キット屋倶楽部
   
   

SV-19D製作記:追記「SV-19Dのその後と魅力について」



 
このアンプの魅力を語る上でスワンaとの関係を無視することが出来ません。少しだけ前置きさせていただきますと、写真に写っている故長岡先生の傑作BHのスワンaを十数年来愛用しております。ユニットは既に3代目で現在はFE−108EΣを装着しています。3年半ほど前に長年使用していたトランジスタアンプが故障、新しい代替アンプ購入を検討しましたが、ちょうどその時には、同価格帯のアンプはDENON,マランツしかないお寒い状況でした。そのような時に、雑誌で見たエレキットアンプの製作記事に興味を持ち、WEBで検索中、偶々ヒットしたザ・キット屋の暖簾をくぐったのが大きな転機となりました。大橋様の薦めでTU−879Rを組み立てて、スワンaに繋いだ時の感動は今でも忘れません。色々球の差し替えをしながらだんだん欲が出て、スワンaの実力はこんなものではないはずだ、きっともっと良く成るはずだと思った時からスワンaの良き伴侶を探す旅が始まりました。そして、その帰着点の一つがSV−19Dとなったようです。

その他の手持ちのアンプの中で、スワンaをうまく鳴らしてくれるアンプとしては同じサンバレーの樽アンプが有ります。この樽アンプは音の良いビーム管350Bを採用したハイゲインでドライブ力のある素晴らしいシングルアンプで、音の密度感が高く低域側は懐の深い余韻のある鳴り方でスワンaの魅力である音場表現の良さを引き出してくれています。(初段:GE 6SN7GTB,出力段:フィリップス 7581Aに換装し使用中)

一方、SV−19Dでは同じビーム管アンプでも異なる表現です。余裕の出力とトルクフルな抜群のドライブ力で見事にフォーカスし、低域から高域までの出音が揃った感じです。特に低域の収束が早く、弾力のある切れの良い締まった低域と外向き表現の音場の広がり感が圧巻です。これはスワンaだけに限らず、TangBandのW2−800SJを使用したスワン型のオリジナル設計ミニBHでも同様な効果が見られ、低域の厚みと切れの良さはとても2インチのフルレンジが再生しているとは思えません。

一般に、BHに適したSPユニットは強力な磁気回路とハイ上がりの特性を持っており、設計の良好なエンクロージャーではホーンロードが有効に作用しハイスピードでダイナミックに鳴ってくれますが、背圧による不要なコーンのピストンモーションや逆起電力によりドライブ力の無いアンプでは締まりのない音になりがちです。しかし、SV−19Dは低域の緩みをしっかりと押さえ込んでBHの魅力を引き出してくれました。BHをお使いで低域の明瞭感に今ひとつ満足されていないようならばSV−19Dを試してみる価値は充分に有ると思います。

また、このアンプの特徴であり、最大の魅力は半固定バイアスを採用していることです。これは単に球の差し替えを可能にするだけでなく、Ipを調整(管の定格以内で最大45mA以下)することで音調を変化させて好みの音に調整できることです。 ('08−5−24付店主日記"適正なIpを探す面白さ"参照)この調整作業は非常に簡単でテスター片手に1分程度で済みます。私は手持ちのGD350Bでしか試していませんが、この効果は絶大で大きな変化に驚きました。

PARCウッドコーンDBの組合せでは、Ip40mAでは非常に闊達としてエッジの効いた切れのあるスカッとした音でしたが、Ip35mAではややエッジ感は後退するものの、重心がグッと下がって中域の倍音が非常に豊かになり、上品でより彫りの深い余韻の有る鳴り方で、全く別物のアンプが鳴っているようでした。マニュアルのグルーピングでは6L6系は40mAですが、GD350Bにおいては35mAが好みに合う結果でした。

一方、スワンaとの組合せでは、40mAでは分厚い低域がモリモリ出て来ますが、35mAでは低域のフォーカスはそのままに情報量が増え余韻のある上品な音を聴かせてくれました。

今後は秘蔵のムラードECC83との差し替えや、手持ちのプライムKT88に1ペア買い足して、350Bとの音の違いを楽しんでみたいと考えています。SV−19Dは出力管の管種,ブランド,Ip調整に加え、初段管の差し替えなどを考えると、無限の組合せが楽しめる、真に遊べるパワーアンプであると思います。皆さんも興味が涌いたら、店主日記の検索ウインドウにSV−19Dと入力してみることをお奨めします。

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