キット屋倶楽部
LEGO SPEAKER 第27報
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LEGOスピーカーの製作 第27報

 
     


写真1 ホーントゥイーター搭載LEGOスピーカー37号機

 
  1. スタイリッシュモデル第2弾

 前回の36号機に引き続き、今回もデザインを重視したカッコ良いモデルの製作を行う。この37号機のコンセプトは著名なモニタースピーカーであるJBL社の4305シリーズのデザインを参考にしたホーントゥイーター搭載2ウェイシステムである。
 以前、トゥイーターの評価を行った時にドーム型、リボン型は試したが、実はホーン型トゥイーターを使ったことが無かった。ホーン型トゥイーターは私のイメージでは高能率のPA(拡声装置)用で高音域のきつい感じを持っていた。好みの音調とは異なると判断して採用したことが無かったのだが、本当にそうであろうか?一度試してみたいと考えていた。そして、ホーントゥイーターといえば?「JBL」なのである。

 
  2. デザイン検討

 ホーントゥイーターはホーン形状を高音域用の小型振動板の前面に装着した構造を持っており、ドライバーとなる振動板は通常のドーム型トゥイーターと同様な構造をしている。振動板にはチタンなどの高剛性な素材が使われることが多く、ホーン形状との間に音響インピーダンスを整合するイコライザーと呼ぶ構造を有している。街頭演説などでホーン拡声システムを良く目にするがとにかく能率が高い。その分指向特性はシャープである。今回採用したホーントゥイーターの能率はなんと出力音圧レベル107dBもあり、これはウーハーとつなぐのが難しそうだ。
 高能率といえばモニタースピーカーシステムである。スタジオやホールなどで大音量に鳴らすために用いるモニタースピーカーは能率が高いほど有利であり、出力音圧レベルが3dB大きいとアンプの出力は半分ですむ。一般的なスピーカーシステムの出力音圧レベルは87dB程度であるから107dBは20dBも大きい。20dBと言えば100倍!である。しかし、これは2ウェイシステムとしたときに、ウーハーとレベルを合わせるためにはかなりのアッテネートをしなければならないと考えられる。

 JBLの4305シリーズ、現行の新型4306シリーズは20cmウーハーとホーントゥイーターを組み合わせたコンパクトモニタースピーカーであり、スタジオなどで良く目にする。
私はこのデザインが好きで、以前から造ってみたかったのである。
JBL4305のデザインコンセプトを私なりにまとめてみた。

(1) ホーントゥイーター
(2) ペーパーコーンウーハー
(3) ツインダクトバスレフ方式
(4) トゥイーター可変アッテネーター
(5) ブルーバッフル

 ホーントゥイーターにはできれば25号機のように純正品のサービスパーツを入手したいところだが、高価なので市販製品から樹脂ホーンの小型モデルを選んだ。
 ウーハーはJBLではホーントゥイーターの極めて高い能率に少しでも合わせるために軽い振動板であるペーパーコーンの20cmウーハーが採用されている。しかし、20cmウーハーをLEGOエンクロージャに入れるのは強度が心配である。ここはダウンサイズして16cmウーハーを選択する。できればホワイトコーンにしたいところだが市販製品がないのでこれはあきらめるが、ペーパーコーンのコルゲーション(同心円状の補強リブ)にはこだわりたい。
 JBLのこのシリーズのモニタースピーカーはバスレフのツインダクトが特徴である。バスレフのダクトは断面積を大きくすると共振周波数を設計値にするためには長さが増加する。細長いダクトの方が共振周波数は低くなるのだが、太くすることでダクトの容積が増加し、低音域の放射効率が向上する。ツインダクトはバスレフ方式の効率を向上して豊かな低音域を出す工夫だと考えられる。なお、ツインダクトではそれぞれの共振周波数にて2箇所で共振するのではなく、2倍のダクト断面積と等価の動作となる。つまりダクト数を増やすと共振周波数が上昇し、その分(比例ではない)ダクト長を延長しなければならない。また、共振効率は円形ダクトが最良であるが、LEGOでは実現困難なので正方形のダクトとする。
 高能率のトゥイーターとウーハーの能率を整合するために高音域のアッテネーターが必須となる。特にホーントゥイーターは高音域が強調されると考えられるので、聴く音楽によって調整したくなるだろう。バッフルパネルに設けた可変アッテネーターはぜひとも欲しい装備である。
 JBLと言えばブルーバッフル。これがやりたかった。ブルーのタイルブロックを用意したが、色調が明るすぎたのでダークブルーのタイルブロックを新たに用意しなおした。こだわりのバッフルパネルである。
 以上の検討から描いたデザイン図を図1に示す。左右対称なバッフルパネルにはあえてレトロな側面板のエッジを残したデザインである。
 

図1 デザイン検討図 図2 構造図
 
  3.構造設計

 今回のキーパーツであるホーントゥイーターにはホーンのデザインからPRV AudioのNEODT3000を採用した。 NEODT3000は25mmの小口径チタン振動板を採用し、出力音圧レベルが107dBと大変高い。ホーンの材質は樹脂製であるが、マグネットはネオジウムでインピーダンス8Ω、再生周波数帯域1,500〜20,000Hz、推奨クロスオーバー周波数は2,000Hzとなっている。(外観は写真9参照)
 ホーントゥイーターの取り付けは意外に簡単でLEGOブロックの10×7ピッチ(80mm×56mm)の角穴をバッフルパネルに開けておき、M4ボルトとワッシャー&ダブルナットで角穴の4隅で固定する。四角い形状でフランジも大きいので容易なのだ。奥行きは75mmとトゥイーターとしては大きい。上面がエンクロージャの天板と一致するように取り付け位置を調整した。
 ウーハーにはペーパーコーンの高能率モデルでコルゲーションのあるGRSの6PF-8ラミネートパルプコーン16cmウーハーを選択した。(写真8参照)
フレームはプレス鋼板製だが大型のマグネットはフェライトで、仕様はインピーダンス8Ω、出力音圧レベル87dB、周波数帯域70〜8,000Hz、最低共振周波数fo 82Hzとなっている。重量は1.2kgありさすがに重い。エッジの材質はウレタンフォーム製で経年変化が心配ではあるが、プレスフレームの外観がレトロな良い雰囲気を出している。取り付けにはバッフルパネルに150mm程度の丸穴が必要であるが、大きな穴はLEGOブロックでの調整が比較的簡単にできる。穴あきプレートブロックで取り付け穴位置を調整した。
 トゥイーターとの出力音圧レベル差が20dBあるので-20dBのアッテネーターが必要となる。せっかくの高能率トゥイーターがもったいないがしかたがない。これでも重いメタル振動板のウーハーよりは能率は高いのだ。また、アッテネーターの挿入により高音域の鮮度が低下する可能性があるが、これは検証してみるしかない。
 今回は初めて可変アッテネーターを採用する。FOSTEXのR80B(写真10参照)を選んだ。可変アッテネーターは単なる可変抵抗器ではなく、入出力インピーダンスの8Ωを保ったままで可変できる構造となっている。つまり、デバイディングネットワークの設計周波数に影響を与えずに減衰量のみを可変できる、優れたデバイスなのだ。利用できる電力も100Wと大きいのでサイズがかなり大きい。実は今回、取り付けにもっとも苦労したパーツである。専用のつまみとアルミパネルが同梱されているのも良い。アルミパネルは内側のスペーサーとして利用する。この可変アッテネーターはつまみ中央位置で-6dBとなるようである。そこで、トータル-20dBとなるように抵抗器による-14dBの固定アッテネーターをシリーズに接続する。
 以上のパーツ選定から構造図を図2のように描いた。形式はバスレフ方式なので、エンクロージャはシンプルな箱型で外形寸法W192mm H320mm D205mmであり、内寸はW160mm H288mm D180mmの8.3リットル、実効容積は約7リットルと見積もり、ツインのバスレフダクト開口面積20.5cm2からダクト長13cmでバスレフ共振周波数は約69Hzと計算した。ウーハーのfoより低めの設定であるが、このエンクロージャサイズならば70Hzは欲しいところである。なお、2本のバスレフダクトはエンクロージャ下部の2隅を利用して、くの字のダクトをバッフル面から挿入してダクトの長さ調整ができる構造となっている。

 
  4. 回路設計

 デバイディングネットワークの検討を行う。
まず、クロスオーバー周波数の設定であるが、ホーントゥイーターの推奨は2kHz、ウーハーは軽い振動板で8kHzまでレスポンスがある。JBLの4305H WXの仕様では4.5kHzと高めの設定であるが、今回はキーパーツのホーントゥイーターを重視して2.5kHzと低めに設定した。ホーントゥイーターの音を聴くモデルなのだ。
 回路方式は本格的な12dB/oct -6dBクロスネットワークを採用し、設計した計算値を図3に示す。
12dB/octのデバイディングネットワークではクロスオーバー周波数は-6dBでクロスし、フィルタのカットオフ設定周波数は-12dBポイントなので、ウーハーのLPF(ローパスフィルタ)とトゥイーターのHPF(ハイパスフィルタ)で異なったカットオフ周波数となる。
   ウーハー:fc 1889 Hz 12dB/oct LPF
     L = 0.95mH 部品値1.00mH
     C = 7.40uF 部品値7.50uF
   トゥイーター:fc 3283 Hz 12dB/oct HPF
     L = 0.54mH 部品値0.56mH
     C = 4.27uF 部品値4.30uF
計算値の部品は手に入らないので入手可能な値にまるめて再計算を行う。この誤差ならば問題ないだろう。デバイディングネットワークの回路は厳密に計算しても不安定要素(たとえばスピーカーユニットのインピーダンスは動的に変化している)が大きくあまり意味は無い。ウーハーとトゥイーターの位相はセオリーどおりの同相として、先に検討した固定アッテネーター-14dBを抵抗器6.8Ωと2.2Ωでトゥイーターに挿入する。可変アッテネーターは0〜-20dBなので総合アッテネーターは-14〜-34dBである。ホーントゥイーターがやかましかったら高音域の音圧を低めに調整できる。
 今回は可変アッテネーターの採用もあり、デバイディングネットワークの素子変更は行わない予定なので、一般の市販製品のようにすべての素子をエンクロージャ内部に納める。図4にリアパネル配置図を示すが、補強のための凸構造としたリアパネルの裏面凹部分にデバイディングネットワークの回路素子6個とターミナルを図のように配置し、穴あきプレートブロックによる取り付け穴は最小限の8箇所にした。インダクタンスには常用のPARC AUDIO製モールドコアコイルをフィルムコンデンサーにはdayton製を用いた。
37号機の基本仕様を以下に示す。

<37号機 基本仕様>
 ・ 形式:ホーントゥイーター搭載バスレフスピーカーシステム
 ・ 方式:2ウェイバスレフ方式、可変アッテネーター装備
 ・ 組み立て方法:ホリゾンタルタイプ(水平組み立て)
 ・ エンクロージャ方式:左右対称デザインブルーバッフル、ツインバスレフ型
 ・ 使用ユニット:トゥイーター PRV Audio NEODT3000 ホーンタイプ
          ウーハー GRS 6PF-8 16cmラミネートパルプコーン
 ・ 外形寸法:W192mm H320mm D205mm
 ・ 実効内容積:約7リットル
 ・ デバイディングネットワーク:12dB/oct -6dBクロスネットワーク
 ・ クロスオーバー周波数:2.5kHz
 ・ トゥイーター可変アッテネーター:-14dB〜-34dB
 ・ バスレフ共振周波数:69Hz
 ・ バスレフダクト長:13cm(ツイン、調整可能構造)
 ・ システムインピーダンス:8Ω

図3 回路図 図4 リアルパネル配置図
 
  5. 部品解説

 写真2に主要部品を示す。比較的大型モデルであるが、LEGOパーツはダクト2本を含めても5点と少ない。バスレフ型なのでフレームはただの枠である。
 写真3はその他の部品である。今回は本格的なデバイディングネットワーク回路の採用もありこちらのパーツは多い。左の黒い物体は吸音材である。これまでは吸音材には活性炭を良く利用していたが、バスレフ効果を引き出すために吸音は抑えてウレタンシートを軽く入れるだけにした。ウレタンシートと言っても、前回と同様に100円ショップのPCインナーケース利用である。
 内部配線ケーブルは可変アッテネーターの使用もあり量が多い。可変アッテネーターとの接続部分のみハンダ付けとして、その他は端子を用いた。
 デバイディングネットワーク素子は先に紹介したインダクタンス、フィルムコンデンサー、抵抗器が2種ずつと可変アッテネーターである。
 インシュレーターは常用のオーディオテクニカAT6089FT、ターミナルはこれも常用のコイズミ無線 RT-12(4)、他にボルト、ナット類である。

写真2 主要部品 写真3 その他の部品

 バッフルパネルを写真4に示す。最近はこのような樹脂モールドパネル状のバスタブ構造の一体型部品をデザインしているが、このメリットとしては補強柱がなくても強度がとりやすいことと、複雑なデザインを実現できることである。デメリットとしてはスピーカーユニットごとにモジュール化していないので、交換、調整が厄介であることだ。
 厚さはプレートブロック6枚分で19.2mm、2箇所の横方向補強リブと周囲エッジのバスタブ構造で大きな部品だが十分な強度がある。
   トゥイーターの取り付け部は単なる角穴であるが、裏面上端にネジ止め用のザグリがある。ウーハーの固定は4箇所のネジ穴で、2段の穴あきプレートブロックでできている。このプレートブロックの角と前面のタイルブロックのネジ穴部分が今回のブロック加工部分である。
 下部左右にはバスレフダクトの取り付け穴があり、前面2箇所の部分でダクト部品が固定される。前面から簡単に引き出してダクト長の調整が可能であるが、今回はエンクロージャの隅を利用しているので、ダクトはくの字型の部品であり、内容積の損失を抑えた形状だ。この中央には可変アッテネーターの固定部があるが、大きなアッテネーター部品と長いボリュームシャフトに合わせて最適にデザインした。
 この可変アッテネーター部分に37号機のエンブレムと可変アッテネーター用の「T LEVEL」と「MAX」のレタリングをゴールド文字で入れている。
 ブルーバッフルはダークブルーのタイルブロックで再現し、デザインとしてトゥイーター部分の周囲に黒タイルを敷き、左右の側板部分に1ピッチ8mm分のスロープタイルブロックを付けてレトロなエンクロージャエッジとバスレフダクトの四角形状を演出している。
 リアパネルを写真5に示す。大面積で強度を保つために中央部が2段となった凸構造として全体の厚さはプレートブロック6枚分の19.2mm、さらに中心とターミナル部分に横方向の補強リブを設けている。この構造で十分な強度が得られているので、バッフルパネルとつなぐ補強柱は用いていない。補強柱はかえって振動したり、複雑な振動モードが発生する場合もあり、一長一短である。
 ターミナル2個とデバイディングネットワーク素子を固定する8箇所の穴を穴あきプレートブロックで造っている。

写真4 バッフルパネル 写真5 リアパネル

 フレームは写真6に示すロの字型の枠で、ブロック17段で奥行き163.2mm。4箇所にバスレフダクトのガイドとなる構造が見える。
 バスレフダクトは写真7に示す、くの字形状で左右に挿入する2種類がある。ブロック13段と前面のタイルブロック、後端のプレートブロックで正確には13.1mmの長さ。内部に落とさないためと、振動防止の固定のためにバッフルパネルと前面2箇所で固定される。容易に前面から調整可能な構造としたが、試聴の結果、ダクト長は適正であると判断したのでこの設計時の長さで決定した。

写真6 フレーム 写真7 バスレフダクト

 ウーハーユニット6PF-8を写真8に示す。ペーパーコーンの16cmウーハーで、プレスフレームとコルゲーションがレトロ感を出している。直径100mmの大型フェライトマグネットが頼もしい。マグネットの中央にベントもあり、入念に設計された製品である。
 ホーントゥイーターNEODT3000を写真9に示す。樹脂製のホーンとチタンの振動板によるドライバーで構成される。正面からはジェットノズルのようなイコライザーが見える。この製品は正しくは突き出したホーン構造が左右になるように装着するものかも知れないが、私のイメージではホーンのデザインは横に広がって欲しいので、ネジ位置が横に来る配置としている。まあ、あまり影響はないだろう。

写真8 ウーハーユニット 写真9 ホーントゥイーターユニット

 可変アッテネーターのR80Bを写真10に示す。電力仕様のため外形が大きく、シャフトも長いので固定に苦労した。
 2つのスピーカーユニットとこの可変アッテネーター、2本のバスレフダクトでバッフルパネルはいっぱいであり、レイアウト調整に神経を使った。

写真10 可変アッテネーター
 
  6.製作過程

 まずはバッフルパネルにウーハーを固定する。M4ボルト&ダブルナットで強固に固定された。(写真11、12)
ウーハーユニットの端子は可変アッテネーターと干渉するので上方に向ける。写真ではわかりにくいがウーハー下部の横補強リブは一部ウーハーをまたぐ形となっており、ぎりぎりのレイアウト設計が伺える。

写真11 バッフルパネルとウーハー 写真12 ウーハーの固定

 トゥイーターユニットの固定を行う。先に、写真13にあるようにホーンの裏側の空間に粘土を詰めてダンプした。オリジナルではホーンをたたくとからからと軽い音がしたが、粘土ダンプは落ち着いた音となり、ホーンの重さも増加して効果的だ。私はこのような用途の粘土にはオーブンクレイという造形用のものを利用している。本来はオーブンで焼いて作品にするものだが、常温では比較的硬く固形化しており、こねるとやわらかくなり都合が良い。油粘土のように油脂が出たり、いやなにおいがしないのが気に入っている。
 写真14のようにM4ボルト&ダブルナットと大きなワッシャーで角穴の4隅で固定する。バッフル裏面のザクリが見えるが、トゥイーターユニットを上面ぎりぎりに固定するための工夫である。

写真13 バッフルパネルとトゥイーター 写真14 ホーントゥイーターの固定

 可変アッテネーターに配線ケーブルをハンダ付けしておく。(写真15)
付属のアルミパネルを裏面のスペーサーとして用いて、長いシャフト分の厚さのバッフルパネルをLEGOプレートブロックで確保して付属のナットで固定する。
 写真16に示すように、可変アッテネーターはこのスペースにぎりぎりのサイズである。エンクロージャ内面に接触して振動による異音を生じないように下面にフェルトシールを貼ってある。(細かな配慮がトラブル防止に重要なのだ)

写真15 可変アッテネーターの配線 写真16 バッフルパネル取り付け

 ここで可変アッテネーターのつまみとトゥイーターユニットまでの配線、ウーハーユニットの配線を済ませる。(写真17、18)
 組み上がったバッフルパネルをフレームに固定する。(写真19、20)
この固定は前面を上部から押し付けて強固に行うことができる。

写真17 バッフルパネルの配線 写真18 配線の様子
写真19 バッフルパネルとフレーム 写真20 フレームとの固定

 吸音材はこのように挿入する。(写真21)
吸音材が後で前面から入るバスレフダクトに干渉しない位置に配置している。

写真21 吸音材の挿入 写真22 リアパネルと搭載素子

 リアパネルにデバイディングネットワーク素子を固定する。(写真22)
図4のレイアウトに従い、素子間の3箇所の配線もリアパネル上で済ませる。大型のパーツを採用しているのでリアパネルの内面もいっぱいになった。(写真23)
 回路素子の固定ネジが配線端子も兼ねているので、信号ラインが裏面に露出していることになる。電気取締法的にはアウトであるが、ショートしないように気をつけて使用すれば問題はない。
 リアパネルを本体に配線接続してから固定する。バッフルパネルのように上から押し付けることはできないが、周辺を接合する作業なので容易に可能である。(写真24)

写真23 部品搭載したリアパネル 写真24 リアパネルの取り付け

 インシュレーターを両面テープで貼り付けてバスレフダクトを挿入して組み立て完了である。(写真25)

写真25 バスレフダクトの挿入

 組み立てが終了した37号機。大型ウーハーに迫力がある(写真26)。裏面はターミナルのみでシンプル(写真27)。
 上部エッジのディテールを写真28に示す。スロープタイルブロックでコーナーカットバッフルとしているが、あえて段差を設けてレトロなエッジ感を強調している。
 下部ディテールの写真29にバスレフダクトと可変アッテネータパネル部分を示す。このバスレフダクトはエンクロージャの隅と一体なのであるが、バッフルパネルのブルータイルブロックで四角形状の独立したバスレフポートを演出している。
 写真30にホーントゥイーター部分を示す。バッフルパネルを黒に色分けすることで小型のホーンを大きく見せている。ウーハーのコルゲーションも良い雰囲気だ。

写真26 組み上がった37号機 写真27 後面はシンプル
写真28 エッジのディテール 写真29 バスレフダクトディテール
写真30 ホーントゥイーターディテール 写真31 試聴の様子
 
  7. 試聴と評価

 早速試聴を行う。(写真31)
大型のバスレフモデルらしい豊かな低音域が心地よい。さすがに16cmウーハーは余裕がある。ツインダクトのバスレフも効いている。ダクトに手を近づけて見ると壮大にエアが噴出してくる。しかし、バスレフに助けられたクセのある低音域ではない。大型ウーハー(LEGOスピーカーとしてではあるが)の直接放射音が支配的な低音はスピード感もあり期待以上の良質な低音である。
 ホーントゥイーターの高音域は想像していたよりもソフトで驚いた。-20dBもアッテネートしたせいでキツさが薄れているのかもしれないが、可変アッテネーターを少なく調整してもこの傾向は変わらないので本質であろう。今まで、ホーントゥイーターの高音域はキツいと考えていたが誤りであった。やはり経験してみないとわからない事が多い。また、ホーントゥイーターらしさといったクセもあまり感じられない。音楽ソースはジャズやサックス曲などがベストマッチングであると想像したが、ソースによるマッチングは幅広く感じた。ホーントゥイーターNEODT3000の音調なのかもしれないが、この音ならばメタルドームのトゥイーターよりも好みである。
 可変アッテネーターはいろいろと調整してみたが、減衰量を弱めても高音域が強調されるだけでうるさくはならない。逆に減衰を強くすると物足りなく感じる。つまみ12時のポジションが最適であるが音楽によっては2時くらいでも良い感じだ。
 バスレフダクト長は結果的に調整はしていない。設計値の13cmで問題ない感じである。

 
  8. おわりに

 37号機はデザインを重視したJBLモニターのオマージュモデルとして計画したが、高い性能が評価され、現在では25号機(NS-10Mコピーモデル)に代わりメインスピーカーの1つとして活躍している。技術的には普通のバスレフ方式であるが基本に忠実な実用モデルとして評価したい。初めて採用したホーントゥイーターもクセのない有用なものであった。本当に実践してみないとわからないものである。
(2013.11.24)  

 
     


写真32 LEGOスピーカー37号機 スタイリッシュモデル第2弾

 
 
第26報 «  LEGOスピーカーの製作 » 番外編その4
 
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