ジャズ・オーディオの雑記帳
 by 6041のS
ハイドンの弦楽四重奏(2014.10.26)

 吉田秀和さんの「名曲の楽しみ 第4巻 室内楽との対話」学研発行を読んでいる中で、モーツァルトに続いてハイドンの室内楽について語っている。最初にハイドンの弦楽四重奏曲第17番ヘ長調「セレナーデ」より第2楽章の冒頭部分を聞いて、次にモーツァルトのセレナーデ第13番ト長調「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」より第二楽章冒頭部分(いずれもアマデウス弦楽四重奏団)を聞いて次のように語っている。
 「モーツァルトのほうがね、ハイドンに比べるとどうしても、瑞々しい肌の匂いっていうかな、ウエットなものがある。エクスプレッションに、なんとも言葉には上手くいえませんけど、こっちの胸にしみてくる香りのようなものがある。ところがハイドンのほうは、もう少し散文的っていいますかねえ、いっていること、そのこと自身しかいわない。しかし、いかにも男らしい優しさといいますか、いかめしさが少しもない生まじめさというものがあって、要するにハッタリがまったくない音楽です」
 こんな解説で始まって、1987年の4月12日(No1と2)、4月19日(No3と4)、5月3日(No5)、5月10日(No6と7と8)、それから10月31日(No9)と、合計5回分のNHK FM放送「名曲の楽しみ」の放送内容について語っている。その中で紹介されたハイドンの弦楽四重奏曲は以下のリストによる。

 吉田秀和さんの、分かり易くて、ツボを得た、魅力的な解説で、ハイドンの80曲以上にのぼる弦楽四重奏曲を、彼の作曲した順に、その曲の特徴とハイドンがどのように弦楽四重奏の表現や作曲技法を展開したかについて語っているのを読むと、話に引き込まれてしまい、どうしても彼の曲を聞いてみようという強い思いが湧いてくる。
 ハイドンの曲から何を聞くかについては、吉田秀和さんの取り上げた曲とは別に、渡辺和さんが「クァルテットの名曲名演奏」音楽之友社という本で、次の表のような曲を推薦している。

 これらを参考にしながら、僕が持っているLPレコードをごそごそと持ち出して、作曲順、演奏者別に並べてみたのが以下の表である。

 ・タイトルが太字になっているのは、吉田さんと渡辺さんの取り上げた曲でぼくが持っているもの。
 ・コメント欄は、その演奏者について志鳥栄八郎さんが言われたことの要約。
 こうして見てみると、両者が取り上げるようなハイドンの代表曲は、複数の演奏者のLPが手元に集まっている。ぼくも、「セレナーデ」「ひばり」「皇帝」くらいは良く聞いており、改めて聞くというわけでもないが、それも含めて、吉田さんの解説と照らし合わせながら推薦曲を聞きはじめると、その特徴と良さが改めて頭に入ってくる。とても楽しい時間である。
 ぼくが持っている、吉田秀和さんの「名曲の楽しみ」全5巻を、こんな調子で読みながら音楽を聞いていると、いつ終わるか予想もできない。吉田さんの本では、「名曲の楽しみ」の続編とでもいうような、「モーツァルト その音楽と生涯」 (名曲のたのしみ、吉田秀和より) 学研発行が第4巻まで刊行されている。この本もぼくにとっては先の楽しみである。


テッド・カーソンの5枚(2014.10.27)

 知立のジャズ喫茶グッドベイトにジャズ・トランペッターのテッド・カーソンのLPがまとまって売りに出されていた。テッド・カーソンは若いころセシル・テイラーやチャールス・ミンガスのバンドに在籍し、多くの演奏を残している。ぼくが若かりし頃には、彼らの演奏をあまり聞いていないので、テッド・カーソンも名前くらいは知っていても彼の演奏がどんなだったか浮かんでこない。ミンガス・バンドで一緒に演奏したのが縁でエリック・ドルフィーやダニー・リッチモンドがカーソンのデビューアルバムPlenty Of Hornに一部参加しいる。またビル・バロンとは双頭バンドのような感じで多くのアルバムに競演している。
 マスターから話を聞き、興味が湧きアルバムすべてを買ってきた。
・Ted Curson - Plenty Of Horn (Old Town 1961)
 Ted Curson (trumpet) Eric Dolphy (flute -3,7) Bill Barron (tenor saxophone -1,2,4/6,8,9) Kenny Drew (piano) Jimmy Garrison (bass) Pete LaRoca (drums -1,2,4,8,9) Dannie Richmond (drums -3,7) Roy Haynes (drums -5,6)
 Bell Sound Studios, NYC, April 11, 1961
 ①Caravan、②Nosruc、③The Things We Did Last Summer、④Dera's Blues、⑤Ahma、⑥Flatted Fifth、⑦Bali H'ai、⑧Antibes、⑨Mr. Teddy
・Ted Curson Quartet - Tears For Dolphy (Fontana、196 4)
 Ted Curson (trumpet, pocket trumpet) Bill Barron (tenor saxophone, clarinet) Herb Bushler (bass) Dick Berk (drums)
 Studio Acousti, Paris, France, August 1, 1964
 ①Kassim 、②East 6th Street 、③7/4 Funny Time、④Tears For Dolphy、⑤Quicksand,⑥Reava's Waltz
・Ted Curson - Flip Top (Freedom、1964 )
 Ted Curson (trumpet) Bill Barron (tenor saxophone) Herb Bushler (bass) Dick Berk (drums)
 Studio Acousti, Paris, France, August 1, 1964
 ①Searchin' For The Blues、②Desolation 、③Light Blue
 Ted Curson (trumpet) The Zagreb Radio Orchestra, Miljenko Trohaska (conductor)
 "The Seventh Yugoslavia Jazz Festival", Ljubljana, Yugoslavia, summer 1966
 ① Quicksand 、②Straight Ice 、③Flip Top
・Ted Curson - Pop Wine (Futura 、1971)
 Ted Curson (trumpet, piccolo trumpet) Georges Arvanitas (piano) Jacky Samson (bass) Charles Saudrais (drums)
 Europasonor Studios, Paris, France, June 18, 1971
 ①Pop Wine、② L.S.D. Takes A Holiday 、③Song Of The Lonely One 、④Quartier Latin 、⑤Flip Top
・Ted Curson & Company - Jubilant Power (Inner City 、1976)
 Ted Curson (trumpet, flugelhorn, piccolo trumpet, cowbell) Chris Woods (flute, alto saxophone) Nick Brignola (baritone saxophone) Andy LaVerne (piano) David Friesen (bass) Steve McCall (drums) Sam Jacobs (congas)
 live in Philadelphia, PA, October 16, 1976
 ①Reava's Waltz、②Ted's Tempo
 Jim McNeely (piano) Bob Merigliano (drums) replaces LaVerne, McCall
 Downtown Sound Studio, NYC, October 17, 1976
 ‘①Song Of The Lonely、②Airi's Tune 、③Searchin' For The Blues、④Marjo
 というようなわけなので、彼の演奏とかアルバムについて訳知り顔に色々と語る自信はないが、少し演奏を聞いた感じでは、クリフォード・ブラウン系のトランペッターで、その演奏のスタイルは、ミンガスの影響を受けているような感じである。もう少し彼の演奏を聞きこんでみたいと思う。それと改めてミンガスの演奏も聞き込みたいと思っている。


野菜と肥料の与え方(2014.10.31)

 野菜をつくるに当たっては、事前に元肥として①堆肥、②苦土石灰、③ヨウリン、そして④化成肥料を施します。堆肥は1か月前、苦土石灰とヨウリンは2週間前、化成肥料は1週間前に施すのが標準です。元肥と言っても、堆肥と苦土石灰は厳密には土壌改良材の役割が主な目的です。作?に適した土壌としては、水はけが良くてかつ水持ちが良い事が大切であり、団粒構造を形成する必要があります。また施した肥料が水で流れにくく、保持性の良いことも大切です。そのために堆肥のような有機物を供給する必要があります。またこれによって土壌中の有用な微生物も活性化されます。苦土石灰は、雨によって酸性化されやすい土壌のphを調整します。主にリン酸として供給されるリンは土壌中を移動しにくいので、あらかじめ土壌全体にいきわたるように供給します。

 これら3つの肥料を施肥するに当たり注意することがあります。
 1) ニンジンとかダイコンを播種するときは堆肥を直前に入れない事、岐根の原因となる。ジャガイモの植え付けでも同様に直前に入れない事。
 2) 苦土石灰の量は対象とする野菜によって調整すること。ジャガイモでは使用しないことが望ましく、ホウレンソウでは標準の2倍くらい使用する。
 次に④番目の元肥である化成肥料ですが、N・P・Kの3要素が配合された複合化成肥料が一般的に使用されますが、肥料の効かせ方が野菜によって右のグラフのような3つのタイプ(A:ラストスパート型、B:コンスタント型、C:スタートダッシュ型)とその中間があり、それぞれの野菜に合わせた施肥管理がなされ、おおよその考え方は、下の表のようになります。

 コンスタント型やラストスパート型の野菜では、野菜の生育状況をよく見極めて、コンスタントに行っているかとか、スタートがかかったとか見極める必要があります。野菜の生育状況をどうやって見極めるかについては、例として次のような方法があります。
 ・ナス:①開花している花から生長点にある葉の枚数、②おしべとめしべの長さの比較など
 ・トマト:①先端付近の葉の巻き具合、②茎の太さなど
 ・キュウリ:①葉と巻きツル先の発生角度、②開花位置からつる先までの長さなど
 ・スイカ:①つる先の持ち上がり具合、②開花位置からつる先までの長さなど
 では適正な施肥管理が出来ていないとどのようなことが起こるのでしょうか。
 1)サツマイモがチッソ過多になると茎と葉だけが異常に成長し、それを維持するために光合成で得られた養分が多く取られ、イモが大きくならない。(ツルぼけ現象)
 2) スイカでも生育の初期に窒素が過多になると、花が咲かなかったり、落下してしまい受粉できない。
 3) トマトで第1節の受粉を確実に行って実をつけないと、茎と葉が異常に成長し2節以降の受粉が上手くいかない。
 というように、栄養成長と生殖成長のバランスがくずれてしまい、うまく収穫できないという事が発生する。これ以外にもいろいろな野菜でまずいことがいろいろ起きる。これらのリスクを軽減して効率的な作業のために、野菜別にねぎ専用肥料、キャロエース(人参)、馬鈴薯化成、大豆・甘藷用、フルーツ配合(スイカ)などの専用肥料が使用されている。
 以上のようなことを念頭に置きながら、対象とする野菜に適した化成肥料を選択し、量を決めて施肥する。その後コンスタント型やラストスパート型の野菜では生育状況を見極めながら追肥を行なう必要がある。
 と、ここまで書いたが、現実は天候とか病害虫の発生とか雑草の影響とか水の供給状況とか、野菜の生育に影響を及ぼす様々なことがあり、なかなかうまくいかないことが多い。

 (追)正確な施肥量を管理するには土壌診断をし、それに基づいて行う。また土壌酸度についてもphメータにより計測して行う。しかし、そこまでしなくても経験のある農家は、野菜の生育を見て現実的な判断をしている。本当のプロになるのは奥が深く、むつかしい。だからやりがいもあり、飽きないのであるが。まだまだぼくの道は遠いようだ。






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