ジャズ・オーディオの雑記帳
 by 6041のS
雑草取りは畑仕事の基本(2014.8.20)

 雑草取りは畑仕事の基本、こんな言葉は改めて言うまでもなく、野菜を作っている人ならば誰でも知っている言葉です。では基本に忠実であるかというと、残念ながら知っていることと、実行することは別のことであり、何か理由があると雑草取りが後回しになってしまい、結果が出てから後悔するという事が度々あります。ぼくも例外なく、今年になって雑草取りを怠ってバカな失敗をしてしまいました。以下にお話しすることは、自分の戒めとして記録するものです。
 サトイモの畑の話です。サトイモ畑の数列が雑草を取りきれないうちにお盆休みがやってきました。放置したままお盆休みが過ぎてみると、その部分だけ写真のように雑草がどうしようもないほどはびこり、今まで順調に育ったサトイモの葉が、水不足で枯れてしまい、また新しく出た葉ほど小さく萎縮していました。水は切らさないようにしていたのですが、雑草のはびこっているところは、雑草に水を取られイモが負けてしまっていました。また追肥しても雑草に養分を取られて、追肥の効果がなく葉が大きく育たないのです。休み明けにあわてて雑草取りを実施しましたが、時すでに遅しで、大きく挽回することは期待できません。先輩のサトイモ畑では、写真のようにほとんど雑草もなくサトイモが伸び伸びと育っています。先輩のやっているところを見ていると、色々と工夫して雑草対策をしています。
 ・植え付け時に黒のビニールマルチを使用しますが、土寄せしてもマルチが短くならないように、余裕を持った幅のマルチを使う。
 ・通路は管理機が通る幅を確保し、通路の雑草は管理機で処理する。
 ・肩の雑草は手で鍬を使って取るが、雑草が1センチくらいの大きさの時に処理する。
 などなど、雑草を生えさせない、生えたら取りやすいやり方を考えて、タイミング良く実行する。結果としてそうすれば、目立つ雑草になってから気がついて、あわてて大変な手間をかけて雑草取りを実施し、その割に野菜のダメージが大きい、という事が避けられる。
 頭では色々分かっていても、これが確実に実行できなければ、プロとしての野菜作り一人前とは言えないだろう。言い訳なしで自戒しなければならない。


ピアニスト・霜浦陽子さんの紹介(2014.8.24)

 8月23日(土)に知立で、第13回リリオ・カミングコンサートというのが開催され、午前の部を聴きに行ってきました。このコンサートはプロとアマが入り混じって、一人15分程度の発表会を行なう、と言った形式のコンサートで、中には聞いていて微笑ましくて、頑張れと声をかけたくなるような演奏から、プロとして本当に素晴らしいものまで、非常に幅の広いコンサートでした。
 中でも、ピアノ曲の演奏が多く、リリオに備え付けられたスタインウェイのコンサート・グランドで皆さん演奏するのですが、アマの音とプロの鳴らす音はこうもちがうのかと、歴然と判別できるのには本当に驚きました。音程が正確で、量感豊かな音がする、というのは基本であるとして、明るい音、暗い音、軽い音、重い音と曲想に合わせて、表情豊かにピアノの音色が変化するのです。そして音が団子にならず、一音一音のデティールが大変クリヤーに聞こえます。
 誰をイメージしてこんなことを書いているのかというと、ショパンの幻想曲ヘ短調 作品49を演奏された霜浦陽子さんの演奏を思い出しながら書いています。ショパンのたった一つの幻想曲で、彼の数多いピアノ曲の中でも最高傑作のひとつに数えられているもので、非常にドラマチックな曲想で、ぼくの好きな曲です。ぼくが手持ちで聞いているのは、ルービンシュタインの端正な演奏、バレンボイムのドラマチックな演奏、アラウの堂々とした演奏、などですが、陽子さんの演奏も端正な感じの非常に表情豊かな演奏で、13分を超える演奏時間があっという間に過ぎ、もっともっと聞いていたいと思いました。
 霜浦陽子さんのプロフィールを、パンフレットより引用して紹介すると「神戸市出身。4歳よりピアノを始め、横浜フェリス女学院中学校在学中の1983年に渡英。・ロンドンのパーセル音楽院卒業後、ギルドホール音楽大学ソロ演奏家コース専攻。1989年、コンサート・リサイタル・ディプロマに最優秀の成績で合格。ヨーロッパ・ヤマハ・音楽教育振興財団の奨学金を受け、ミュンヘンのネイガウス・アカデミーにて研鑽を積む。在学中、ヨーロッパ各地で演奏活動を行う。イタリアのマルサラ国際コンクール、パルマ・ドーロ国際コンクール、ベッリーニ国際コンクール、パリのクロード・カーン国際コンクールに入賞。1993年に帰国、東京青山にてリサイタルを行う。1996年に再び渡欧、ポーランドのヨーロピアン・モーツァルト・アカデミーで室内楽を専攻。ワルシャワ、プラハなど東欧各地の音楽祭に参加。これまでに、宗施月子、ベンジャミン・カプラン、ニーナ・セレダ、アンジェイ・エステルハージ、ヴェラ・ゴルノスタエヴァ、スヴェトラ・プロティッチの各氏に師事。ソロ、声楽伴奏、室内楽、協奏曲ソリストと幅広い演奏活動の他、レッスン通訳も行う。ヤマハマスタークラス講師を経て、現在は昭和音楽大学非常勤講師として、ピアノアートアカデミーで後進の指導にもあたっている。2003年より知立市在住」という事であります。
 今年のいままでの主な活躍は、
 ・2014年ニューイヤー・コンサート(横浜)
  モーツァルト、ピアノ協奏曲第17番
 ・6月25日 宗次ホール・ランチタイムコンサート
  ショパンへのオマージュ
 ・6月28日 汐留ベヒシュタインサロン
  ジョイントリサイタル
 ・7月12日 メープルけやき トワイライトコンサート
  Trio de neiro(サックス、ヴァイオリン、ピアノ)
 ・8月20日 芦屋サロンクラシック
  シャーンドル・ヤヴォルカイ・ヴァイオリン・リサイタル
 ・8月23日、24日 リリオ・カミング・コンサート
 今度の予定として
 ・10月5日 岡崎コロネット・リレーコンサート
  霜浦陽子ピアノ名曲リサイタル(バッハ・平均律クラヴィーア曲集第1巻第1番プレリュード、ベートーヴェン・ピアノソナタ悲愴、ショパン・幻想即興曲、ノクターン第2番、幻想曲)

 縁あって、知立市に在住されていますが、横浜とか神戸に比べて知立での活躍の場が少ないように思います。素晴らしいピアニストだと思いますので、ぼくも応援したいと思いますが、地元の皆さんの温かい応援も期待したいと思います。


クラシックレコード選定の楽しみ(2014.8.30)

 9月に入ると、著名なオーディオの達人のお宅に訪問させていただくことが決まりました。せっかくの訪問ですので、ぼくが家で聞いているクラシックのLPより何枚かを持参して行きたいと思いつきました。ぼくはどちらかというと、こういう時は訪問させていただいた方から聞かせていただく音楽の方が楽しみなのですが、今回は初めてではないので、時間があれば持参したLPもかけていただこうと思いついたのです。但し、こういう時には、こういうLPをかけてもらうというレパートリーを決めているわけではないので、改めて何が良いか選定を始めました。
 こういう動機があると、結構真剣になれるもので、なんという曲を選ぶか。演奏する人は誰を選ぶか。あまり同じようなレーベルに偏らないようにしたい。オーディオ的にも良いものにしたいなどと、あれこれ聞き比べていると、数日をかけて楽しむことが出来ました。結果を紹介したいと思います。
 まず交響曲を2曲選びました。そのうちの1曲はマーラーの交響曲第2番復活です。これは7月に、小林研一郎指揮/名古屋フィルハーモニーの演奏を聴き、コバケンの情熱的でスケールを大きい演奏が印象的でずっと耳に残っているので、その感動を味わいたいと思っているからです。この曲の誰の演奏を選ぶかは比較的悩まずに決めました。バーンスタイン指揮/ニューヨークフィルの63年9月録音のCBS・SONY盤です。バーンスタインは47年9月に初めてマーラーを取り上げたときの曲が復活であり、63年11月、ケネディ大統領暗殺の翌々日、追悼のために演奏したのも復活だし、彼にとっては、復活は特別な曲のようである。試聴したのは第1楽章である。
 次に選んだのは、ブルックナーである。彼の交響曲では7番・8番が最近ぼくの良く聞く曲であるが、今回は第4番ロマンティックを取り上げた。この曲はぼくがブルックナーのLPを初めて自分で買って聞いた曲である。その時のLPは、ヘルベルト・ブロムシュテット指揮/ドレスデン・シュターツカペレの81年9月録音のデンオン/デジタル録音レコード発売10周年記念と名うったアルバムである。現在ぼくの手元のLPには、クナッパーツブッシュ指揮/ウィーンフィル・55年録音、ワルター指揮/コロンビア交響・60年録音、ヴァント指揮/ケルン放送・76年録音、ヨッフム指揮/ベルリンフィル・65年録音、クーベリック指揮/バイエルン放送・79年録音などがあるが、カール・ベーム指揮/ウィーンフィル・73年録音・LONDONを選定した。第3楽章を聴き比べて、曲の見通しの良さ、録音の良さなどから選んだ。
 管弦楽からの2曲では、ワーグナー、リヒャルト・シュトラウス、ストラビンスキー、チャイコフスキーなどいろいろな作曲家が浮かぶが、音の魔術師と言われる中より、リムスキー・コルサコフとその弟子であるレスピーギを選んだ。この二人の曲という事では、悩むことなくシェエラザードとローマの松を選ぶことが出来る。これらの曲は有名曲で、オーディオ的にも面白いので多くの演奏家が取り上げているので、さて誰を選ぶかという事になる。シェエラザードでは第4楽章「バクダッドの祭り・海・難破」を聴き比べ、アンセルメ指揮/スイスロマンド・LONDONを選定した。この曲には、それぞれの楽器の音が非常に分厚く、オーディオ的にも絢爛豪華なストコフスキー指揮/ロンドン交響のLPも面白いと思ったし、カラヤン指揮/ベルリンフィルの東洋的ムードが強い演奏もと思ったが、アンセルメの得意とする壮麗で緻密な演奏を選んだ。
 ローマの松では、未だにトスカニーニ指揮/NBC響が名盤の誉れ高いが、さすがに録音が古すぎるので対象から外した。ケルテス指揮/ロンドン響、ミュンシュ指揮/ニューフィルハーモニア管、マゼール指揮/クリーブランド管、オーマンディ指揮/フィラデルフィア管の4枚より、第4部「アッピア街道の松」を聞いて、ミュンシュとオーマンディに絞り込んだが、どちらも演奏、録音共に甲乙つけがたかった。結局この曲の演奏の知名度でオーマンディ指揮/フィラデルフィア管・73年録音・RCAに決めた。
 これだけの作業で結構時間もかかり、疲れたので大好きなモーツァルトのセレナードでも聞いてリラックスしようと思い、最近入手したカール・ベーム指揮/ベルリンフィル・70年録音・DGのポストホルン・セレナーデの第1楽章を聴きだしたら、これが大変スケールの大きい、かっちりとした美しい演奏で大変気に入りました。この曲ではコレギウム・アウレウム・76年録音・ハルモニア・ムンディの古楽器を使った楽しい演奏が気に入っていたのですが、やはりベームの演奏の方がぼくは好きです。
 という事で急遽この曲もリストに加えました。こんな調子でピアノ協奏曲で1枚、ヴァイオリン協奏曲で1枚、ピアノソナタで2枚、合唱曲で1枚の合計10枚のアルバムを選定しました。選定したアルバムは、客観的に見れば当たり前のものばかりかもしれませんが、ぼくとしては、ああだこうだと聴き比べて十分楽しむことが出来ました。大変自己満足の時間でした。残りの5枚は何を選んだかって。それはまた何時か紹介したいと思います。達人の家を訪問した折にはこの中の数枚を聴けたらいいなと思っています。






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