ジャズ・オーディオの雑記帳
 by 6041のS
播種の仕方で発芽率が大きく変動する(2013.11.8)

 冬取り野菜にどんなものがあるかというと、代表はハクサイ、キャベツ、ダイコン、ブロッコリー、カリフラワー、ニンジン、ホウレンソウ、カブなどが挙げられる。
 これらのうち、ハクサイ、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワーなどは種まき用の土を用いてポットに播種をして、一定の大きさに成長したのちに畑に定植をする。自分で種まきをしなくても季節になれば苗を売っているので、それを購入して定植しても良い。しかしダイコン、ニンジン、ホウレンソウ、カブなどは直接畑に種まきをする必要がある。
 ところが直接畑に種まきすると、安定的に発芽させようと思うと技術を要する。まったくの素人が種まきをすると、ダイコンは比較的発芽するが、条件によってはニンジン、ホウレンソウなどはまったく発芽しないことがある。
 発芽の条件を教科書的に整理すると、種子の内的条件と外的条件がある。内的条件とは、種子の熟度、休眠からの打破、寿命などを考慮する必要がある。外的条件としては、温度、水分、酸素濃度、光などがある。特に種子の光に対する反応を区分すると、
 好光性種子:キャベツ、レタス、ゴボウ、シュンギク、ニンジン、セルリ、ミツバ、シソ
 嫌光性種子:ダイコン、ナス、トマト、トウガラシ、ウリ科のものすべて、ネギ、タマネギ、ニラ
 中性種子 :ホウレンソウ、フダンソウ、マメ科のものすべて
 好光性の種子は播種時に土を薄くかける必要があるし、嫌光性の種子は光の通らない厚さに土をかける必要がある。
 温度についても、ウリ科の種子は露地で4月に播種すると発芽率が大変悪いが、5月になればほとんど発芽する。水分についてもホウレンソウなどは、発芽までは十分な水やりが必要であるが、その後はコントロールが必要である。これらのことは野菜の生育について書かれた教科書ならば、解説されているので参照すると良い。
 しかし、これらの基本に忠実であればうまくいくかというと、ポットに播種する場合は大抵うまくいくが、畑に直播の場合は必ずしもうまくいかないことがある。
 畑に播種したのちに、それぞれの種子にあった必要最小限の覆土をするわけであるが、必ずその後土を圧着する必要がある。それでないと水をやるときに種子が流れ出したり、発根が上手くいかなかったりするからである。
 しかし、畑の土に少し粘土質が含まれていて、雨上がりの土が水分を含んだ状態で播種すると、圧着により土が締まり、日干し煉瓦のような状態になることがある。いったんこうなると後でいくら水を与えてもほとんど発芽しない。こういう時は、覆土に種まき用の土を使うなどの工夫がいるが、この土は乾燥しやすいので水分管理を工夫する必要がある。
 こういう事の判断は、やはり長年の経験が物をいう世界である。


“悠々自適”には程遠く(2013.11.28)

 SUNVALLEY AUDIOの大橋店主とお話していたはずみで、大橋さんのラジオ番組「ようこそオーディオルーム!」の11月放送分にゲスト出演させてもらうことになった。10月の末に収録が行われ、11月になって放送されたのだが、それを聞いたわが妻にたしなめられた。放送の冒頭で、“会社を退職し、今は悠々自適に・・・・”などと言ってしまい、言葉の使い方を間違っているというのである。“悠々自適”などという言葉を使わずに“多少のんびりと”くらいにしておけというのだ。言われてみると、確かにそんなに優雅な生活をしているわけでもなく、悠々自適という言葉が持っている、世間の煩わしさから逃れて、のんびりと生活できているわけでもないのである。
 会社生活から離れたときには、好きな野菜つくりと、読書・音楽とオーディオ、そして妻とちょっとした小旅行などをして、これからはストレスのない生活をしよう。などと思い描いたが、野菜つくりと、読書・音楽とオーディオについては多少なりとも実現したが、妻との小旅行となるとほとんど実現していなくて(ゼロではないが)申し訳なく思っている。それよりも待ち構えていたように地域の少しは役に立て、といろいろ厄介な役を持ち込まれたりして毎日が忙しい。現実にはスケジュール手帳を手放せなく、不本意な生活をしているのである。
 少し前の新聞のコラムを読んでいたら、自分とは考えの同じ人は少なく、したがって人生の中で自分の思うようになることはまれで、思うようにならないことが多く、そうした中でどう前向きに生きていくのかが大切であり、それで成長もできる。と言ったようなことが書かれていた。そう思うといつまでたっても、一つ一つ困難を乗り越えるしか方法はなく、それによって自分はまだ成長できると思うしか方法はないのだろう。
 と、まぁ随分と長い前置きを述べたが、今は少し時間があり、久しぶりに読書をしている。何を読んでいるかというと、「LPレコードに潜む謎」山口克巳著、誠文堂新光社、2011年発行という本である。この人には「LPレコード再発見」「LPレコード新発見」という一連のシリーズともいえる本が発行されているようであるが、今回手に入れたのはそのなかで最新刊の物である。
 デザイナーとしてドイツ・シャルプラッテンのジャケットデザインにもかかわった著者が、LPレコードにまつわる様々な出来事を、業界にかかわった人でないと知らないような内容で書き綴ったもので、ぼくのように今でもLPレコードを聞く物にとっては興味の尽きない面白い内容である。
 そんな話の一つとして、デッカ録音の1975年のウィリー・ボスコフスキー指揮、ウィーン・フィルによるニュー・イヤー・コンサートのオーストリア国内用の盤を聞いたところ、英デッカ盤と違って、場内でざわめく聴衆のどよめきが伝わってくる録音となっている、つまり「演奏」だけでなく、「録音された聴衆」が入っているというのである。このように同じ音源を使っていても制作された国で、お国訛りが出るというのである。79年のニュー・イヤーは英デッカの初デジタルで少し華やかな録音となってるが、その後のEMIの録音では落ち着いた音になっているが、少しだんご気味である、などと述べている。
 こういう話を聞くと、ぼくは著者のように各国で製作された盤は持っていないが、それでもボスコフスキーの指揮するウィンナワルツは10枚くらい有り、さらにクレメンス・クラウスの指揮するウィーン・フィルによるウィンナワルツも数枚持っているので、著者のような視点で再度聞き直してみようという気になるのである。
 ただ、それをすぐに始めるほどには時間が自由にないのである!


中古レコード雑感(2013.12.5)

 レコード収集の考え方にもいろいろあるが、ぼくの場合は安い国内盤でも良いからとにかくたくさん集める・数をそろえるようにしている。その方が色々な演奏を聴けるチャンスが増えるからである。特にクラシックのLPはそういうチャンスが多いので、声をかけられると安ければ、なるべく引き取るようにしている。
 先日も中古レコード店が廃業すると言うので、50枚ばかりクラシックのレコードを譲ってもらった。手にしたときは、ビニールカバーが煤けて・うす汚れていてゴミのような感じがしたが、ビニルカバーを全部はがしてみると、ピカピカのジャケットが出てきて、レコードも新品同様であった。それも多くは見開きジャケットの豪華盤であった。演奏については好みもあるので、すべてが良しというわけではないが、商品としてみた場合はすべてミントである。
 そして今日グッドベイトのマスターから電話があり、ぼくも知っているS木さんがクラシックのLPを安く譲ってくれるから来ないかと連絡してくれた。さっそくいそいそと出かけ、60枚強のクラシックとおまけで30枚程度のポピュラーのLPを入手した。これは個人で所有していたコレクションを処分する中で、その一部を格安に譲ってもらったのである。
 入手した、この個人のコレクションを眺めていて気付いたことがある。どれほど何回か聞いていたのか、どのジャケットも見事にやつれている。変色などはないが、ジャケットの縁が見事にすり減って、インクが取れて紙がむき出しになっているのである。しかし、その割にはレコードそのものの傷は少ない。だけどスピンドルでついたひげが、長年にわたって、何回か再生されたことを物語っている。やはり音楽好きな人が所有していたのだろう。
 60枚強のクラシックのコレクションの中では、PHILIPSのイ・ムジチ合奏団の演奏が9枚もあり、好きだったことが伺える。ぼくもこの合奏団の明るい音色の演奏は好きである。以下がそのリストである。
 ・ヴィバルディ・パイロット/PL-1001
 ・ヴィバルディ・四季/X-5515
 ・愛のアダージョ・アルビノーニ名曲集/X-5519
 ・ヴィバルディ・バスーン協奏曲集/X-7528
 ・ヴィバルディ・ヴァイオリン・ソナタ集より/X-7680
 ・ヴェラチーニ・ヴァイオリン・ソナタ選集/X-7742
 ・ヴィバルディ・ヴァイオリン・ソナタより/X-8504
 ・ヴィバルディ・ヴァイオリン協奏曲集「海の嵐」/SFX-7712
 ・モーツァルト・ディヴェルティメント/SFX-8604
 多分半分くらいは、すでに所有していると思うが、チェックする必要がある。
 次に特徴的なことは、ソヴィエト当時のメロディアのLPがこれも10枚ばかりはいっている。そのうちの2枚はUSSRからの輸入盤である。ロシア好きの人でもあったのか。内容はダヴィット・オイストラフの演奏もあるが、ロシア民謡などが多い。
 まだ全部を詳細に見ていないが、ぼくが気に入ったLPを3枚紹介しておく。
 ・バッハ・無伴奏ヴァイオリンパルティータ2番、ソナタ3番/チョン・キョンファ/LONDON
 ・モーツァルト・弦楽5重奏曲第7番/ウィーン・コンツェルトハウス/Westminster
 ・モーツァルト・ピアノソナタ6番、7番、8番/グレン・グールド/CBS-SONY






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