ジャズ・オーディオの雑記帳
 by 6041のS
お伊勢さん参り(2012.3.25)

 22日~23日にかけてお伊勢さん参りに出かけました。愛知県神社庁・碧海支部主催のツァーで、参加メンバーは神社に関係のある方々です。ぼくが突然参加することになったのは、親戚に突然いけなくなった人がいて、替わりに参加することになりました。したがって誰も知人もいない中に、一人でポツンとしかも泊りでどうなることやらでした。
 団体の大きさは、バス8台を連ね、総勢350人を超す大所帯です。1日目は愛知県の津島神社、三重県の椿大神社、そして伊勢神宮(外宮)の参拝です。2日目は伊勢神宮(内宮)と岐阜県のお千代保稲荷の参拝です。出かけてみると、神社の関係者の参拝ですので、一部の神社では昇殿参拝となります。それぞれの神社の由来を聞いたり、お祓いを受け、お神楽を見て、祝詞奏上、玉串奉奠などが行われ、それなりに時間がかかり昼食を除くとこれだけで、これ以外の観光はなしです。
 出かける前は、今まで経験したことのない未知の分野を体験できるという興味よりも、知らない人と積極的に行こうとしたところでないところへ出かける気の重さの方が勝っていましたが、経験してみるとなかなかぼくの日常とはかけ離れたことが経験できて面白かったと思っています。
 2日間バスの中でぼくと席を同じくした方が、大変神社の作法に詳しく、色々と教えていただきました。・神社に参拝するときは、鳥居の前で一度立ち止まり、軽く礼をする。・柄杓で手と口を漱ぐときの手順。・座布団への座り方。・礼の仕方(頭を下げるのではなく、腰を低くする)・玉串の持ち方(特に根元を手前にしたときに軽く止めて、神様に感謝を込める)などなど、作法の心を解説してもらいました。
 また誰も知った人はいないと思っていましたが、勤めていた会社の先輩に二人もお会いしました。皆さん神社の総代として地域のために活躍され、しばし昔話に花が咲きました。また親戚筋にあたる方も見えておられ、意外でした。ホテルでの夕食は、350人が一堂に会し、これも今まで経験したことのない圧巻でした。
 伊勢神宮内宮の神楽殿で、太鼓のリズムに乗って、低音部の笙と高音部の篳篥の音に合わせてゆったりと謡う声のハーモニーのおおらかさを聞きながら、音楽に乗って優雅に舞う巫女さんの姿を見ていると、何となく古代の神話の時代に自分がいるような不思議な感覚を体験しました。
 食べ物では、伊勢では、ごく一般的に伊勢うどん、赤福などを食し、お千代保稲荷では串カツを食してきました。また元中日ドラゴンズの4番バッター、大豊のお店「大豊ちゃん」で焼売を買ってきました。本人もお店で汗を流しながら、一生懸命働いていました。
 近頃にない貴重な体験をした2日間でした。


中古レコードの功罪(2012.3.30)

 今年に入ってからの3か月で、すでに100枚近くの中古レコードを購入してしまった。売りに出された中古レコードを見ていて、掘り出し物を探し当てたときは本当に楽しく、ついつい買ってしまうのである。しかし困ったことがある。入手したレコードが多いと、すべてのものを全部聞いていないのだ。もちろん特に気に入ったものは裏表すべて聞くのだが、多くは片面聞いて分かったつもりで済ませてしまう。これははずれだと思うものは1曲聞いて終わりにしてしまう。また次から次へと購入すると、気に入ったものでもなかなか反復して聞く時間が取れない。冷静に考えれば、せっかくレコードを入手しても、その演奏の良さを発見できないでいるものや、時間が経つと聞いたことを思いだせないレコードが増えてきているのである。
 新品のCDやネットでのMP3ジャズを購入するときは、どちらかというと、その時々で興味を持ったミュージシャンに焦点を当てて、何枚かまとめて購入し、対象とする演奏家の生い立ちや、共演者、取り上げる曲目の傾向、演奏のスタイル、などと言ったその人のイメージを作り上げて、繰り返し演奏を聴いていると、頭にしっかりと入るのである。時には演奏者ごとのディスコグラフィまで作ったりしている。
 ところが中古レコードの場合は、今そこにあるものとの出会いが"一期一会"という感じなので、これを入手するか、しないかの判断を瞬時にすることになる。何かを購入の判断として決めてしまう。では、ぼくが何を判断基準にしているかというのは、いろいろあるがその一部を列挙すると、
 ・RVGまたはVan Gelderの刻印のあるルディ・ヴァン・ゲルダー録音のオリジナル盤は注目。
 ・Count Basie、Charlie Parkerなど好きな演奏者のLPは、持っていないものは注目。
 ・オルガン演奏などのコテコテ・ジャズは買おうという気持ちが強い。
 ・音が良いと言われるデイブ・ブルーベックなどのオリジナル盤も注目。
 ・キイノート、モードと言った注目されるシリーズものに注目。
 ・BNのレコードはどれも注目。
 などなど、こんなことを並べ立てて書いても仕方ないが、要するに購入する理由を探して、少しでも見つかれば、懐と相談して買ってしまうのである。
 もう一つの買い方として、ちょっと前には、最近のしかもあまり聞いたことのない演奏者のCDを、直接タワー・レコードなどに出かけて、曲目とかジャケットのつくりなどを基準にして購入し、まだ誰もあまり知らない、なかなか良い演奏者を発見すると一人ほくそ笑んだりしていたが、これははずれのリスクが多いので止めてしまった。
 どんな方法でも、熱心にレコードやCDを数多く聞いていれば、時間が経ってみると、今までと違った多くの経験ができるので、方法論にはこだわらずに、好きなやり方でやればよいと思っている。
 最近入手のヴァンゲルダー録音のオリジナル盤を紹介します。
 ・Gravy Train / Lou Donaldso / BN 4079
 ・The Stylings Of Silver / Horace Silver / BN 1562
 ・Doin' The Thing / Horace Silver / BN 84076
 ・Plays Fats Waller / Jimmy Smith / BN 4100
 ・Rough'n Tumble / Stanley Turrentine / BN 84240
 ・Miles Davis and The Modern Jazz Giants / Prestige 7150

当分中古レコードの購入は止められない!


残念な「キット屋店主日記」の中止(2012.3.31)

 本日をもって、キット屋の創業以来10年続いた店主日記が中止となりました。大橋さんの予告以来多くの方々が、中止を惜しむメールを寄せられており、その一部が日記に掲載されましたが、まったくその通りだと思う。
 日記を通して率直に語りかける大橋店主の日記を読み、単なる製品を買うのではなく、そこに共感と信頼を寄せ、キット屋のファンとなったユーザーは数多く、キット屋がここまで成長したことに対する貢献は非常に大きいと思います。
 しかし、多いときは1日に5万件を超えるリスナーをカウントするほど影響力が大きくなると、大橋さんが率直に語りかける魅力的内容が、時には諸刃の剣となったのではないかと推察します。大橋さんが決断されたように、終わりをもって新たな前進の第一歩とされることを望みます。
 ぼくのようなものが、改めて意見を言わなくても良いとは思いますが、雑記帳を発表する場を提供していただいていますので、感謝をこめて少し書きます。
 今までのやり方を変えて、改めて新たな第一歩を踏み出すという事は、大変なエネルギーのいることだと思いますが、"寄せ書き"に寄せられた多くの皆さんのエールを背中に背負えば、今まで培った信頼が付いてくると思えば、大いに勇気づけられると思います。
 新たな目標を大きく持ち、しかし実行は一歩一歩着実にステップアップすることを望みます。階段を一気に駆け上がるとこけてしまいます。
 今や真空管アンプのキットに関心を持つ者は、大橋さんの名前を知らない人は少ないと言われるほど影響力を持っています。そうなってくると、すべてが好意的な人ばかりでなく、中には非好意的な意見もあると思います。反対意見を聞けるというのは、中には自分のやり方を飛躍させるヒントが含まれる場合もあるので、冷静にチェックされると良いと思います。
 率直に言って、どちらかというとこれまで大橋さんの個人商店のようなイメージの強かったキット屋が、組織の力を結集した一回り大きくなったキット屋となって飛躍することを期待しています。




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