キット屋倶楽部
東京都のM野様から、Woody34の製作記をご寄稿いただきました。
ご購入・ご製作の参考にしてください!
WOODY34の製作について(素人製作者の工夫)
 
<全般的なことに関して>
  1) 製作説明書については、かなり高性能のプリンターでプリントアウトして使っているが、それよりもパソコンで見る方が一層鮮明なので、画像がよくわからない場合には、パソコン画面で確認する方がいい。

  2) 全体的に、緻密さがとても要求される製品であり、とくに説明書どおりの方法、手順をそのままこなして製作しようとすると相当レベルの手間と技術を要することになるので、素人製作者の場合、自分で出来る範囲、技量に応じて、「許される手抜き」や「手順の変更」を柔軟かつ大胆に工夫するのがいいと思う。

<各製作工程に関して>
1.木工
@ マーク 接着後、接着面が滑ってずれた箇所が1箇所発生し、既に接着後10時間程度経過していたが、小型の薄いカッター刃で慎重に接着面を切り裂いて、木工部材に傷を付けることなく外すことができた。(要するに、ある程度の時間内なら後で修正可能である。)

A マーク 塗装は、ステイン塗装は省略して、ワトコオイル(ダークウォールナッツ色)のみとしたが、木工最上面等の目立つ部分には2度塗り(1回目はたっぷり、2回目はムラ消し程度)した上で、3日間ほど繰り返しウェスでよく磨き、十分にいい色つやが出せた。
 
2.背面シャーシ
@ マーク スピーカー端子とヒューズケースについては、穴そのものも、回転止めの切り欠きも少し小さめで、端子等がうまく嵌らなかったので、丸い金ヤスリで削って調整した。

A マーク トップパネルと同様、コーティングが施してあるので、装着後の作業時に傷をつけないよう、プチプチを張って、その時々の作業を行った。

3.電源回路
  マーク ユニヴァーサル基板なので、半田ブリッジが生じにくいように部品配置や嵌め込み方を適宜アレンジした。(例えば、D14のC電源回路のバイパスコンデンサーについて、リード線を少し広げて穴の間の間隔の2つ分を跨がせて装着した。)

4.アンプ本体の組み付け等
@ マーク 重くて突出する電源トランスを組み付けた後で、本体内部の複雑な配線を行うのは、作業的に困難が伴うと考えて、W25以降の工程(及びW16の工程)は後送りした。

A マーク 同様の理由で、真空管ソケットマウントシャーシ(以下、上部シャーシという。)の組み付けについても、ポスト金具4個の取り付け(W23)のみを行い(これにより、これ以降の配線作業に当たって上部シャーシを裏返して作業をする際に、同シャーシを水平に置いて作業することが出来る。)、組み付けの工程(W24)は後送りした。

B マーク なお、ボリューム取り付け位置の調整(W10)については、この段階で調整をすませたが、2ミリ近くも取り付け穴(両方)を前後方向(後ろ側)に丸ヤスリで広げた。
(なお、この作業を適切に行うために、実際には、上記Aの組み付けを仮に行った。
また、その際には、トップパネル(上述したように、電源トランスを取り付けていない状態のもの)も仮に組み付けて、ボリュームの納まりやパネルとポスト金具との接合が適切にできること(前右端のポスト金具が若干きつかったが、シャーシ側がアルミで柔らかいので、ある程度融通がつけられる)を確認した。(なお、この際にも、ボリューム穴を前後方向にさらに若干広げる調整を行った。)

<ここまでの工程でできあがった本体。電源基板のみが装着してある。>
ここまでの工程でできあがった本体。電源基板のみが装着してある。
注)  木工最上面(トップパネルを装着する面)とそれ以外の面でかなりの色合いの差があるように写っているが、これはフラッシュを使用したせいであり、実際に室内光線下で見る限りでは、ほとんど差がない。
 
5.配線(W2及びW3)
@ マーク 上記4.Aのような工程変更の判断を行ったことに伴い、電源基板からの配線等については、後送りした。(具体的には、W2−3から5までとW2−11及び12)

 これにより、上部シャーシにおける配線作業が格段に容易化した。

<本体に組み付ける前に上部シャーシの配線をほぼ終えたところ>
本体に組み付ける前に上部シャーシの配線をほぼ終えたところ
 

A マーク その一方で、上記5.@の配線については、一部が若干困難化したので、工夫した。
  具体的には、W2−11がW2−29及び30のコンデンサー取り付けにより困難になると考えたので、上部シャーシの本体への組み付け前に、ラグ端子板の6〜8番共通端子側に5センチほどの長さに切った黒被覆線をあらかじめ半田付けし、これと電源基板への戻り線を後でつないで熱縮チューブでカバーした。(要するに、チョークコイルの接続と同じやり方にした。)

B マーク 上記5.Aの状況に対応するためもあり、ラグ端子板の1番から6〜8番の配線(W2−1)は、これまでの配線工程で余っていた被覆メッキ単線を利用して行った。(具体的には、適当な長さに切った被覆メッキ単線の片側は2センチほど剥いて6番から8番までのカシメ穴に通し、また、その剥いた部分に上記5.Aの黒被覆線を直に半田付けした。)

C マーク なお、W2−31の配線も当然後送りした。

<本体に上部シャーシを組み付け、電源基板との配線を終えたところ>
本体に上部シャーシを組み付け、電源基板との配線を終えたところ
      注)
  @  電源基板への戻りの太い方のアース線(黒)は、ラグ板ではなく左右のテストポートにつなぎ、同ポートからラグ板の19番、15番に配線した。
   (当該アース線、特にL側の線自体があまり長くなかった上に、混み合ったラグ板と電源基板の部品の間を這わせるのは、煩雑で半田付けもやりにくいことから、簡便、確実な方法を採った。素人ならではの「安直」。)

  A  テストポートプラス線(茶色)は15センチでは長すぎることがわかったが、一巻きしてインシュロックで留めた。(ここまできてから短く切ると剥き直ししないといけなくなるが、配線を痛めたくなかったのでそのままにした。ご愛敬。)

  B  電源基板への戻りの細い方のアース線(黒)については、5.Aで上述したとおりに接続した。簡単。

  C  B電源線(細赤)、C電源線(茶色)のラグ板への半田付けは、この段階で行っても、作業に支障する部品等がなく、極めて容易。

以上の注@からCまでの作業を後工程にすることにより、上部シャーシの配線が容易かつ確実になる(3次元的にほとんど制約なしに配線作業が行え、半田付けが施せる)ことは、作業上も仕上がりの上でも極めて大きなメリットであると思う。

6.電源トランス等の取り付け
@ マーク 素人製作者の工夫による製作工程では、ようやくこれからが電源トランスの装着の工程(W25〜34)となる。

A マーク 併せて、W15で作り置いたまま、装着を後送りしていた電源パイロットLED2個をこの際に取り付けた。
 その際、赤色リード線、ダイオード及び抵抗は、捻らずに半田付け接続だけ行い、それぞれ半田部分を熱縮チューブでカバー(絶縁及び圧着)した。
 なお、この段階で電源トランスを装着することに伴う配線等の工夫(上部シャーシについての上記の5.の注書に相当するもの)は、特にない。

B マーク 以上の後で、電源トランス装着後のトップパネル、及びスイッチパネルをアンプ本体に組み付け、端切れのプチプチを巻き付けて必要な養生を施し(トランス本体だけでなく、トップパネルの手前両角部分が重要)、以後の電源トランス関係の配線作業を行った。
  なお、この際のトップパネル装着は、これまでの工程で何度も仮組み付けして調整してきたことから、極めてスムーズに収まった。

以上、ここでようやく説明書の手順に戻った。
7.シャーシ背板の取り付け
@ マーク ここでも背板を取り付けるのに先だって、出来るだけの前処理をした。
具体的には、W3−3のラグ端子へのテフロン線付けを先に行った。なお、電源基板の動作確認の際に、ACコネクタとヒューズケースは背板に取り付けて配線しておいた。

A マーク W3−3の4本のアース線は、材質や太さ、長さが4本の各線で異なっており、4本をうまく束ねるのに苦労したが、まず2本ずつをインシュロックで縛り、それをさらにまとめて4本を縛って各単線の被覆を剥いた部分を縒り合わせて半田メッキし、RCA入力端子板メッキ線に半田付けした。
  なお、この半田付けを容易にするために、IO4の段階で、メッキ線の右側の出っ張りを少し長めにしておいた。

B マーク W3−4から5の工程は、説明書にあるとおり「狭い場所で細かい作業」となり、悶絶しかけた。
特に、W3−4の段階になってから「予備半田」の話が出ているが、リボン線をRCA端子板等に付けるIO8(及び同13等)の前の段階でやっておかないと、端子穴に配線を2本入れることが可能となる微量な半田を「空中半田付け」する仕儀が要求される。(IO8等の写真をよく見ると、なるほどその段階で既に予備半田が施してある。)
この段階での予備半田はあきらめ、代わりにロータリースイッチを取り外し、10センチ四方の厚手の段ボール板の真ん中に穴を開けてシャフトを差し込んでメンディングテープで貼り付けて固定し、それを3次元に自在に動かして、配線、半田付けを行った。
  
8.その他
@ マーク 説明書について
1)D3で左用カップリングコンデンサの差し穴は、Oの行とあるのはQのミスプリ。
2)W28のパネル同士の間隔は「10mm」とあるのは「15mm」と思われる。
3)W2−35に赤字で17とあるのは13の誤り。
4)W3−3の段階でわかるが、W2−1でRch1番に半田付けした線は、説明書指定の15センチ程度では少し短い。
  (これについては、同種同色線を継いで半田付けして5センチ程延長し、継ぎ目を熱縮チューブで絶縁した。)

A マーク 部材について
0.3ミリの被覆テフロン赤線、丸ワッシャは、部材が不足した。

B マーク その他
真空管は、キット屋で購入したプライムEL34、松下12AU7、12AX7を、また、音量調節用アッテネータは、ソフトンから購入した「接点式のディティント」を装着した。

<付属のエレハ真空管で「慣らし鳴らし」調整中。いい音です。>
付属のエレハ真空管で「慣らし鳴らし」調整中。いい音です。


(以上 「素人にだってできるWOODY34の製作」でした。)
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