ジャズ・オーディオの雑記帳
 by 6041のS
「FMジャズ喫茶Pitch」2018年3月3-4週放送分の収録(2018.2.19)

 2月から3月にかけては、ぼくの生活スタイルの中で、農ライフの修了式、開始式、確定申告、病院の定期検査(超音波、CTスキャンなど)、 所属農業団体の総会準備、などといったいつもに無い仕事が舞い込んできて、時間的余裕がなくストレスのたまる時期である。今回も、先回に引き続きオリジナル盤特集で、清水、神谷マスターの選曲でスタートする。

 

1)清水: Alfie's Theme (10:25)(オリジナル盤と国内盤の聞き比べ)
・Sonny Rollins ‎– Original Music From The Score "Alfie"
・Impulse! ‎– AS-9111
・Recorded January 26, 1966
  Alto Saxophone – Phil Woods
  Baritone Saxophone – Danny Bank
  Double Bass – Walter Booker
  Drums – Frankie Dunlop
  Guitar – Kenny Burrell
  Piano – Roger Kellaway
  Tenor Saxophone – Bob Ashton
  Tenor Saxophone – Sonny Rollins
  Trombone – J.J. Johnson, Jimmy Cleveland

 オリジナル盤と、国内盤の聞き比べであるが、先回の放送を聞いてみると、やはり放送を聞いている再生装置が、よりオーディオ的に優れているもののほうが、違いが聞き取りやすいように感じた。 今回もぼくの選曲で、ソニー・ロリンズのアルフィーよりアルフィーのテーマを取り上げた。オリジナル盤は1966年Impulse Recordsより発売のAS-9111を使用し、日本盤は1981年にMCA Records ‎より発売のVIM-5649を使用した。 聞きどころは、音圧高くヴィヴィッドの録音されたヴァン・ゲルター・サウンドということに尽きるか。

 

2)神谷: I Remember You (4:24)
・Lee Konitz ‎– Motion
・Verve Records ‎– V-8399
・Recorded New York City, August 29th, 1961
  Alto Saxophone – Lee Konitz
  Bass – Sonny Dallas
  Drums – Elvin Ray Jones

  マスターの選曲は、リー・コーニッツのモーションよりI Remember Youである。クールな即興演奏に定評のあるリー・コーニッツがこのアルバムでは、共演しているエルヴィン・ジョーンズの熱い演奏に触発されて、ホットな演奏をしているのが印象的である。

 

3)清水: Will You Still Be Mine (6:55)
・The Hampton Hawes Quartet ‎– All Night Session! Vol. 2
・Contemporary Records ‎– S7546
・Recorded the night of November 12th and morning of November 13th, 1956 at Contemporary's Studios in Los Angeles
  Bass – Red Mitchell
  Drums – Bruz Freeman
  Guitar – Jim Hall
  Piano – Hampton Hawes

  どうしてもオリジナル盤の録音の良さいついて語るときは、録音エンジニアの話もついて回る。ヴァン・ゲルダーのどちらかというとオンマイクで録音する近い音とは対照的な録音をするのがロイ・デュナンである。 彼の見通しの良い、広がりのある音を聞くにはハンプトン・ホーズのオール・ナイト・セッションは格好のアルバムである。Vol.1~3まで録音の順番に収録されている。

 

4)神谷: Sophisticated Lady (3:24)
・Billy Mitchell – This Is Billy Mitchell
・Smash Records ‎– MGS-27027
・Recorded October 29 and 30, 1962, at Universal Studios, Chicago
  Bass – Herman Wright
  Drums – Otis Finch
  Organ – Clarence "Sleepy" Anderson
  Piano – Billy Wallace
  Saxophone [Tenor] – Billy Mitchell
  Trumpet – Dave Burns
  Vibraphone – Bobby Hutcherson

  カウント・ベイシー楽団のテナーマンとして活躍していたビリー・ミッチェルの初リーダー・アルバムである。オルガン入りでアーシーな味を出しており、ボビー・ハッチャーソンのバイブも中々粋である。

 

5)清水: Moose The Mooch (6:06 )
・The Great Jazz Trio ‎– At The Village Vanguard
・East Wind ‎– EW-8053
・Recorded live February 19th & 20th 1977 at The Village Vanguard, NYC
  Bass – Ron Carter
  Drums – Tony Williams
  Piano – Hank Jones

  これは1970年代後半の、日本におけるジャズ・ピアノ・トリオ・ブームによって企画されたアルバムで、ハンク・ジョーンズにトニー・ウィリアムスが絡むという異色の組み合わせである。 このMoose The Moochという曲では、ピアノ演奏のバックにまわった時のトニー・ウィリアムスのレガートシンバルの音と、ソロを取った時のバスドラの音を楽しむのが良いと思う。

 

 レコードを再生して聞き比べると、オリジナル盤と国内盤の音の違いは圧倒的に差があるのが判るが、放送電波に乗せたらはたしてどうかと心配したが、電波に乗せても差があることが判別できるようである。 ジャズを聞く楽しみには、こういった側面もあるのである。




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