ジャズ・オーディオの雑記帳
 by 6041のS
音楽の聞き方(2009.4.18)

 先日のオフ会の余韻も冷めて、夜もふけた頃に、まさに今、音楽を聞きながらパソコンに向かって雑記を書いている。かかっている音楽は「ランパル・モーツアルト」というタイトルのエラート製作のLPで、ディヴェルティメント第17番、フルート四重奏曲1番、4番、演奏はジャン=ピエール・ランパル(フルート)および新パスキエ弦楽三重奏団である。
 この演奏に深いいわれがあるわけではないが、こういう時間帯に、何かを考えながら聞く音楽としては、バッハやモーツァルトが好きだと言うことと、このLPが数日前に手に入れたものであると言うことである。
 こういうときに聞く音楽はオーディオを意識することはなく、単に右脳に心地よく響けば十分である。普段のぼくはこういう音楽の聞き方をすることが多いのである。
 でもこういう聞き方では、音楽の魅力の半分くらいしかとらえることが出来ないと思っている。やはり音楽から心地よさ以上の感動を得ようと思うと集中して聞くことも大切である。ぼくは音楽から感動をもらった体験を意外なところでしている。
 もう5年位前の事になるが、仕事でインドネシアに出張し、休日の買い物も終え、ジャカルタにある宿泊先のクラウンプラザ・ホテルの2階ロビーで一人のんびりと時間を過ごそうと、ソニーのウォークマンにCDを入れてイヤフォンで聞いていた。聞いていたのはハンス・クナッパーツブッシュ指揮・ミュンヘン・フィルによるブルックナーの交響曲第8番である。ソファーに身を沈め、窓越しに外の椰子が茂る庭をぼんやりと眺めながら、第1楽章の音楽を聞き始めた。イヤフォンで聞く音楽はとても間じかに響き、いつの間にか音楽に引き込まれていった。ブルックナーの描く広大な自然の描写の中に自分が溶け込まれていくようで、言いようのない感動がそこにはあった。
 こういう経験は以前にも一度あった。夜中にうるさくないようにと言う理由で、ヘッドフォンでベートーヴェンの弦楽四重奏曲第14番をアルバンベルクの演奏で聞いた時に、第1楽章の出だしから、これはベートーヴェンの祈りの声だと思ったのである。
 一方オフ会などでは、この人はどういう音を目指してオーディオを構成しているのか、弦の響き方はどんな風か、ピアノの音は、どんな音楽が好きなのか、といった方に興味の対象が移り、そういうことで得た情報を楽しんでいることが多い。右脳でなく左脳を働かせているのである。これでは感心する事はあっても、感動することはないのである。オーディオを楽しむ理由は色々あるが、好きな音楽を、好きな音で聞いて感動を得る、というのが目的とすると、どうもぼくは雑念が多いというか、オーディオを意識すると音楽が後ろに引っ込んでしまうようである。それでも両方楽しみたいのである。
 それにしても、イヤフォンやヘッドフォンで得られる感動が、スピーカーの前だと後退するのは困ったもんである。それだけまだ、ぼくのオーディオが未熟であると言う証拠のようである。当分あちこちとさまよわなければならないのか。


バッハの協奏曲(2009.4.20)

 1999年の秋に仕事でライプチッヒ市に滞在したことがある。ライプチッヒ市といえば、長らく東ドイツにあり訪れることもなく、ゲバントハウスオーケストラで知っていたくらいであった。ここはバッハが晩年をすごした聖トーマス教会があり、この一角にはライプチッヒ大学などもあり、学問の薫り高い町でもある。また中央広場では朝市も立ち素朴さを感じられるところでもあった。この当時は、ここを観光で訪れる日本人はほとんど見かけなかった。
 バッハの音楽が好きなぼくとしては、わずかな時間とはいえ聖トーマス教会を訪れて、バッハの足跡を見ることが出来たのは、印象深い思い出であった。生涯を通して敬虔なプロテスタントであったバッハは、素晴らしい宗教音楽を多く残したが、その中で1717年から23年にかけての6年間はケーテンのレオポルド公に仕えていた。この時期には教会と関係のない作品を多く作った。その中でもぼくの好きな作品が6曲のブランデンブルク協奏曲である。
 この6曲はそれぞれ異なった組み合わせの独奏楽器郡による合奏協奏曲である。
 第1番:ホルンとオーボエ
 第2番:トランペット、フルート、オーボエ、ヴァイオリン
 第3番:弦楽器のみの構成で独奏と合奏の区分なし
 第4番:2本のリコーダーとヴァイオリン
 第5番:フルート、ヴァイオリン、ハープシコード
 第6番:弦楽器のみの構成で独奏と合奏の区分なし
 この曲は、バロックから続く合奏協奏曲の集大成のような名曲であり、なかでも2番、3番、5番が好きである。特に5番のハープシコードの胸のすくような独奏は素晴らしいと思う。演奏者によってはピアノで演奏されることもあるが、やはりハープシコードの軽やかさがこの曲には合っていると思う。
 この曲を演奏しているLPで、ぼくの持っている8枚については2008.12.20の雑記帳に書いている。その後ヘルマン・ローデン指揮/プロ・ムジカ管弦楽団のもの(5番のみ)が入手でき、さらに1枚増えた。
 これ以外にバッハにはハープシコード協奏曲(全7曲)がある。この曲をハープシコードの演奏で全曲聞くのはきついと思っていた。良く聞くのは1番である。それ以外にはグールドがピアノで演奏する5番を良く聞く。グレン・グールドの演奏するバッハは本当に素晴らしいと思う。最近この曲集をマレイ・ペライヤがピアノで演奏するCDを聞いて、今までとは違った新鮮さを感じ、新しいバッハを発見した気持ちである。(7曲が2枚のCDに納められている)グールドの響きを抑えたスピード感のあるピアノも素晴らしいが、ペライヤの澄み切った、柔らかでクリアーなピアノの音色も大変魅力的である。ペライヤのピアノの魅力は実際の演奏を聴くとCDとは比べ物にならないほど素晴らしいと思う。


ぼくの野菜畑(2009.4.21)

 玉ねぎが順調に育っています。昨年の秋に玉ねぎを2畝植えました。1畝は1列植えで、黒マルチなしです。もう1畝は2列植えで黒マルチをかぶせました。現在の生育状況は写真にあるように、結果に大きな差が出ています。マルチをかぶせて育てた方がはるかに生育が良好です。4月からは肥料を止めているので、この差は縮まりません。

 原因ははっきりしていませんが、地温が異なるのと、肥料の雨の影響による効率の違いが出ているのではないかと思っています。早生の玉ねぎはそろそろ収穫が可能であり、玉ねぎ好きのぼくとしては、まだ少し小さいなと思いながら一部を収穫してしまいました。採れたての玉ねぎを、オニオンスライスにして食べると本当に美味しいと思います。
 3月に植えたジャガイモの芽が出てきました。昨年は植え巾が30㎝とやや狭かったので芽欠きの時に1本立ちとしました。そしたらジャンボなジャガイモになってしまいました。今年は植え巾を40㎝と少し広げたので、2~3本立ちとしています。

 ジャガイモは少し酸性の土壌の方が元気に育つので、苦土石灰のような中和剤は使いません。また生育期間も短いので有機肥料も使いません。適当なタイミングでの追肥と土寄せを行いながら、併せて病害虫の発生防止と駆除に神経を使っていきます。今写真に写っているのは、北あかりと言う品種です。これ以外に男爵とメイクイーンを植えています。ジャガイモもトマトやナスと同じナス科の植物です。連作しないようにする必要があります。出来たジャガイモはマッシュポテトや肉ジャガで食べます。ぼくはトロッとした男爵を使った肉ジャガが好きです。北あかりは今年初めて作ります。どんなことになるか楽しみです。
 もう一つ植えてあるのが越津ネギです。ネギは古いものを植えなおしてもしっかり育ちますが、やはり種から蒔いて育てた若いネギの方が美味しいと思います。このネギは15cm間隔で3本づつ植えています。ネギは乾燥には強いが湿気に弱いので、土を薄くかけてその上からワラをかけています。今は夏野菜の植え付け準備に入っています。


またまた買いましたクラシックのLP(2009.4.22)

 刈谷のリサイクルショップにクラシックのLPが30枚近く出ているよと言う情報を聞き、昨日、雨にもかかわらずその足で見に行きました。情報どおりありました。あれこれ見ていましたが、こういうものは一期一会であり、最後は迷わずに全部買ってきました。
 最初に紹介するのは、ドイツグラモフォンが出したカール・ベーム指揮のシリーズ物と思われるLPです。ジャケットのデザインも統一されています。
 ★モーツァルト/交響曲第25、26、27番/ベルリンフィル(1968)
 ★モーツァルト/交響曲第33、34番/ベルリンフィル(1968・1966)
 ★ベートーヴェン/交響曲第1番、第2番/ウィーンフィル(1972)
 ★ベートーヴェン/交響曲第4番/ウィーンフィル(1972)
 ★ベートーヴェン/交響曲第5番「運命」/ウィーンフィル(1970)
 ★ベートーヴェン/交響曲第6番「田園」/ウィーンフィル(1971)
 ★ベートーヴェン/交響曲第8、9番「合唱」/ウィーンフィル(2枚組)(1972・1970)
 ★シューベルト・シューマン/交響曲第5番、第4番/ウィーンフィル(1979・1978)
 ★ブラームス/交響曲第2番/ウィーンフィル(1975)
 ★ブラームス/交響曲第3番/ウィーンフィル(1975)
 ★ブラームス/交響曲第4番/ウィーンフィル(1975)
 ★チャイコフスキー/交響曲第5番/ロンドン交響楽団(1980)
 ★皇帝円舞曲/J・シュトラウス名演集/ウィーンフィル(1971)
 以上の13枚です。どういう経路でここにあったのか分かりませんが、すべて未使用盤のようです。
 ★モーツァルト/交響曲第38番/アーノンクール指揮・アムステルダム・コンセルトヘボウ(1981)ドイツ・テレフンケン社よりの直輸入盤(ダイレクロ・メタル・マスタリング)
 ★モーツァルト/交響曲第29番・30番/ベーム指揮・ウィーンフィル(1979・1980)
 ★ベートーヴェン/交響曲第3番「英雄」/ベーム指揮・ウィーンフィル(1972)
 ★モーツァルト/交響曲第40、41番/ベーム指揮・ベルリンフィル(1961・1962)
 ★チャイコフスキー/交響曲第6番/ウラジミール・フェドセーエフ指揮・モスクワ放送交響楽団(1981)メロディア
 ★マーラー/交響曲第2番「復活」/マゼール指揮・ウィーンフィル(1984)CBS-SONY
 ★マーラー/交響曲「大地の歌」/ジュリーニ指揮・ベルリンフィル(1984)
 ★チャイコフスキー/くるみ割り人形(全曲)/アンセルメ指揮・スイスロマンド
 ★チャイコフスキー/白鳥の湖(ハイライト)/アルギス・ジュライチス指揮・ボリショイ劇場管弦楽団(1983)メロディア
 ★ドヴォルザーク/スラブ舞曲集/アルフレード・ブレンデル、ヴァルター・クリーン(ピアノ連弾)(1960)
 ★雨だれ、子犬のワルツ/アラウ・ショパン・リサイタル(1973~1980)
 以上あわせて24枚のアルバムを買ってきました。こういう買い物は楽しいと思います。


中古LPの値段(2009.4.23)

 今からお話しする中古LPの値段と言うのは、レコードの専門店で売っているLPの値段ではありません。そういうところでは、市場価値を判断して500円くらいから極端に高いものでは50万円くらいまで値段が付いています。ぼくが言うのはリサイクルショップで売られている中古LPの値段です。専門店がマニア向けならば、リサイクルショップはLP好きの一般人が相手です。
 リサイクルショップのLPの値段のつけ方には二通りあります。一つは分野を問わず一律の1枚幾らという値段のつけ方で、100円から500円くらいまで店によって幅があります。多くのリサイクルショップはこういう方式です。もう一つはハードオフ系列の店で、ジャンク品と中古品にわけ、ジャンク品はアルバムにより10円から500円くらいまで値段が分けられています。中古品はこれもアルバムにより500円から3000円くらいに値段が分けられています。中古品はレコード専門店に近い値段です。
 ぼくが良く買うクラシックのLPは均一値段のリサイクルショップにも、ハードオフ系のジャンク品コーナーにも時々あり、新品のCDを1枚買う値段で20~30枚くらい買えることがあります。ジャズのLPはまずありません。あっても1枚か2枚が均一値段のリサイクルショップで見ることがあります。ハードオフ系では中古コーナーに行けばジャズもありますが、専門店と変わらない値段がついています。値段の動きからすると、ジャズを聞く人の方がクラシックを聞く人よりLPが好きなようです。
 ぼくがリサイクルショップに行ってLPを買うときは、ジャズなら1000円まで、クラシックなら500円までを目安にしています。100円以下ならあまり迷わずにまとめ買いをします。その確率が高いのがクラシックなのです。特に10円で手に入れたときには随分と得をした気分になれます。でも良いことばかりとは限りません。ジャケットと中身が異なっていたり、ひどいと中身がないこともありました。そうでなくても傷とかカビの多いものに当たることもあります。大げさに言えば悲喜交々です。だから面白いともいえますが。
 ジャズのLPについては、ジャズ喫茶グットベイトで委託販売しています。市販価格よりかなり安いと思っているので、ここで買うことが多い。ここにはマニアが持ち込むのでオリジナル盤も売られていることがある。
 LPレコードに関しては以上のような発想で買い物をしているので、好きな作曲家、好きな演奏、好きな曲、などに焦点を当てて収集するのではなく、持っていないものは、どんどん買い集めるという感じで手に入れています。それを片端から聞いて、ああだ、こうだ、といって何か新しい発見がないか楽しんでいます。CDとかネットのメディアに関しては、反対に焦点を決めて購入しています。後のやり方のほうが効率よく、より深い内容に掘り下げれますが、前のやり方のような、予期しない発見はなかなか出来ません。
 それではオーディオ的な良さはどうなんだ、と言うことになりますが、このテーマに関しては色々な意見があると思いますが、とりあえずは、LPもなかなか素晴らしく、楽しめますとだけ言っておきます。いつかもう少し整理したいと思っています。(ぼくの知っているオーディオの大家で、プリアンプを自作され、入力はフォノ入力しか付けていない人もいます)




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