ジャズ・オーディオの雑記帳
 by 6041のS
スター・クロスト・ラヴァーズ(2011.10.25)

 村上春樹が書いた自伝的小説「国境の南・太陽の西」を読むと、ジャズが場面・場面に登場する。そのなかで、大学を卒業してサラリーマンを経験したのちジャズバーを経営する主人公が、バーに顔を出すとハウスピアニストが静かに演奏するのが、デューク・エリントンとビリー・ストレイホーンの共作によるスター・クロスト・ラヴァーズという曲である。この曲はSuch Sweet Thunderという組曲の中の1曲であるが、作者はこれをとても印象的な場面で使っているのである。丁度映画カサブランカのAs Time Goes Byという曲のように。

 当時、僕はこの曲のピアノ演奏があるか探してみたが、なかなか見つける事が出来なかった。そんな時にVenus Recordより発売されたのが、「国境の南・太陽の西」というクロード・ウィリアムソン・トリオのアルバムである。取り上げられている曲は、この小説に出てくるスタンダード曲である。1)国境の南、2)スター・クロスト・ラヴァーズ、3)ロビン・ネスト、4)エンブレイサブル・ユー、5)プリテンド、6)コルコバード、7)時のたつまま、8)太陽の西(この曲は小説には出てこない。ウイリアムソンのオリジナルである)僕はこのCDを持ってアメリカ旅行に出かけた記憶がある。機内でこれを聞いて時を過ごしたのだ。
 そんな思い出のあるスター・クロスト・ラヴァーズであるが、今回これをヴォーカルで歌っているCDを偶然発見し、記憶がよみがえったのである。そのアルバムは、Lilian Terry Meets Tommy Flanagan - A Dream Comes Trueというものである。Lilian Terryがこのアルバムを制作したいきさつについては、ジャズピアニストの寺井尚之さんの奥さんである珠重さんのブログ、"ジャズクラブの片隅から"INTERLUDE by寺井珠重の2008年7月25日の記事に詳しく紹介されている。

 それによると、イタリアのジャズフェスティバルの後の晩餐会で、トミーと一緒したリリアンが、エラの伴奏をしていたあなたのピアノをバックに歌うのは私の夢である。といい、どんな歌を歌いたいというトミーの質問に対し、色々挙げた後で特別な歌として、スター・クロスト・ラヴァーズを挙げ、トミーもストレイホーンの作曲したこの曲が大好きである。などと意気投合し共演が実現した、と紹介されている。寺井珠重さんはこの話を、リリアンに直接手紙をもらって聞いたそうである。記事のタイトルに"Star-Crossed Loversが運んだ幸運の星:Lilian Terry"と書いてあります。"Star-Crossed Lovers"というのは、不幸な星めぐりで、添い遂げることの出来ない恋人達、と言う様な意味で、なかなか考えたタイトルとなっています。
 珠重さんのブログを拝見すると、ジャズに対して並外れた造詣をお持ちで、ぼくのような素人などは足元にも及ばないような素晴らしい紹介記事を書いてみえます。ジャズに興味のある方は是非、珠重さんのブログをお読みになることをお勧めします。ピアニストの寺井尚之さん共々トミー・フラナガンの大ファンのようで、この関係の記事もたいへん充実しています。最近の話としては、ベーシストのジョージ・ムラーツが怪我をして当面ベースが弾けないので、彼の使っていたベースを希望者にお譲りします。と言う様な募集記事も珠重さんのブログに紹介されています。以上、ぼくのスター・クロスト・ラヴァーズにまつわる一寸したお話でした。


パソコンの更新騒動(2011.10.30)

 僕が雑記帳を書いて、SUNVALLEY AUDIOさんのClub SUNVALLEYに載せてもらっているやりとりには、パソコンのワードで記事を書いて、メールで送付しています。それ以外にもパソコンとの付き合いは長いのですが、現在の機器は2002年に購入したもので、使い始めて9年になります。従来は音楽ソフトとCDの作成がデータの大きいものでしたが、今は画像も見るし、DVDも作成します。また9年も使っているとゴミもたまり、インターネットもエクスプローラーを使うと極端に遅くなり、グーグルクロムに変更してしのいでいます。・・・等々色々とパソコンを買い換えたい理由が出て来て、買い換えようか、それともWindows XPが打ち切られるまでは使おうかと、ここ数ヶ月迷っていました。
 一方、今年の4月より、地元の農地・水保全管理活動の事務を担当するようになり、その事務処理にパソコンを使っています。Windows VistaとOffice2007の組み合わせです。特にOffice2007の操作がOffice2002と大きく変わっています。機能は同じようでもよりVisualは操作に替わり、慣れないうちは随分途惑いました。
 ということでパソコンを買い換えることに決めました。今まではNECとかFujitsuといった大手メーカーの仕様の中から選んでいましたが、たまたま息子がグッドウィルのオリジナルパソコンに数ヶ月前に買い換えました。そのほうが随分割安ということが理由です。我が家に先人がいるということで同じ事をすることに決めました。主な仕様は次のようなものです。
 ・CPU: Core i7 2600(3.4GHz)
 ・OS: Windows7 Home Premium 64bit
 ・HDD: 1TB
 ・Video Card: GeForce GTX560 1GB
 ・光学ドライブ:Blu-rayドライブ
 ・モニター:23インチ LG Super LED E2341
 ・ソフト:Office Home and Business 2010

 ハード的なことは良く理解できていないのですが、息子に言わせると僕が使うには随分とオーバースペックではないかということです。今までの中級パソコンを買う予算で買えたので選定したのですが。
 喜び勇んで買って帰ってパソコンを立ち上げようとしたのですが、いきなり立ち往生です。今までだとこんなに必要ないというくらい、分厚い取扱説明書が付いていたのですが、この手のパソコンはペラペラの紙が数枚程度。LGのモニターに至っては英語の紙のみ。Officeも自分でインストールする必要があります。Video Cardの意味も分っていません。現在のパソコンで必要な情報をネットで調べて、ああでもない・こうでもないと悩んでいましたが、結局出かけていた息子を携帯で呼び出して助けを求める始末です。分っていればなんでもないことでも、未経験の分野となるとさっぱり!
 夜になって、やっとここまで来ればあとは一人で何とかなるというところまで来ました。考えようによっては、またひとつ新しい未知の分野に足を踏み入れる事ができたかも知れません。とは言っても、従来のパソコンで言えばスイッチを入れてソフトを立ち上げる事が出来る状態ですので、メールの接続やデータの移管はこれからです。まだしばらくは根気仕事が続きそうです。といいながら一時中断してこれを書いています。パソコンを買い換える時は良く知っているアドバイザーが必要です!




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