ジャズ・オーディオの雑記帳
 by 6041のS
アル&ズート(2011.9.21)

 台風15号の影響で、朝から断続的に強い雨が降っている。風もだんだんと強さを増し、こちらに向かってくるようである。僕の栽培しているナスとかサトイモ、最近芽が出てきたダイコンやハクサイにも被害が出そうであるが、じたばたしてもしょうがない。こんな日は外出を控えて、家で音楽でも聞いて過ごそうと思う。
 ウッディ・ハーマン楽団の4ブラザーズといえば、スタン・ゲッツ(ts)、ズート・シムズ(ts)、ハービー・スチュワート(ts)、サージ・チャロフ(bs)をさす。途中からハービー・スチュワートに変わりアル・コーン(ts)が参加する。この4人に共通の特徴は、50年代のハード・バップ全盛の中で、レスター・ヤングの影響を受けた軽やかなスイングするスタイルである。この4人の中でズート・シムズとアル・コーンはたいへん気が合ったようで、2テナーでバンドを組んでの作品を残している。二人とも太くて柔らかく、温かい音色の持ち主で、スウィング感も抜群である。二人の演奏はいわゆるテナーバトル的な演奏とは全く異なり、良く歌う、掛け合い的な楽しさに溢れたものである。
 僕は4ブラザーズの中では、スタン・ゲッツを良く聞く。(ボサノバの演奏はほとんど聞かない)そして、それと同じくらいに良く聞くのがズート・シムズである。ズートを聞いていると、アル・コーンとの2テナーの作品もいつの間にか聞くようになる。そんな風にしてアル・コーンを聞いていたのである。今ぼくの手元には4枚の2テナーのCDがある。

・Al and Zoot / Coral 1957
1曲目のIt's A Wonderful Worldからして、リラックスした楽しいジャズである。

・A Night at The Half Note / BN 1959
ここでのLover Come Back To Meは絶品である。

・You 'N Me / Mercury 1960
You'd Be So Nice To Come Home Toが聞き所。

・Body & Soul / MUSE 1973
EmilyからBrazilian Medleyにかけての演奏がリラックスして聞ける。

 こうして僕はアル・コーンのテナーを楽しんでいったのだが、どちらかというとズートを聞くついでが多かった。しかし最近はアル・コーン単独の演奏も結構楽しんでいる。良く聞くのは、Play It Now/Xanadu1975というアルバムである。You're My Everything、Lover、Georgia on Mindなどといった名曲が演奏されている。ピアノのバリー・ハリスがやはり素晴らしい。


「日本の印象」デイヴ・ブルーベック(2011.9.23)

 ジャズを聞くならライブハウスのかぶりつきで、クラシックを聞くならコンサートホールのS席で聞こえるような音で、などといった願望がありスピーカーを選んだり、アンプを選んだりする。そんな中でさらに音をチューニング出来ないかと、アンプの真空管を色々なメーカー品をとっかえ、ひっかえ聞いて見たり、カップリングコンデンサーを替えて聞き比べたり、アナログであればカートリッジを選択したり、ケーブルを替えてみたりと皆さんそれぞれ努力なさっていると思います。ぼくも多少は経験があります。こういったことはあまり真剣になると、それ自体が目的化してしまい、きりがなくなり本末転倒になる事があります。僕は程々に楽しんでいます。
 この楽しみとは別に、最近は音源の違いによる音の違いにも関心を持っています。こういうとジャズを聞く場合はオリジナル盤にこだわるのかと思われますが、もちろん多くの場合オリジナル盤の音は素晴らしいと思うものが多いわけですが、必ずしもそれにこだわらずに色々確認しています。1番多く持っているのがDave BrubeckのTime Outというアルバム(Take Fiveという曲の入ったもの)で5枚あります。モノラルのオリジナル盤(CL1397)、アメリカ再発盤(8192)、日本コロンビア盤(YS214)、日本CBS SONY盤(SONP50129、SOPM150)の5枚です。これ以外に、同じ音源のベスト盤が2枚あり、この7枚でTake Fiveを聞き比べると全部音が違うのが分ります。時々聞き較べを楽しんでいます。

 これとは別に最近、同じBrubeckのJazz Impressions of Japan(日本の印象)というアルバムのオリジナル盤(CS9012)を入手しました。これは日本で発売された紙ジャケのCD(SRCS9367)を持っていましたが、音の違いという興味から手に入れました。
 このアルバムは、Brubeckが初来日した時に、あれこれと日本で受けた印象を基に作曲し1枚のアルバムにまとめたジャズでは珍しいアルバムです。作曲の動機について本人が解説しているのでその一部を紹介します。
 ・TOKYO TRAFFIC:日本に飛行機で到着した後、そのまま車でコンサート会場に直行する事になり、そのときの東京の交通の印象を作曲したもの。ドラなどが入り中国風でもある。
 ・RISING SUN:東京のホテルから眺めた初めての日の出の印象。
 ・FUJIYAMA:名古屋に向かう飛行機から見えた富士山の威厳に感嘆し、この山に登る巡礼をイメージして作曲。牧歌的で雄大である。
 ・THE CITY IS CRYING:京都で市内見物した後、ホテルでうたた寝をしていて、突然雷で起こされた。雨に濡れる街をみて、街が泣いていると思い、その印象を作曲。
 ・OSAKA BLUES:京都とは対照的な大阪の活気にショックを受け、その経験を作曲。
 ・KOTO SONG:京都で二人の女性が琴をデリケートに演奏するのを聞いて浮んだブルース。
 こんな風に解説されると、Brubeckはどんな作曲をしたのだろうかと興味がわいてきます。ではこれの音はどうでしょうか。オリジナル盤は中音に厚みのあるかまぼこ型であり、CDは上下に音の伸びたハイファイであるが、アルテックのスピーカーで聞くと断然オリジナル盤のほうが、音楽が生きている。しかし不思議なことにJBLではCDもなかなか良い。075ツイータのシンバル音は不思議な魅力がある。


9月の雑事覚書(2011.9.25)

 9月11日(日)に四日市のK籐さんご夫妻が、我が家のオーディオを聞きに来られ、それにあわせてSUNVALLEY AUDIOの大橋さん、グッド・ベイトのマスター、友人のW松さんにも集まっていただきました。その様子は大橋さんの日記(店長日記は終了致しました)K籐さんのブログに書かれています。このときに僕が出しておいたシングル盤にK籐さんの奥様が興味を持たれ、中森明菜を久しぶりに聞くことになりました。
 これがきっかけで、一体何枚のシングル盤を持っているのか、歌手と曲名をパソコンに登録して整理することにしました。結果は、日本の女性歌手で223枚、男性歌手で142枚、デュエットで22枚になり合計で387枚になりました。またこの外にダブりが30枚ありました。これ以外に海外の歌手、クラシック、ジャズなどの未整理の物がまだ300枚くらいはありそうです。これも整理をするとダブりがありそうです。ダブり8%というのは多いか少ないか!
 
 3ヶ月くらい顔を出してなかったブックオフに行きました。低価格のコーナーを隅から隅まで見て廻りました。その中で司馬遼太郎全集が出ていたが買うのを止めました。この全集は10年位前に名古屋の鶴舞にある古本屋で見つけて買いたかったが、高かったので止めた経験がある。10年経つと興味のほうが薄れてしまった。彼の小説を書く視点が歴史学者の様で、僕にはしっくりと来なくなったのである。それでも気が付くと5冊ばかりの本を手に取っていた。
 ・銀河宇宙オデッセイ 1.太陽系からの旅立ち、NHK出版
 ・銀河宇宙オデッセイ 2.超新星爆発、NHK出版
 ・宇宙はささやく 佐治春夫著、PHP研究所
 宇宙に関しては、暗黒物質、暗黒エネルギー、統一場の理論、ひも理論、時間とは、などなど興味のつきない事が一杯あり、こういう本につい手を出してしまう。本とは直接関係ないが、オリオン座のペテルギウスが今まさに寿命を終えようとしていて、これが超新星爆発を起こすと、今までになく太陽系に近いところでの爆発となり、その影響が色々と言われている。
 ・学問のすすめ 梅原 猛著、佼成出版
 ・小説 秦の始皇帝 津本 陽、角川春樹事務所
 梅原さんの本は名前とは異なり、本人の学問的自伝書といってよいもの。
 
 敬老の日が近づいてくると、当自治区では、75歳以上の方にお祝いとしてメロンとお菓子を配っている。約1200世帯の自治区の中に該当する方が380人くらい見える。これを自治区の役員が手分けして配るわけで、僕も相棒と二人で80人くらいを担当して廻った。なるべくお会いして一言お祝いを述べて配るわけであるが、各家庭で色々な対応がある。家族の方が出て見えて、訪問の理由を言うと、該当するお年寄りに"お祝いに来てくれたよ!"と声をかけるところ。体が不自由で寝ている方。一人暮らしでテレビをいる方。夫婦とも元気で、いかにも話し好きな方。まだ現役で工場を経営している方。本当に千差万別であるが、総じて元気な方が多いのは嬉しいことである。こういう姿を見ると、まだまだ元気で働く意欲のある方も多いように思える。こういう方に、本人が望むなら働く場を提供するような事が、日本のためにも必要ではないかと感じた。
 
 
 ジャズ喫茶「グッド・ベイト」に持ち込まれて、売りに出されているジャズのLPの値段も安いものがある。国内盤であれば500円均一というのもある。またそれとは別にオリジナル盤も比較的安価に売られている。但しオリジナル盤の場合は、自分の許容できる範囲のやつれであるか見極める必要がある。そんな中でぼくの買ったLPを紹介する。
 1)Jazz Impressions of Japan / Dave Brubeck / COLUMBIA-CS9012 オリジナル盤
 2)TIME OUT / Dave Brubeck / COLUMBIA-8192 米国再発盤
 3)julie / JULIE LONDON / LIBERTY-LRP3096 オリジナル盤
 4)HODGES & HINES SWING'S OUR THING / JOHNNY HODGES / VERVE V6-8732 オリジナル盤かセカンド盤
 5)ALAMODE / ART BLAKEY / impulse! SH3013 ペラジャケ国内盤
 6)SONNY STITT with JAY JAY JOHNSON / PRESTIGE LP7024 国内盤
 7)DIAL J. J. 5 / J. J. Johnson / CBS-SONY 20AP1819 k国内盤
 8)LOU DONALDSON SEXTET vol.2 / BLUE NOTE 5055 10インチ国内盤
 1)と2)は23日の雑記帳に紹介したもの。3)と4)も音は素晴らしい。5)のブレーキーはインパルスへの唯一の録音で珍しい。8)はブルーノートの10インチ盤を国内でプレスしたもので、なかなか音も良い。




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