キット屋倶楽部
新潟県のU様から、WS-350B(樽アンプ)の製作記をご寄稿いただきました。
ご購入・組み立ての参考にしてください。KT88が使用できる裏ワザも記載!
WS-350B(樽アンプ)について
ウイスキー醸造用の樽材を1枚1枚手造りで成型し、フロントにあしらったアンプです。真空管は比較的大出力が得やすいビーム管のなかでも最も音が良いと評判の350Bを使用。デザインの良さだけでなく、ジャンルを選ばない素直な音質も大きな特徴です。 樽スピーカーとの相性も抜群であることは言うまでもありません。
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マーク 購入の動機
WS-350B(樽アンプ)を購入しようと思ったのはサブシステム用に小型のアンプがほしかったのと、デザインが気に入ったこと、店主日記(2006,09,07, Thursday)樽アンプと3488・・・他に使える球は?を読んで色々な球を挿し替えて楽しむことが出来ることを知ったからです。
尚、球を挿し替えるだけならエレキットのTU-879Sの方が楽そうです。
マーク 納品
2006年10月31日キット屋さんに注文、即日インターネットバンキングで振り込みました。
今回も仕事多忙の為、休日指定で配達を依頼しました。
11月3日無事に到着しました。
大きい箱が樽アンプ、小さい箱はオプションで頼んだPrime KT88他が入っています。
マーク 開封しました
段ボール箱の中に又段ボール箱です。
厳重な梱包ですね。
マーク 今度こそ!
やっとお目見え、樽フロントパネルと組立説明書です。
組立方法についての問合せ先が(株)トライオードと書いてありました。
勿論キット屋さんでも対応してくれる筈です。
マーク 本体登場
クッション材を外してみると外観がほぼ完成した樽アンプが出てきました。
マーク 後ろは
背面もご覧の通りパーツが取り付け済みでした。
マーク 底板を開けます
先ず真空管を外します。割ったら大変ですからね。
ひっくり返して底板を開けるとパーツがぎっしり詰まっていました。
マーク 基板登場
パーツを取り除くと基板が現れます。
両面板スルーホールめっきの高級品です。
スルーホールとは部品(のリード線を挿す)孔の中にめっきを付けて表と裏のパターン(銅箔)を繋ぐ技術のことです。
半田付けする部分の銅箔の錆止めにSolder Coater Leveler処理(半田コーティング)をしているので銀色に光っています。
この基板を壊したら5,000円ですよ!
マーク 基板の裏(半田面)です
基板の半田面には既に真空管ソケットが半田付けされていました。
基板は部品を載せる面を部品面、半田付けする面を半田面と呼びます。
マーク シャーシ内部です
金属の箱をシャーシと呼びます。
シャーシは1.6mmの鉄板です。KT88を挿すには標準で直径38mmの孔を50mmにしなければいけないそうです。
残念なことにキット屋さんではその加工をして出荷することが出来ないそうです。
どうやって加工しようかな?
マーク 350BとKT88
左が標準で付いている350Bで、右がオプションで購入したKT88です。
並べてみるとベースの直径の違いが良くわかります。
マーク 部品のチェック
取り敢えず部品のチェックをします。
説明書にも書いてある通り、使用しない部品が結構ありました。
仕様変更のせいかな?
マーク 基板に部品を取り付けます
先ず背の低い小さな部品から付け始めます。
写真はセラミックコンデンサーを4個付けたところです。
マーク ダイオードの向き
ダイオードには極性があるので取り付け向きに気を付けます。
基板の白い絵(これをシルク印刷と言います)とダイオードの白い帯の向きを合わせて取り付けます。
マーク ダイオードの半田付け
ダイオードを半田付けします。
マーク 整流ブリッジの向き
整流ブリッジはダイオード4個を1パッケージに収めたものです。
プラス端子側のみ角が欠けています。
シルク印刷に合わせて整流ブリッジを取り付けます。
尚、「〜」マークは交流側を表しています。
マーク 半固定抵抗です
ビーム管のプレート電流調整(これをバイアス調整と言います)用半固定抵抗です。
最初右手前のようにリードが曲がっているので、右奥のように真っ直ぐに伸ばすと基板に嵌め易いです。
マーク 配線用ターミナルです
配線用ターミナルを取り付けます。半田付けしたところが邪魔でスパナではナットが回し難いです。
5mmのボックスドライバーがあると便利です。
マーク 半田付けします
ナットを固定したら半田付けします。
ターミナルとナットの間だけではだめです。
僅かに顔を出している基板のパターンとナットの間も半田を付けます。
加熱したナットで半田を少量熔かすのがコツです。半田の付け過ぎによるショートに注意しましょう。
マーク 電解コンデンサーです
電解コンデンサー(ケミカルコンデンサー略してケミコンとも言います)は向きを間違えると爆発します。
部品に−と書かれた帯がマイナス側です。
基板には丸に半分白く印刷されている方がマイナス側です。
向きを合わせて取り付けます。
マーク 部品取り付け完了
基板に部品を取り付け終わりました。
マーク ヒーター配線です
半田面にヒーター用の配線を取り付けます。
部品面に付けても構いません。
基板としてはこれで完成です。
マーク 電源スイッチです
電源スイッチの端子のねじが回せないので一旦外します。
15mmのスパナかめがねレンチがあると便利です。
直接半田付けするなら外す必要はありません。
マーク 圧着端子の取り付け
説明書の写真のようにより線をねじ止めすると緩む恐れがあるので、圧着端子を使用しました。
使ったのは1.25Y-3Sですが、Y端子である必要はありません。
手持ちのものを使っただけです。
マーク 漏電防止です
基板取り付けスペーサーが近いので熱収縮チューブを被せて保護します。
マーク アース端子です
アース端子に配線を3本取り付けますが、これでは取り付け難そうです。
マーク アース線です
ACインレットとトランスのアース線に圧着端子を取り付け、熱収縮チューブを被せます。
マーク アース端子に取り付け
アース端子にアース線2本とラグを取り付けます。
これならもう1本の取り付けは楽そうです。
折角の3連休ですがシャーシの改造方針が定まっていないので、これにて製作中断です。
マーク 改造方法は?
工具を色々物色してみました。既に孔が開いているのでホールソーでは加工困難です。直径50mmのリーマーなんて見当たらないし、安価なシャーシパンチャーでは歯が立ちません。それならば油圧パンチャーをと思ってみたら樽アンプがもう1台買える値段に暫し長考...
6SN7用の脚の長い真空管ソケットにヒントを得ていいアイデアが思い浮かびました。
早速部品を発注してキット製作再開です。
マーク 入力端子です
これは本来基板に半田付けする仕様の入力端子のようです。
間違えないように1本1本丁寧に配線します。
説明書の写真のようにシールド線の芯線側にも熱収縮チューブを被せるとチューブが足りないことに気付き、網線側のみにチューブを使用しました。
マーク セレクトスイッチです
ここも込み入っているので1本1本丁寧に配線します。
後でここの配線ミスに気付きます。
マーク ボリュームです
ここも慎重に配線します。
マーク シャーシ内配線
基板を付けてしまうと邪魔になる部分の配線を済ませておきます。
マーク 基板取り付け
基板をねじ止めします。
マーク 直流点火用ブリッジです
基板固定ねじ部の1箇所を使ってドライバー真空管6SN7の直流点火用整流ブリッジを取り付けます。
交流点火から変更したんですね。
尚、ビーム管350Bは交流点火のままです。
マーク 電源トランスの配線です
配線中に指定の白の太線の長さが足りないのに気付きました。
手持ちの灰色平行ビニールコードを使用しました。
マーク 配線完了
残りの配線も繋ぎ終わって配線完了です。
インシュロック(結束バンド、ロックタイ等の別称があります)で適宜配線を纏めます(写真はインシュロック取り付け前です)。
マーク 六角レンチです
添付の3mmの六角レンチ(写真中央)で樽フロントパネルを取り付けます。セレクトスイッチとボリュームのつまみは添付の1.5mm(写真左)では締められませんでした。
手持ちの2mmの六角レンチ(写真右)で締めました。メーカーの出荷ミスだそうです。
マーク ACインレットです
このアンプにはヒューズがないのかな?と思っていたらACインレットに内蔵されていました。
マーク ヒューズです
ヒューズを外すとこうなります。
通常より小型のミゼットヒューズですね。
尚、キットには予備ヒューズが2本付いていました。
マーク 完成です
バイアス調整をして底板、足(インシュレーター)を付ければWS-350B(樽アンプ)の完成です。
一晩エージングをしてから試聴したのですが高域に変な響きがあり不自然な音でした。
その後変な響きがなくなりいい音で鳴っています。エージングに時間が掛かるのでしょうか?
マーク 球の明かりです
薄暗くして撮影しました。
真空管って綺麗ですね。うっとりします。
マーク 左右逆!?
音を聴いていて左右逆なのに気付きました。
セレクトスイッチの配線が間違っているのを発見!基板があって直し難かったです。
私ってどうしてこんなにそそっかしいんでしょう (^_^;
マーク 秘密兵器登場
手配していた真空管のベースと真空管ソケットが米国から届きました。
写真の真空管ベースはEelctro-Harmonixの中古品です。
少量残っている半田をドリルで浚って前処理をします。
中古品は手間が掛かりますね。
マーク 銅線取り付け
ソケットに銅線を取り付けます。
写真の銅線は直径0.9mmです。
緩まないようにしっかり取り付けます。
面倒な作業ですが、ベースに半田付けする時、半田が熔けて外れないようにという配慮です。
マーク 半田付けします
ソケットに半田付けします。
半田付けしたところに熱収縮チューブを被せておくとベターでしょう。
マーク ベースに挿入
銅線をベースに挿します。
ソケットを押したり銅線を引っ張ったりして、銅線がベースの中で弛まないよう慎重に!
銅線がベースのピンに引っかかって結構苦労しました。
マーク ベースに半田付け
銅線が完全に挿さったら半田付けします。
マーク 完成です
余分な銅線を切って完成です。
『高下駄アダプター』と命名します。
ソケットが僅かにがたつくので、ソケット周りを耐熱性のある樹脂で固めるとベターでしょう。
マーク 検査します
ベースの中が見えないので端子間絶縁をメガーで測ります。
テスターでOKでも銅線が接近していると高電圧で放電することがあり、注意が必要です。
∞Ωでした。良かった (^_^)v
マーク 真空管に装着
左がノーマルPrime KT88。
右が高下駄アダプターを履いたPrime KT88です。
KT88を抜く時に高下駄アダプターがアンプ側に残ってしまう場合があります。
その場合高下駄アダプターが抜きにくいのが欠点です。
挿しっぱなしでもいいですけどね。
マーク 本邦初公開?
11月19日、無改造樽アンプPrime KT88 Version の完成です。
350Bよりパワー感があってJ-POPS専門の私には心地良い音です。
外観も違和感ないと思いませんか?
マーク Prime KT88 の電流
KT88にした時、プレート電流を調整する半固定抵抗(ボリューム)を目一杯調整しても80mA程流れました。
70mAが標準ですからちょっと高めです。
大橋店長から「樽アンプで80mAであれば何の問題もない」との連絡をいただきました。
一安心です (^o^)丿
【製作を終えての感想】
サブシステム用に買った樽アンプですが音がいいのでメインにしてもいいかも、と思う今日この頃です。どちらの球でも低域から高域まで良く伸びていて心地良い音です。
高下駄アダプターというアイデアを思い付き、改造せずに済んだのはラッキーでした。
これでKT66や6550も選択の範囲に入ります。
アダプターがなくても6L6GC、EL34(プレート電流を少なめに!)、7581Aの使用が出来ます。
今回エージングに長時間掛かる場合があることを学んだので、当面この2つの球でじっくり試聴し、時間を掛けて他の球を試してみたいと思います。
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