|
6. 4号機(テーパード共鳴管) |
|
| |
|
6−1 設計 |
|
|
今度の4号機は試作ではない。成功する自信があった。方式は下部開口のテーパード共鳴管とする。共鳴管の長さは・・・試聴して決めよう。これがLEGOの特権である。
10cmユニットを用い、ユニット高さは90cmに固定する。共鳴管は2/3位置でたたくのがセオリーだから高さは約140cm程度を想定した。
当初共鳴管は2種類としてダブル共鳴を狙ったが、最終的には1本にした。共鳴効率には断面積が広いほうが有利と判断したためである。
ユニットはフォステクスの強力10cmを準備したが(写真14)、これは失敗であった。マグネットが強力すぎてオーバーダンピングで低音がでなかった。第一重くて危ない。TBの紙コーンを選んだ。 |
|
6−2 結果と試聴 |
|
|
外観を写真15〜18に示す。黄色いのはブロックが特価で・・・。
その後、PARCの10cmウッドコーンが発売されたので、第一ロットを購入して置換した。(写真19)
このスピーカーは現在でも私のメインシステムとして君臨している。アンプにはトライオードの300Bシングルをつないでいる。
耳の高さに設置された点音源に近いユニットで優れた音像と音場の両立。フルレンジなので、クロスオーバーやアッテネータの影響がなくシンプル。LEGOの十分な内部損失で箱鳴きが感じられない。低音は共鳴管で十分な効率。最終的には管長は125cmにした。65Hz程度の共鳴と思う。
共鳴管は共鳴動作としては十分に早く低音が出てくる。バスレフのような遅れは感じられない。ハセヒロバックロードや市販スピーカーと比較すると低音が痩せている感はあるが、私はこの程度が好みである。(部屋の定在波の影響?で低音が増強される感がある)
問題点としては、若干洞窟音がある。ユニットが後面開放に近い動作なので大音量に弱い
(音量を上げるとf0でばたつきだす)という点があるが、適性音量でゆったり聴くには問題ない。 |
|
|
|
|
| 写真14 4号機組み立て |
写真15〜16 4号機外観 |
|
|
|
|
| 写真17〜18 4号機外観 |
写真19 ユニット置換 |
|
| |
|
7. 5号機(小型テーパード共鳴管) |
|
|
ほこりをかぶっていた1号機を解体して5号機を作成した。4号機の縮小版である。
全長1mのスリム共鳴管。今度は一発で成功した。十分な低音感がある(90Hzの共鳴で聴かせるので本当の低音再生ではないが「感」は十分。大切なのはバランスだと考えている)
アンプはKT88のPP(カイン)にして十分な駆動力を得る。定位感は4号機をしのぐ。(写真20〜22) |
|
|
| |
|
8. 2号機の改良 |
|
|
LEGOスピーカーとしては大型(2本で4500ピース!)の2号機が小型の5号機よりも低音が出ないのはおかしい。どこかに設計不良があるのではないか?
じつは5号機はヘッドユニットにポートを設けて超小型バスレフとしてこれを共鳴管に接続している。(設計図は3号機以来ないのでカンで作業している。同じものが作れない!)
この考え方を2号機に適用したらどうか?
早速ためしてみる。ヘッドユニットをはずしてスロート部分に2X2(16mmX16mm)長さ5(50mm)のチューブを挿入してみる。
結果は・・・成功!。ホーンロードがかかった。
ポートの追加でホーンの駆動力が上がったようである。どうもスロートが太すぎたようだ。不勉強を反省。
このTBのW4-927SCというユニットはアルミのフェイズプラグの効果でトゥイーターのようなシャープな高域が出る。非常に優秀なユニットだと感じている。コーンの素材音が乗るユニットが多いが、PPは癖がなく好みである。
トライオードのKT88シングルをつないで、以降サブ機として活躍することとなった。 |
| |
|
9. 6号機(スリム密閉型) |
|
|
ほこりをかぶっていた3号機をどうしようか考えていた。
LEGOで絶対に作れないスピーカー。それは密閉型である。ブロックの隙間があるから背圧に耐えない。どう考えても無理だと思っていた。 |
| |
|
9−1 活性炭の効果 |
|
|
あるとき、ネットで記事を見つけた。活性炭を吸音材として利用する?
携帯の音質改善に活性炭が利く。低音域の吸音効果があるという。
これなら・・・。早速100均ショップに走って冷蔵庫の脱臭剤を大人買いで買い占めた。
もちろん最新のゲルタイプはだめである。消臭剤には使い捨てカイロ様の袋に収まった活性炭が入っており好都合である。
あんまり連日買いに行くから、よっぽど店の人はくさい生活をしていると思ったろう。
実験。あまっていた5cmユニットをLEGOの簡単な密閉箱に入れて鳴らしてみる。
LEGOだけでは案の定マトモな音はしない。強い背圧で歪が多く、箱全体が鳴ってなんともひどい音である。低音はもちろん出なくて聴くに耐えない。
活性炭を詰め込む。詰め込んで内容積が減るので本当に効果があるのか半信半疑である。
結果は・・・聴ける。驚いた。低音が明らかに出てきた。砂を詰め込んだようなダンプ効果もある。これはいける。 |
|
9−2 製作と試聴 |
|
|
3号機を解体して再度組み立てる。相変わらずその場設計で作業する。これが無性に楽しい。ヘッドユニットに活性炭をつめる(写真23)。支柱兼用の胴体部分にも3袋つめて密閉型が完成した(写真24、25)。
音はどうか?・・・想像していたより良い。ちゃんと密閉型の音がする。弾んだような低音。意外に低音も出ている。どうもユニットからの放射だけではなく、エンクロージャ全体が振動して低音を発するようである。だから音像感は後退するが共鳴現象を用いない良さは感じられる。調子にのって支柱部分にも活性炭を詰め込んでみたが、これは失敗。歪が増加した。ある程度の気室は必要なのだろう。
このスピーカーもしばらく活躍しそうである。 |
|
|
|
| 写真23 活性炭の挿入 |
写真24〜25 6号機外観 |
|
| |
|
10. 7号機(小型バスレフ) |
|
|
もともとバックロードホーンが作りたくてLEGOでスピーカーを作り始めたのだが、1年でさまざまなトライをしてしまった。多くの経験をし、得た結論は方式が重要なのではないということ。それぞれに良さがある。こうなってくると嫌っていたバスレフに挑戦したくなる。 |
| |
|
10−1 デザインコンセプト |
|
|
せっかくLEGOで作るのだから独自のデザインにしたい。バッフルは最小にして構造で強度を稼ぐ。ユニットはミクセルから購入したTBのPPコーンフルレンジで決定。
ピラミッド型デザインで底板の振動を緩和するための支柱を立てる。リアダクトのバスレフとしてポートの調整を容易にする。狙いとしてはチューニングをあえて低めに取ってバスレフくささを抑えよう。 |
|
10−2 製作と試聴 |
|
|
ユニットの固定はお手の物(写真26)。活性炭を3袋つめて支柱を立てる。部屋の消臭効果もあるかな?(写真27)。完成した小型LEGOバスレフ(写真28、29)。
早速音出し。これには驚いた。すごい低音がでる。バスレフ恐るべし。いや、出すぎ。ポートのチューニングを取る。といってもブロックはめるだけだが・・・。
低めにチューニングして試聴。なかなか良い。活性炭の効果か箱鳴感がまったくない。
趣味で内外の小型スピーカーを集めていたが、どれよりも良い音に感じる。親ばかかな? |
|
|
|
|
|
|
10−3 評価 |
|
 |
写真30 製品写真? |
7号機の完成で従来不可能であったことが可能になった。これなら持ち出せる!。
LEGOでスピーカーを作り始めた時からぜひ聴いていただきたい人がいた。ザ・キット屋の大橋さんである。プロの耳で聴いて評価して欲しい。ずっと考えていた。初めはおもちゃと思うだろうなあ。でも音をきいてもらえば驚かれるかもしれない。
きれいに写真を撮り直して(写真30)評価をお願いした。快く引き受けていただき。某日、名古屋までかついで行った。
なんて言われるだろうか?大変不安であった。「ポートのチューニングが低いようですね」
さすがプロ!「すぐに調整します」その場でブロックをはずして再度試聴。
大橋さんが真剣になるのがわかった。・・・
大変高い評価をいただいた。私の設計は間違っていなかった。これはとてもうれしい。
ユニットの良さにも助けられているが、LEGOスピーカーの可能性を認めていただけた。
私はぜひ、このテクニックを広めたいと思っている。
大橋さんの勧めで、いまこのリポートを書いているのである。 |
| |
|
11. おわりに |
|
| |
| |
|
|
私のリスニングルームは実験室のようになってしまっている(写真31,32)。スピーカーの干渉でよい音はしていないかもしれない。聴くより作るのが目的になってしまった。
LEGOという素材を得て、短期間に多くの経験をすることができた。教科書だけではわからない実践である。なによりLEGOで造ることは無性に面白い。
今、8号機を製作中である(写真33)。テーマはコンパクトである。8cmユニットで聴けるスピーカーをどこまで小さくできるか試作中である。
そういえばフォステクスの強力ユニットがあまっていたな。
いつかはフルサイズのLEGOスワンに挑戦したいな。
予算がいくらあっても足りない・・・・。
|
| |
|
|
最後に、私のLEGOスピーカーを評価いただいたザ・キット屋 大橋様に感謝いたします。本当にありがとうございました。 |
|
2号機設計資料.pdf [ 71.8KB ]
|
| |
|