ジャズ・オーディオの雑記帳
 by 6041のS
ディア・オールド・ストックホルム(2010.12.1)

 ジャズで演奏される「枯葉」とか「朝日のように爽やかに」といった、多くのスタンダード曲の中に、それぞれの人が自分の好きな1曲があると思う。そんな中に「Dear Old Stckholm;懐かしのストックホルム」というぼくの好きな曲があります。
 「懐かしのストックホルム」は「Ack Varmeland Du Skona;麗しのヴェルムランド」というスウェーデン民謡をもとに、1951年にスウェーデンに演奏旅行に行ったスタン・ゲッツが演奏に取り上げて以降、多くのジャズメンが演奏するようになりました。以下ぼくの持っているアルバムです。

・The Sound / Stan Getz
ゲッツがスウェーデンの演奏家と録音した最初のディア・オールド・ストックホルムです。

・Bud Powell In Paris / Bud Powell
1曲目、ドネルの鋭いステックによるシンバルワークが目立つハウハイザムーンが終わると、一転してブラシワークに変わり、パウエルのメロディアスなディア・オールド・ストックホルムが始まる。

・Round About Midnight / Miles Davis
マイルスもこのディア・オールド・ストックホルムを何回か録音しており、聞き比べも興味あるところです。

・Bass On Top / Paul Chambers
このアルバムを聞くときに最初にかけるのがこの曲です。

・Byrd In Paris / Donald Byrd
幻といわれていたアルバムを新星堂が企画したものを偶然手にいれる。

・Landscape / Kenny Barron
バロンの異色のアルバムで、日本人好みの企画。荒城の月、リンゴ追分までもが入っている。

 最近では、ビーナスレコードよりエディ・ヒギンズのピアノトリオによるディア・オールド・ストックホルムも出ているようです。


最近入手した音楽に関する中古本(2010.12.5)

 時々中古の本屋を巡るのは、ぼくの生活の一部になっているが、そんな中で入手した音楽に関する5冊の本を紹介する。

・ジャズ魂 杉田宏樹 プリズム
・JAZZ徒然草 原田和典 プリズム

 以上の2冊はプリズム・ペーパーバックスシリーズとして発売されたもののうちの2冊である。これ以外に「証言で綴るジャズ24の真実」小川隆夫、「超入門ボブ・ディラン」中山康樹、「Jimi-Hen.BON」武田淳一、「白熱MILES鼎談」後藤雅洋ほか、などが出版されている。
 杉田宏樹の「ジャズ魂」は以前「21世紀に伝えたいジャズの名盤250」として2000年に発売されたもののリメイクで、絶版になっていたものを復活させたもので、作者の視点で選んだジャズの名盤を紹介したものである。
 原田和典の「JAZZ徒然草」はディスクユニオンのネット上に紹介されたブログを、編集しなおして本にしたもので、ぼくはジャズ批評時代から原田のジャズに対する博識にはすごいと思っていたが、ここに紹介されたジャズメンはとてもユニークで大いに参考になると思う。
・毒血と薔薇‐コルトレーンに捧ぐ 平岡正明 国書刊行会
 平岡正明の特異なジャズ論集である。彼の多方面にわたる博識をちりばめた、引用と比喩を用いた独特の文体は、読み手をあちこちに迷わすこともあり、なれないと大変であるが、引き込まれるとなかなか面白いと思う。
・ベートーヴェン戦いの軌跡 井上和雄 音楽之友社
 これはベートーヴェンの16曲の弦楽四重奏曲を軸に、これらの曲の書かれた背景を探りながら、ベートーヴェンの生涯を綴ったものである。中身は人であることの不条理、悲しみや怒りに満ちている。
・モーツァルト‐遊びの真実 高橋英郎 音楽之友社
 モーツァルトについての深い造詣を持った著者の、モーツァルトの宗教曲、オペラを中心とした作品や演奏家、評論について多面的に語ったものである。
 すべての本に対して半分くらい拾い読みしたところであるが、丁寧にすべてを読むというより、必要な時に拾い読みすることになるだろう。


ジャズに対する新たなブログの紹介(2010.12.14)

「Original-jazzville/jojoのブログ」

http://blog.livedoor.jp/jojo1950/archives/2010-12.html#20101210


 今になって、私が知っているjazzの色々なことを少しずつ思い出すまま書いてゆきます。

2010年12月02日

泣きのArt Pepper
 1960年日本公開されたラナルド・マクドゥーガル監督ジョージ・ペパード、レスリー・キャロン主演のMGM映画「地下街の住人」で使われたアンドレ・プレビン音楽監督のサウンド・トラック盤でテーマ曲として使われている「Why Are We Afraid?」は映画冒頭ストリングス・オーケストラをバックにアート・ペッパーとジェリー・マリガンが吹いている。映画の中で何度も出てくる哀愁を帯びた旋律である。ペッパーは1978年のインタビューで自分自身好きな自分のアルバムとして最初に答えている「ゲッティン・トゥゲザー」(コンテンポラリー)の中で、この曲を演奏している。これが絶品である。まさに「泣きのペッパー」である。このLPにはバラードが、もう1曲「ダイアン」演奏されているが、これも、その前に吹き込まれたタンパの「アート・ペッパー・カルテット」(ベサメムーチョで有名)での演奏より、私は好きだ。タンパ盤は意外とアッサリしている。因みに、映画の方は映画館では見ておらず、30年以上前にTVで放映された吹き替え版を当時、ソニーのベータマックスで録画し、現在DVDにコピーしたものを持っているが、89分のものが75分にカットされていて、マリガン、ファーマー・カルテットの演奏シーンは見られるが、カーメン・マクレーの「コーヒー・タイム」の場面は残念ながらカットされている。
 
 以上の文章は、かつて大阪の老舗ジャズ喫茶「jojo」のマスターが、この12月から書き始めたジャズに関するブログの第1回の内容である。
 Jojoのマスターは残念ながらジャズ喫茶は廃業されてしまいましたが、ジャズに対する情熱は今でも変わらず、特にウエストコースト系のジャズに対しては一段と造詣が深いようです。それは上記の文章を読んでいただければすぐに理解できると思います。
 ぼくは本人と面識が有るわけではないが、大阪から機会があって名古屋の方に来られると、ジャズ喫茶「グッド・ベイト」に立ち寄って行かれるので、グッド・ベイトのマスターから教えてもらったのである。
 ぼくも、もともとアート・ペッパーとかスタン・ゲッツは好きな演奏家なので、jojoのマスターが書かれる様な文章に出会うと、もう一回LPを聞き直してみようという気になるのである。そこでここに紹介してみようと思ったのである。




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