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自分がなぜこのジャズの演奏を選曲したかを言葉でどう表すか!!①素晴らしいと思ったから!②どう素晴らしいと思ったのか!
「自分が演奏を聴くときに重点に思っていることの一つが、リズムが良くスイングすることであり、この演奏ではドラムスのシンバルワークがうっとりする程良くスイングしている」などと説明する。
聞いている人は、素晴らしいと思ったから!と言われても、何が素晴らしいと思ったのかと、素朴な疑問を持つでしょう。
それでも何回か聞いていると、この人が素晴らしいと思うのはこういう演奏かと聞く側で理解できるでしょうが、時間がかかります。
だからどういうところが良いのか理由を言うと、聞き手のほうが分かった気になってくれます。でもジャズの演奏の素晴らしさを正確に言葉で伝えるということは、困難なことであり厄介なことです。
自分がどう素晴らしいと思って感動したかを簡単に表現できません。今日も説明した気分でスタートです。

1)神谷:ボロと古鉄 (8:50)
・浅川マキ – Maki VI
・Express – ETP-72011
・Recorded live 19 September 1974 at Kanda Kyōritsu Auditorium (神田共立講堂) in Tokyo
Alto Saxophone – 坂田明
Bass – 稲葉国光
Drums – 森山威男
Piano – 山下洋輔
Vocals – 浅川マキ
浅川マキの歌がジャズなのかは、ぼくにはわかりませんが、楽器を演奏しているのはまさに日本の一流ジャズマンです。演奏の雰囲気はジョン・コルトレーンのバンドのかと思うほどです。
それでも浅川マキさんはマキさんです。しっかりと彼女の歌を歌っています。

2)清水:Introduction Of Players, Darts (8:39)
・V.S.O.P. – The Quintet
・Columbia – C2 34976
・Recorded live at: The Greek Theatre University of California, Berkeley, July 16, 1977 and The San Diego Civic Theatre, July 18, 1977
Bass – Ron Carter
Drums – Tony Williams
Piano – Herbie Hancock
Saxophone – Wayne Shorter
Trumpet – Freddie Hubbard
2月の放送でハービー・ハンコック・カルテットの演奏を取り上げた時にV.S.O.P.カルテットが話題に上り、いつか取り上げたいと思っていた。 あの時のメンバーとピアノ、ベース、ドラムスは同じで、すなわちマイルスバンドのリズム隊で、そこにテナーのウェイン・ショーターとトランペットにフレディ・ハバードが加わったのがV.S.O.P.である。 ここではハービー・ハンコックが作曲した活きの良い曲、Dartsを聞いてスイングしてください。

3)大橋:High Seas (6:48)
・Art Taylor – A.T.'s Delight
・Blue Note – BLP 4047
・Recorded on August 6, 1960.
Bass – Paul Chambers
Congas – 'Potato' Valdez
Drums – Art Taylor
Piano – Wynton Kelly
Tenor Saxophone – Stanley Turrentine
Trumpet – Dave Burns
大橋さんがアート・テイラーという玄人好みのドラマーのリーダーアルバムを取り上げてきた。やはりこういう演奏を良いと思うようになったのは、大橋さんの腕が格段に上がってきたのであろう。 アート・テイラーというドラマーは大変切れの良いドラムを叩くので、リズムがスカッとしていて気持ちが良い。共演しているメンバーもそれぞれ光っている。

4)神谷:I Remember Clifford (7:00)
・Lee Morgan – Vol. 3
・Blue Note – BLP 1557
・Recorded on March 24, 1957
Alto Saxophone, Flute – Gigi Gryce
Bass – Paul Chambers
Drums – Charlie Persip
Piano – Wynton Kelly
Tenor Saxophone – Benny Golson
Trumpet – Lee Morgan
1曲目に浅川マキを持ち出した意外性のマスターが、2曲目にはなんとリー・モーガンの大定番I Remember Cliffordを持ち出した。 何で何でとみんなが疑問をもち質問すると、何かもぐもぐと言ってはっきりしないが、答えは簡単である。 マスターの店に来るお客さんでリー・モーガンの好きな人がいて、その人へのサービス精神を発揮したのである、と推測している。でもこれは名曲の名演であるので、やはり何回聞いても良いと思う。

5)清水:Marshmallow (7:50)
・Anthony Braxton – In The Tradition
・Steeple Chase – SCS-1015
・Recorded at Rosenberg Studio in Copenhagen, Denmark on May 29, 1974
Alto Saxophone, Contrabass Clarinet – Anthony Braxton
Bass – Niels-Henning Ørsted Pedersen
Drums – Albert "Tootie" Heath
Piano – Tete Montoliu
アンソニー・ブラックストンというと、マスターが昨年の11月の放送で取り上げた、コントラバスクラリネットで演奏したDonna Leeが大いに盛り上がり印象的であったが、ここではアルトサックスでMarshmallowという曲を演奏している。 Donna Leeのような意外性はなく、少しアヴァンギャルドなアルトの演奏で、テテ・モントリューのピアノが切れ味よく斬新で、スカッとした演奏である。

Pitch FMをFMラジオで聞いている人もいるでしょうがネットラジオで聞いている人もいるでしょう。ちょっと前まではリスラジでネットラジオが聞けたのが今は休止になってしまいました。
Pitch FMをネットで聞こうと思う人は、直接Pitch FMのインターネットラジオのサイトを開いて聞いてください。
ただしインターネットで使用しているブラウザーがエクスプローラーではだめで、Microsoft Edge、Firefox、Google Chromeのうちのどれかを使用する必要があります。
「FMジャズ喫茶Pitch」の放送を1昨年の11月から初めて、丁度1年半が過ぎました。始めるなら2年間は続けてくださいと大橋さんに頼まれ、ぼくとマスターで参加することにしました。
1年半もやっていると、少しはこの番組をいつも聞いているよと言って下さる固定客もおられるようです。とりあえずあと半年たつと、どうするのということになるでしょう。何かご意見のある方はお聞かせください。

