ジャズ・オーディオの雑記帳
 by 6041のS
「FMジャズ喫茶Pitch」7月1-2週放送内容(6/25収録)(2018.6.29)

 FMジャズ喫茶Pitchのマスターであり、知立市にあるジャズ喫茶「グッドベイト」のマスターである神谷さんが、7月放送分の収録日である今日(6月25日)の中日新聞の三河版の紙面に堂々と登場していた。 「はっくつ新・三河遺産」というシリーズの66回目の記事に“大人たちの隠れ家”というタイトルでグッドベイトの店内とマスターが写真入りで紹介されていた。 ジャズ喫茶も貴重な文化遺産となりつつあるのか、というようなノスタルジーを感じる記事であるが、逆に言えば改めて紹介されるように、注目されつつあるということでもある。 この番組でも、改めてジャズの魅力について大いにマスターに語ってもらいたいと思っている。それでは放送される曲順に紹介をする。  

 

1)神谷:The House Of The Blue Lights (10:01)
・Eddie Costa ‎– The House Of Blue Lights
・Dot Records ‎– DLP 25,206
・Rec.: NYC, January 29, February 2, 1959
  Bass – Wendell Marshall
  Drums – Paul Motian
  Piano – Eddie Costa

 神谷マスターが最初に取り出したのはエディ・コスタのピアノ・トリオアルバムである。このアルバムは以前にもマスターが持ってきていたが、時間の関係で紹介できなかったので、今回はトップバッターに指名してきたのである。 マスターの好きなピアニストであるが、ぼくもこういうピアニストは好きである。この人のことをぼくが知ったのは、タル・ファーロウのアルバムを聞いていて、彼の切れ味の良いギターとよくマッチングしたピアノが印象的であったからである。 エディ・コスタはビブラフォンも演奏するが、ピアノもバイブを演奏するような打楽器的奏法で演奏するので、演奏が甘くならないところがぼくの好みである。

 

2)清水:Bye Bye Blackbird (7:57)
・Miles Davis ‎– 'Round About Midnigh
・Columbia ‎– CL 949
・Recorded at Oct. 1955 – Sep. 1956
  Bass – Paul Chambers
  Drums – "Philly Joe" Jones
  Piano – Red Garland
  Tenor Saxophone – John Coltrane
  Trumpet – Miles Davis

 この'Round About Midnightというアルバムは、マイルスがコロンビアに移籍して最初に出したアルバムであり、初めて自分のレギュラーバンドを結成した中での演奏である。 Prestigeでの契約を残していたので、コロンビアのこの録音の後で、有名なマラソンセッションをこの黄金のクインテットで録音している。 このアルバムではタイトル曲の演奏が名高いが、ぼくはミディアムテンポで演奏されるこのBye Bye Blackbirdという曲が好きである。マイルスが取り上げてこの曲がジャズのスタンダードになったと思う。 Paul Chambersの芯の太いウォーキングベースに載ってマイルスのリリカルで繊細なミュートトランペットの音は何度聞いても胸にグッとくるのである。ここでのRed Garlandのピアノもこの曲想によく合っていると思う。

 

3)大橋:Somebody Stole My Gal & Blue Lou (6:24)
・Benny Goodman, His Orchestra, And His Combos ‎– B.G. In Hi-Fi
・Capitol Records ‎– W 565
・From the record back: "these sides were recorded at the Riverside Studios in New York (in November, 1954) with a single cndenser mike pickup, plus a little extra rhythm boost."
  Bass – George Duvivier
  Clarinet – Benny Goodman
  Drums – Robert Donaldson
  Guitar – Steve Jordan
  Piano – Mel Powell
  Saxophone – Boomie Richman, Al Klink, Hymie Shertzer, Paul Ricci, Sol Schlinger
  Trombone – Cutty Cutshall, Vernon Brown, Will Bradley
  Trumpet – Bernard Privin, Carl Poole, Chris Griffin, Ruby Braff

 大橋さんが持ってきたこのベニー・グッドマンのアルバムは、ぼくのジャズの知識についていろいろと情報をいただいているYOSHIさん(仮称)から、良かったら持って行ってくださいと言っていただいた数枚のアルバムのなかの1枚を、 大橋さんにおすそ分けしたものである。ベニーの端正なクラリネットの演奏と、ハリー・ジェームスではないかと思えるようなハイノートのトランペットを演奏するルビー・ブラフなど往年のスイングジャズを満喫できる演奏である。

 

4)神谷:Little Johnny C. (5:06)
・Johnny Coles ‎– Little Johnny C
・Blue Note ‎– BST 84144
・Recorded on July 9-18, 1963
  Alto Saxophone, Flute – Leo Wright
  Bass – Bob Crenshaw
  Drums – Pete La Roca (tracks: B1, B2, B3),
      Walter Perkins (tracks: A1, A2, A3)
  Piano – Duke Pearson
  Tenor Saxophone – Joe Henderson
  Trumpet – Johnny Coles

 マスターがJohnny Colesというトランペッターを取り上げた。エッ、何でと思ったが冷静に考えると、彼は一時期ミンガスのグループに所属し、ドルフィーとも一緒に演奏をしていたので、マスターが知らないはずはないのである。 このトランペッターはテクニックでぐいぐい押してくるタイプではなく、繊細なフレーズと温かい音色で情感に訴えるような演奏をするので、ここで演奏しているテナーのJoe Hendersonなんかと比べると、 地味な感じもするが、聞いていて安心できるトランペッターである。

 

5)清水:Besame Mucho (6:28)
・Wes Montgomery ‎– Boss Guitar
・Riverside Records ‎– RM 459
・Recorded at Plaza Sound Studios, New York City, April 22, 1963
  Drums – Jimmy Cobb
  Guitar – Wes Montgomery
  Organ – Mel Rhyne
  

 ぼくの2曲目は、1曲目のBye Bye Blackbirdに続いて、Besame Muchoと歌ものから選曲した。ジャズ演奏でBesame Muchoと言えば、昔のぼくならば文句なしにアート・ペッパーのタンパ盤を持ってくるところであるが、 今回はWes MontgomeryのBoss Guitarというアルバムを選んだ。ここでのウエスの演奏は、スインギーでテンポの良い演奏で、曲想に引っ張られて甘くならないのが良い。Mel Rhyneのフニャーとしたオルガンがギターを引き立たせてこれも中々良い。

 



 今回マスターが紹介したトランペッターJohnny Coles が共演したアルバムを見ていて面白いことを発見した。それはTina Brooks Quintet ‎– The Complete Recordings (Master Takes) という2枚組のCDアルバムである。
 これはTina BrooksがBlue Noteで録音した4枚のアルバムをまとめてCD化して発売したものである。Tina BrooksはBlue Noteに4人のトランペッターと共演して録音していた。 Lee Morgan、Freddie Hubbard、Blue Mitchel、Johnny Colesである。このなかで録音してすぐに発売されたのがFreddie Hibbardと共演した True Blueというアルバムのみで、あとは没後に発掘音源として発売された。 Lee Morganとの盤がMinor Move、Blue Mitchelとの盤がBack To The Tracks、Johnny Colesとの盤がThe Waiting Gameである。
 この4人のトランペッターと共演したそれぞれのアルバムを1枚にまとめたのが上記のCDアルバムである。これを聞いていると、それぞれのトランペッターの個性が際立って聞こえてきて、なかなか興味深い。

 

国語辞書の収集(2018.7.1)

ぼくは中古本販売チェーン店を巡る楽しみの一つに、国語辞書・辞典の収集というのがある。10k円以上もする本が1/10以下の値段で入手できるのである。 市販されている見出し語数20万語以上の大型辞書のうち、広辞苑、研国語大辞典、講談社カラー版日本語大辞典、大辞泉を入手した。あとは大辞林を入手したいと思っている。 見出し語数7万度程度の小型辞書としては、三省堂国語辞典と新明解国語辞典、講談社国語辞典、三省堂新辞林を今のところ持っている。この分野にはいろいろな辞書が発行されているので、集めるのが楽しみである。 辞書を集めてどうするのか。あまりこんなものを集める人はいないと思うので、人のやらないことをするだけで良いのだが、たまには言葉を引いて比較してみる。

「悔しい」
・広辞苑第4版10.68k ①取り返しのつかないことで残念である。②(相手にはずかしめられたり、自分の無力を思い知らされたりして)腹立たしい。しゃくだ。いまいましい。
・学研国語大辞典第2版11.165k ①(思い出すと、そんなことをしなければよかった、また、思い切ってすればよかったというように)自分のしたこと、または、しなかったことが腹立たしくなること。 ②(相手より自分が劣っていること、または相手に負けたことに対して)不快である。しゃくにさわる。残念だ。
・講談社カラー版日本語大辞典第2版7.573k ①負けたり、恥を与えられたり、自分の無力を知ったりして、あきらめられず、忘れられない気持ちである。残念だ。無念だ。うらめしい。
・大辞泉増補・新装版6.667k ①物事が思うとおりにならなかったり、はずかしめを受けたりして、あきらめがつかず、腹立たしい気持ちだ。残念でたまらない。②後悔される。くやまれる。
・三省堂国語辞典第6版2.7k ①人に負けたり、はずかしい思いをさせられたりして、腹が立つような、泣きたいような感じだ。(もう取り返しのつかない時に使う)
・新明解国語辞典第5版2.8k ①自分の受けた挫折感・敗北感・屈辱感などに対して、そのままあきらめることが出来ず、どうにかしてもう一度りっぱにやり遂げてみたい (相手を見返してやりたい)という気持ちに駆られる様子だ。
・講談社国語辞典第2版4.5k ①残念だ。心のこりだ。無念だ。うらめしい。
・三省堂新辞林4.7k ①失敗や恥辱を経験して、あきらめたり忘れたり出来ないさま。
・ベネッセ全訳コンパクト古語辞典1.81k ①後悔しないではいられない。残念だ。腹立たしい。しゃくだ。(自分の行為について後悔する感情を表す)

「怪獣」
・広辞苑第4版 ①あやしいけもの。不思議な獣。
・学研国語大辞典第2版 ①正体の分らない(大きな)けもの。②(人間が想像してつくりだした)巨大で不気味な形の動物。ゴジラ、モスラなど。
・講談社カラー版日本語大辞典第2版 ①えたいの知れない、あやしい動物。
・大辞泉増補・新装版 ①正体の知れない不思議な動物。②多くの恐竜に模して創作した、巨大な動物
・三省堂国語辞典第6版 ①ぶきみな感じの大きなけもの。②漫画・映画・テレビなどで作り出した、不気味で大きな動物。「怪獣ゴジラ、怪獣ママゴン(子供に対して強い勢力を持つ母親の例え)」
・新明解国語辞典第5版 ①正体の分らない、怪しい獣。②化石時代にすんでいた爬虫類などにヒントを得て漫画・映画・テレビなどで創作された、不気味で大きな動物。
・講談社国語辞典第2版 ①えたいの知れない、怪しいけもの。
・三省堂新辞林 ①表帯不明の怪しいけもの。②太古に栄えた恐竜などをモデルに創作された、超能力を持つ動物。

「悔しい」、「怪獣」という言葉をそれぞれの辞書でどう説明しているか、書きだしてみた。大型の辞書の説明が丁寧かというと、必ずしもそうではない。 20万と7万という見出し語の数の差で大型化しているが、一つ一つの言葉の説明では、むしろ小型辞書のほうが個性的で面白そうである。

 各出版社が発行している主な国語辞書の一覧を下記に示す。
・小学館 日本国語大辞典、大辞泉新選国語辞典、現代国語例解辞典
・三省堂 大辞林、新辞林三省堂国語辞典新明解国語辞典
・岩波書店 広辞苑、岩波国語辞典
・角川書店 角川最新国語辞典、角川必携国語辞典
・講談社 講談社日本語大辞典講談社国語辞典
・学習研究社 学研国語大辞典、学研現代新国語辞典
・新潮社 新潮現代国語辞典
・集英社 集英社国語辞典
・旺文社 旺文社国語辞典
・ベネッセ 福武国語辞典
 この中で太字は大型辞書、アンダーバーはぼくが入手した辞書・辞典である。まだまだ小型の中古辞書を、安価に集める楽しみが残っている。

 

ぼくがこの1週間で買い集めた本(2018.7.1)

1)物語 ヴェトナムの歴史、物語 ビルマの歴史
 いずれも中公新書であり、この「物語 〇〇の歴史」とタイトルを付けた歴史本が、すでに42冊以上発行されており、このうち29冊を入手した。一覧表を作成して、中古本屋に行くたびにチェックを入れている。
2)集英社版・学習漫画 日本の歴史 4巻、7巻、9巻
 これも全20巻のうち18巻が揃い、あと2巻を探すのみである。全巻揃ってこれを読んだならば、孫に渡そうと思っている。(受け取ればの話だが)
3)逆説の日本史13近世展開偏(江戸文化と鎖国の謎)
 井沢元彦の逆説の日本史シリーズ全21巻のうち12巻を揃えた。
4)岩波講座 転換期における人間 全10巻のうち、第2巻自然とは、第3巻心とは、第10巻文化とは
 たまたまこの3巻が店頭にあったので、興味を持って購入。岩波書店では、講座ものの現代中国とか日本の歴史、全集物の夏目漱石、寺田寅彦、岸田劉生なども集めている。
5)半七捕物帳 年代版全5巻 まどか出版
 半七捕物帳については、光文社時代小説文庫 全6巻のうち4巻をすでに入手しているが、年代順の単行本での出版であり、閉店50%割引セールに出くわしたので全巻購入。
6)岩波新書、中公新書、講談社ブルーバックスを数点ずつ購入
 この手の新書については、興味ありそうなものは積極的に購入。岩波新書で300冊、中公新書で150冊、講談社ブルーバックスで200冊程度は
7)中国名言集、続中国名言集 藤堂明保 朝日新聞社、仏教を知る辞典 菊村紀彦 東京堂出版
 興味のある中国古典に関係するもの。および仏教に関係する分野のものに出くわしたので購入。
等、等と続くが・・・

 何を言いたいかというと、シリーズ別、講座シリーズ、作家別、分野別等、興味の湧く色々な観点から本を集めてみようと思い、手帳にリストを作って、収集を始めるとだんだん面白くなり、 少し時間の余裕ができると、古書店巡りをしようという気持ちになる。
 買った本を読んでいるかというと、小説の類はほとんど読んでいる。あとは斜め読みか、拾い読みをして、その中でなかなか良いと思ったもののみ、後から読み直している。 「物語 〇〇の歴史」シリーズのようなものは、集めることに重点を置いているので、数冊しか目を通していない。
 こんな調子であるので、どんどん本がたまるが、入れる部屋を限定しているので、入りきれなくなると、割り切って古い本から順に廃却している。
 ぼくにとって古書店巡りは散歩のようなものである。そして欲しいと思った本に0.1k円とか50%割引セール等で巡り合えると、ちょっと得した気分にもなれる。




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