付け開始。
 この日初めて、はんだコテを握る。一箇所のはんだ付けに20分を要し、この日ばかりは先々訪れるであろう難所の存在を考え不安と戸惑いに暮れてしまいました。
 またはんだ付けは全て芋はんだ。芋はんだ畑ができました。物選びとしては超初心者はコテは30W程度、はんだは細めのはんだを使用するのがよろしいかと思う次第です。
製作3日目
 やってしまった〜。少しずつ慣れてきたはんだ付けを調子にのってやっていたため、他の配線の存在を忘れ、後付けすることに。。
 はんだ吸収線を使用し、余分なはんだを吸収して後付けしました。

 師匠である友人にはんだ付け教室を開催してもらいました。

製作4日目
 はんだ付け作業は抵抗付けと12AX7、6BQ5部分の細かい部分のリード線の取り付けという超初心者の私にとっては難所というべき箇所い取り掛かることにしました。細かい部分の皮膚縫合の経験がある私にはこの部分は比較的容易にリード線の配線まではできました。
 ただはんだ付けでは固定する部分を押さえる手が足らず、若干の負傷(T度熱傷)を伴いましたが。。
製作5日目
 しばらく、もう一つの趣味である華道に専念していたためアンプ製作は一時中断していましたがこの日より再開しました。
 はんだ付け終盤になりLアングル配線に着手しました。ケミコンの極性に関して、不安があり、早速、大橋さへメールし確認。
「ケミコンの極性は極めて重要ですから決して間違っては行けません。基本的にはケースにグレーの帯で印してある方がマイナスです(逆にいえば帯でマーキングしてない方がプラス)。これを間違うとケミコンがドライアップ(爆発)しますので是非お気をつけ下さいませ。」とのメールに一瞬青ざめて、はんだ付けした今までのケミコンをチェックしたところなんと一箇所のケミコンの極性が誤っていました。
 ケミコンの極性の見分け方も知らない私が作っているものはアンプではなく爆発物?!!
 11・24の店主日記でも大橋さんが書かれていますが、相手は電気であることを侮ってはやはり危険です。
 私のような初心者でもここまでの道のりをこれたのはバックアップしてくれる優秀な首脳陣の存在があったからです。折角、お金を出して貴重な時間を費やして作るものですからどうぞ初心者の方は、頼りになる物なり人なりご用意して頂きたいと切に思います。 m(_ _)m

製作6日目
 プライベートの時間を大半アンプ製作に費やし夢中になってきたころです。
 はんだ付けも、負傷を伴わず、芋はんだ畑を作ることなくただ、アンプ作りの時間を楽しんでいました。むしろ、もうすぐ完成だということに少し寂しさを感じるようになり、この日から一日10分だけと決め、ゆっくり製作を楽しみました。
製作7日目
 完成間近。この日は友人であり師匠でありこの道の極みをいく友人宅で最後の仕上げを行いました。厳しく優しい友人に叱咤激励と多大な協力を受けながら(本当に感謝しています)99パーセント完成。電圧測定も行ってもらったところ2カ所配線ミスが見つかりそれを修復いたしました。
 修復後、電源オン。電球の明かりが灯ったときの喜びは一塩でした。異常な音や発熱、臭気もなく、一安心。
 さあSPに繋げ、真空管も挿し、電源オン。やっていなかった入力VOLのアース処理のためにハム音を拾っていましたがちゃんと音が出ました!!! やった〜。感激〜。うれしさのあまり子供のようですが枕元にアンプを置いて就寝しました。
製作8日目
 入力VOLのアース処理を行い、最終完成。
 TAOCのラックを購入し、JB300Bを鎮座させました。
 サンドリンガムとは中低域の濃厚さと高音域のきらびやかさを心地よく感じさせてくれました。きりきりとしたきつさでなく、キリッっとした感じとタンノイサウンドならではの優しさがまとまりあった感覚でした。
 私の場合、この組み合わせで「気合を入れなければならないけど決して気負ってはいけない仕事」の前のメンタルコントロールに用いています。そして仕事が終わった時は、癒しと次の仕事のための活力再生に。
 将来の助産院開業の折には、妊婦さんらを時に癒し、そして出産に向かう際にはアグレッシブな心持を引き出し、出産後には新米ママ、パパさんが我が子と過ごす時間をより悠揚で喜びと温かさに包まれた時間となるよう音楽の絶えない環境を提供していきたいと思っています。
最後に
 購入より一ヶ月ほどの期間を得て無事完成しましたが、物を作る楽しみを実感しつつ、日々の生活の中に音楽のある生活いかに心豊かにしてくれるかを再感させてくれた貴重な時を過ごせました。
 喧騒でせちがない世の中に音楽を含めて文化に触れられる時間を心から幸せに思う日々を過ごしています。
 オーディオを趣味にもつ女性は珍重がられるようですが、多くの女性もオーディオに触れ合える機会を持てば、のめり込んでいくと思います。(ただ女性は、ファッション、お習い事etc広く興味を抱くことが多いので、時間もお金も大変なのですが。私も10年近く嗜んでいる華道がありますので実感しています。)

 世の中のオーディオを趣味にもちながらも、奥様に白い目で見られて時間もお金も費やせないで困っていらっしゃるだんな様には、まずは、一緒に音楽を楽しむ時間を持ってはいかがでしょう。きっと、お小言も少なくなると思います。(笑)
 大橋さん始め、キット屋さんのスタッフの方には本当にお世話になりました。
 お恥ずかしいハプニング(真空管を洗濯してしまったこと)にも丁寧に対応して下さいまして心より感謝しております。来年も、何かアンプ製作してみようかと思っておりますので、ご教示頂きますよう、お願い申し上げます。


華道について

 戦後の日本はあらゆる日本的なものを否定し、排除することを再生の道として出発し、伝統の否定と近代化がなされてきました。昭和30年代以降は経済成長と社会的安定と共に海外からの日本への感心も高まると同時に、活花もインターナショナル化されました。現代においては生活様式も多様化され、いけばなに対しても複雑な多様性を要求されるようになりました。
 その中で、私の教授頂いている流派は、日本人の伝統的自然観や美意識を培っていくことに流儀をおいています。華々しい印象は、他流派の作品に比べ受けにくいとは思いますが、凛とした姿の花形は他の流派には負けないものと自負しています。ただ日本の伝統文化に触れるといっても大層な気負いは必要ではなく、生活の中に花一輪あることでやすらぎやゆとりを感じたり、活けこみをしている凛とした気持ちを楽しんだりしています。

 女性の嗜みとしてと言われる道ですが、最近では男性華道家も多くなっています。皆様も是非、音楽と同時にお花の絶えない生活も楽しまれてはいかがでしょうか?

キット屋倶楽部のTOPに戻る