ジャズ・オーディオの雑記帳
 by 6041のS
カートリッジの聴き較べ(2009.12.12)

 今度のオフ会は、SUNVALLEY AUDIOがターンテーブルSV-A1/2を発売したこともあって、アナログカートリッジの聴き較べをすることになった。そんなこともあって、手持ちのカートリッジを聴き比べて差が判るか、それぞれのカートリッジにどんな傾向が有るか検討をした。
 結果を整理すると、

1)MMカートリッジとMCカートリッジでは、音の傾向が違う。また同じ機構のカートリッジでもメーカーにより音の傾向が違う。

2)MMカートリッジはダイナミックでありながら、全体をつつみ込むような耳当たりの良い鳴り方をする傾向がある。MCカートリッジは細やかな音の輪郭を明確にした、切れ込みの良い傾向がある。

3)同じMMカートリッジでも、THE MMといったイメージのものからMCの音に近いものまでメーカーによって幅がある。今回聞いたカートリッジでは、205CⅡ>1012G>V15-Ⅳ>AT150MXL>F-9U>XL70の順に細やかな音の傾向にある。
(実際には、周波数のフラット性とかスピード感とか色々な要素があり、そんなに単純ではない)

 比較する上での留意点

1)どんな音源を使うかによって、差とか特徴の感じ方が変わってしまい、音の傾向をつかむ程度の評価しか出来ないのではないか。

2)同じように、再生装置との相性もあり、たまたま組み合わせた装置での評価であり、組み合わせが変われば評価も変わるだろう。

3)それでも特徴は把握できると思う。


 ぼくの好み
 ジャズを聞くにはMMカートリッジが良い。具体的にはテクニクス205CⅡ。クラシックを聴くにはMCカートリッジが良い。具体的にはオルトフォンSPU-GEかベンツマイクロACE-Mが良い。クラシックも聞き流すにはMMカートリッジのほうがリラックスできる。(ゴールドリングの1012Gあたりか)

 というのがぼくの好みだということが、改めて認識できました。それにしてもカートリッジを取り替えることにより、音楽の表情が千差万別に変化し、いろいろな発見が有りました。でも一方ではイコライザーやMCトランスにより音の表情が変わるので、自分の気に入ったカートリッジを徹底的にチューニングして性能を最も発揮できる条件をつかむことも大切なようである。
 音楽を聞くときに、オーディオ装置は、まず音の出口であるスピーカーを決めてその能力を発揮させることの出来るアンプを選択するというのが常道であるが、アナログではそれと同時に、音の入り口であるカートリッジを決めて、その能力を発揮させるトーンアーム、ターンテーブルを選択することが大切なようである。
 これだけ頭の整理をしたので、オフ会が楽しみである。


好きなベーシスト(2009.12.14)

 映画「ラウンドミッドナイト」の主人公の会話の中で、ヴォーカルを歌うときにはベースの音を聞いて唄うんだ、と言っていた。ベースはジャズの演奏の中で、リズムをキープしてスイングさせ、コード進行を決めている。ソロプレーヤーの演奏の陰で地味ではあるが、無くてはならない重要な存在である。ジャズを聞くときに、ベースがきちんと鳴るかどうかがスピーカーをチューニングするポイントである。
 そんな風に思い入れのあるベースであるので、色んなベーシストに関心を持ってジャズを聞いてきた。ベースと言っても色々あるが、基本的には力強いウォーキングベースが好みであり、オスカー・ペティフォード、ポール・チェンバースに代表される。それ以外にも音色の艶やかなチャック・イスラエル、歌心あふれるジョージ・ムラーツ、正統派のレイ・ブラウン、高音の得意なエディイ・ゴメス、ビル・エヴァンスとのインタープレイで名を成したスコット・ラファロ、等々多種多才なプレーヤーがおり、いつかはその人達一人一人の特長について書いてみたいと思うが、まだ聞き込みが足りないと思っているので、今回は名前と好きなアルバムを1枚か2枚挙げておく。
 ・Paul Chambers
 「ベース・オン・トップ」(1957)、「グルーヴィ」レッド・ガーランド
 ・Oscar Pettiford
 「プレイズ・デューク・エリントン」セロニアス・モンク
 ・Chuck Israels
 「サークル・ワルツ」ドン・フリードマン(1962)


 ・George Mraz
 「エクリプソ」トミー・フラナガン
 ・Ray Brown
 「スリー・ディメンショナル」(1991)、「ウイ・ゲット・リクエスト」など、オスカー・ピータソンとの一連のアルバム。
 ・Eddie Gomez
 「デディケイション」(1997)


 ・Scott LaFaro
 「ジプシー」ハーブ・ゲラー、「ワルツ・フォー・デビィ」などビル・エヴァンスとの一連のアルバム。
 ・Red Mitchell
 「プレゼンティング・レッド・ミッチェル」(1957)


 ・Niels Pedersen
 「ダブル・ベース」ペデルセン&サム・ジョーンズ(1976)
 ・Charles Mingus
 「直立猿人」(1956)、「マネー・ジャングル」デューク・エリントン
 ・George Tucker
 「アウト・ワード・バウンド」エリック・ドルフィー(1960)、「アス・スリー」ホレス・パーラン


 あらためてアルバムを並べてみると、良く知られたものばかりとなりましたが、それぞれのベーシストの名演を楽しめると思います。




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