ジャズ・オーディオの雑記帳
 by 6041のS
秋の野菜畑(2008.11.1)

 露地で野菜を栽培していると、それぞれの季節によって育つものが当然違ってきます。トマト、ナス、キュウリのような夏野菜が終わったあとに、種を蒔いて育てたぼくの秋の野菜畑を紹介します。写真は10月の20日に取ったものなので、今から10日前の状態です。
 一番左の写真は大根です。大根を育てる上で大切なことの一つは、元肥に堆肥を使用しないことです。堆肥を入れるとまっすぐな大根にならずに、分岐した大根になってしまいます。大根は葉のほうが栄養価が高いので、葉も捨てずに料理に使うと良いと思います。
 真ん中はほうれん草です。ほうれん草は野菜としては葉物ですが、大変太い根が出ます。今の時期はしっかりとした根を育てることが大切で、あわてて追肥をしないようにしています。甘いほうれん草にするには間引きをしっかりとして、冬の寒さに当てることです。ほうれん草の葉がタンポポのように横に広がった状態となって、霜に当たると大変甘くなります。
 右の写真は白菜です。白菜は今の時期に青々とした葉が元気良く太陽の日を浴びて栄養を蓄えると、寒くなる頃に大きな結球を作ります。今はネットを取ってありますが、大根も白菜も9月に種を蒔いた後は防虫ネットがかけてありました。そうしないと青虫やハスモンヨトウの餌場になってしまいます。


 つぎの写真は下仁田ネギです。これは今年の春に種を蒔いてここまで順調に育ってきました。ネギを植えるコツは、土をかぶせる時に根が隠れる程度に薄くかけることです。夏を越させてから、追肥と共に土寄せを始めます。ネギは乾燥には強いが、水には弱いからです。


 その次はキャベツです。キャベツはいつもモンシロチョウの幼虫の青虫の餌場になっていましたが、今年はごらんのように、防虫ネットに守られて伸び伸びと育っています。上手く行けば来年からたくさん作りたいと思います。


Basie・Jam(2008.11.2)

 昨日、Oさんを見舞いに行った。彼は末期がんの告知を受け余命いくばくもない状態にある。痛み止めが効いているのか、何とか話は出来たが、半分は意識が朦朧としていた。同年代の同僚がこんな形で最後を迎えようとしているのは、本当に切ない。
 そんな中で、今日聞いた音楽がカウント・ベイシーのJam Session At Montreux 1975というアルバムだ。カウント・ベイシーのピアノ、ニールス・ペデルセンのベース、ルイ・ベルソンのドラムというリズム陣に、ロイ・エルドリッジのトランペット、ジョニー・グリフィンのテナー、ミルト・ジャクソンのバイブというフロントラインでスイスのモントルージャズフェスティバルでのライブ録音である。

 ジャムセッションでは有るが、これはベイシーのサウンドだ。ペデルセンがここでは大変力強いウォーキングベースで演奏し、ルイ・ベルソンも良くスイングし、その中でベイシーが音を節約したピアノをはさむという、まるでオールアメリカンリズムセクションといわれるベイシーのレギュラーメンバーにも負けないくらい良くスイングしている。これをバックに3人のソロプレーヤーがブルース感覚あふれるアドリブを熱く演奏している。やはりカウント・ベイシーのいつもニコニコとした、ジャズ演奏を本当に楽しんでいるリーダーとしての姿勢が、ジャムセッションの演奏にもにじみ出ている。こんな良くスイングするホットな演奏の、音の中に身をおいてジャズを聴いていると、思わずハッピーな気持ちになってしまう。音楽に感動できる自分の状況があることに感謝しなくてはと思う。
 ベイシーのジャムセッションと名打ったアルバムは、ぼくの知っているのは5枚有る。
1. Basie Jam (1973)
2. Basie Jam #2 (1976)
3. Basie Jam #3
4. Basie Jam Session At Montreux 1975
5. Count Basie Jam Montreux '77

 ベイシーのジャムセッションにはトランペットではハリー・スィーツ・エディソン、クラーク・テリーなどが、テナーではエディー・ロックジョウ・デイビス、ズート・シムズなども参加しており、いずれもがコンボ編成でありながらまるでベイシー・バンドのように良くスイングして、楽しい演奏となっている。リラックスしてジャズを聴くには最上のアルバムである。


ぼくの使用している大型スピーカー(2008.11.3)

 ぼくの家は代々の農家であり、農作業のための作業場も兼ねて部屋だけはわりとある。今は使っていないのでぼくのオーディオの置き場となっている。音だけは聞いて見ないと実感がわかないので、特にスピーカーは中古で買っては聞いているうちに集まってしまった。時々は整理しているが、今は大型スピーカーが4セットある。


 ★JBLのWウーファーシステム
 ぼくが現在ジャズを聞くために使用しているメインシステム。ウーファーはJBL2226J(38cm)をダブルで立松音工のボックスにセットしたもの。ドライバーはJBLの2450H(2in)をJBL2395ホーン(Gold Plated)にセットしたもの。ツイーターはJBL075です。ネットワークはトーン・ファクトリーの特注品。このシステムはSUNVALLEY AUDIOの大橋さんから譲ってもらったシステムで、ツイーターを変更したものです。このシステムではビッグバンドジャズを余裕で鳴らすことが出来ます。

 ★アルテックの6041
 このスピーカーは、JBLのWウーファーシステムと同じ部屋に置いてあって、クラシックを聞くために使用しています。このスピーカーも大橋さんのところから嫁いできたものです。6041はメインの604-8H(同軸2ウェイ)にウーファーの416-8BSWとスーパーツイーターの6041Tを追加して構成したスピーカーです。620に上下を追加したわけですが、印象としてはゆったりとして、優しく、空気感のある音でJBLとは対象的です。

 ★アルテックのA7
 このスピーカーは説明するまでもないA7です。パソコンのある部屋に置いてあり、ぼくが雑記帳などを書きながら音楽を聞くのに使用しています。

 ★JBLの4344MkⅡ
 このスピーカーは、ぼくが本格的にジャズを聞く原点となったJBLの4343Bから2代目のスピーカーで、JBLで聞くヴァンゲルダー・サウンドが、ぼくがイメージするジャズサウンドです。

 この4つのスピーカーはいずれも現役で、いつでも音が出せるようにアンプとつながっています。


農薬について(2008.11.4)

 古い話になるが、大学時代に同じ下宿にいた仲間のK君の卒論研究が、γ-BHCの収率向上製法の研究というのであった。BHCには構造異性体が多く、その中で殺虫剤として効力があるのはγ-BHC構造体のみである。そこで彼はその製法の改善について実験を繰り返していたが、そのために彼にはBHC独特のにおいがいつもまとわり付いていた。しかしBHCは今では使用禁止となり、日本では使われていない。BHCは殺虫剤としては優れていたが、構造が安定で長いあいだ分解しないために、蓄積・濃縮が起こり健康に影響を与える恐れがあったからである。これはDDTなども同じであった。
 では現代の農薬はどういう設計となっているかというと、ある一定期間を経ると必ず分解して蓄積されないようになっている。分解のメカニズムは、①紫外線による分解、②雨や土中の水分による加水分解、③土中の微生物による分解、のいずれかの作用による。薬効と同時に安全性が確認されたものが、農林水産省登録の農薬となるのである。この農薬を安全に正しく使うためには、表に示したような農薬の使用基準というものが必ず添付されているので、これをきちんと守る必要がある。①適用作物名;ここに表示されて作物以外に使ってはならない。②適用害虫名、③希釈倍率、④使用液量、⑤使用時期;例えば、収穫7日前までなどと記されているのでこれを守る。⑥本剤の使用回数、⑦使用方法、⑧同系統の薬剤の総使用回数、などが決まっており、これを遵守する必要がある。

 農家は作物を栽培するときは、JAの発行する栽培暦などを参考にして、農作業を実施し、農薬散布についても記録を残し、適正な使い方を守っている。そして消費者に販売する前に、残留農薬の抜き取りチェックが行われ、安全性の確保に努めている。
 しかし、出来れば農薬の使用を減らす、減農薬栽培に努めることも大切である。減農薬を実施するには大きく分けて二つの考え方がある。一つは農薬に変わる防除の方法を検討する。二つ目は、病気や害虫の被害で外観が悪いだけの作物は気にせずに食べる。この二つ目の方法は、商品となると、一般的には商品価値が劣ってしまい、消費者の理解がないとなかなか難しい。ぼくのように自分で食べる、もしくは身近な人に食べてもらっている場合は、あまり気にする必要がないので、対応が簡単である。
 農薬に変わる防除の方法について、今年ぼくが試みたことを整理すると、1)ナスの周りにソルゴーという植物を植え、これに付いたアブラムシを食べに集まる天敵をおびき寄せて、ナスのアブラムシも食べさせる。2)さといもに偶然集まった蛙がハスモンヨトウを食べる。3)さといもの葉に付いた芋虫やハスモンヨトウの集団は毎日チェックし、発見したら手で取る。4)畑にマリーゴールドを植え、線虫の発生を防ぐ。5)秋の白菜やキャベツにネットをかけて、モンシロチョウを寄せ付けないようにして、青虫の被害を防ぐ。
 結果は、効果のあったもの、はっきりしないもの様々であるが、やはり農薬は減らせても、完全には、ゼロという訳には行かなかった。これ以外にもフェロモントラップや、生物農薬の使用などがあり、さらに工夫したいと思っている。


台湾故宮博物院(2008.11.11)

 7日から10日まで台湾へ観光旅行に出かけた。前の職場の仲間、7家族14人である。このメンバーは会社の永年勤続旅行でカナダにいったグループで、それ以降10年間交流が続いている。今では定年を迎えて仕事をやめた者、引き続き職場に残った者、他の会社に転職した者、色々であるが、夫婦で時々旅行に行ったりして楽しんでいる。台湾での旅行は、各地を観光したり、食事を楽しんだり、買い物したりであるが、やはり印象に残ったことの一つが、故宮博物院の見学である。

 解説書によると、故宮博物院はパリのルーブル、サンクトペテルブルクのエルミタージュ、ニューヨークのメトロポリタンとならんで世界4大博物館といわれ、その特徴は他の博物館と異なって中華の膨大な文物のみを収蔵展示していることである。中国では多くの王朝が栄え、滅びて行ったが、民族の遺産であるこれらの宝物が私物化されたり、消滅されることなく受け継がれていったのは、国権の移譲時には民族の遺産であるこれらの国財も移譲されるという中華の思想によるのである。そして日中戦争からこれらの宝物を守り抜いた中華民国政府が、大陸から台湾に撤退したのにともない、台湾に運び出されたのである。
 現地のガイドさんによる2時間に渡る熱心な説明を聞いていると、ここに展示してある一つ一つのものを本当に理解するには、中国の人々に根付いている価値観を理解する必要があることを感じる。例えば建物を建てるときには風水の考え方があり、鬼門には魔よけを飾るとか、もっとも有名なものの一つである翠玉白菜にはキリギリスとイナゴが彫られているがこれは子沢山を意味しているとか、豚は金運の象徴であるとかという事である。

 世界一高い(509.2m)ことで知られる台北101ビルは、竹をイメージしてデザインされ、8階毎に節となっており、8が重なったデザインとなっている。またシンボルマークの一つが、豚の口が雲にたなびくデザインとなっている。これも中国人の価値観がデザインに反映されているものの一つである。

 また買い物に立ち寄るお店の玄関や出入り口には、置物や飾り物が多く見受けられるが、その一つが辟邪と呼ばれる想像上の動物である。中国の皇帝の墓には、入り口に守護神として巨大な石の像が置かれているが、その一つが辟邪である。これは龍の顔、虎の体を持った有翼の創造動物で、邪悪なものを食べてしまうと信じられている。この動物の小型のものは、お守りとして今でも使われている。
 それにしても、今から3000年も前の、日本で言えば縄文時代に当たる、商代・西周時代・春秋戦国時代に作られた青銅器にも、その図案には辟邪に通じる動物の紋様が彫られ、また漢字による文字が刻まれている。これらを見ていると、中国という国の歴史の重みと、世界の文明の発祥地の一つという事実を肌で感じることが出来る。
 中国の歴史に興味のある人には、故宮博物院は歴史の宝庫である。




ページトップへ