ジャズ・オーディオの雑記帳
 by 6041のS
安い買い物の話(2010.10.5)

 友人から、安城のリサイクルショップで、クラシックのCDを1枚100円で売っているよと言われ、さっそく見に行きました。確かに有りました。CBS/SONYのThe Great Collection Of Classical CDセット物のばら売りでした。棚に置いてあった物の半分くらいを買ってきました。数えたら29枚ありました。

13 グリーグ ペール・ギュント サロネン
17 チゴイネルワイゼン ヴァイオリン名曲集 前橋汀子
22 ハイドン 交響曲「時計」「驚愕」 バーンスタイン
23 モーツァルト 交響曲35番「ハフナー」、36番「リンツ」 クーベリック
24 モーツァルト 交響曲38番「プラーハ」、39番 クーベリック
32 ベルリオーズ 幻想交響曲 バレンボイム
35 ブルックナー 交響曲第4番「ロマンティック」 クーベリック
37 ブラームス 交響曲第2番、第3番 セル
38 ブラームス 交響曲第4番、悲劇的序曲 ワルター
45 マーラー 交響曲第5番 マゼール
46 シベリウス 交響曲第2番、フィンランディア A・デイヴィス
48 ヘンデル 組曲「水上の音楽」、「王宮の花火の音楽」 マルゴワール
53 フランス音楽 管弦楽名曲集 バレンボイム
61 モーツァルト ピアノ協奏曲第21番、第27番 ペライア
62 モーツァルト ピアノ協奏曲第20番、第24番 ペライア
68 ブラームス ピアノ協奏曲第1番 ベルマン/ラインスドルフ
72 モーツァルト ヴァイオリン協奏曲第3番、第5番「トルコ風」 ズーカーマン
73 ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲 スターン/バレンボイム
76 シベリウス ヴァイオリン協奏曲 リン
78 モーツァルト フルート協奏曲 ランパル/メータ
82 バッハ ゴールドベルグ変奏曲 グールド
86 ベートーヴェン ピアノ・ソナタ名曲集Ⅱ ペライア
88 シューマン:幻想曲、シューベルト:さすらい人幻想曲 ペライア
89 パガニーニ カプリース(全24曲) 五島みどり
91 モーツァルト ヴァイオリンソナタ集 前橋汀子/エッシェンバッハ
92 モーツァルト 弦楽四重奏曲「狩」、「不協和音」 ウィーン・アルテス四重奏団
94 モーツァルト 弦楽五重奏曲第3番、第4番 ウィーン・アルテス四重奏団
96 ベートーヴェン 「スプリング」、「クロイツェル」 スターン
97 ベートーヴェン チェロソナタ第3番、第5番 ヨーヨー・マ/アックス

(表の数字はFCC50101から始まるCD番号の下2桁:13はFCC50113を表わす)


 ジャケットを見ると、LP時代に発売したThe Great Collection Of Classical Music100と同じシリーズのCD版のようで、各CDともに名画が使われています。但し半分くらいの演奏者とか指揮者は若返っているようです。
 さらにCDの棚を眺めていると、イタリアのAURA MUSICというところからミケランジェリの「THE SEVEN WONDERS」という7枚組のピアノ独奏曲集が出ていました。ショパン、シューマン、ベートーヴェン、ブラームス、ドビッシー、バッハなどの曲がライブで演奏されたもののようです。これも購入してしまいました。

 ということで、CDを36枚も一度に買い込んでしまいました。聞きたい名盤を安く買いたいという動機で、リサイクルショップ巡りをしているのだが、なんとなく集めるのが目的になっているようである。
 どの盤も著名な演奏者のものであるから、じっくり聞いて新しい発見があると嬉しいと思う。


前橋汀子のモーツァルト(2010.10.10)

 先日手に入れた、ソニーの名画シリーズのCDを何枚か聞きました。クーベリックのモーツァルトの交響曲のように、前からイメージがあり、その期待通りのものもあるが、ぼくにとっては思いがけない素晴らしい演奏に出会いました。それが前橋汀子(ヴァイオリン)、クリストフ・エッシェンバッハ(ピアノ)によるモーツァルト/ヴァイオリン・ソナタ集です。アルバムの写真は名画シリーズではなく、単品発売のものです。収録されている曲は以下による。
 1.ヴァイオリン・ソナタ 第24番ハ長調K.296
 2. 同   第25番ト長調K.301
 3. 同   第30番ニ長調K.306
 4. 同   第42番イ長調K.526
 まず初めの第24番ハ長調、モーツァルトが22歳の時に、7歳年下の弟子のために書いたものである。モーツァルトのヴァイオリン・ソナタの中でも、特に明るく清新さにあふれた曲である。
 第1楽章の出だしから、前橋のヴァイオリンは、少し細身の音色でエッジが立って、スピード感があり、しかも情熱的である。明るく、清新なモーツァルトの曲調のイメージにぴったりとはまる。しかもエッシェンバッハのピアノが、音色も膨らまずにスピード感があり、前橋の演奏にぴったりと同期している。確かに個性的ではあるが、ぼくの好きな演奏である。この曲だけをCDプレーヤーのリピートで何回も何回も聞いてしまった。
 モーツァルトのヴァイオリン・ソナタは、グリュミオーとハスキルの組み合わせを好んで聞いていた。何といってもグリュミオーの美音に耳が行ってしまうのだ。最近ではムターとオーキスの演奏を聞いている。ムターのヴァイオリンは、ふくよかにとてもよく歌い、好きな演奏である。しかし前橋の演奏には両者にはない22歳のモーツァルトがいるように感じる。


 ぼくが前橋汀子のヴァイオリンとであったのは、「亜麻色の髪の乙女」というタイトルのヴァイオリン独奏曲の入ったLPが発売された時である。購入の動機は、このSONYが出したアルバムは大変録音がよく、オーディオチェックに使えるという評判からであった。確かにそうであったが、同時にその情熱的な演奏も好きになった。そこで、このアルバムよりも先に発売された「チゴイネルワイゼン」というタイトルの、オーケストラと共演したアルバムを、これもLPで購入した。サン=サーンスの序奏とロンド・カプリチオーソは今でも音のチェックに使っている。
 そんなわけで、前橋汀子といえばヴァイオリンの小品曲を演奏させたら素晴らしい、というイメージが勝手にぼくの頭に出来上がっていたのである。しかし今回偶然に、彼女のモーツァルトを入手し、その素晴らしさに感動したのである。勝手な思い込みは損をする典型であった。今回入手したCDの中に「チゴイネルワイゼン:ヴァイオリン名曲集」という前橋汀子のアルバムが有ったが、これは上記2枚のLPからの代表曲のカップリング盤であり、これも当然気に入っている。




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